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2017年05月31日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 ACE VS ボン いよいよ迎えた決勝戦。参加者の中から勝ち上がった2人が、頂点をかけて激突する!!!
長く続いたこの大会も、いよいよ最終戦を残すのみとなった。だが、今まで行われてきた試合は、言ってしまえば全てこの試合の前座に過ぎない。全てのプレイヤーは優勝を目指し、そのためにこれまで試合を行ってきたのだから。
決勝戦に挑むのは、「ジャスティスループ」という独特のデッキチョイスで注目を集めてきたボン。登場後すぐさま環境入りを果たした「ジョーカーズ」で駆け抜けるACEの2人だ。
ボンはここでも「ジョーカーズ」という攻撃的なデッキと当たることとなった。受けを重視した「ジャスティスループ」を選択した恩恵を最大限に受けている。
ACEがここで不運にも「ジャスティスループ」と当たってしまったのは、ただ単に運が無かっただけなのか。それとも、その壁を乗り越えて優勝するという、良くできた物語を演出するためなのだろうか。
泣いても笑っても、これが最後の戦い。ここでこの大会唯一の“勝者”が決定する!
「ジャスティスループ」のボンが先行。相変わらずこのデッキは自分から動くことが少ない。3ターン目にようやく《サイバー・チューン》を発動し、ハンドを整えつつキーとなる呪文を墓地に貯めていく。
後手となった「ジョーカーズ」を操るACE。このデッキを使っている以上、やることは1つ。“とりあえず殴る”だ。《 洗脳センノー 》によって相手のターン中は《ウェディング・ゲート》を封じ込めることができるが、結局は攻撃して相手を倒さなければならない。
ACEは3ターン目にようやく《 洗脳センノー 》を召喚する及第点のスタート。次のターンに《パーリ騎士》を追加し、ボンのシールドへ攻撃を仕掛ける。
だが、受けの強い「ジャスティスループ」は攻撃をされ始めてからが本番。《 洗脳センノー 》の攻撃で、早速Sトリガー《サイバー・チューン》が発動。自分から動くことなく着々とループへの道を整える。
ACEも極力トリガーは踏みたくないが、そんな贅沢は言っていられない。続くターンも臆せずにシールドを割りに行く。しかし、ここでもやはりボンのシールドの中身が強い。今回の攻撃では《 クリスタル・メモリー 》がなんと2枚トリガー! 手札循環、墓地肥やし、サーチ。もうループへの準備は万端という様子。
ACEの攻撃の開始が4ターン目と遅かったこともあり、ボンははやくも6マナへ到達。ここまで来たら、繰り出されるのは……そう《ウエディング・ゲート》!!
……と言いたいところだが、AECの《 洗脳センノー 》がボンの動きを封じている。途中の攻撃で発動したSトリガーはパーツを集めるためのもので、邪魔者を退かしてくれるカードを踏ませることができなかったのだ。
自分から動けないのであれば仕方ない。《ドレミ団の光魂Go》から《連弾スパイラル》を唱え《 洗脳センノー 》をバウンスする。
しかし、バウンスしただけではあまり意味はない。再び手札から《 洗脳センノー 》が現れ、場のジョーカーズたちが攻撃を仕掛ける。ボンはここで除去トリガーを踏むか、直接《ウェディング・ゲート》を踏むしかないボン。
シールドを捲ると、4枚目のシールドからまたもトリガーが発動。踏んだのは……「復活と激突の呪印」。墓地にいるクリーチャーは《黒神龍 ブライゼナーガ 》のみ。残念ながら、これも有効なトリガーではない。
ACEはこのターンにダイレクトアタックを行うまでに至らなかったが、これまでの攻撃でボンのシールドを4枚割ることに成功。《 洗脳センノー 》が居る以上、残りの1枚で地雷を踏まない限り勝利は濃厚だ。
ターンを返されたボン。残る1枚のシールドの中身も《 クリスタル・メモリー 》を使ったボンは既に知っている。しばらく手札を見て打開策を考えるが、しばらくすると《黒神龍 ブライゼナーガ 》を召喚。残りのシールドを自ら回収し、そのまま場を片付けるのだった。
ボン・ACE 0-1
先に優勝へ大手をかけたのは、見事に不利対面を突破したACE。ターン中だけとはいえ、1戦目では《 洗脳センノー 》の効果が「ジャスティスループ」に対してかなりの有効札となった。
この調子を維持して、2本目も勝ち取ることができるだろうか。
【Game 2】
再び先手はボン。初戦を落としていることもあり、1回戦目と比べてカードの動かし方に慎重さが伺える。
ボンが先手を取ったとはいえ、先に動くのはやはり「ジョーカーズ」のACE。1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》で先ほどのMVPの《 洗脳センノー 》を手札に加え、1回戦目と同じようなゲームプランを狙っていく。
さらに、今回は序盤の動きも強い。2ターン目に《ヤッタレマン》を出しつつ、グラビティ・ゼロで《ゼロの裏技 ニヤリー・ゲット》を唱えるという最良の動き。
次のターンACEはもう一枚の《ゼロの裏技ニヤリーゲット》を使い、手札から《ヤッタレマン》《パーリ—騎士》《パーリ—騎士》《 洗脳センノー 》を一気に召喚。加わったジョーカーズたちを《ヤッタレマン》のコスト軽減によってほぼ全て場に出すとに成功。
一気にACEの場にはジ5体のクリーチャーが並び、シールドへと突撃する準備が整う。これに対し、ボンは《連弾スパイラル》を唱え、そのうちの1体を戻すだけ。全ての運命はシールドの中身に託された。
ACEの攻撃。1枚目のシールドは……《 クリスタル・メモリー 》。ループパーツを加えつつ、これによって山札を見ているボンだけがシールドの中身を知ることとなった。その際、ボンの表情は変わることはなかったが、果たしてその中身はどうなっているのだろうか……。
そして2枚目の攻撃。踏んだカードは……
盤面に降臨する2体の《聖霊左神 ジャスティス》。そこから唱えられるのは《連弾スパイラル》と《龍素知新》の2枚。再びジャスティスが場に舞い戻る。
ここまで続けば後は思うがまま。シールドの中身を知っているボンは、墓地に落ちた《黒神龍 ブライゼナーガ 》を《インフェルノ・サイン》で蘇生させ、一気に残りのSトリガーを発動させる。
