この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
広告
posted by fanblog
2016年12月20日
「年金減額」高齢者の困窮は国会議員に伝わったか
下流化ニッポンの処方箋
「年金減額」高齢者の困窮は国会議員に伝わったか
藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事2016年11月28日
年金法案への反対意見を述べる筆者=衆院厚生労働委員会で2016年11月25日
年金制度改革関連法案が11月25日、衆議院厚生労働委員会で自民党や公明党などの賛成多数で可決されました。
政府・与党は11月中に衆院を通過させ、今の臨時国会で成立させる方針ですが、私は、年金額の抑制が、ただでさえ生活に困窮している低所得者、低年金者の暮らしを直撃するので、改正に反対しています。
25日の衆院厚労委員会に参考人として呼ばれ、反対の立場から高齢者の困窮について説明し、慎重でていねいな議論を国会議員のみなさんにお願いしました。その内容を紹介します。
衆院厚労委員会で私が国会議員に話したこと
厚生労働委員のみなさまには、市民生活や福祉の向上にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
私はこの法案に反対の立場から意見を申し上げます。
理由の一つ目は、かなり時期尚早ではないか、国民に法案が十分理解、周知されていないのではないかという懸念です。二つ目は、今の高齢者の生活困窮の実態がひどいことになっている現実です。
彼らの生活は相当に逼迫(ひっぱく)しています。
私たちのNPO法人「ほっとプラス」はさいたま市にあり、年間500件の相談を受けています。
10代から80代まで、生活に困った人たちが相談に来ますが、そのうち半数は高齢者、年金受給額が足りない、という人たちです。
もし、このまま景気浮揚がないまま年金が減らされたら、どうなるか。今相談に来る高齢者たちの多くは病院の受診回数、服薬回数を減らしています。
年金が不十分な人は、本当は受診しないといけないのに、医師の指導に従えない状況になっています。
介護サービスを入れないと生活できない要介護度4の女性は、年金額が少ないので要介護度1相当のサービスしか受けられていません。
所得が低いほど、趣味や楽しみ、社会参加を抑制する傾向もみられます。
すると地域社会との接点が減り、歩くなど病後のリハビリも不十分になります。外出しないと肉体的・精神的な健康状態も悪化します。
これらの状況が将来の医療費、介護費増大につながらないか、心配です。
衆院厚生労働委員会で民進・柚木道義氏の質問に指を3本立てて答える安倍晋三首相=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
高齢者700万人が生活保護基準以下で暮らす現実
所得に応じた健康格差が、今まで以上に拡大する恐れもあります。
低所得の高齢者がいかに健康を害しているか、多くの研究者が指摘するところです。数千円、数万円の年金減額はわずかな額と思われがちですが、特に低所得者への影響は非常に大きいと言わざるを得ません。
65歳以上の高齢者の相対的貧困率は18%と、高水準です。
貧困ラインは1人暮らしで年間所得122万円、2人暮らしだと170万円です。それ以下で暮らしている人が18%います。1人暮らしだと貧困率は4〜5割という数字もあります。
つまり、現行の年金制度、支給額でも生活できない人にとって、年金が生活保障となっていない実態があるのです。少なく見積もっても、約700万人の高齢者が生活保護基準、もしくは基準以下で生活していることになります。
今の高齢者の年金水準は低い、というのが研究のスタンダードです。
私は2015年に「下流老人」という本を出版し、現状に警鐘を鳴らすため高齢者の厳しい実情を紹介しました。
相談に来た埼玉県内の男性(76)は長く飲食店に勤め、今は月額9万円の厚生年金で暮らしています。
年金額がもし減らされたら、この男性の生活はいったいどうなるのだろう、と想像してしまいます。
彼は、家賃5万円の民間賃貸住宅で暮らしています。
年金額が足りないので、野草を食事にしていました。
先進国の日本で、年金が足りない、野草を食べないと生きていけない人が現実にいるのです。
彼は「野草には救われた。恥ずかしいがホームレス専用の炊き出しに並んだこともあった」と語っていました。
年金制度改革関連法案などの採決で丹羽秀樹委員長(左から3人目)に詰め寄る民進党などの議員=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
うつ病の娘を持つ3人家族の収入は年金17万円
うつ病の娘の看病をしながら暮らす高齢夫婦は、月額17万円の厚生年金を受給しています。77歳の夫、74歳の妻、48歳の娘の3人暮らしで、男性は金型工として長く町工場で働いてきました。
