なにそれって感じですが、今、映画は音楽とのシナジー効果を狙った音楽映画がちょっとしたブーム。
フレディ・マーキュリー(クイーン)の『ボヘミアン・ラプソディー』、エルトン・ジョンの『ロケットマン』、レディー・ガガの『アリー/スター誕生』。
そして、ビートルズの楽曲を取り上げたのがこの『イエスタデイ』。
参考: 『アリー/スター誕生』
英音楽メディア『Mojo』は、背景として、聴いて観て楽しむ「YouTube」の影響が大きいと分析しています。
確かに、この『イエスタデイ』もビートルズの音楽を聴いて観て楽しめる構成になっているのが特徴です。
誰もが知ってるはずのビートルズが…
ビートルズが活躍したのは、1960年代〜70年代。
誰もが知っている、20世紀を代表するアーティストと言われる一方で、ビートルズを知らない世代が増えているのも事実。
そこを逆手に取った「ビートルズ愛」がこの映画です。
ある時、時空が歪んだのか(?)世界中が一斉に12秒間停電。
イギリスの田舎町に住む売れないミュージシャン、ジャック・マリック (ヒメーシュ・パテル) は、自転車に乗っていて暗闇の中で事故に遭遇。
目覚めると、世の中から一切ビートルズを知る者が消えてしまったという設定です。
参考: ヒメーシュ・パテル<ピンタレスト画像>
ビートルズを知っていた唯一のミュージシャン?
(引用: https://www.facebook.com/Yesterday/ )
◇「イエスタデイ」を友達に弾いて聞かせると…
ギターが事故で一緒に壊れたため、退院祝いにマネージャーのエリー・アップルトン ( リリー・ジェームズ) と友達から新しいギターをプレゼントされます。
ビートルズを誰も知らないのではと最初に気付いたのが、みんなの前で「イエスタデイ」を弾いた時。
ジャックの弾く曲に、全員うっとり!
そしてみんなに質問されたのが、「いつの間に、そんな素敵な曲を作ったの?」。
ジャックは、全員に馬鹿にされたように憤慨するのですが、みんなはキョトンとするだけ…。
参考: リリー・ジェームズ<ピンタレスト画像>
参考: リリー・ジェームズ主演映画『ガンジー島の読書会の秘密』『マンマ・ミーア ヒア・ウィ・ゴー』。出演映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』『ベイビー・ドライバー』
◇「Beatles」で検索すると「クワガタムシ」が
家に帰ったジャックは、まさかという気持ちでインターネットで「Beatles」を検索。
出てきたのは、「車」と「クワガタムシ」と(beetle)だけ。
以降、ジャックは半信半疑で身近な人やコンサートでビートルズの曲を聴かせてみせるのですが、みんな初めて聴く様子で、曲の素晴らしさに喝采を送ってくれるのでした。
ジャックが住む小さな町のこと、彼がすごいミュージシャンだという噂はすぐ広がり、地元のテレビ番組の出演も決まります。
◇エド・シーランからロシア公演の前座の依頼
それからというもの、彼の噂はどんどん広がり、一気に全国レベルへ。
さらに彼の才能の可能性を見出したのは、なんとエド・シーラン(現役有名ミュージシャン、本人が出演)。
モスクワ公演の前座を頼まれることになります。
ここでは、「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」(※U.S.S.R.は旧ソ連名)を披露し、聴衆者の大喝采を浴びます。
エド・シーランは、彼が素晴らしい楽曲を1人で生み出す能力に脱帽します。
しかし、それは当然といえば当然。
ジャックしか知らない、ビートルズの曲を次々と披露すればいいのですから…
アメリカ・ロサンジェルスからのオファー!
そして、ついにジャックの実力(?)は、ロサンゼルスのエージェントの目に留まることに!
マネージャーは、敏腕のデブラ・ハマー( ケイト・マッキノン)。
ジャックに、「いくらでも稼がせてあげる!」と持ち掛けたのです。
参考: ケイト・マッキノン<ピンタレスト画像>
ちなみに彼女は、『ゴーストバスターズ』にユニークなキャラで登場。この映画でも思う存分楽しませてくれます。
さて、そんなジャックですがひとつの心残りが。
それは、イギリス時代に元マネージャーとして、自分をずっと支えてくれていたエリーのこと。
エリーは、ジャックが自分から離れていく淋しさを彼に訴えていたのです。
まとめと感想
ジャックの悩みは、エリーの気持ちに正直に答えられずにいること。
それはまるで、「イエスタデイ」の歌詞そのものでした。
? Why she had to go
I don't know, she wouldn't say
I said something wrong
Now I long for yesterday ?
エンディングは「ヘイ・ジュード」!
愛くるしいリリー・ジェームズの涙に誘われながらもらい泣き。クレジットが流れても帰れません。
最後の映像は、今作とは別に、ビートルズを愛する人たちのフラッシュモブ(合唱)です。
世代、国、地域を超えて愛される「世界のBeatles」が実感できる映像なので紹介します。