シールドを全て回収したのであれば、途中でループが止まる可能性も少ない。あっという間にデッキの圧縮が完了し、《黒神龍 ザルバ》によるループが完成するのであった。決勝戦の行方は3戦目へと持ち越される。
ボン・ACE 1-1
2戦目はしっかりと相性通りに勝利を勝ち取ったボン。順当にこのまま3戦目も勝ちたいところだが、先ほどのように何も踏まずに負けた試合がある以上、何が起こるかわからない。
【Game3】
3戦目の先手後手はじゃんけんで決定される。その結果、三度ボンが先行。
もし仮にボンが使っているデッキが、ACEのように「ジョーカーズ」などであったらこの先手は大きく影響を与えていたかもしれないが、この対面ではそんなことよりも、シールドに何が埋まっているかの方が重要だ。
対するACEも、これまでの2試合を通して《 洗脳センノー 》を立てて殴って、あとは踏むか踏まないかの戦いになるということは十分理解しているだろう。後手とはいえ、1戦目のように踏まずに駆け抜けられれば勝利が見えてくる。
ACEは今回も1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》を発動。だが、今回持ってきたのは《ジョリー・ザ・ジョニー》。ジョーカーズの中心的な存在であるこのカードも、この試合では活躍の機会は少なそうだ。
狙ったカードはサーチできなかったようだが、それでもACEの動きは止まらない。2ターン目に《ヤッタレマン》。3ターン目には《パーリ—騎士》でマナを伸ばしつつ、《 洗脳センノー 》を召喚する。
一方、ボンは《サイバー・チューン》を唱え、シールドから来ると信じている《ウェディング・ゲート》に備えてハンドを整える。続く4ターン目には《 クリスタル・メモリー 》。さらに、ACEの《ヤッタレマン》による攻撃でも、Sトリガーで《 クリスタル・メモリー 》をもう1枚発動させている。
ここまでくると、手札にループパーツが無いということはまずないだろう。しかも、墓地には《サイバー・チューン》によって捨てられた《ウェディング・ゲート》がある。ACEは《目的不明の作戦》を踏むことすら許されない。
だが、ACEに残された道は1つしかない。殴って勝つ。それだけだ。1戦目で勝利した瞬間をイメージして、あのときを再現するべく攻撃を開始する。
《 洗脳センノー 》され場に残せれば、相手のターンに負けることはない。それそ意識しながら、1枚ずつ、少しづつシールドを割っていく。
トリガー……無し。トリガー……無し。また次も無し。気が付けばボンのシールドは1枚。
ここさえ突破すれば……あと1枚……。この瞬間、試合を見ている人の多くがACEの勝利する未来を想像したことだろう。
だが、その中で試合の行方を知っている人物が1人居た。そう、それは《 クリスタル・メモリー 》でシールドの中身を確認しているボン本人だ。
ボンは、ブレイクされた最後の1枚シールドのカードを場に出す!
見事に最後の1枚で《ウェディング・ゲート》を踏ませたボン。現れるのは2体の《聖霊左神ジャスティス》。もちろん、ここからループに入らない可能性もあるが、ここまで何人ものプレイヤーをループで沈めてきた彼がこの状態から失敗などするはずがない。
一瞬にして4体の《聖霊左神ジャスティス》が並び、デッキの圧縮が完了する。一度ループを体験しているACEは、《黒神龍ザルバ》が出てくるのを確認すると、投了を宣言した。
winner:ボン
今ここに新たなチャンピオンが誕生した。
参加者のうち、使用者1人だけのデッキが優勝するなど、誰が予測できただろうか。
周りの人と異なる選択。しかも、共に道を歩んでくれる仲間もいない。普通の人間であれば、最後の決断を前に臆してしまい、周りと同じ選択肢に逃げたくなることだろう。だが、彼はその信念を貫き、自分の心を最後まで曲げなかった。
そして、彼がその決断をした時点で、既にその瞬間から彼が主役の「物語」が始まっていたのだ。
第2回埼玉CSinバトロコ柏。240人を超える参加者の頂点に立ったのは、その中で唯一「ジャスティスループ」というデッキを選択したボン! 優勝おめでとう!
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
決勝戦に挑むのは、「ジャスティスループ」という独特のデッキチョイスで注目を集めてきたボン。登場後すぐさま環境入りを果たした「ジョーカーズ」で駆け抜けるACEの2人だ。
ボンはここでも「ジョーカーズ」という攻撃的なデッキと当たることとなった。受けを重視した「ジャスティスループ」を選択した恩恵を最大限に受けている。
ACEがここで不運にも「ジャスティスループ」と当たってしまったのは、ただ単に運が無かっただけなのか。それとも、その壁を乗り越えて優勝するという、良くできた物語を演出するためなのだろうか。
泣いても笑っても、これが最後の戦い。ここでこの大会唯一の“勝者”が決定する!
「ジャスティスループ」のボンが先行。相変わらずこのデッキは自分から動くことが少ない。3ターン目にようやく《サイバー・チューン》を発動し、ハンドを整えつつキーとなる呪文を墓地に貯めていく。
後手となった「ジョーカーズ」を操るACE。このデッキを使っている以上、やることは1つ。“とりあえず殴る”だ。《 洗脳センノー 》によって相手のターン中は《ウェディング・ゲート》を封じ込めることができるが、結局は攻撃して相手を倒さなければならない。
ACEは3ターン目にようやく《 洗脳センノー 》を召喚する及第点のスタート。次のターンに《パーリ騎士》を追加し、ボンのシールドへ攻撃を仕掛ける。
だが、受けの強い「ジャスティスループ」は攻撃をされ始めてからが本番。《 洗脳センノー 》の攻撃で、早速Sトリガー《サイバー・チューン》が発動。自分から動くことなく着々とループへの道を整える。
ACEも極力トリガーは踏みたくないが、そんな贅沢は言っていられない。続くターンも臆せずにシールドを割りに行く。しかし、ここでもやはりボンのシールドの中身が強い。今回の攻撃では《 クリスタル・メモリー 》がなんと2枚トリガー! 手札循環、墓地肥やし、サーチ。もうループへの準備は万端という様子。
ACEの攻撃の開始が4ターン目と遅かったこともあり、ボンははやくも6マナへ到達。ここまで来たら、繰り出されるのは……そう《ウエディング・ゲート》!!
