こんばんわ。
今日は、リズム感のいい人でまとめた第3項、
3. 複数のリズムをレイヤーさせて感じ取っている
についてお話しようと思います。
今日のお話は、まとめた4項目の中で最もまとめにくいと予想してるんですが、
がんばってまとめますのでよろしくです。
「複数のリズム」ってどういうこと?
「複数のリズム」 とは、
別々の音楽のリズムを同時に感じ取る、ということではありません。
例えば、SambaをやりながらSwingをやる、ということではないんです。
結論から言うと、
「ビートを感じながらフレーズを考えられる」
と言うもの。
話がすっ飛んだ感じがあるので、
順を追ってお話していきます。
理解を深めてもらうために、先に例を…
わかりやすい例で言うと、
メトロノームに合わせて弾く
なんていうのは、これの最たる基礎なわけです。
きっとあなたも、こんな経験があるのでは?↓↓
曲が終わってから、
「テンポが走っちゃってた」
と思ったこと。
これ、なんでそうなってしまったのでしょうか?
大半の人が、
「うっかり」 とか、
「つい…」 とかを口にしている光景をよく目にします。
そうは言っても、じゃあちゃんと合わせて弾く 習慣 があるのかな?
と疑問に思うことが多々あるわけですが(笑)
実はリズム感のいい人って、 メトロノームに合わせて弾き続ける ということが、
初めのうちはそんなに簡単なことではないということをよく知っている のです。
脳を別々に動かす
少し切り口を深く見てみましょう。
メトロノームに合わせて弾くということは、
?@メトロノームの四分音符
?A自分の弾くフレーズ
?@と?Aを"曲の始まりから終わりまでずーっと"、同時に感じ取っている ということ。
(リズム感のいい人、 第1項「周りの音をよく聴いている」 とも密接な関係にありますね。)
?@+?A、この時点で 2つのリズム を 同時に 感じ取っていると言えます。
体感的に言うと、
・リズム?@
・リズム?A
・楽器を弾くこと
それぞれに 脳みそを複数に分けて別々に動かしているような感覚 です。
↑これ、伝わってますかね?
今日お話したかったのは、 こういう脳の使い方 があるということです。
「クリック」ではなく「ビート」
さて、回り道しちゃいましたが、話を戻します。
メトロノームというのは あくまで「クリック」 のこと。
ここまでのお話は、言い換えると、
?@クリック
?A自分の弾くフレーズ
ということ。
リズム感のいい人は、
「クリック」のみではなく 「ビート」 を感じながら自分の弾くフレーズのことを考えているのです。
「ビート」とは、単純に ドラムやベースなどのリフ 、と考えて下さい。
リズム感のいい人の第2項「ウラ拍」の記事 で詳しくお話してますのでそちらも参照下さい。
ちなみにウラ拍というのはコレのことです↓↓
フレーズを弾く前に…
リズム感のいい人がフレーズを弾くまでのプロセスって、
- フレーズを弾く前にクリックを聴く
- クリックに乗せてビートをイメージする
- ビートがイメージできて初めてフレーズを弾く
↑↑
だいたいこんな感じになっています。
このプロセスを物凄い早さで処理しています。
逆にリズム感が悪い人って、
いきなりフレーズから入ろうとする んですね。
主に2番が抜けているか、2番がイメージできないか、です。
例えば曲を始める前の、カウントやイントロを出すシーンをイメージして下さい。
リズム感のいい人って、
まず、クリックを聴いてテンポを確認します。
そのあと数秒、 "沈黙の間" がありませんか?
あれって単に集中してるだけじゃなくて、
テンポに合わせて ビートをイメージしてる んですね。
例えば ドラムのリフとか を。
「ビート」×「ブレーズ」
そこで、これです。
「フレーズ」 と聴くと、
メロディライン だったり 使うスケールやコードのこと が思い浮かぶかもしれません。
確かにそれらも大切な要素ですが、
リズム感のいい人は、
メロディラインやスケールなどから精製したフレーズを、
このイラストのように、一旦 「リズム」でイメージする んです。
そしてその「リズム」が ビートのスピード感を殺しちゃってないか?
これを瞬間的に判断しています。
「複数のリズム」
最後に、本題の 「複数のリズム」 についてお話します。
「ビート」×「フレーズ」
常にこの 2つのリズムを同時に感じたまま 曲を弾けていますか?
(クリック・ビート・フレーズと3枚レイヤーでもOKです。)
抽象的な表現が多かったので、僕が行っているイメージをシェアすると、
僕の場合は、
クリック × ドラムのリフ × ベースのフレーズ × 自分の弾くフレーズ
というイメージをすることが多いです。
慣れてくるとこういうふうに、 フレーズonフレーズ でイメージできるようになってきます。
ピアノで言うと、
クリック × 左手 × 右手 でリズムと曲を表現する形になるんですね。
JAZZを経験している人は知ってると思いますが、
例えば 「Chameleon」 という曲。
(▲クリックで画像拡大)
JAZZピアノ初心者でこれをピアノ1台で弾く、というのはなかなか難易度の高いプレイだと思います。
その原因は、今日お話しているような 脳の使い方ができていないから、 が最も大きな要因だと思います。
だってこれ、右手だけ or 左手だけ で弾くと全然簡単なんですもん。
まとめ
複数のリズム、いかがでしたでしょう?
リズム感のいい人は、
複数のリズムをレイヤーして感じ取っている。
それはつまり、
- 脳を別々に使う
- 常にリズムのことを考えている
- リズムを優先して考える習慣が身に付いている
- リズムをないがしろにしない
ということに他ならないのだと思います。
何度も言いますが、
リズム感は才能ではなく習慣 なんですね。
こういう 意識 を持って日々プレイしていると、
今日お話したような脳の使い方も自然と身に付きます。
逆に言うと、
意識して習慣化する ことでしか、リズムは身に付いていかないのです。
初めのうちは誰だってできません。
僕もそうでした。
でもできました。
僕の場合、ピアノ1台で歌伴をする仕事が多かったので、
「歌いやすい伴奏を…」
と必死に毎日毎日考え続けて約10年。
答えは、
コードでもなく、
スケールでもなく、
フレーズでもなく、
「リズムを大切に表現しようとする意識」 という、
たったこれだけだったのです。
この意識を持った瞬間から 数ヶ月で別人のように進化 した経験があります。
だからこそ、あなたにもガラリと覚醒する体験をして欲しいと思っています。
次回は、 「音の長さを大切にしている」 というお話をします。
この1〜3項を実践するだけでも、
あなたのリズム感に相当の刺激を与えてくれるはずですよ。
応援していますね。