口から火を噴きながら、屋台を後にした。
ビニール張りの店は熱に耐えられず、溶けはじめていた。
なんてことはあるはずもないが、お金を払っている最中もムセている人がいて、
なんとなくおかしかった。
トッポギ2,500W。
おいしかったけど、辛すぎだよ、オジサーン。
店のスグ前にホットドッグを売っている小さな店があった。
客と話をしている店員がなんとも朴訥な話し方で、琴線に触れた。
炭焼で焼いている大き目のフランクフルトもなんともおいしそうで、
朴訥なニイチャンに惹かれるように、店先に立ってしまった。
【オイ】とは韓国語でキュウリのこと!ランキング上位のオイキムチ
トッポギ食ったばかりなのに気付いたら注文していた。
質感のある風貌なのだが、目が優しく、
稚拙な外国人のハングルにも素朴に対応してくれる。
目の前でフランクをひっくり返しながら、尋ねてくる。
「マスタードは?」
「ダイジョウブ」
「タマネギは?」
「ダイジョウブ」
暖めたパンに焼きあがったばかりのフランクフルトを挟み込んで、渡してくれた。
「コーラ、よかったら飲んでください」
小さな店先のテーブルにはコーラのペットボトルが無造作に置かれていた。
先客がボトルを抱え、紙コップに注ぐ。
ついでにコチラの分も注いでくれた。
オモニ特製のニラチヂミ!
店先のスツールに腰掛け、ホットドッグに噛りつく。
トッポギの辛さでマヒした口の中に肉汁が広がる。
正解。
余計な調味料がない分、シンプルでうまい。
朴訥なニイチャンは無言でフランクを焼き続けている。
時折、寒風が吹き抜けるが、陽光は暖かい。
スーツ姿のビジネスマンや学生が信号が変わるたびに忙しそうに横断歩道を渡っていく。
屋台も忙しそうに次から次に来る客をさばいている。
「イクラデスカ?」
「味はどうでしたか?」
多分、そういわれたのだと思う。
ソウルのホテル情報 韓国料理・故宮・スパ・エステ
「マシソヨ、マシッソヨ〜」
数少ないハングルの中から使える言葉を繰り返し、告げる。
「おいしいです」もう少し気が利いたことを言えればいいのだろうが、
それにはコチラのボキャブラリーが貧困すぎた。
大柄なニイチャンが小さく微笑んだ。
写真1;ティギム。ひとつまみして、お金を払って、と道行く人に手軽なファストフード。
写真2;朴訥な横顔。値段も2,500Wと朴訥。
写真3;おいしそうでしょ?パンよりデカイフランクフルト。
写真4;こんな感じでオデンのスープはセルフですくって勝手に飲む。
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