今回の衆院選で4度目の当選を果たし、国会に登院した小泉進次郎氏(11月1日午後)=共同
小泉進次郎氏が見つけた道しるべ「国民政党」
編集委員 清水真人 2017/11/7 6:43日本経済新聞 電子版
「私の政治生活の中で、間違いなくこの選挙は大きな運命の分岐点だった」。先の衆院選で、自民党の顔として全国を駆け回った筆頭副幹事長の小泉進次郎(36)。20都道府県、70カ所で演説のマイクを握る目の前の戦いと並行して、人知れず自問自答を繰り返してきた。4度目の当選を果たして「大切な道しるべを見つけた」と力を込める。追い求めてきたものは、「国民政党」とは何か、だった。
「現場の声がきちんと届く。それが自民党のあるべき姿だ、と選挙を通じて、骨で感じる気がした。目指すべき政治が自分の中で浮かび上がってきた。それをしっかり前に進めることを4期目の身の処し方にしたい」
特別国会が召集された11月1日、衆院本会議での首相指名選挙後。小泉は記者団に4期目の決意をこう打ち明けた。「野党の主張によって自らを省みる機会になった」と「感謝」して見せたのは、 希望の党代表の小池百合子が公約に掲げた「満員電車ゼロ」だ。遊説した秋田県で「満員電車を見てみたい。こっちは人がいないのだから」との有権者の 痛烈な批判を耳にしたという 。
その声は「アベノミクスの実感がないどころか、バブルも実感がなかった」と自民党にも向けられていた。ただ、小泉が地方で見たものは過疎や格差だけでもない。 山形県では「何て豊かな土地なんだ」と車窓に目を奪われた。洋ナシ、リンゴ、サクランボ、ブドウなどの果樹が沿道を埋め尽くす。水田は黄金の稲穂に揺れ、川辺の芋煮会に人々が集う。 東京の高層ビル街に戻ると「真の豊かさとは何なのか」を考えさせられた。
■「全国が地元」行脚して意識
「都会だけとか、地方だけを見ていては国造りを誤る。 日本全体をしっかり見ていく。北海道から沖縄まで全国を回れば、1億2千万人に一人ひとりの生き方や価値観、働き方がある。その全ての言葉や思いを受け止める。
そう 簡単ではないが、声が届く、分かってくれている、そう思われる政党が真の国民政党だ 。野党がどうであっても応援したくなる自民党を創る」
選挙戦最終日の10月21日夜。小泉は地元の神奈川県横須賀市での街頭演説で、こんな「国民政党」論に声をからした。都市型議員の代表と見られがちだが、語ったのは都会と地方の支え合い。同時に「全国が地元だ、という気持ちが湧いてきた。地元を誰より思いつつ、日本全体や世界の中の日本を考えて汗をかく。それが真の国会議員ではないか」と「全国民の代表」を訴えた。
今回も地元に入れたのは、公示日の第一声と最終日のこの「マイク納め」、あとは中盤戦のまる1日だけ。首相の安倍晋三から「北朝鮮対応で私や小野寺五典防衛相は思うように動けないから、その分もよろしく頼む」と耳打ちされ、抜群の集客力と発信力で、過酷ともいえる全国行脚をこなした。初当選した09年の衆院選を除く6回の国政選挙でこれを繰り返してきた。
まだお若いのにエライな、感心やな。その調子やで、思いっきりやんなハレ。骨はワタイが拾うてやる。
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