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日経サイエンス2011年10月号

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「シュレーディンガーの鳥? シュレーディンガーの猫」じゃなくて?」 と言うのが表紙を見たときの大方の反応でしょう。
「猫」 は勿論、ミクロの振る舞いをマクロに拡張した思考実験。 「鳥」 はその生態に量子効果が大きく関わっているのではないかというリッツ(南フロリダ大学)の仮説を元に日経サイエンス誌の作り出した造語です。

ミクロでのみ適用される量子効果(*) が本当に生物の体内で行動に影響を与えうるのか? 鳥の生態というよりは、量子力学雑論でその中のひとつの話題として触れられているだけなので、ここまで前面に押し出すのはどうかと思いますが、中々キャッチーなタイトルだと思います。

 (*)量子力学をミクロ、古典力学をマクロと大きさで分けて考えるのは、既に古びた考え方のようです。 世界は量子力学によって記述され(** )、古典力学は便利な近似値を与えるものに過ぎないというのが主流。

 ちなみに磁場を感知して飛ぶ方向を定めている渡り鳥。この記事ではコマドリのことで、磁場は脳のある部分で感知すると聞いたことがあります。しかし 人工的な磁場の中に置いても方角は見誤らない。ただし、磁場の俯角は見誤る。目隠しすると磁場には全く反応しない。 といった実験結果が上げられており、明らかに磁場をその目で見ているっぽいのです。こうした量子効果の関与する生物学的なメカニズムの研究を量子生物学というらしい。

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 (**)量子力学の本質は量子もつれにあり! 時間も空間も超越するその現象が、世界の本質だとするならば、古典力学の基本概念である「時間」と「空間」をどうにかして量子力学の言葉で記述しなければなりません。
 とこの記事を締めておいて、その次のページには「別冊日経サイエンス」の広告が載っていました。
上手いなぁ!!

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