しかし、娘さんの治療、医療費があるため、1カ月の出費は26万円になるといいます。自宅を売却したお金と年金が命綱なんだ、と語っていました。
でも年金は上がらず、下がる一方。
そこに働けない娘もいる。
17万円ではとても暮らしていけない。夫婦二人が健康なうちはなんとかなるが、どちらかが病気になったらおしまいだ、とも言っていました。
貯金もできない暮らしだと。このような相談が毎日のように寄せられます。
別の70代のご夫婦の場合、2人で国民年金が月額9万円。
それでは足りないので、夫が新聞配達をしながらなんとかやりくりして暮らしています。
医師には仕事を止められていますが、働かないと暮らせない状況です。
相談の中には、自殺や一家心中、介護殺人を考えているという声も多くあります。年金減額がどのような影響をもたらすのか、このような実態を考慮しながら検討してほしいと思います。
「最終的に生活保護を受ければいいじゃないか」という声がありますが、現在、生活保護は機能しているとは言えません。
貧困状態にある約700万人の高齢者のうち、今生活保護を受給できているのは100万人程度しかいません。
残る600万人は本当は生活保護を受けられるのに、受けていないのです。
中には「生活保護は恥ずかしい」「生活保護を受けると(車を手放すなどの)さまざまな制限があるから嫌だ」という人もいます。生活保護を社会的スティグマ(烙印=らくいん)と考える人もいます。年金が少なければ生活保護を受ければいいのですが、これだけ捕捉率が低いと選択肢になりにくいのです。
低所得高齢者の支出を減らす政策導入を
もし万一、年金減額となるのなら、高齢者の支出を抑える政策を導入する必要があるでしょう。
そうでないと厳しい生活がさらに厳しくなります。
高い医療費、介護費のほかに、住宅費も重い負担です。
特に低所得であればあるほど、民間賃貸住宅の家賃負担は大きいものです。
家賃を下げる、租税や保険料を下げる、さらに地方では欠かせない軽自動車の保有維持の負担を減らす、電気ガス水道の支出を減らすといった政策導入を、ぜひ検討していただきたいと思います。
最後に、この年金法案は、高齢者とその家族の命と暮らしに重大な影響を与えます。
しかし、この審議が国民に広く共有されているとは思えません。
ぜひ時間をかけて、ていねいに審議していただきたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
年金制度改革関連法案などの採決を傍聴する人たち(手前)=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
<年金制度改革関連法案>
法案の柱は年金額の抑制で、毎年の年金額改定の新ルールを盛り込んだ。物価が上がって(現役世代の)賃金が下がった場合、現在は年金額を据え置くが、新ルールは賃金に合わせ減らす。また物価より賃金の下落幅が大きい場合は物価に合わせるのを改め、賃金に合わせる。
さらに、年金額の伸びを賃金や物価の上昇分より1%程度抑える「マクロ経済スライド」を強化する。現在は物価上昇時にしか適用しないが、デフレで実施できなかった分は翌年度以降に持ち越し、物価上昇時にまとめて差し引けるようにする。
年金額抑制で年金財政に余裕を持たせ、将来の年金水準が低くなりすぎないようにすることを目的とする厚生労働省に対し、民進党は「年金カット法案」と批判。安倍晋三首相は「将来の年金水準確保法案だ」と反論していた。
<「下流化ニッポンの処方箋」は原則毎週1回掲載します>
「年金減額」高齢者の困窮は国会議員に伝わったか
藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事2016年11月28日
年金法案への反対意見を述べる筆者=衆院厚生労働委員会で2016年11月25日
年金制度改革関連法案が11月25日、衆議院厚生労働委員会で自民党や公明党などの賛成多数で可決されました。
政府・与党は11月中に衆院を通過させ、今の臨時国会で成立させる方針ですが、私は、年金額の抑制が、ただでさえ生活に困窮している低所得者、低年金者の暮らしを直撃するので、改正に反対しています。
25日の衆院厚労委員会に参考人として呼ばれ、反対の立場から高齢者の困窮について説明し、慎重でていねいな議論を国会議員のみなさんにお願いしました。その内容を紹介します。
衆院厚労委員会で私が国会議員に話したこと
厚生労働委員のみなさまには、市民生活や福祉の向上にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
私はこの法案に反対の立場から意見を申し上げます。
理由の一つ目は、かなり時期尚早ではないか、国民に法案が十分理解、周知されていないのではないかという懸念です。二つ目は、今の高齢者の生活困窮の実態がひどいことになっている現実です。
