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2013年03月07日

小説・漁夫の指輪・後編

さて、2日に渡って書いてきた小説も
漁夫の指輪編は最後になります

まだ、前編・中編を読まれてない方は、先にそちらを読んでください

漁夫の指輪・前編
漁夫の指輪・中編

それでは、後編の始まりです 次の法王が使うはずの漁夫の指輪を探している太郎とガブリエルですが、
一日かけて教会などを探しましたが、見つからず、
また、別の場所を探す2人でした

ガイドブックに載っているという法王に関係する観光地ですが、
その場所に太郎とガブリエルはやって来ました

「太郎!
その法王に関係する場所ってココなの?」

「そうだよ、ガイドブックに書いてあるのは、
法王クレメンス12世が噴水コンクールを開催したんだって
その時に、優勝したのが、ニコラ・サルヴィという人なんだけど
その人が作ったのが、ローマでも有名な観光地である
この噴水なんだよ」

トレヴィの泉の写真
トレヴィの泉 (トリップアドバイザー提供)

「トレヴィの泉だね
コインを投げ入れるとまたローマに帰って来れるって所だね
水の中には、沢山のコインが投げ込まれているね」

「さぁ、大変だけど、指輪を探そうよ」

トレヴィの泉には、沢山のコインが入っているし、
回りには沢山の観光客が居て
探すのは大変でしたが、
結局、指輪は見つかりませんでした

「ここにも無かったね」

「大丈夫、次の場所も調べておいたから
次の法王に関係ある場所に行ってみようよ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

次に、2人が訪れたのは、
イタリアでも巨大な建造物である
ローマのテルミニ駅でした

「太郎、ここは駅じゃないか!
駅なんて、法王と関係無さそうだよ
ガイドブックを見間違えたんじゃないの?」

「そうだね、駅とキリスト教って繋がらない気がするよね
でも、このローマの駅を作る事を発案したのは、
ローマ法王のピウス9世だそうだよ」

Termini Station (Stazione Termini)の写真
Termini Station (Stazione Termini) (トリップアドバイザー提供)

「あと、駅前には、前法王のヨハネ・パウロ2世の銅像があるみたいだよ
きっと指輪があるとしたら、その銅像の周りじゃ無いかな?」

しかし、この銅像の所にも指輪は見つかりませんでした
他にも、スペイン広場などにも法王が建てたとされるオベリスクなどがあり
その場所も一生懸命探しましたが、結局見つからないまま日が暮れてしまいました

「今日も見つからなかったね」

「どうしよう、さっきニュースで言っていたけど、
明日には、今の法王が退位前の最後の謁見をするみたいだよ
もう、あんまり時間が残ってないよ」

「そうだ!今の法王に頼んで今持っている指輪を譲ってもらおうか!」

「だめだよ、ガブリエル
法王の指輪は退位された後には壊されてしまうんだよ
だから、世界中に指輪は必ず1個しか無い事になるんだって」

「それじゃ、壊される前にお願いとか出来ないかな?」

「さすがにそれは無理なんじゃないかな
話をする前に、警備の人に捕まってしまうと思うよ」

「そっか、でも、おいらは天使だから、なんとか近づけると思うよ」

「じゃ、とりあえず明日法皇様が出てこられる
バチカン市国のサンピエトロ広場に行ってみようよ」

という事で、2人は明日、法皇様が最後の謁見をされる
バチカン市国に行く事にしました

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ここがバチカン市国だね
キリスト教の中心地になるんだって」

「すごいね、建物とか凄い建造物が沢山あるね

バチカン市国の写真
バチカン市国 (トリップアドバイザー提供)

「でも、最後の法王様のお話という事で、
かなりの人が集まって法王様の近くまで行けそうに無いよ」

「うん、さすがに、この人達を押しのけて法皇様の近くまで行けそうに無いね」

「どうしようか?」

「やっぱり、落とした指輪を探すしか無いんじゃないかな?」


バチカン市国の写真
バチカン市国 (トリップアドバイザー提供)

その時、太陽がある物に反射しました
どうやら、サンピエトロ広場にあるオベリスクの頂上から
光がキラキラと2人を照らしているみたいです

「うわっ、まぶしいなぁ
なんだろう、あの上に何かあるみたいだよ」

バチカン市国の写真
バチカン市国 (トリップアドバイザー提供)

