オイラは幼いときから女子によくもてた。
オイラは女子が好きだったわけではない。女子には関心がなかった。
小学校に入る前には児童館というところに通っていた。
幼稚園のような、保育園のようなところだった。
共稼ぎの親が仕事をしている間に預けるわけだからどちらかいえば保育園に近かった。
オイラは4月からではなく途中から児童館に通いだした。
一人の女子がオイラに一目惚れした。
それまでは父親でもダメ、母親でもダメ、おじいちゃんに連れて行ってもらわなければ
絶対児童館に行かないといっていたその女子は
オイラが児童館に入ると、オイラに会うのが楽しみでおじいちゃんじゃなくても
ちゃんと児童館に通うようになった。
遊ぶときはいつもオイラのそばから離れなかった。
オイラは体が弱くて児童館を休みがちだった。
オイラが児童館に来ていないとその女子は泣いて家に帰った。
小学校に入学した。
1,2年生ではその女子はクラスが別だった。
3年生でクラスが一緒になってしまった。
その女子は休み時間になるとオイラの後ろから抱き付いてきて、
オイラのほっぺたやおでこにぶちゅっとキスをした。
オイラは嫌だった。
オイラは女子に興味がない。
女子にキスをされるのは泣きたいくらい気持ち悪かった。
「やめろっ!」「やめろっ!」と泣いて逃げ回った。
しかしその女子はどうしてもやめてくれなかった。
それどころかエスカレートしてほっぺたじゃなくて口にキスしたいと言い出した。
ほっぺたでさえ泣きたいくらいに気持ちが悪かったのにそれだけはされたくなかった。
休み時間になるとすぐにどこかに逃げなければならないのに
オイラはいつも油断して抱きつかれてはキスをされた。
「100回キスしたら許してあげる」その女子は言っていた。
毎日数を数えながらキスをされた。
90回目くらいになるともう腹をくくった。もうすぐ終わるんだ。
90台になるとついに守り続けてきた唇まで奪われてしまった。
オイラの初キスは女子だった。
100回目を迎えて、これでこの女子から解放される。そう思ってほっとした。
しかし、その女子は「じゃあ今度はまた100回」と言った。
「やめろっ!」「やめろっ!」必死で抵抗したがその女子は肉食系だった。
地獄のような小学生時代だった。
そしてオイラは中学に入ってバスケ部に入った。
1年、2年は平和だった。
3年生になるとオイラを気に入ってバスケ部に入ってきた1年の女子がいた。
ずっとオイラの後に付きまとう。
オイラはキャプテンだった。
その女子を徹底的にしごいた。「腹筋50回」「腕立て伏せ20回」
他の1年の女子にはやらせなかったがオイラはその女子が気持ち悪かったから
その女子だけを徹底的にしごいた。
それでもその女子は「えへへぇぇ〜〜」とにたにた笑いながらオイラの後をついてきた。
めげない女子だった。
そしてソフトボール部の2年の女子が友達を連れて現れた。
告白しに来たのだ。交際して欲しいと。
女子のオイラに交際して欲しいと言われてもオイラはどうしてよいかわからない。
「交際って、普通に友達みたいにしてればいいんだよね?」
とりあえず聞いてみた。
しかしその女子は「友達みたいにじゃなくて・・・」と言った。
オイラだって女子なんだ。
女子が女子と友達みたいにじゃなくてどんな交際を望んでいるんだ!
訳がわからなくてオイラは結局その女子を振った。
オイラは女子なんだ!
オイラは女子なんだーーーーーーーーーー!!!!!!
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