彼らの生活は相当に逼迫(ひっぱく)しています。
私たちのNPO法人「ほっとプラス」はさいたま市にあり、年間500件の相談を受けています。
10代から80代まで、生活に困った人たちが相談に来ますが、そのうち半数は高齢者、年金受給額が足りない、という人たちです。
もし、このまま景気浮揚がないまま年金が減らされたら、どうなるか。今相談に来る高齢者たちの多くは病院の受診回数、服薬回数を減らしています。
年金が不十分な人は、本当は受診しないといけないのに、医師の指導に従えない状況になっています。
介護サービスを入れないと生活できない要介護度4の女性は、年金額が少ないので要介護度1相当のサービスしか受けられていません。
所得が低いほど、趣味や楽しみ、社会参加を抑制する傾向もみられます。
すると地域社会との接点が減り、歩くなど病後のリハビリも不十分になります。外出しないと肉体的・精神的な健康状態も悪化します。
これらの状況が将来の医療費、介護費増大につながらないか、心配です。
衆院厚生労働委員会で民進・柚木道義氏の質問に指を3本立てて答える安倍晋三首相=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
高齢者700万人が生活保護基準以下で暮らす現実
所得に応じた健康格差が、今まで以上に拡大する恐れもあります。
低所得の高齢者がいかに健康を害しているか、多くの研究者が指摘するところです。数千円、数万円の年金減額はわずかな額と思われがちですが、特に低所得者への影響は非常に大きいと言わざるを得ません。
65歳以上の高齢者の相対的貧困率は18%と、高水準です。
貧困ラインは1人暮らしで年間所得122万円、2人暮らしだと170万円です。それ以下で暮らしている人が18%います。1人暮らしだと貧困率は4〜5割という数字もあります。
つまり、現行の年金制度、支給額でも生活できない人にとって、年金が生活保障となっていない実態があるのです。少なく見積もっても、約700万人の高齢者が生活保護基準、もしくは基準以下で生活していることになります。
今の高齢者の年金水準は低い、というのが研究のスタンダードです。
私は2015年に「下流老人」という本を出版し、現状に警鐘を鳴らすため高齢者の厳しい実情を紹介しました。
相談に来た埼玉県内の男性(76)は長く飲食店に勤め、今は月額9万円の厚生年金で暮らしています。
年金額がもし減らされたら、この男性の生活はいったいどうなるのだろう、と想像してしまいます。
彼は、家賃5万円の民間賃貸住宅で暮らしています。
年金額が足りないので、野草を食事にしていました。
先進国の日本で、年金が足りない、野草を食べないと生きていけない人が現実にいるのです。
彼は「野草には救われた。恥ずかしいがホームレス専用の炊き出しに並んだこともあった」と語っていました。
年金制度改革関連法案などの採決で丹羽秀樹委員長(左から3人目)に詰め寄る民進党などの議員=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
うつ病の娘を持つ3人家族の収入は年金17万円
うつ病の娘の看病をしながら暮らす高齢夫婦は、月額17万円の厚生年金を受給しています。77歳の夫、74歳の妻、48歳の娘の3人暮らしで、男性は金型工として長く町工場で働いてきました。
しかし、娘さんの治療、医療費があるため、1カ月の出費は26万円になるといいます。自宅を売却したお金と年金が命綱なんだ、と語っていました。
でも年金は上がらず、下がる一方。
そこに働けない娘もいる。
17万円ではとても暮らしていけない。夫婦二人が健康なうちはなんとかなるが、どちらかが病気になったらおしまいだ、とも言っていました。
貯金もできない暮らしだと。このような相談が毎日のように寄せられます。
別の70代のご夫婦の場合、2人で国民年金が月額9万円。
それでは足りないので、夫が新聞配達をしながらなんとかやりくりして暮らしています。
医師には仕事を止められていますが、働かないと暮らせない状況です。
相談の中には、自殺や一家心中、介護殺人を考えているという声も多くあります。年金減額がどのような影響をもたらすのか、このような実態を考慮しながら検討してほしいと思います。
「最終的に生活保護を受ければいいじゃないか」という声がありますが、現在、生活保護は機能しているとは言えません。
貧困状態にある約700万人の高齢者のうち、今生活保護を受給できているのは100万人程度しかいません。
残る600万人は本当は生活保護を受けられるのに、受けていないのです。
中には「生活保護は恥ずかしい」「生活保護を受けると(車を手放すなどの)さまざまな制限があるから嫌だ」という人もいます。生活保護を社会的スティグマ(烙印=らくいん)と考える人もいます。年金が少なければ生活保護を受ければいいのですが、これだけ捕捉率が低いと選択肢になりにくいのです。