……と言いたいところだが、AECの《 洗脳センノー 》がボンの動きを封じている。途中の攻撃で発動したSトリガーはパーツを集めるためのもので、邪魔者を退かしてくれるカードを踏ませることができなかったのだ。
自分から動けないのであれば仕方ない。《ドレミ団の光魂Go》から《連弾スパイラル》を唱え《 洗脳センノー 》をバウンスする。
しかし、バウンスしただけではあまり意味はない。再び手札から《 洗脳センノー 》が現れ、場のジョーカーズたちが攻撃を仕掛ける。ボンはここで除去トリガーを踏むか、直接《ウェディング・ゲート》を踏むしかないボン。
シールドを捲ると、4枚目のシールドからまたもトリガーが発動。踏んだのは……「復活と激突の呪印」。墓地にいるクリーチャーは《黒神龍 ブライゼナーガ 》のみ。残念ながら、これも有効なトリガーではない。
ACEはこのターンにダイレクトアタックを行うまでに至らなかったが、これまでの攻撃でボンのシールドを4枚割ることに成功。《 洗脳センノー 》が居る以上、残りの1枚で地雷を踏まない限り勝利は濃厚だ。
ターンを返されたボン。残る1枚のシールドの中身も《 クリスタル・メモリー 》を使ったボンは既に知っている。しばらく手札を見て打開策を考えるが、しばらくすると《黒神龍 ブライゼナーガ 》を召喚。残りのシールドを自ら回収し、そのまま場を片付けるのだった。
ボン・ACE 0-1
先に優勝へ大手をかけたのは、見事に不利対面を突破したACE。ターン中だけとはいえ、1戦目では《 洗脳センノー 》の効果が「ジャスティスループ」に対してかなりの有効札となった。
この調子を維持して、2本目も勝ち取ることができるだろうか。
【Game 2】
再び先手はボン。初戦を落としていることもあり、1回戦目と比べてカードの動かし方に慎重さが伺える。
ボンが先手を取ったとはいえ、先に動くのはやはり「ジョーカーズ」のACE。1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》で先ほどのMVPの《 洗脳センノー 》を手札に加え、1回戦目と同じようなゲームプランを狙っていく。
さらに、今回は序盤の動きも強い。2ターン目に《ヤッタレマン》を出しつつ、グラビティ・ゼロで《ゼロの裏技 ニヤリー・ゲット》を唱えるという最良の動き。
次のターンACEはもう一枚の《ゼロの裏技ニヤリーゲット》を使い、手札から《ヤッタレマン》《パーリ—騎士》《パーリ—騎士》《 洗脳センノー 》を一気に召喚。加わったジョーカーズたちを《ヤッタレマン》のコスト軽減によってほぼ全て場に出すとに成功。
一気にACEの場にはジ5体のクリーチャーが並び、シールドへと突撃する準備が整う。これに対し、ボンは《連弾スパイラル》を唱え、そのうちの1体を戻すだけ。全ての運命はシールドの中身に託された。
ACEの攻撃。1枚目のシールドは……《 クリスタル・メモリー 》。ループパーツを加えつつ、これによって山札を見ているボンだけがシールドの中身を知ることとなった。その際、ボンの表情は変わることはなかったが、果たしてその中身はどうなっているのだろうか……。
そして2枚目の攻撃。踏んだカードは……
盤面に降臨する2体の《聖霊左神 ジャスティス》。そこから唱えられるのは《連弾スパイラル》と《龍素知新》の2枚。再びジャスティスが場に舞い戻る。
ここまで続けば後は思うがまま。シールドの中身を知っているボンは、墓地に落ちた《黒神龍 ブライゼナーガ 》を《インフェルノ・サイン》で蘇生させ、一気に残りのSトリガーを発動させる。
シールドを全て回収したのであれば、途中でループが止まる可能性も少ない。あっという間にデッキの圧縮が完了し、《黒神龍 ザルバ》によるループが完成するのであった。決勝戦の行方は3戦目へと持ち越される。
ボン・ACE 1-1
2戦目はしっかりと相性通りに勝利を勝ち取ったボン。順当にこのまま3戦目も勝ちたいところだが、先ほどのように何も踏まずに負けた試合がある以上、何が起こるかわからない。
【Game3】
3戦目の先手後手はじゃんけんで決定される。その結果、三度ボンが先行。
もし仮にボンが使っているデッキが、ACEのように「ジョーカーズ」などであったらこの先手は大きく影響を与えていたかもしれないが、この対面ではそんなことよりも、シールドに何が埋まっているかの方が重要だ。
対するACEも、これまでの2試合を通して《 洗脳センノー 》を立てて殴って、あとは踏むか踏まないかの戦いになるということは十分理解しているだろう。後手とはいえ、1戦目のように踏まずに駆け抜けられれば勝利が見えてくる。
ACEは今回も1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》を発動。だが、今回持ってきたのは《ジョリー・ザ・ジョニー》。ジョーカーズの中心的な存在であるこのカードも、この試合では活躍の機会は少なそうだ。
狙ったカードはサーチできなかったようだが、それでもACEの動きは止まらない。2ターン目に《ヤッタレマン》。3ターン目には《パーリ—騎士》でマナを伸ばしつつ、《 洗脳センノー 》を召喚する。
一方、ボンは《サイバー・チューン》を唱え、シールドから来ると信じている《ウェディング・ゲート》に備えてハンドを整える。続く4ターン目には《 クリスタル・メモリー 》。さらに、ACEの《ヤッタレマン》による攻撃でも、Sトリガーで《 クリスタル・メモリー 》をもう1枚発動させている。
ここまでくると、手札にループパーツが無いということはまずないだろう。しかも、墓地には《サイバー・チューン》によって捨てられた《ウェディング・ゲート》がある。ACEは《目的不明の作戦》を踏むことすら許されない。
だが、ACEに残された道は1つしかない。殴って勝つ。それだけだ。1戦目で勝利した瞬間をイメージして、あのときを再現するべく攻撃を開始する。
《 洗脳センノー 》され場に残せれば、相手のターンに負けることはない。それそ意識しながら、1枚ずつ、少しづつシールドを割っていく。
トリガー……無し。トリガー……無し。また次も無し。気が付けばボンのシールドは1枚。
ここさえ突破すれば……あと1枚……。この瞬間、試合を見ている人の多くがACEの勝利する未来を想像したことだろう。
だが、その中で試合の行方を知っている人物が1人居た。そう、それは《 クリスタル・メモリー 》でシールドの中身を確認しているボン本人だ。
ボンは、ブレイクされた最後の1枚シールドのカードを場に出す!
見事に最後の1枚で《ウェディング・ゲート》を踏ませたボン。現れるのは2体の《聖霊左神ジャスティス》。もちろん、ここからループに入らない可能性もあるが、ここまで何人ものプレイヤーをループで沈めてきた彼がこの状態から失敗などするはずがない。
一瞬にして4体の《聖霊左神ジャスティス》が並び、デッキの圧縮が完了する。一度ループを体験しているACEは、《黒神龍ザルバ》が出てくるのを確認すると、投了を宣言した。
winner:ボン
今ここに新たなチャンピオンが誕生した。
参加者のうち、使用者1人だけのデッキが優勝するなど、誰が予測できただろうか。
周りの人と異なる選択。しかも、共に道を歩んでくれる仲間もいない。普通の人間であれば、最後の決断を前に臆してしまい、周りと同じ選択肢に逃げたくなることだろう。だが、彼はその信念を貫き、自分の心を最後まで曲げなかった。
そして、彼がその決断をした時点で、既にその瞬間から彼が主役の「物語」が始まっていたのだ。
第2回埼玉CSinバトロコ柏。240人を超える参加者の頂点に立ったのは、その中で唯一「ジャスティスループ」というデッキを選択したボン! 優勝おめでとう!
