2011年08月22日
資生堂が、体感温度と香りの関係について興味深い研究結果を発表した。この研究では、人は「香り」で涼しさや暖かさを体感できるということが明らかになっており、特にペパーミントの香りが"冷たさ"を感じさせる香りだという。暑い日が続く今、爽やかな香りをかぐことで、より涼しく快適に夏を過ごすことができる。
資生堂リサーチセンターでは、20代後半の女性36名に32種類の香料をかいでもらい、その香りから受ける温かさや冷たさの印象を7段階で評価するという実験を実施。甘いバニラの香りをかいだ人は、約9割が「非常に温かい」、「温かい」と感じた一方で、清涼感のあるペパーミントの香りについては、約7割が「非常に冷たい」、「冷たい」と回答している。香りをかぎながら同じ温度のクリーム(無香料)を腕に塗る実験では、バニラの香りをかぎながら塗った場合、約9割の人がクリームを「温かい」、「やや温かい」と感じ、ペパーミントの香りをかぎながら塗った場合は、約9割の人がクリームを「冷たい」、「やや冷たい」と答えた(実験参加は各香りで18名ずつ、5段階評価)。
また、水槽に手を入れて温冷感を評価する実験では、「やや温かい」と感じた水温が、無香の場合は32℃、ペパーミントの香りをかぎながらの場合は28℃という結果が得られた。ペパーミントの香りをかぐことで、水温が4℃低い水に手を入れているのと同様に感じるという結果が出ている(実験参加者12名)。
調査結果に対し、資生堂リサーチセンターで香りの研究を行う副主任研究員の庄司 健(しょうじ けん)氏は「私たちは、普段、様々な感覚を働かせて外界から情報を得ていますが、その情報に関連する過去の経験が大きな役割を果たしていると考えられます。ペパーミントの香りに接した際に経験した冷たさの記憶や、すっとする香りのイメージも『冷たい』という感覚に影響しているものと考えられます。」と分析。ペパーミント以外では、スペアミントやカモミール、ライム等の香りも"冷たさ"を感じさせるという研究結果も明らかになっている。
■資生堂公式サイト
http://www.shiseido.co.jp/
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