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2019年04月09日
漁業管理ならぬ遊漁(釣り)の管理の実態2019.4
現状、日本の政策の中では「漁業と足並みを揃えた管理」が最も妥当な策となっています。対象魚種の禁漁であったり、採捕量制限が発令された時点で、遊漁活動にも同じ制限が課せられます。
この辺は、実は昨年のクロマグロ管理にかかわる部分が多く、こちらから情報出せていないので恐縮ですが、簡単に説明すると
・都道府県毎に漁獲枠を設定、枠の消化率に応じて採捕停止命令有り。
・採捕停止命令後、クロマグロを漁獲した者(漁業、遊漁問わず)罰則有り。
※たしか懲役〜3年、罰金〜200万円
これが2018年夏〜のクロマグロ管理で釣りに関わるところの主要な点です。
遊漁者向けのポスターなどでは「採捕停止命令後にクロマグロを釣ると罰則が適用になる場合があります」とあるので、「クロマグロなんて簡単には釣れないのに釣り人に対して理不尽だ」と声を上げる方も多かったようですが、全体像を観ると上2行にまとめた通りです。
また、遊漁資源として管理、レギュレーションを定めるのであればそれに相応するデータを集めることが不可欠です。資源管理関係の職場の方は皆、口を揃えて人材不足と仰っているようです。
実は2006年までは毎年、遊漁採捕量調査というものを水産庁の遊漁室という部署でとりまとめていました。
都道府県ごとに、遊漁船、プレジャーボートでの採捕量の報告を集め、その提出率等を踏まえたうえで算出し、推定値を出したものでした。
あくまで推測ですが、延縄漁等と異なり、仕掛け、ルアー、エサ、船長の腕、釣り人の経験値←等(笑)遊漁の場合データへの変動を与える要因が多すぎるため、かなり複雑で難解な公式になります。また、提出率も決して高くはなかったようで、実際の数値とはかなり異なる前提のことであったと考えられます。
おそらく、以上が現在は行われていない理由でしょう。
公務員志望で水産庁勤務の方を批判したい訳ではありませんが、ほとんど釣りをしないような方にそうした数学的分析を任せているわけですから、酷な話ではありますよね。
以下、個人的な意見ではありますが釣り人側からできることとしては
行政批判の前に情報共有であったり、リテラシーの向上だと思うんです。
やはり、どうしても初心者の方は、たくさん釣れれば持ち帰りたいでしょう。もしくは、リリース前提の釣りであるとしても魚の扱いに慣れておらず、写真撮影してる間に殺してしまったりだとか。卵持ってるから逃がしてあげようとか。
リテラシーの向上、とういう書き方をしたのはスキューバダイビングであったり他のマリンスポーツって基本イントラがいて、教本、指導者ありきで始めますよね。でも釣りは?って考えると、何も知らないままでも漁師と同じ資源を扱う側になれてしまうんですよね(笑)良くも悪くも。
情報社会の中でよりいっそう、指導者無しに始められる遊びになってしまったことも、資源の問題のみならず、釣りが抱えるルールマナー、モラルの問題に関連していると感じています。
完全に方向性ブレてるので、ここらで。m(__)m
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この辺は、実は昨年のクロマグロ管理にかかわる部分が多く、こちらから情報出せていないので恐縮ですが、簡単に説明すると
・都道府県毎に漁獲枠を設定、枠の消化率に応じて採捕停止命令有り。
・採捕停止命令後、クロマグロを漁獲した者(漁業、遊漁問わず)罰則有り。
※たしか懲役〜3年、罰金〜200万円
これが2018年夏〜のクロマグロ管理で釣りに関わるところの主要な点です。
遊漁者向けのポスターなどでは「採捕停止命令後にクロマグロを釣ると罰則が適用になる場合があります」とあるので、「クロマグロなんて簡単には釣れないのに釣り人に対して理不尽だ」と声を上げる方も多かったようですが、全体像を観ると上2行にまとめた通りです。
また、遊漁資源として管理、レギュレーションを定めるのであればそれに相応するデータを集めることが不可欠です。資源管理関係の職場の方は皆、口を揃えて人材不足と仰っているようです。
実は2006年までは毎年、遊漁採捕量調査というものを水産庁の遊漁室という部署でとりまとめていました。
都道府県ごとに、遊漁船、プレジャーボートでの採捕量の報告を集め、その提出率等を踏まえたうえで算出し、推定値を出したものでした。
あくまで推測ですが、延縄漁等と異なり、仕掛け、ルアー、エサ、船長の腕、釣り人の経験値←等(笑)遊漁の場合データへの変動を与える要因が多すぎるため、かなり複雑で難解な公式になります。また、提出率も決して高くはなかったようで、実際の数値とはかなり異なる前提のことであったと考えられます。
