一見無秩序にみえる図形や
自然の中に
顔が見える症状のことです。
錯視とも言います。
パレイドリアが注目される理由の一つに
病気との関連があります。
パレイドリアテストを行うと
レビー小体型認知症の患者さんでは
有意に
パレイドリアを起こす頻度が多くなります。
これは
脳の後頭葉の血流低下と関連しているといわれています。
同じ認知症でも
アルツハイマー病では
パレイドリアは認められません。
オキシトシンとは
オキシトシンは
男女関係なく
誰でも持っている小さいタンパク質です。
小さいたんぱく質をペプチドとも言います。
オキシトシンは
アミノ酸9つからできています。
システイン
チロシン
イソロイシン
グルタミン
アスパラギン
プロリン
ロイシン
グリシン
8種類ですが、
システインが2つあるために
合計9つのアミノ酸となります。
オキシトシンは
小さい分、分解もはやく、
数分で血中から消えてなくなります。
オキシトシンの効果
脳の中の下垂体という場所からオキシトシンは分泌されます。
もう少し詳細にいうと
下垂体後葉からオキシトシンは分泌されます。
その後、オキシトシンは
血流にのって全身に運ばれます。
赤ちゃんを出産した女性では
おっぱいの(乳汁)でをよくします。
そのため、欧米では
オキシトシンがすでに
シントシノン(Syntocinon)という
お薬として販売、適応されています。
また
顔をみると
赤ちゃん、お母さんともに
オキシトシンが
分泌されるという報告があります。
スキンシップでもオキシトシンが分泌されます。
オキシトシンには
愛情や信頼感を増す効果があります。
お母さんが
おっぱいを赤ちゃんに上げるときには
お母さん赤ちゃんの
愛情、信頼関係が築かれているのかもしれません。
オキシトシンの顔認識における影響
パレイドリアの方では
オキシトシン分泌はどうなっているのでしょうか?
残念ながら
私が探した限りでは
このような研究を見つけることができませんでした。
「パレイドリア」ではなく
「顔を認識する」という
キーワードにすると
以下の文献がヒットしました。
イギリスのグループからの報告です。
Cortex. 2014;50:55-63.
doi: 10.1016/j.cortex.2013.08.006. Epub 2013 Aug 27.
Intranasal inhalation of oxytocin improves face processing in developmental prosopagnosia.
オキシトシンを経鼻的にいれ、45分後に
顔をスクリーン上で認識します。
結果として
イギリスの報告では
オキシトシンは
発達性Prosopagnosiaの患者さんの顔認識症状を良くしうると
結論付けています。
「oxytocin can improve face processing in
developmetal prosopagnosia.」
Prosopagnosiaとは日本語で
相貌失認(そうぼうしつにん)です。
相貌失認は「顔」を認識できない症状のことです。
特に顔を見てもその表情が識別できない、
また
だれの顔か解らないため、個人の識別も出来なくなります。
オキシトシンによって
この相貌失認の症状が改善されうるということです。
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