ギュスターヴ・フローベール原作「ボヴァリー夫人」のストーリーを逆手に取り、コミカルかつ抒情的に仕上がった、なかなか面白い映画です。
本好きのパン屋が、読んだ本のストーリーを現実に被せて妄想化させ、あげくの果てにとんでもない結末が待っているというユニークな構成です。
あらすじ・背景
マルタン(ファブリス・ルキーニ)は、緑豊かなフランス・ノルマンディ地方でパン屋を営む中年男性。
その近所にジュマ・ボヴァリー(ジェマ・アータートン)と夫が夫婦で引っ越してきます。
マルタンが今読んでいる本「ボヴァリー夫人」と同じ名前だったことと、色気のある美人だったので一瞬で気になる存在に。
彼女は自分のパン屋を贔屓にしてくれ、以降、お店でちょくちょく会うことになります。
しかし、その後夫人に起こったことは、マルタンにしてくればちょっと放っておけない事ばかりでした…。
あらすじ・ここが見どころ
(引用:facebook公式
https://www.facebook.com/gemmabovery.lefilm/ )
◇パン屋に来てくれ喜ぶマルタン
近所とはいえ、いつもはボヴァリー夫人を遠目に見るだけだったマルタン。
ある日、夫ともにマルタンの店に来てくれます。
自慢のパン作りの蘊蓄を夫人に語るマルタン。彼女は話をじっと聞いたあと、マルタンのすすめるパンを一切れそっと口に。
このシーンは、本当にパンの香しい匂いが漂ってきそうでゾクッとします。
◇パン粉をこねながら膨らむ妄想
馴染みになった夫人と、マルタンはパン作りのコツを教えるまでになります。
パン粉のこね方を夫人に教えるマルタンを見ていると、彼の心臓の鼓動が聞こえてきそう。
次第に官能的な想像が彼の中でふくらんでいきます。
そこには、愛読書の「ボヴァリー夫人」をなぞる彼だけの勝手な妄想がありました。
◇夫人と若い青年の不倫現場を発見!
しかしある時、マルタンは意外な状況を目にすることに。
長らく留守であった近所のお屋敷に、一人の学生が勉強部屋に使うために戻ってきたのです。
マルタンはその青年と夫人が密会している現場を発見。
夫もしばらく帰って来ないのも気がかり。余計なこととはいえ、マルタンは不倫をする二人に干渉し出したのです。
クライマックスからエンディングへ
一方で、夫人には彼女の家にやってくる元カレがいました。夫人は相手にしないのですが、しつこく迫る元カレ。
ある時、元カレが夫人の家を訪問すると玄関先にマルタンの作ったパンがおいてありました。
元カレは、それを夫人に渡し彼女がパンを食べた直後、とんでもない殺人?事件が起こったのです。
感想とおススメ度
最後のエンディングはミステリーで、謎解きとして楽しんで下さい。
ヒントは「男と女がもみあっている!」。
「もみ合う姿」は、見ようによっては掴み合いのケンカ?しかし、見ようによっては愛し合っている?
いろいろ見どころのあるおススメ映画です!
【このカテゴリーの最新記事】