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月30日
第2回 埼玉CSinバトロコ柏 セミファイナル ボンVSエクス(御隠居) ワールドブレイクを決める《世紀末ヘヴィ・デス・メタル》! 「ジャスティスループ」はどう耐える!?
プレイヤーの多くは、試合中の様子にも常日頃の性格が現れやすい。いつも明るい雰囲気の者は、試合中も笑顔が垣間見える。普段もの静かであれば、試合中も無言でじっと盤面を見つめている。といった感じだ。
そのため、対戦相手が知っている人物であれば「試合は多分あんな感じの雰囲気になるかなー」と大体の予想ができる。
再びフィーチャー席に座るエクス(御隠居)は、どちらかと言えば明るい印象が強く、試合中も相手と会話を交わしたり、表情も豊かだ。
だが、その対戦相手となるボンはその法則が当てはまらない。普段はムードメーカー的な存在である彼だが、試合が始まった途端にその表情は消え去り、まるでその試合での勝利しか見えていないかのような、雑念の無い真剣な顔つきに変化する。
もちろん彼が明るい雰囲気で試合をすることもあるが、ここはCSの準決勝。談笑しつつ握手と撮影を終えて試合の準備が整うと、いつもの楽天的な彼は居なくなり、静かに、冷静に、ただその先にある勝利だけを見つめる1人のプレイヤーが現れた。
エクス(御隠居)の「墓地退化」VSボンの「ジャスティスループ」による準決勝、開始——。
先手を取ったのはボン。だが、自分から動くことの少ない「ジャスティスループ」は序盤はマナを貯め続けるのみ。
相手のデッキのネタを知ってるエクス(御隠居)は、いつ《ウェディング・ゲート》で爆発するかわからない、地雷原のようなボンのシールドをどう攻めたものか。ひとまず《異端流し オニカマス》を場に送り出す。
続けて《サイバー・チューン》で手札を入れ替えつつ墓地を肥やすが、エクス(御隠居)は3枚カードを引いた直後に首を傾げる。
墓地へ捨てたのは《斬隠蒼頭龍 バイケン 》と《戦略のD・H アツト》。どちらも墓地に居て仕事ができるカードではない。どうやら進化元になるカードを引けない事故に陥っている模様だ。
とはいえ、大量のディスカード呪文が入っている「墓地退化」。2ターン続けて《サイバー・チューン》《エマージェンシー・タイフーン》と唱え、なんとか墓地に《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を落とすことに成功する。
だが、気が付けばボンはもう6マナに到達。そこで飛んでくる《ウエディング・ゲート》!
……は無く。ここでもマナセットでターン終了。パーツがハンドに揃っていないのだろうか。表情を崩さないボンからも、どことなく苦しそうな雰囲気が漂い始める。
ひとまず命の繋がったエクス(御隠居)だが、こちらはボンのハンドの中身を知らない。ドローもサーチも行っていないとはいえ、いつ負けるかわからないこの状況は大きなプレッシャーを与えている。本来であれば《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》で手札を破壊しつつ攻撃したいが、残念ながら墓地には《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》のみ。
何度もドロー&ディスカードを行ったエクス(御隠居)の手札には、当然《死神術士 デスマーチ》と《龍脈術 落城の計》のセットが揃っている。そのまま何も踏まないことを祈って《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を走らせるか。それとも、《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》が来るのを待つか、エクス(御隠居)は究極の選択を迫られる。
全くカードをプレイしていないボンの墓地にはカードは1枚もない。今なら《 目的不明の作戦 》を踏んでも、最終的に《ウェディング・ゲート》に繋がらなければ負けることはない。シールドを割るならば今が絶好の機会と言えるだろう。
どうやらエクス(御隠居)の腹は決まったようだ。《死神術士 デスマーチ》からの《龍脈術 落城の計》。墓地から《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を釣り上げる。そして
「お願いします!!!!」
心の底からの願いを声に出しながら、ボンのシールドにワールドブレイクを仕掛ける!
この攻撃は、シールドの内容を知らないボンにとっても緊張の一瞬のはずだ。しかし、全く動揺していないのか、それともポーカーフェイスなのか、相変わらずボンの表情からは心境が全く読み取れない。
5枚の中でトリガーは……《サイバー・チューン》《インフェルノ・サイン》《 クリスタル・メモリー 》の3枚《ウェディング・ゲート》は無かったが《インフェルノ・サイン》次第ではまだどうなるかわからない。ここでようやくボンの表情が崩れ、苦笑いのような笑みを浮かべる。
ボンは「こんなことしなきゃいけないのかよ…」と言いつつ、《 クリスタル・メモリー 》で新たなループパーツを加え《サイバー・チューン》で《聖霊左神 ジャスティス》を墓地に送る。そして《インフェルノ・サイン》によって、その《聖霊左神 ジャスティス》が場に現れた。
この1枚の《聖霊左神 ジャスティス》で《ウェディング・ゲート》を唱えることができれば、このターン中にループのチャンスが訪れる。最悪《ドレミ団の光魂Go!》でも《異端流し オニカマス》を寝かせることができる。先ほどはシールドの5枚だったが、今回は山札の上の5枚に全てをかけることとなった。
ゆっくりと1枚づつカードを確認するボン。その中から放たれる呪文は……
見事に《ウェディング・ゲート》を引き当てることに成功! 手札から出てくるのはもちろん、2体の《聖霊左神 ジャスティス》。ここで再び効果でデッキから呪文を唱えるが、今回は墓地に《ウェディング・ゲート》があるので、捲って強いカードは山ほどある。