低所得高齢者の支出を減らす政策導入を
もし万一、年金減額となるのなら、高齢者の支出を抑える政策を導入する必要があるでしょう。
そうでないと厳しい生活がさらに厳しくなります。
高い医療費、介護費のほかに、住宅費も重い負担です。
特に低所得であればあるほど、民間賃貸住宅の家賃負担は大きいものです。
家賃を下げる、租税や保険料を下げる、さらに地方では欠かせない軽自動車の保有維持の負担を減らす、電気ガス水道の支出を減らすといった政策導入を、ぜひ検討していただきたいと思います。
最後に、この年金法案は、高齢者とその家族の命と暮らしに重大な影響を与えます。
しかし、この審議が国民に広く共有されているとは思えません。
ぜひ時間をかけて、ていねいに審議していただきたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
年金制度改革関連法案などの採決を傍聴する人たち(手前)=国会内で2016年11月25日、川田雅浩撮影
<年金制度改革関連法案>
法案の柱は年金額の抑制で、毎年の年金額改定の新ルールを盛り込んだ。物価が上がって(現役世代の)賃金が下がった場合、現在は年金額を据え置くが、新ルールは賃金に合わせ減らす。また物価より賃金の下落幅が大きい場合は物価に合わせるのを改め、賃金に合わせる。
さらに、年金額の伸びを賃金や物価の上昇分より1%程度抑える「マクロ経済スライド」を強化する。現在は物価上昇時にしか適用しないが、デフレで実施できなかった分は翌年度以降に持ち越し、物価上昇時にまとめて差し引けるようにする。
年金額抑制で年金財政に余裕を持たせ、将来の年金水準が低くなりすぎないようにすることを目的とする厚生労働省に対し、民進党は「年金カット法案」と批判。安倍晋三首相は「将来の年金水準確保法案だ」と反論していた。
<「下流化ニッポンの処方箋」は原則毎週1回掲載します>
2016年12月16日
生存情報支援サイト
犯罪被害者ホットライン
03-3597-7830
08:3017:15
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
配偶者からの暴力被害者支援情報サイト
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/index.html
労働者健康状況調査(5年おき)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html
国民生活基礎調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
連合生活アンケート調査
https://www.jtuc-rengo.or.jp/result2.html?q= 連合生活アンケート調査
社会経済生産性本部『産業人メンタルヘルス白書』
http://www.js-mental.org/hakusho02.html
警察庁の統計
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h27/data.html
自殺対策支援センター ライフリンク
http://www.lifelink.or.jp/hp/statistics.html
________________
東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp
________________
AEDマップ
https://www.qqzaidanmap.jp/map/my_map?latitude=35.685964997520486&longitude=139.72400091821325&zoom=12
東京消防庁救急相談センター//24h
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-nakano/info/7119.html
#7119
★03-3212-2323
★042-521-2323
東京都医療機関案内サービスひまわり//24h
http://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq/qq13tomnlt.asp
★03-5272-0303
東京都民間救急コールセンター//24h
(民間救急事業者、サポートCab)
http://www.tokyo-bousai.or.jp/tokyo-callcenter/
★0570-039-099
★03-3262-0039
公益財団法人 日本中毒情報センター
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf
03-3597-7830
08:3017:15
