2010年10月17日
ネウマ譜について
ネウマ譜について
前回紹介させて頂いた「カルミナ・ブラーナ」は如何でしたか?
中世の写本では、ネウマ譜で記録された楽曲も有りますので、とても興味深いと思っています。
私の持っているネウマ譜の楽譜は、私が生まれる前に製作されたものです。それで出来るだけスキャナなどには掛けたくないと思っていました。
しかし、本格的にネウマ譜の説明をしようと思うと、やはり登場して貰わなければならないようです。
今回は、第一サンクトスを紹介させて頂きます。
後世のミサ曲でも必ず取り上げられている曲です。「聖なるかな」と言う題の歌になります。
Sanctus,Sanctus,Sanctus Dominus Deus Sabaoth.
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな 万軍の神なる主。
Pleni sunt caeli et terra gloria tua.
主の栄光は天地に満つ。
Hosanna in excelsis.
天のいと高きところにホザンナ。
Benedictus qui venit in nomine Domini.
ほむべきかな、主の名によりて来る者。
Hosanna in excelsis.
天のいと高きところにホザンナ。
ここで、気が付かれた方がいらっしゃると思います。
主と云う単語が、DominusとDominiと違った表記になっていますね?
ラテン語はドイツ語やスペイン語の様に、語尾変化をする言語です。
ラテン語の品詞は全部で八つ有り、名詞、形容詞、代名詞、動詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞が存在しています。
この中で、名詞、形容詞、代名詞、動詞は、先程の様にその使い方によって語尾が変化します。
例えば、薔薇(Rosa)の語尾変化を下記に示します。
Rosa pulchra est. 薔薇は美しい。
Rosam amo. 私は薔薇を愛する。
Rosae odor est suavis. 薔薇の香りは快い。
Rosa ornat Iulia mensam. ユーリアは机を薔薇で飾る。
Rosae aquam do. 私は薔薇に水をやる。
Rosa,pulchra esto. 薔薇よ、美しくあれ。
上記のように、語尾が変化して出来る形を格(casus)と云います。さも、日本語のテニヲハの代わりを語尾変化で表しているわけです。
ラテン語は西洋の言語の中で一番難しい文法を持った言語で、ラテン語を志す人にとって辛苦を味わって勉強する必要があります。
それでは、第一サンクトスをお聞き下さい。
第一サンクトス
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