2体の《聖霊左神 ジャスティス》で唱えられるのは《連弾スパイラル》と《龍素知新》。《連弾スパイラル》でも手札に戻った《聖霊左神 ジャスティス》たちが、再利用された《ウェディング・ゲート》によって盤面へ戻ってくる。
こうなってはもう止まらない。ボンのデッキがみるみる圧縮されていき、連打される《ウェディング・ゲート》によって場には4体の《聖霊左神 ジャスティス》が並ぶ。
《連弾スパイラル》《ウェディング・ゲート》《龍素知新》《 目的不明の作戦 》を繰り返し撃つことで、デッキを減らすことなく《聖霊左神 ジャスティス》の効果ストックが量産されていく。
そして、最後の仕上げ。《龍素知新》で墓地から唱えられた《インフェルノ・サイン》によって《黒神龍ザルバ》が場に出てくる。ここからは《聖霊左神 ジャスティス》の効果ストックを消費して、デッキを減らさずに《フォース・アゲイン》を唱え続けるだけだ。
このループを理解しているエクス(御隠居)は、《黒神龍ザルバ》の姿を確認すると、自分の場のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
勢いに乗っていたエクス(御隠居)だったが、決勝戦目前でボンの「ジャスティス・ループ」に屈することとなった。本人は「こんなとこまで来るのは予想外だった」とは言っているが、負けてもいいと思っているわけではない。ここで敗退する悔しさは、胸に深く突き刺さっていることだろう。
一方、決勝へと駒を進めたボン。試合が終わると「最初のトリガーとジャスティスが〜」と話を始め、いつもの笑顔の彼が戻っていた。やはり、彼の普段の状態と、真剣な状態のの豹変っぷりには驚かされる。
異色のループデッキ「ジャスティスループ」を操る彼は、このまま頂点まで駆け上がることができるのか。勝利の栄光は、もう目の前だ。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
そのため、対戦相手が知っている人物であれば「試合は多分あんな感じの雰囲気になるかなー」と大体の予想ができる。
再びフィーチャー席に座るエクス(御隠居)は、どちらかと言えば明るい印象が強く、試合中も相手と会話を交わしたり、表情も豊かだ。
だが、その対戦相手となるボンはその法則が当てはまらない。普段はムードメーカー的な存在である彼だが、試合が始まった途端にその表情は消え去り、まるでその試合での勝利しか見えていないかのような、雑念の無い真剣な顔つきに変化する。
もちろん彼が明るい雰囲気で試合をすることもあるが、ここはCSの準決勝。談笑しつつ握手と撮影を終えて試合の準備が整うと、いつもの楽天的な彼は居なくなり、静かに、冷静に、ただその先にある勝利だけを見つめる1人のプレイヤーが現れた。
エクス(御隠居)の「墓地退化」VSボンの「ジャスティスループ」による準決勝、開始——。
先手を取ったのはボン。だが、自分から動くことの少ない「ジャスティスループ」は序盤はマナを貯め続けるのみ。
相手のデッキのネタを知ってるエクス(御隠居)は、いつ《ウェディング・ゲート》で爆発するかわからない、地雷原のようなボンのシールドをどう攻めたものか。ひとまず《異端流し オニカマス》を場に送り出す。
続けて《サイバー・チューン》で手札を入れ替えつつ墓地を肥やすが、エクス(御隠居)は3枚カードを引いた直後に首を傾げる。
墓地へ捨てたのは《斬隠蒼頭龍 バイケン 》と《戦略のD・H アツト》。どちらも墓地に居て仕事ができるカードではない。どうやら進化元になるカードを引けない事故に陥っている模様だ。
とはいえ、大量のディスカード呪文が入っている「墓地退化」。2ターン続けて《サイバー・チューン》《エマージェンシー・タイフーン》と唱え、なんとか墓地に《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を落とすことに成功する。
だが、気が付けばボンはもう6マナに到達。そこで飛んでくる《ウエディング・ゲート》!
……は無く。ここでもマナセットでターン終了。パーツがハンドに揃っていないのだろうか。表情を崩さないボンからも、どことなく苦しそうな雰囲気が漂い始める。
ひとまず命の繋がったエクス(御隠居)だが、こちらはボンのハンドの中身を知らない。ドローもサーチも行っていないとはいえ、いつ負けるかわからないこの状況は大きなプレッシャーを与えている。本来であれば《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》で手札を破壊しつつ攻撃したいが、残念ながら墓地には《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》のみ。
何度もドロー&ディスカードを行ったエクス(御隠居)の手札には、当然《死神術士 デスマーチ》と《龍脈術 落城の計》のセットが揃っている。そのまま何も踏まないことを祈って《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を走らせるか。それとも、《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》が来るのを待つか、エクス(御隠居)は究極の選択を迫られる。
全くカードをプレイしていないボンの墓地にはカードは1枚もない。今なら《 目的不明の作戦 》を踏んでも、最終的に《ウェディング・ゲート》に繋がらなければ負けることはない。シールドを割るならば今が絶好の機会と言えるだろう。
どうやらエクス(御隠居)の腹は決まったようだ。《死神術士 デスマーチ》からの《龍脈術 落城の計》。墓地から《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を釣り上げる。そして
「お願いします!!!!」
心の底からの願いを声に出しながら、ボンのシールドにワールドブレイクを仕掛ける!