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
配偶者からの暴力被害者支援情報サイト
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/index.html
労働者健康状況調査(5年おき)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html
国民生活基礎調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
連合生活アンケート調査
https://www.jtuc-rengo.or.jp/result2.html?q= 連合生活アンケート調査
社会経済生産性本部『産業人メンタルヘルス白書』
http://www.js-mental.org/hakusho02.html
警察庁の統計
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h27/data.html
自殺対策支援センター ライフリンク
http://www.lifelink.or.jp/hp/statistics.html
________________
東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp
________________
AEDマップ
https://www.qqzaidanmap.jp/map/my_map?latitude=35.685964997520486&longitude=139.72400091821325&zoom=12
東京消防庁救急相談センター//24h
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-nakano/info/7119.html
#7119
★03-3212-2323
★042-521-2323
東京都医療機関案内サービスひまわり//24h
http://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq/qq13tomnlt.asp
★03-5272-0303
東京都民間救急コールセンター//24h
(民間救急事業者、サポートCab)
http://www.tokyo-bousai.or.jp/tokyo-callcenter/
★0570-039-099
★03-3262-0039
公益財団法人 日本中毒情報センター
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf
2016年12月08日
02?高校卒業時点で借金6百万…過酷な奨学金返済で貧困転落続出 貧困で路上生活の若者も
高校卒業時点で借金6百万…過酷な奨学金返済で貧困転落続出 貧困で路上生活の若者も
生田 活動の2つめは、野宿者襲撃問題への対応です。野宿者を襲撃するのは主に少年グループで、暴行、エアガン射撃、放火などが全国で日常的に起きています。しかし、公的統計も存在せず、マスコミも報道することが少ないために、ほとんど知られていません。
実は1970年代半ばから途絶えることなく続いています。
背景には、野宿者に対する差別意識と社会の側のストレスの充満があると思われます。
「ホームレスは怠け者で働かず、税金も払わずに広い公園を使っている」という思い込みが多くの人にあります。
ただそれは、「自分は好きではない仕事をやらされ、狭い家に住み、高い税金を払っている」という意識を投影しているだけなのかもしれません。
子供たちにも、「自分たちは学校に行かなくてはいけない、親のもとでしんどい。それに比べてホームレスは働かずのうのうと生きている」といった意識があるのかもしれません。
このように考える人たちのストレスを解決しないと、野宿者への差別はなくならないのかもしれません。
●知的障害者に対する社会の偏見
金子 ほかに考えられる要因はありますか。
生田 襲撃した子供たちをみると虐待家庭が多いようです。
自分でも抑えきれない怒りやストレスがたまっていて、それが何かのきっかけに放出されるということがあるのです。
集団でひとりの弱者を追い詰めるという意味で野宿者襲撃といじめは似ています。特に野宿者襲撃は貧困者に対するヘイトクライムとして、社会的に位置づけられるべきだと思います。
相談に来る若い人には発達障害のあることが多く、職場で人間関係を築きにくいという面があります。
聴覚過敏で職場にいること自体が難しい若者もいます。
いま、人間関係をつくったりコミュニケーションをとることが難しいため、バイトすらできない高校生が増えていますが、こういった若者は貧困化していく可能性が高いかもしれません。
金子 人間は本来、多様なものが交じり合い、さまざまなことを体験しながら多くのものを習得するのに、社会の分断が進んで孤立する方向に向かっています。