おそらく、以上が現在は行われていない理由でしょう。
公務員志望で水産庁勤務の方を批判したい訳ではありませんが、ほとんど釣りをしないような方にそうした数学的分析を任せているわけですから、酷な話ではありますよね。
以下、個人的な意見ではありますが釣り人側からできることとしては
行政批判の前に情報共有であったり、リテラシーの向上だと思うんです。
やはり、どうしても初心者の方は、たくさん釣れれば持ち帰りたいでしょう。もしくは、リリース前提の釣りであるとしても魚の扱いに慣れておらず、写真撮影してる間に殺してしまったりだとか。卵持ってるから逃がしてあげようとか。
リテラシーの向上、とういう書き方をしたのはスキューバダイビングであったり他のマリンスポーツって基本イントラがいて、教本、指導者ありきで始めますよね。でも釣りは?って考えると、何も知らないままでも漁師と同じ資源を扱う側になれてしまうんですよね(笑)良くも悪くも。
情報社会の中でよりいっそう、指導者無しに始められる遊びになってしまったことも、資源の問題のみならず、釣りが抱えるルールマナー、モラルの問題に関連していると感じています。
完全に方向性ブレてるので、ここらで。m(__)m
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2019年03月22日
IQ制度について‐水産資源管理
どうも星です。
海洋大生らしい話をします。
最近、何かと話題に上がる「IQ制度」というものです。
こちらのブログでは、業界のプロや専門家が解説するものと比べ、かなりラフな表現でIQ制度について説明しようと思います。
というのも、水産資源管理の分野では「ABC」「TAC」「MSY」「CPUE」の様に管理方式や、資源量の指標として略語であったり専門用語がバリバリ出てきます。海洋大で4年間勉強しても、分野が違えば理解できていない学生も少なくないはずです。
幸い、私の所属する国際海洋政策研究室ではこうした資源管理に関わる専門用語に関して日常会話で使えるレヴェルであります(笑)
今回は敢えて、
「IQ制度」って聞いたことあるけど具体的に何がいいのかわからん、説明できん。。
という方のために解説します。
そもそもIQ制度の”IQ”とは
IQ制度の正式名称は、「個別漁獲割り当て方式」といいます。
Individual(個人.個別) Quota(割当て)の頭文字をとってIQですね。
先述した様に、資源管理の分野でこうした英語での頭文字+制度や方式と呼ばれるのは、海が管理の対象である以上、日本国内だけの話では無いことが多々あるためです。
マグロ類なんかは古くから国際資源として扱われてますね。
また、どこどこの国の○○制度では〜〜な管理をしています!
っていうのが国ごと、海毎に現れたら混沌を極めますよね、
地方ごとに漁協が特殊なルールを定めている場合もありますが、
漁獲量(獲る量)の制限 ということで考えると、方法は2つのはずです。
イメージしやすいように、
とある国に湖があるとします。
その湖で漁をする漁師は5人いるとします。
資源量調査の結果、天然の魚1種類がその湖に全体で100匹生息しているだろうという結果が出るとします。
その魚の再生産性(繁殖力や生存力)を考慮し、年間に40匹まで獲ってもよいことになりました。
(※天然資源100匹は現実であれば絶対に漁獲できません※)
では、この魚の漁獲上限をどこに設定するか???
湖全体、国に設定するパターンがパターン1
TAC制度というやつです。Total(トータル、すべての)Allowable(許容、許される)Catch(獲る、漁獲)
日本語で「総漁獲許容量」と呼びます。
そしてパターン2
漁師が5人で1人あたり8匹まで個人に漁獲枠を設定するパターン。(5人×8匹=枠40匹)
これが個別割当制度、IQ制度、またはIQ方式というものです。
実際は漁獲枠はトン数表記ですが、今回説明するのにイメージしやすいように、単純に数で表しました。
漁獲枠の配分の仕方ということでイメージしていただければと思います。
いま、説明したIQおよびTAC制度、近年は日本でも両方式が魚種漁法ごとに採用されています。
IQ,TACのメリットデメリットについては、読者様へ考える時間を設けるという意味でも、
また次回以降改めて、説明します。
今回は、漁業分野において「TAC」や「IQ」という文字に出くわした際
TAC→総漁獲許容量
IQ →個別割当
という意味が理解できるようになっていただければ幸いです^^
また、次回お会いしましょう
では!
星 2019.3.28
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