この攻撃は、シールドの内容を知らないボンにとっても緊張の一瞬のはずだ。しかし、全く動揺していないのか、それともポーカーフェイスなのか、相変わらずボンの表情からは心境が全く読み取れない。
5枚の中でトリガーは……《サイバー・チューン》《インフェルノ・サイン》《 クリスタル・メモリー 》の3枚《ウェディング・ゲート》は無かったが《インフェルノ・サイン》次第ではまだどうなるかわからない。ここでようやくボンの表情が崩れ、苦笑いのような笑みを浮かべる。
ボンは「こんなことしなきゃいけないのかよ…」と言いつつ、《 クリスタル・メモリー 》で新たなループパーツを加え《サイバー・チューン》で《聖霊左神 ジャスティス》を墓地に送る。そして《インフェルノ・サイン》によって、その《聖霊左神 ジャスティス》が場に現れた。
この1枚の《聖霊左神 ジャスティス》で《ウェディング・ゲート》を唱えることができれば、このターン中にループのチャンスが訪れる。最悪《ドレミ団の光魂Go!》でも《異端流し オニカマス》を寝かせることができる。先ほどはシールドの5枚だったが、今回は山札の上の5枚に全てをかけることとなった。
ゆっくりと1枚づつカードを確認するボン。その中から放たれる呪文は……
見事に《ウェディング・ゲート》を引き当てることに成功! 手札から出てくるのはもちろん、2体の《聖霊左神 ジャスティス》。ここで再び効果でデッキから呪文を唱えるが、今回は墓地に《ウェディング・ゲート》があるので、捲って強いカードは山ほどある。
2体の《聖霊左神 ジャスティス》で唱えられるのは《連弾スパイラル》と《龍素知新》。《連弾スパイラル》でも手札に戻った《聖霊左神 ジャスティス》たちが、再利用された《ウェディング・ゲート》によって盤面へ戻ってくる。
こうなってはもう止まらない。ボンのデッキがみるみる圧縮されていき、連打される《ウェディング・ゲート》によって場には4体の《聖霊左神 ジャスティス》が並ぶ。
《連弾スパイラル》《ウェディング・ゲート》《龍素知新》《 目的不明の作戦 》を繰り返し撃つことで、デッキを減らすことなく《聖霊左神 ジャスティス》の効果ストックが量産されていく。
そして、最後の仕上げ。《龍素知新》で墓地から唱えられた《インフェルノ・サイン》によって《黒神龍ザルバ》が場に出てくる。ここからは《聖霊左神 ジャスティス》の効果ストックを消費して、デッキを減らさずに《フォース・アゲイン》を唱え続けるだけだ。
このループを理解しているエクス(御隠居)は、《黒神龍ザルバ》の姿を確認すると、自分の場のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
勢いに乗っていたエクス(御隠居)だったが、決勝戦目前でボンの「ジャスティス・ループ」に屈することとなった。本人は「こんなとこまで来るのは予想外だった」とは言っているが、負けてもいいと思っているわけではない。ここで敗退する悔しさは、胸に深く突き刺さっていることだろう。
一方、決勝へと駒を進めたボン。試合が終わると「最初のトリガーとジャスティスが〜」と話を始め、いつもの笑顔の彼が戻っていた。やはり、彼の普段の状態と、真剣な状態のの豹変っぷりには驚かされる。
異色のループデッキ「ジャスティスループ」を操る彼は、このまま頂点まで駆け上がることができるのか。勝利の栄光は、もう目の前だ。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月28日
第2回 埼玉CSinバトロコ柏 決勝トーナメント第3回戦 ユーリVSエクス(御隠居) ブン回を見せるユーリの「緑単ゴエモンキー」だが、9コストのアイツが登場すると……
※大会進行の都合により、通常卓でのフィーチャーとなります。
トップ8に残ったエクス(御隠居)はポロリとこんなことを呟く。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだろう…」
どうやらここまで来れると思ってはおらず、まだこの状況が信じられないようだ。しかし、彼がここまで来る間に強敵を倒し続けてきた事実は変わらない。本人に自信はなくとも、実力は確かにある。
向かいの席に着席するのは、チーム「AQUAWAVE(AW)」のユーリ。CS優勝経験も複数ある彼は、トップ8まで来ても落ち着いた様子。
TCGは努力すれば必ず勝てるというものではない。その日の勢い、周りの様子など、様々な要素が絡み合ってその日の優勝者が生まれる。実力だけでも運だけでも勝てない。プレイヤーに求められるのは、運が良い日を無駄にしない実力があるかどうかだ。
ユーリも恐らく“そういう日”をしっかりと取りこぼさずにしてきたからこそ、何度も優勝できたのだろう。そして、ここまで来る予定は無かったというエクス(御隠居)にとっても、今日が“そういう日”というわけだ。
心境が大きく異なる2人による対決。トップ4へ進むのは、経験豊富なユーリか? それとも無自覚ながらもその実力を発揮してきたエクス(御隠居)か?
先手はユーリ。マナに《アラゴト・ムスビ》をセットしつつ、1ターン目から《トレジャー・マップ》でループパーツを集めていく。
後手のエクス(御隠居)も《戦略のD・H アツト》で墓地を肥やしてコンボの準備を進めるが、攻めるにはまだまだ時間がかかる様子。
ここでユーリのデッキがこれでもかというブン回りを見せる。2ターン目に《桜風妖精ステップル》と《 ベイBジャック 》を同時展開。次のターンには早くも《龍覇 マリニャン》が着地。ループの要となる《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出す。さらに《龍覇 マリニャン》でマナを生み出し《トレジャーマップ》を唱え、後続を確保する。
最良とも言える動きを見せつけられ、流石にこれには渋い顔をするエクス(御隠居)。だが、新たに召喚した《死神術士 デスマーチ》と、先ほどの《戦略のD・H アツト》で、マナを生み出すためにタップされた《龍覇 マリニャン》と《桜風妖精ステップル》を破壊する。
これでユーリの場のクリーチャーは《 ベイBジャック 》のみ。次のターンに《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を龍解させる思惑は失敗に終わってしまう。
だが、「緑単ゴエモンキー」はこの程度で息切れするヤワなデッキではない。殴り返しによって失ったクリーチャーを《雪精 ジャーベル》で補うユーリ。効果で手札に加えた《桜風妖精ステップル》も合わせて場に出し、再度龍解を狙う。
先ほどはクリーチャーがタップされていたおかげてなんとか窮地を免れたエクス(御隠居)。しかし、出てきたクリーチャーがアンタップ状態の今回はそうもいかない。ひとまずは《死神術士 デスマーチ》を再び召喚する。
本来であれば《 世紀末へヴィ・デス・メタル 》を呼び出して一気に勝負をつけたいところだが、今回の《死神術士 デスマーチ》の下にいるのは《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》。エクス(御隠居)は、手札にある1枚の《龍脈術 落城の計》を除去として使うか、コンボパーツとして使うのかを考え続ける。
直後、エクス(御隠居)の口から「よし」という言葉が出る。意を決して《龍脈術 落城の計》を唱えると、《死神術士 デスマーチ》が手札に戻り《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》へと変身する!!