生田 襲撃への対応として、小学校から大学まで野宿問題に関する授業を2001年から行っています。これは劇的な効果があります。
野宿者が実際に話したり、私が経験を話したりします。
川崎市では、こういった取り組みの結果、襲撃事件の数が半減しました。
私は15年間で400回くらい授業をしていますが、多くの場合、授業のあと子供たちも「夜回りをしたい」と言ってくれるのです。
釜ヶ崎では子供夜回りもあって、学習会をしておにぎりをつくり、大人と子供が夜回りをします。襲撃を減らし、野宿者と子供の相互の理解がつくられる効果的な方法です。
金子 生田さんが活動を始めたときにはなかったような問題が増えていますね。
生田 5年たつと風景が一変し、10年たつとほとんど別の問題になっているという感覚です。90年代前半までは、野宿者はほとんどが日雇い労働で、90年代後半には一般の失業者、そしてDVなど家族の問題や失業によって女性や若者が野宿をするようになりました。
野宿の現場も、路上や公園からネットカフェ、ファストフード店、個室ビデオなどに変化していきました。
精神障害、知的障害の問題も明らかに増えています。
金子 状況が少しずつ変わって、次々に新たな問題が発生し、また別の場所でも同様の問題が発生していくという感じですね。
生田 「釜ヶ崎の全国化」と呼んでいるのですが、釜ヶ崎で起きた問題が全国各地に広がっていくイメージです。
金子 『釜ヶ崎から』は、当事者として日雇いで働きながら生活困窮者を支えるルポとして考えさせられることが多いですね。ありがとうございました。
(構成=松井克明/CFP)
提供元
Business Journal5月2日 06時06分
__★________★_____
★mobile-direction@ezweb.ne.jp
★ https://fanblogs.jp/hagisannoblog02/archive/299/0?1480396400
★ http://hagisannoblog01.seesaa.net/s/article/444524921.html
生田 活動の2つめは、野宿者襲撃問題への対応です。野宿者を襲撃するのは主に少年グループで、暴行、エアガン射撃、放火などが全国で日常的に起きています。しかし、公的統計も存在せず、マスコミも報道することが少ないために、ほとんど知られていません。
実は1970年代半ばから途絶えることなく続いています。
背景には、野宿者に対する差別意識と社会の側のストレスの充満があると思われます。
「ホームレスは怠け者で働かず、税金も払わずに広い公園を使っている」という思い込みが多くの人にあります。
ただそれは、「自分は好きではない仕事をやらされ、狭い家に住み、高い税金を払っている」という意識を投影しているだけなのかもしれません。
子供たちにも、「自分たちは学校に行かなくてはいけない、親のもとでしんどい。それに比べてホームレスは働かずのうのうと生きている」といった意識があるのかもしれません。
このように考える人たちのストレスを解決しないと、野宿者への差別はなくならないのかもしれません。
●知的障害者に対する社会の偏見
金子 ほかに考えられる要因はありますか。
生田 襲撃した子供たちをみると虐待家庭が多いようです。
自分でも抑えきれない怒りやストレスがたまっていて、それが何かのきっかけに放出されるということがあるのです。
集団でひとりの弱者を追い詰めるという意味で野宿者襲撃といじめは似ています。特に野宿者襲撃は貧困者に対するヘイトクライムとして、社会的に位置づけられるべきだと思います。
相談に来る若い人には発達障害のあることが多く、職場で人間関係を築きにくいという面があります。
聴覚過敏で職場にいること自体が難しい若者もいます。
いま、人間関係をつくったりコミュニケーションをとることが難しいため、バイトすらできない高校生が増えていますが、こういった若者は貧困化していく可能性が高いかもしれません。
金子 人間は本来、多様なものが交じり合い、さまざまなことを体験しながら多くのものを習得するのに、社会の分断が進んで孤立する方向に向かっています。
生田 襲撃への対応として、小学校から大学まで野宿問題に関する授業を2001年から行っています。これは劇的な効果があります。
野宿者が実際に話したり、私が経験を話したりします。
川崎市では、こういった取り組みの結果、襲撃事件の数が半減しました。
私は15年間で400回くらい授業をしていますが、多くの場合、授業のあと子供たちも「夜回りをしたい」と言ってくれるのです。
釜ヶ崎では子供夜回りもあって、学習会をしておにぎりをつくり、大人と子供が夜回りをします。襲撃を減らし、野宿者と子供の相互の理解がつくられる効果的な方法です。
金子 生田さんが活動を始めたときにはなかったような問題が増えていますね。
生田 5年たつと風景が一変し、10年たつとほとんど別の問題になっているという感覚です。90年代前半までは、野宿者はほとんどが日雇い労働で、90年代後半には一般の失業者、そしてDVなど家族の問題や失業によって女性や若者が野宿をするようになりました。
野宿の現場も、路上や公園からネットカフェ、ファストフード店、個室ビデオなどに変化していきました。
精神障害、知的障害の問題も明らかに増えています。
金子 状況が少しずつ変わって、次々に新たな問題が発生し、また別の場所でも同様の問題が発生していくという感じですね。
生田 「釜ヶ崎の全国化」と呼んでいるのですが、釜ヶ崎で起きた問題が全国各地に広がっていくイメージです。
金子 『釜ヶ崎から』は、当事者として日雇いで働きながら生活困窮者を支えるルポとして考えさせられることが多いですね。ありがとうございました。
(構成=松井克明/CFP)
提供元
Business Journal5月2日 06時06分
__★________★_____
★mobile-direction@ezweb.ne.jp
★ https://fanblogs.jp/hagisannoblog02/archive/299/0?1480396400
★ http://hagisannoblog01.seesaa.net/s/article/444524921.html
01?高校卒業時点で借金6百万…過酷な奨学金返済で貧困転落続出 貧困で路上生活の若者も
高校卒業時点で借金6百万…過酷な奨学金返済で貧困転落続出 貧困で路上生活の若者も
--ブラック企業が横行する日本。
これでは、安倍晋三政権が掲げる日本再興戦略「JAPAN is BACK」 ならぬ「JAPAN is BLACK」ではないか。
しかし、そんな暗闇に満ちた社会で一生懸命に働く当事者たちはまぶしい光を放っている。
本連載では慶應義塾大学経済学部教授の金子勝氏が、そんな当事者の人びとにスポットを当てて、ブラックな社会の実態に迫る。
今回金子氏は、
『釜ヶ崎から』(ちくま文庫)の著者で、野宿者の支援を行っている「野宿者ネットワーク」代表の生田武志氏に、
・路上生活者の支援の現状
・路上生活をする若者が増えている原因
などについて話を聞いた。
●奨学金を払えない若者たちが路上生活者に
金子勝氏(以下、金子)
生田さんは、現在どのような活動をされているのですか。
生田武志氏(以下、生田) ひとつは、野宿している、あるいは野宿生活になりそうな生活困窮者の支援です。
最近は、ギリギリまで我慢してから相談に来る人が多いです。
たとえば、被災地で仕事をしていたが、大阪に帰ってきたら仕事がなくなり、家賃が払えなくなったという人がいました。釜ヶ崎(大阪市西成区北部の通称)から電車で300円ぐらいかかる市からのSOSの電話だったのですが、そのとき50円しか持っていないと言うので、私が迎えに行きました。
寝る場所もないので、西成区役所に一緒に行って相談しました。
その後、鬱状態になり自傷して病院に入院。そのような経緯を経て生活保護を受けることになりました。
なお、2008年末から09年初頭に東京・日比谷公園で開設された派遣村以降、生活保護が受けやすくなりました。
いわば生活保護が適正化されたので、野宿者の数は減っています。
金子 野宿からアパートに入ることで生活は改善されますか。
生田 野宿者ネットワークの活動の半分は、野宿からアパートなどに入った人への支援です。
生活保護を受けて住居に入り職を探そうとしますが、安定的な仕事はなかなか見つかりません。
介護職だけはあります。
なぜなら介護の現場はひどいので、みんなすぐにやめてしまうからです。
50〜60歳の人でも介護の学校に通い、介護ヘルパーになるというケースは多いです。
●奨学金が重荷となり生活が困窮する若者たち
金子 最近、若者からの相談が多くなっているようですね。
生田 その大半は、奨学金返済を抱えています。正社員であれば返せますが、非正規雇用では月3〜4万円の返済は困難です。奨学金を返済するために家計が圧迫され、毎月少しずつ借金がたまってしまう人が多いのです。
高校や専門学校を出た段階で、500〜600万円の借金を抱えています。
返済の猶予措置があることを知らない人もいます。
金子 15〜24歳で非正規雇用は48%。つまりほぼ5割だから、奨学金を返済できず生活が困窮する人が増えるのも当然ですよね。
生田 また、ひとり親家庭、虐待家庭で育った人も多いです。
いざというときに頼ることのできる家族がいないと、ささいなことでもたちまち生活に困ってしまいます。
先日は、住民票を置く住居がないという女性から相談がありました。
親との関係がよくないため、実家に帰ることもできない。
そのため、住民票の提出を求められないアルバイトばかり選んで働いていたそうです。相談に来たときは、インターネットカフェで生活しており、バイト先にはそこから通っていました。
