「荒城の月」は、土井晩翠(ばんすい)が作詞、滝廉太郎の作曲した曲です。土井晩翠は力強い作風の詩人として知られています。ちょうど、叙情的な詩を作る詩人の三木露風(「赤とんぼ」を作詞)とよく対比されます。
それから滝廉太郎はドイツに留学し、優れた作品を作った作曲家です。この曲は山田耕筰(「赤とんぼ」を作曲)が3小節目の4つ目の音を半音低く編曲したものも知られています。
「荒城の月」は4分の4拍子です。そして、ロ短調の曲ですから主音はラです。したがって五線譜にはシャープが2つついています。ロ短調の音階は調号のつくハ、ヘ音がいずれも半音上がることになります。
それから長調か単調かで迷ったときは次のようにして知ることができる場合があります。多くの曲ではその曲の主役の中心になる音(主音)で終わります。そこで、
曲の最後の音が階名の「ド」で終われば長調
曲の最後の音が階名の「ラ」で終われば短調
ですから見分ける際に利用してください。
べつの見方をすれば、長調に比べて短調は暗く聞こえます。使われる音の違いで音と音の間隔が違うのでそう聞こえます。
さて、「荒城の月」に戻りますと、曲のテンポはAndanteです。八分音符が多い曲で落ち着いた簡素な感じのする曲です。
歌詞は古い言葉が多く、歌詞の意味をしっかりつかんでおくことが大切です。今となっては荒れ果てた城、でも昔は華やいだ時期もあったに違いない、それからどのくらいの月日が過ぎ去っていったことだろうという感慨をこめた情緒をもつ歌詞の内容です。それにふさわしいうたい方を工夫するといいです。
歌詞の古い言葉について解釈しておきます。
千代:とても長い年つき
高楼:高く築いた建物
たがためぞ:誰のためか
栄枯:人が栄えたり、滅んでいったりすること
天上影は:空にある月の照らす光は
照りそいし:(つるぎに)照りかがやいた
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