フレロビウム (flerovium) は、原子番号114の元素。元素記号はFl。超ウラン元素、超アクチノイド元素のひとつである。
目次 [非表示]
1 歴史
2 特徴
3 命名
4 出典
歴史[編集]
1998年12月、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所でプルトニウムとカルシウムの衝突実験により生成された[1]が、再確認が進んでいなかった。
\,_{{94}}^{{244}}{\mathrm {Pu}}+\,_{{20}}^{{48}}{\mathrm {Ca}}\to \,_{{114}}^{{292}}{\mathrm {Fl}}^{{*}}\to \,_{{114}}^{{289}}{\mathrm {Fl}}+\,3{}^{{1}}{\mathrm {n}}
2009年9月、アメリカのローレンス・バークレー国立研究所が287Flと286Flの生成に成功したと発表[2]した。
2010年6月にはドイツの重イオン研究所も288Flと289Flの生成を発表[3]した。このほか、理化学研究所では鉛とゲルマニウムからの元素合成が試みられている。
\,_{{82}}^{{208}}{\mathrm {Pb}}+\,_{{32}}^{{76}}{\mathrm {Ge}}\to \,_{{114}}^{{284}}{\mathrm {Fl}}^{{*}}\to \,?
特徴[編集]
原子番号114は陽子の魔法数なので、フレロビウムは前後の核種より安定で長い半減期を持つ可能性が高い。さらに中性子の魔法数184を併せ持つフレロビウム298は、半減期が数年に及ぶと予想されており、目に見える物体として物理的・化学的性質を測定できる期待がもたれている(安定の島)。
第14族元素で周期表では鉛の下に位置する。このため「エカ鉛」として酸化数+IIと+IVを持つ灰色光沢の卑金属性質が予想されている。一方、電子軌道の相対論効果や不活性電子対効果により、化学的な性質が希ガスに近い可能性[4]があり、その場合はラドンのような物性を持つと見られる。
命名[編集]
正式名称が決定するまでは、ウンウンクアジウム (Ununquadium, Uuq) という元素の系統名で呼ばれており、史上初めて「Q」を使った原子記号となっていた。
2011年1月、IUPACとIUPAPの113から116および118番元素についての合同作業部会は、114番と116番元素について早期に新元素発見と認定すべきとする報告書[5]を発表した。
ドゥブナ合同原子核研究所は、設立者ゲオルギー・フリョロフにちなんでFleroviumの名称を提案した。2011年12月にIUPACにより同案が発表され[6]、2012年5月30日に正式決定されたことが発表された[7][8][9]。日本語名称は、2012年6月に日本化学会により決定された[10]。
出典[編集]
1.^ Synthesis of Superheavy Nuclei in the 48Ca+ 244Pu Reaction アメリカ物理学会
2.^ Discovery of the Element with Atomic Number 112 IUPAC
3.^ Production and Decay of Element 114: High Cross Sections and the New Nucleus 277Hs アメリカ物理学会
4.^ GAS PHASE CHEMISTRY OF SUPERHEAVY ELEMENTS、30ページ パウル・シェラー研究所
5.^ Discovery of the elements with atomic numbers greater than or equal to 113 IUPAC
6.^ “News: Start of the Name Approval Process for the Elements of Atomic Number 114 and 11” (英語). IUPAC. 2011年12月4日閲覧。
7.^ Element 114 is Named Flerovium and Element 116 is Named Livermorium IUPAC
8.^ 二つの新元素、正式命名=合成成功の研究所から(時事通信)
9.^ 元素2つ仲間入り、計114に 国際機関が認定(朝日新聞)
10.^ 114番元素Fleroviumおよび116番元素Livermoriumの日本語名称が決まりました
広告
posted by fanblog
2014年02月13日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2233736
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック