簡単な所感としては、
1.現場レベルのことはまだ何も決定していない
問題を想定していないわけではなく、検討自体は進められている様子。でもこの一年が勝負な気がします。
2.様々なIDを利用したリンク機能が強化される
一部手動で設定していたリンクが、自動化されるかもしれません。他にも、NIIを通じてのILLなどは、効率化が進む可能性もあります。
3.TRC-MARCやJP-MARCにもNCIDがつく?
ILLには大きな要素。ただし、既存のものにもつくのか?すでにローカルで登録しているものにはどうするのか?どこかで一括でメタデータをCSVやTSVやらでダウンロードできるのか?
4.名寄せ率は94%
あと少し。関係ない書誌が混ざるのも怖いですが、名寄せされていなければいけないものが除外されるのも怖いですね。がんばってほしいけど、メタデータは人が作るものである以上、100%は無理な気もします。書誌の並列を許容するとは言いつつ、並列させるには何らかの制限もかかるみたいなので、無駄な書誌が増えなければ、自ずと精度が上がると思います。
5.書誌が物理単位になることでOPACはどうなる?
利用者に一番影響するのはここですよね。これまではVolについては、一つのデータにまとまっていましたが、それがばらばらに表示されると、利用者にとってはとても見づらくなります。ここへの懸念が一番多いみたいです。親書誌リンクがほとんど必須の扱いになる、という話ですが、親書誌リンクだと叢書とかも拾ってしまうのでなかなか大変。
書誌データから、何巻から何巻まで持っている、というデータを読み取ることができなくなるのもなかなか曲者。特殊な巻号を持つ者の場合、ソートにも影響します。(実は、単純な上巻中巻下巻でも、何も考えずにソートすれば下巻、上巻、中巻になってしまいます)「Volリンク」や「Vol表示順」みたいなフィールドがあれば、アルゴリズム的には楽なのですが、現場がひと手間増えてしまいます。システム開発者の腕の見せどころかもしれませんね^^
6.図書館サービスプラットフォーム(LSP)の検討
Ex Libris社の「Alma」のようなものの導入を検討するようです。実際電子ジャーナルの管理はなかなか面倒なので、あればいいなあ、とは思います。現在はAlmaがデファクトスタンダードとなっていますが、海外ではオープンソースの開発も進められています。日本だとやっぱりNIIが中心になるのでしょうか?
楽になるポイントもあれば、デメリットも当然出てきますが、様々なデータの連動性を高めていくことは、一大学図書館にとどまらないデータの広がりの可能性があります。最終的には絶対にメリットのほうが大きくなるので、今後の動きに注目です。
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