そのままターンを終了するが、《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》の効果でターン終了時にお互いの手札が全て墓地へ送られる。お互いに手札を失ってしまったが、場に触れられることに無かったユーリの《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》は《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》へと龍解する。
こうなってしまっては、勝負の行方は誰にもわからない。《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》を暴れさせているエクス(御隠居)が有利にも見えるが、ユーリも《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》のコスト軽減の状態に加えて、マナには《アラゴト・ムスビ》もある。どちらも勝利まであと一歩の状態だ。
ターンを渡されたユーリは、トップで引いた《龍覇 マリニャン》を盤面に追加。新たな《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出し、3コスト軽減の場を作る。さらにマナの《アラゴト・ムスビ》を起動して、《雪精 ジャーベル》をリサイクル。
しかし、エンド時に全て手札が破壊されるこの状況では、手札に加えて有効なカードは少ない。《雪精 ジャーベル》の効果で加えたのは、2枚目の《 ベイBジャック 》。既に1体が場に出ているこの場面では、あまり嬉しいカードではない。場に2匹の《 ベイBジャック 》を並べターン終了。
エクス(御隠居)のターン。このターンでようやく《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》の召喚良いが解け、Tブレイクとハンデスによる強力なアクションが取れるようになる。一般的な「緑単ゴエモンキー」であれば、Sトリガーを採用している可能性は低いため、絶好の攻撃の機会だ。
新たに引いた《鬼面妖蟲 ワームゴワルスキー》を追加し、ユーリのシールドへ襲い掛かる。一気に全てのシールドがブレイクされ、さらにそのブレイクされたシールドは全てエンド時に墓地へ送られる。
後がなくなったユーリ。次のドローで何か有効牌を引かなければならないが……引けない。ここまで盤面でお膳立てしたにも関わらずループに入ることができなかった。仕方なく《 ベイBジャック 》の効果を起動し、場にある打点で殴り勝つことを選択する。
まずは《 ベイBジャック 》のWブレイクを行うが……
守りの硬さに定評のある「墓地退化」デッキ。そんな甘えた攻撃は許さないとばかりに《終末の時計 クロック》がユーリからターンをもぎ取っていった。
手札、シールドが0枚のユーリは成す術もなく、エクス(御隠居)のダイレクトアタックを受けるのだった。
winner:エクス(御隠居)
3ターン目のユーリの動きを見ていて、試合を見ていた全員が「これは勝負あったか?」と思っていた。
だが、その勢いは続くことはなかった。最終的には、ゲームを諦めず最善を尽くしてきたエクス(御隠居)が勝利を掴んだ。当の本人のユーリも「いや……流石に勝ったと思ってました」と驚きを隠せない様子。
《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》をうまく利用したコントロールで勝利を掴んだエクス(御隠居)。セミファイナルへ進出!
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
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トップ8に残ったエクス(御隠居)はポロリとこんなことを呟く。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだろう…」
どうやらここまで来れると思ってはおらず、まだこの状況が信じられないようだ。しかし、彼がここまで来る間に強敵を倒し続けてきた事実は変わらない。本人に自信はなくとも、実力は確かにある。
向かいの席に着席するのは、チーム「AQUAWAVE(AW)」のユーリ。CS優勝経験も複数ある彼は、トップ8まで来ても落ち着いた様子。
TCGは努力すれば必ず勝てるというものではない。その日の勢い、周りの様子など、様々な要素が絡み合ってその日の優勝者が生まれる。実力だけでも運だけでも勝てない。プレイヤーに求められるのは、運が良い日を無駄にしない実力があるかどうかだ。
ユーリも恐らく“そういう日”をしっかりと取りこぼさずにしてきたからこそ、何度も優勝できたのだろう。そして、ここまで来る予定は無かったというエクス(御隠居)にとっても、今日が“そういう日”というわけだ。
心境が大きく異なる2人による対決。トップ4へ進むのは、経験豊富なユーリか? それとも無自覚ながらもその実力を発揮してきたエクス(御隠居)か?
先手はユーリ。マナに《アラゴト・ムスビ》をセットしつつ、1ターン目から《トレジャー・マップ》でループパーツを集めていく。
後手のエクス(御隠居)も《戦略のD・H アツト》で墓地を肥やしてコンボの準備を進めるが、攻めるにはまだまだ時間がかかる様子。
ここでユーリのデッキがこれでもかというブン回りを見せる。2ターン目に《桜風妖精ステップル》と《 ベイBジャック 》を同時展開。次のターンには早くも《龍覇 マリニャン》が着地。ループの要となる《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出す。さらに《龍覇 マリニャン》でマナを生み出し《トレジャーマップ》を唱え、後続を確保する。
最良とも言える動きを見せつけられ、流石にこれには渋い顔をするエクス(御隠居)。だが、新たに召喚した《死神術士 デスマーチ》と、先ほどの《戦略のD・H アツト》で、マナを生み出すためにタップされた《龍覇 マリニャン》と《桜風妖精ステップル》を破壊する。
これでユーリの場のクリーチャーは《 ベイBジャック 》のみ。次のターンに《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を龍解させる思惑は失敗に終わってしまう。
だが、「緑単ゴエモンキー」はこの程度で息切れするヤワなデッキではない。殴り返しによって失ったクリーチャーを《雪精 ジャーベル》で補うユーリ。効果で手札に加えた《桜風妖精ステップル》も合わせて場に出し、再度龍解を狙う。
先ほどはクリーチャーがタップされていたおかげてなんとか窮地を免れたエクス(御隠居)。しかし、出てきたクリーチャーがアンタップ状態の今回はそうもいかない。ひとまずは《死神術士 デスマーチ》を再び召喚する。
本来であれば《 世紀末へヴィ・デス・メタル 》を呼び出して一気に勝負をつけたいところだが、今回の《死神術士 デスマーチ》の下にいるのは《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》。エクス(御隠居)は、手札にある1枚の《龍脈術 落城の計》を除去として使うか、コンボパーツとして使うのかを考え続ける。
直後、エクス(御隠居)の口から「よし」という言葉が出る。意を決して《龍脈術 落城の計》を唱えると、《死神術士 デスマーチ》が手札に戻り《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》へと変身する!!
そのままターンを終了するが、《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》の効果でターン終了時にお互いの手札が全て墓地へ送られる。お互いに手札を失ってしまったが、場に触れられることに無かったユーリの《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》は《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》へと龍解する。
こうなってしまっては、勝負の行方は誰にもわからない。《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》を暴れさせているエクス(御隠居)が有利にも見えるが、ユーリも《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》のコスト軽減の状態に加えて、マナには《アラゴト・ムスビ》もある。どちらも勝利まであと一歩の状態だ。
ターンを渡されたユーリは、トップで引いた《龍覇 マリニャン》を盤面に追加。新たな《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出し、3コスト軽減の場を作る。さらにマナの《アラゴト・ムスビ》を起動して、《雪精 ジャーベル》をリサイクル。
しかし、エンド時に全て手札が破壊されるこの状況では、手札に加えて有効なカードは少ない。《雪精 ジャーベル》の効果で加えたのは、2枚目の《 ベイBジャック 》。既に1体が場に出ているこの場面では、あまり嬉しいカードではない。場に2匹の《 ベイBジャック 》を並べターン終了。
エクス(御隠居)のターン。このターンでようやく《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》の召喚良いが解け、Tブレイクとハンデスによる強力なアクションが取れるようになる。一般的な「緑単ゴエモンキー」であれば、Sトリガーを採用している可能性は低いため、絶好の攻撃の機会だ。
新たに引いた《鬼面妖蟲 ワームゴワルスキー》を追加し、ユーリのシールドへ襲い掛かる。一気に全てのシールドがブレイクされ、さらにそのブレイクされたシールドは全てエンド時に墓地へ送られる。
後がなくなったユーリ。次のドローで何か有効牌を引かなければならないが……引けない。ここまで盤面でお膳立てしたにも関わらずループに入ることができなかった。仕方なく《 ベイBジャック 》の効果を起動し、場にある打点で殴り勝つことを選択する。
まずは《 ベイBジャック 》のWブレイクを行うが……
守りの硬さに定評のある「墓地退化」デッキ。そんな甘えた攻撃は許さないとばかりに《終末の時計 クロック》がユーリからターンをもぎ取っていった。
手札、シールドが0枚のユーリは成す術もなく、エクス(御隠居)のダイレクトアタックを受けるのだった。
winner:エクス(御隠居)
3ターン目のユーリの動きを見ていて、試合を見ていた全員が「これは勝負あったか?」と思っていた。
だが、その勢いは続くことはなかった。最終的には、ゲームを諦めず最善を尽くしてきたエクス(御隠居)が勝利を掴んだ。当の本人のユーリも「いや……流石に勝ったと思ってました」と驚きを隠せない様子。
《奈落の葬儀人 デス・シュテロン 》をうまく利用したコントロールで勝利を掴んだエクス(御隠居)。セミファイナルへ進出!