「ちょっと、ガブリエル取って来てよ」

「あんな高い所無理だよ、どうやって登るの?」

「何言っているの?
ガブリエルは天使だから、翼で飛んでいけばいいじゃん」

「あっ、そうだ、ちょっと見てくるね」

パタパタとガブリエルはオベリスクの一番上まで飛んで行きました
すると、そこには、金色に輝く指輪が引っかかっていました

「あったよ、太郎、
こんな所にあったよ」

「なんだ、指輪は、自分で法皇様の近くに来ていたんだね
それじゃ、ガブリエルもそれを持って天界に帰れるね」

「うん、ありがとう、太郎
また、お世話になりっぱなしだったね」

「そんな事無いよ
指輪だって、結局はガブリエ・・・・」

「えっ、太郎?
どうしたの?
あれ?
他の人も皆固まってしまっている」

不思議と
天使のガブリエル以外の時間が止まってしまいました
その時、空の上の方から声がしました

「こら!ガブリエル!
お前はまた、失敗しおって
他の天使から聞き出したぞ!
それより、漁夫の指輪は見つかったのか?」

なんと、天からの声は、神様からの声でした

「あっ、神様
大丈夫です
たった今、ここで見つけました
早速、これから天界に戻りますね」

「いや、帰って来なくても良い」

「えっ、もうおいらは天界に帰れないんですか?
もう、失敗やいたずらなんてしないから、許してください」

「そうではない、
指輪はそのままバチカン市国に居る法王の秘書長に渡して来て欲しいので、
指輪を持って帰って来なくて良いという事じゃ」

「なんだ、そうですかそれじゃ、早速渡して来ます」

「その前に、時間を元に戻すので、
お前の友達にあいさつしなさい
それでは、ちゃんと渡して戻ってくるのじゃぞ」

と神様がいうと、
世界はまた普通通りに動き出しました

「・・・ガブリエルが見つけたから
僕は何にもしてないよ
って、どうしたのガブリエル?」

「ゴメン、今、神様から連絡があって
この指輪を法王の秘書長に渡さないといけなくなったんだ
だから、急だけど今回もこれでお別れだね」

「そっか
でも、最後の大事な仕事だから失敗しないようにね
今度、失敗しても手伝わないからね」

「うん、ありがとう太郎
それじゃ、また会おうね」

「うん、ガブリエルも元気でね」

ガブリエルは、指輪を大事に持って、
バチカンの法王様の部屋がある方へ飛んで行ってしまいました
その様子を最後まで見届けた太郎でした

回りでは、法皇様の最後のお言葉が聞こえていて、
歓声が上がっていました


おわり

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


法王の退位が話題になったので、
それに関する小説を書いてみたんですが、どうでしたでしょうか?

ガブリエルの冒険も今回で3話目になって
ちょっとは小説らしくなって来たと自分では思ってます

ちなみに、一番最初に書いた作品は
携帯電話でも読めるサイト「魔法のiランド」という所に登録しました
携帯小説だと、写真が載せれないので、
少し書き直しました
もし、最初の小説を読んで無い方や
もう一度読みたい方は、読んでみてください

ガブリエルの冒険・クリスマス編


ココからは返信です、皆さん訪問&コメントありがとうございました

ゆうこん さん
どうでしたか?
今回のガブリエルの冒険は、これまでと違い、長かったので書くのも大変でしたが、
その分、書いていると楽しかったです(笑)

ロッソビアンコ さん
そうですね、黄金宮殿の最初の頃は金閣寺みたいな感じだったんでしょうね
でも、今は保存出来て無いのが残念ですよね
サン・ピエトロ大聖堂は、写真のバチカン市国の聖堂です
初代法王がピエトロさんなので、世界中に名前が付いた教会があるみたいですね

蓮見 さん
こうやって、小説風に書くと歴史の勉強も面白いですよね(笑)
イタリア人はあんまり生魚は食べないですね
でも、最近は、少しずつ食べる人も増えているみたいです

りょうちゃん さん
小説では色んな場所を書いてますが、知らない所も多いですよ
太郎と一緒に、ガイドブックを見ながら、ネタを探してます(笑)

inali さん
今回は、料理は出せませんでした(笑)
次の小説では、もう少し頑張って料理とか出したいですね(笑)

ランスロット さん
楽しんで貰えているなら嬉しいです
なんとか、法王様のネタも入れて書けたので良かったです(笑)

マクシフ さん
そうですね、キリスト教の遺産も劣化もしているでしょうしね
ちゃんと、修復などしながら、大事にしたいですよね
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posted by ガブリエル at 22:43| ラツィオ州
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