「履歴書」。
住所・名前、学歴といった表面(1ページ目)をひと通り書いた後、裏面(2ページ目)に来た時、ふとペンが止まるのは 「趣味欄」です。
これが新卒者にも転職者にも、意外と悩みの種という話をよく聞きます。
「自慢できる趣味がない。」「趣味はあるけど、履歴書に書くほどではない。」など…。
そして、意外と多いのが書くことがないのでとりあえず「映画鑑賞」にしたという人です。
でも、実はこのとりあえずの「映画鑑賞」は面接質問で思わぬ落とし穴にはまりがち。
今記事では、「映画鑑賞」と書いた以上、自信をもって面接を乗り切る方法について解説したいと思います。
<今回使用する具体的映画『フォードvsフェラーリ』>
『フォードvsフェラーリ』 は、2020年に日本公開された、世界的カー・レース「ル・マン」が舞台の話題映画です。
面接での使い方を後ほど紹介しましょう。
(冒頭画像共、引用:facebook.com/24heuresdumans/)
■企業が「趣味欄」を面接質問に使う理由
まず最初に、趣味欄を就活や転職の面接質問で使う理由を説明しましょう。
面接は、受験者が志望する会社にマッチするかどうかだから、一番は能力や志望動機に関することが第一で、趣味は二次的なものと思っていませんか?
確かに一理あります。
しかし、志望者の全体像をつかむには趣味や特技のような話の方が 人間性や性格的なものがよくわかるもの。
また、能力や動機といった固い質問に志望者は身構えてしまいがちですが、趣味の話の方が意外と 「本音」を見ることができ、趣味欄にポイントを置く会社があるのです。
■楽しく本音を語らせるための「趣味欄」
面接質問の順番は、一般に本人のプロフィール、自己PR、志望動機といった硬めの質問(履歴書の表部分)が終わると、面接官は履歴書の裏面(趣味や特技など)に移ります。
面接官は、この辺からそろそろ本音を引き出してやろうかと思います。
その目的にピッタリの質問が「趣味」です。
ちょっと気分をやわらげ。こんな風に尋ねてきます。
「おっ!〇〇君は、映画鑑賞が趣味なんですね!」
「映画はよく見るのですか?」
「最近見られた映画でおススメはありますか?」
といった感じでしょうか。
■「適当に書いた」と見透かされないために
こういった質問に、まさか「いや〜、あまり趣味といっても大したありません。時々DVDを見る程度です…。」
と言ってしまっては元も子もありません。
「なんだか面白味のないヤツだな〜。どうせ仕事も大したことできないかも…。」
これが、正直に答えた場合に陥りがちな落とし穴です。
『ハイッ!趣味は映画鑑賞で気分転換には最高なので、映画館や動画配信で定期的に楽しんでいます。』
「映画のどんなところが気分転換になりますか?」
『ハイッ!もともと自分は活動的な方でアクション映画が好きです。ちょっと落ち込んだりした時のガン・アクションや、カー・アクション映画はスカッとさせてくれます。
また、一生懸命生きた人のヒューマン・ドラマだと、つい頑張る主人公に自分を被せてしまい元気になれます。』
■最近見た映画で、確実に自己PRしよう!
ここまで書くともうおわかりかもしれませんね。
映画が好きと言いながら、実は うまく自己PRに繋げているのです。
趣味に「映画鑑賞」と書いた以上、恐れるのは「映画のことなら何でも知っている」と思われることではないでしょうか。
いまさら、映画通になれといっても無理な話です。
そこで、観た数は少なくても全然かまいません。
最近見た映画や以前の印象に残っている映画を整理し、これを題材にして正面突破する方法があります。
そのために、いずれ質問される 「好きな映画は?」「印象に残っている映画は?」「どういったところが?」 でクリーンヒットを飛ばすために、とっておきの映画をあらかじめ選んでおきます。
極端に言えば、面接前夜に好きな映画を1本、DVDなどでおさらいしてもいいぐらいです。
■『フォードvsフェラーリ』を題材に面接突破
引用:facebook.com/24heuresdumans/
では、『フォードvsフェラーリ』を取り上げ、「趣味は映画鑑賞」をPRするための具体的な応答を紹介しましょう。
あらすじを簡単に紹介すると次のようになります。
カーレース・ファンならずとも誰もが知ってる、フランスの有名な24時間耐久レース 「ル・マン」が舞台の物語です。
主人公は、1960年代の伝説のカー・レーサー、 「ケン・マイルズ」 (クリスチャン・ベール) と、彼に夢を託し一緒に戦った元レーサー 「キャロル・シェルビー」 (マット・デイモン) の物語です。
ケンは、職人肌の頑固者ですが一流レーサーの資質を持つ存在。
アメリカ・フォード社オーナーの会長から、「打倒イタリア・フェラーリ!」という特命を受けたキャロルは、くすぶっていたケンを担ぎ出し初めてアメリカ車のル・マン優勝に挑戦します。
参考記事:『『フォードvsフェラーリ』、ル・マン66に挑んだ伝説のケン・マイルズ』
■自己PRができるネタ探し
さて、この映画には自己PRに使えるさまざまな見どころがあります。
たとえば、ケンとキャロルが罵りあいながらも目的を共有する 友情秘話。
失敗を繰り返しながらも、一向にへこたれない 挑戦心。
夫婦愛に助けられ初志貫徹をするケンの執念。
フォード社幹部の横やりにもめげず信念を貫く 心意気。
そして、 ストレス解消にはもってこいの、轟音でレースを突っ走るカー・アクションなどなど。
これらは、ビジネスや自己成長に通じるネタがいくつもあり、面接の自己PRの材料に事欠きません。
■面接での具体的な応答例文
「〇〇さん、趣味の映画鑑賞について述べて下さい。」
『ハイッ! 私の趣味は映画鑑賞です。正確に言うと 映画から元気をもらい、前向きに頑張ることです。
本数的には多くはありませんが、コレッ!と思える映画を選んで鑑賞するようにしています。』
「最近ではどんな映画を観ましたか?その映画が好きな理由は?」
『ハイッ!私が最近見た映画で一番印象に残っており、元気をもらったのは「フォードvsフェラーリ」です。「ル・マン」で優勝を狙う二人の感動的な物語です。
好きな理由は、二人が罵りあいながらも 目的を失わないこと。そして、他者の 横やりに負けない信念を持っていたこと。この2点です。』
まとめ
履歴書の趣味欄で困った挙句に、「映画鑑賞」と書くのは全然問題ありません。
ただ、友達から「好きな映画は?」と聞かれ、たとえばオカルトやホラーと言いたいのとちょっと事情が違うのが就活の面接質問です。
ちょっとだけ 「落としどころ」(好きな理由、印象に残った点)の作戦だけ考えておけば十分通用しますので安心して下さい。
さあ、探せば就活に役立つ面白い映画がいっぱいありますよ!
フォードvsフェラーリ (字幕版)
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