通常は隠されがちな首相の健康問題が、こうも簡単に表に出てくることについて、疑念を抱く関係者も多い。ある関係者は「石破潰しの狙いがあるのではないか」と指摘した。どんなカラクリなのか——。
最近の安倍首相に健康不安説が付きまとっていたのは事実だ。写真週刊誌「フラッシュ」による吐血情報に始まり、歩くスピードが遅くなっているとの指摘があったり…。さらに首相と親しい甘利明税制調査会長が「数日でもいいから強制的に休ませねばならない」と健康不安を事実上認めたりと、前兆はいっぱいあった。突然の検診とはいえ、関係者にとっても国民にとっても「まったくの予想外」というわけではなかったわけだ。
だからこそ、これらの情報発信に不信感を抱く声もある。
政界関係者は「国会が閉じて以来、首相は、午前中は自宅で過ごして午後に官邸入りする日が多かったので、日程はそれほどタイトではなかったはずです。少し前には『いつ別荘に行けるか心配している』という報道があったくらい。今回は、 首相の体調に問題があるという流れを作りたい意図を感じます」 と明かした。
16日の時点では、ネット掲示板「5ちゃんねる」に「明日首相入院」と断定的に書き込まれたことが話題になるなど、不審な点があるのは確かだ。
首相の健康問題…普通なら隠されるべきものが表に出過ぎている状況に「これは石破潰しの策略じゃないか」と話すのは永田町関係者だ。どういうことなのか?
石破茂氏(63)が次の首相に意欲を示しているのは周知のとおり。一方で安倍首相が「石破氏だけはダメ」と考えているのもよく知られている。
「今の安倍首相にとって最も大事なのは、佐藤栄作元首相の持つ連続首相在任記録の更新です。それが24日に達成される。この記録を花道に勇退、という考えが一つあります。憲法改正など道半ばですが、病気なら仕方がないと、できなかったことの理由もつきます。もう一つが禅譲です。これは過去にモデルケースがあります」(前出の永田町関係者)
2000年に小渕恵三首相(当時)が倒れた際、??密室?≠ナ森喜朗氏(83)が後継に決まったことがあった。
「あの時、正式な総裁選をやっていないんですよ。緊急事態だから話し合いになったんです。今回はコロナ禍という緊急事態があるし、同じように後継指名しようとしているのではないか。総裁選をやると、石破氏にも芽が出てきてしまいますから」(同)
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