野宿者ネットワークの関係者が運営しているシェルターに入ってもらい、そこを住所にして仕事を見つけることができました。
親との関係が悪く非正規雇用、そんな人にトラブルがあると路上生活に直結しかねません。
金子 家庭というセーフティネットがない人は、行き場がないのですね。
提供元
Business Journal5月2日 06時06分
__★________★_____
★mobile-direction@ezweb.ne.jp
★ https://fanblogs.jp/hagisannoblog02/archive/299/0?1480396400
★ http://hagisannoblog01.seesaa.net/s/article/444524921.html
--ブラック企業が横行する日本。
これでは、安倍晋三政権が掲げる日本再興戦略「JAPAN is BACK」 ならぬ「JAPAN is BLACK」ではないか。
しかし、そんな暗闇に満ちた社会で一生懸命に働く当事者たちはまぶしい光を放っている。
本連載では慶應義塾大学経済学部教授の金子勝氏が、そんな当事者の人びとにスポットを当てて、ブラックな社会の実態に迫る。
今回金子氏は、
『釜ヶ崎から』(ちくま文庫)の著者で、野宿者の支援を行っている「野宿者ネットワーク」代表の生田武志氏に、
・路上生活者の支援の現状
・路上生活をする若者が増えている原因
などについて話を聞いた。
●奨学金を払えない若者たちが路上生活者に
金子勝氏(以下、金子)
生田さんは、現在どのような活動をされているのですか。
生田武志氏(以下、生田) ひとつは、野宿している、あるいは野宿生活になりそうな生活困窮者の支援です。
最近は、ギリギリまで我慢してから相談に来る人が多いです。
たとえば、被災地で仕事をしていたが、大阪に帰ってきたら仕事がなくなり、家賃が払えなくなったという人がいました。釜ヶ崎(大阪市西成区北部の通称)から電車で300円ぐらいかかる市からのSOSの電話だったのですが、そのとき50円しか持っていないと言うので、私が迎えに行きました。
寝る場所もないので、西成区役所に一緒に行って相談しました。
その後、鬱状態になり自傷して病院に入院。そのような経緯を経て生活保護を受けることになりました。
なお、2008年末から09年初頭に東京・日比谷公園で開設された派遣村以降、生活保護が受けやすくなりました。
いわば生活保護が適正化されたので、野宿者の数は減っています。
金子 野宿からアパートに入ることで生活は改善されますか。
生田 野宿者ネットワークの活動の半分は、野宿からアパートなどに入った人への支援です。
生活保護を受けて住居に入り職を探そうとしますが、安定的な仕事はなかなか見つかりません。
介護職だけはあります。
なぜなら介護の現場はひどいので、みんなすぐにやめてしまうからです。
50〜60歳の人でも介護の学校に通い、介護ヘルパーになるというケースは多いです。
●奨学金が重荷となり生活が困窮する若者たち
金子 最近、若者からの相談が多くなっているようですね。
生田 その大半は、奨学金返済を抱えています。正社員であれば返せますが、非正規雇用では月3〜4万円の返済は困難です。奨学金を返済するために家計が圧迫され、毎月少しずつ借金がたまってしまう人が多いのです。
高校や専門学校を出た段階で、500〜600万円の借金を抱えています。
返済の猶予措置があることを知らない人もいます。
金子 15〜24歳で非正規雇用は48%。つまりほぼ5割だから、奨学金を返済できず生活が困窮する人が増えるのも当然ですよね。
生田 また、ひとり親家庭、虐待家庭で育った人も多いです。
いざというときに頼ることのできる家族がいないと、ささいなことでもたちまち生活に困ってしまいます。
先日は、住民票を置く住居がないという女性から相談がありました。
親との関係がよくないため、実家に帰ることもできない。
そのため、住民票の提出を求められないアルバイトばかり選んで働いていたそうです。相談に来たときは、インターネットカフェで生活しており、バイト先にはそこから通っていました。
野宿者ネットワークの関係者が運営しているシェルターに入ってもらい、そこを住所にして仕事を見つけることができました。
親との関係が悪く非正規雇用、そんな人にトラブルがあると路上生活に直結しかねません。
金子 家庭というセーフティネットがない人は、行き場がないのですね。
提供元
Business Journal5月2日 06時06分
__★________★_____
★mobile-direction@ezweb.ne.jp
★ https://fanblogs.jp/hagisannoblog02/archive/299/0?1480396400
★ http://hagisannoblog01.seesaa.net/s/article/444524921.html