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過去の連載「承認されても半年間宙ぶらりん 肥満症薬が発売されない謎」で紹介した肥満治療薬の「ウゴービ」がついに発売されることになりました。医療機関に課せられた条件が厳しいため、処方可能な施設はかなり限定されると予想されますが、それでも肥満治療の選択肢が広がったことは歓迎すべきです。ただ、現実としては糖尿病治療に使われるGLP-1受容体作動薬を用いたダイエット(以下「GLP-1ダイエット」)は美容系クリニックで10年以上前から実施されています。体重減少に成功した人も大勢いますが、「副作用」で苦しんだ人もいます。また、思いもよらぬ「恩恵」にあずかっている人もいます。今回は谷口医院の患者さんのエピソードを紹介しながら私見も交えてGLP-1ダイエットの「光と闇」を取り上げます。
2010年ごろに登場した新手のダイエット法
まずはGLP-1ダイエットの「歴史」を振り返っておきましょう。最初に登場したのは2010年ごろで、毎日注射するタイプの「サクセンダ(リラグルチド)」が主流でした。リラグルチドはノボノルディスクファーマ社が「ビクトーザ」という商品名で国内販売している糖尿病治療薬の一般名で、欧米では「サクセンダ」の名称で体重管理薬として販売されています。日本では体重管理薬としての承認は受けていないので、クリニックが輸入して患者に処方していました。そのノボ社がビクトーザの次に販売を開始したのが、週に1度注射するセマグルチドで、日本では糖尿病の患者さんに対して、「オゼンピック」という商品名で処方されています。20年代に入った頃から、ダイエットの主役はこのオゼンピックに置き換わり、さらに21年からは同じ成分を内服薬にした糖尿病薬「リベルサス」がラインアップに加わりました。今回、肥満治療薬として発売が決まったウゴービも、オゼンピックと同じ成分のセマグルチドです。23年4月には日本イーライリリーからGLP-1ダイエットの「第2世代」とも呼べる、より強力な「マンジャロ」(チルゼパチド)も登場しました。
GLP-1ダイエットは比較的副作用が少なく(厳密には、後述するように副作用はありますが、重篤な副作用の頻度は少ない)、高い効果が期待できるため、美容クリニックのみならず、一般の保険診療のクリニック、さらには一部の糖尿病専門医までもが自費診療での処方に手を出すようになりました。一方で、日本医師会や日本糖尿病学会は一貫してダイエット目的で処方する医師を非難しています。問題としているのは、健康な人が医薬品を使用することで副作用…
タグ: ダイット
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