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
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2017年05月27日
第2回 埼玉CSinバトロコ柏 決勝トーナメント第2回戦 ヒグエモンVSクロサキ* トップ8をかけた戦い! 「シータバスター」の前に、最大の天敵「青黒ハンデス」が現れる! ヒグエモンはこの試練をどう乗り越えるのか!?
※大会進行の都合により、通常卓でのフィーチャーとなります。
16人の勝者が出揃った決勝トーナメント第2回戦。ここで続けて勝利すればトップ8進出となり、ベスト8という肩書に加え、上位賞品も手に入る。逆を言えば、ここで負けるのが一番虚しいとも言えるだろう
勝者と敗者で大きな差が出るこの試合。今回はその中から、クロサキ*とヒグエモンによる「青黒ハンデス」VS「シータバスター」の対戦をお届けする。
今までの《蒼き団長 ドギラゴン剣》は《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》による墓地回収能力によってハンデスに対して優位に立っていた。だが現在は殿堂入りによって大きく弱体化を受け、「シータバスター」へと形を変えた結果、妨害がもろに刺さるようになってしまっている。
「青黒ハンデス」はプレイヤーによって大きく好き嫌いが大きく分かれるデッキ。そのため、一定の数は存在するが、使用者も多いわけではない。そういった理由もあり、ヒグエモンが「シータバスター」を選択した時点で、不利な「青黒ハンデス」のことは割り切っていたという。
この重要なベスト16の試合で不利対面と当たってしまう不運なヒグエモン。一方、相性で勝るクロサキ*は冷静な顔をしているが、心のどこかでは「運が良かった」と思っていることだろう。
果たしてヒグエモンは、この試練を乗り越えることができるのだろうか?
先に動いたのは先手のクロサキ*。《蒼き団長 ドギラゴン剣 》の天敵である《異端流し オニカマス》召喚する。
このカードこそ、今の環境で「シータバスター」が最も嫌がるカードであり、最も除去し辛いカードでもある。ヒグエモンは、これから訪れるハンデスに加えて、早くも対処しなければならないことが増えてしまった。
5マナに到達しないことには始まらないヒグエモン。とりえあず《フェアリー・ライフ》でマナを伸ばすが、手札を使ったタイミングを狙ったクロサキ*のハンデスが襲い掛かる。捨てられたのは《蒼き団長 ドギラゴン剣 》。早くもフィニッシャーを1枚失ってしまう。
惜しいカードを落とされてしまったが、その後のクロサキ*の動きが無かったこともあり、ヒグエモンは残りのハンドをキープすることに成功。5マナで《超次元 フェアリーホール》を唱える。
《異端流し オニカマス》がいる状況だが、ここで次元に用意しておいた《時空の巨人 セツダン》が輝く。バウンス能力を回避しつつ、次のターン《 勝利のガイアール・カイザー 》で《異端流し オニカマス》の除去を狙うプランだ。
だが、その行動を見逃すほどクロサキ*は甘くない。すぐに《 超次元リバイヴ・ホール 》から《 勝利のガイアール・カイザー 》を投げつけ、《時空の巨人 セツダン》を退場させる。
《異端流し オニカマス》の除去に失敗したヒグエモンだが、《 リュウセイ・ジ・アース 》を場に送り出し、なんとか戦線を保とうとする。だが、ここで増えた手札もクロサキ*のハンデスによって破壊され、手札が0枚の危機的状況へと陥ってしまう。
《異端流し オニカマス》のせいで《蒼き団長 ドギラゴン剣 》も超次元呪文も腐り札となってしまっているこの状態。ここでヒグエモンが引くカードは……
引いたのは《メガ・マグマ・ドラゴン》! 《異端流し オニカマス》を除去しつつ、場を伸ばすという理想的な展開。これでヒグエモンにも勝機が見えてきた。
……かのように見えた。クロサキ*は焦る様子もなく、再び《 超次元リバイヴ・ホール 》から《 勝利のガイアール・カイザー 》呼び出し、さらに《S級侵略 デッドゾーン 》の侵略も発動。《 リュウセイ・ジ・アース 》と《メガ・マグマ・ドラゴン》の2体を一度に破壊する。
手札0枚、場も0体。こうなってしまっては「シータバスター」はどうしようもない。ドローソースがなく、墓地回収もないため、一度失ったリソースを取り戻すのは難しい。
まずは、チェンジ元・《蒼き団長ドギラゴン剣》のセットを揃えたいヒグエモン。祈りを込めてトップを引くが……動けるカードは来ない。ここはノーアクションでターンを返す。
そして、次のターンのクロサキ*が出したのは、ヒグエモンを絶望へ叩き落とす2体目の《異端流し オニカマス》。再び盤面はクロサキ*が場を制圧した状態へと戻る。
動くことができないヒグエモン。そこへクロサキ*が撃ち込むのは……
手札が1枚だけだったヒグエモン。マナゾーンのカードが1枚だけになってしまい、とうとう逆転は絶望的な状況に。反撃の芽を摘んだクロサキ*は、一気にクリーチャーをヒグエモンへの攻撃に向かわせる。ダイレクトアタックまで届く打点はではないが、《S級侵略 デッドゾーン 》のTブレイクが大きくヒグエモンの盾を削っていく。
次のターンにヒグエモンが使えるマナはチャージを含めて2マナ。この状況で行える行動は、ただ《フェアリー・ライフ》でマナを増やすことだけだ。
クロサキ*にターンを返すヒグエモン。《 解体人形ジェニー 》で安全確認をしつつ、再び攻撃を仕掛ける。
残り2枚のシールドが割られ、丸裸になるヒグエモン。そして、散々彼を苦しめた続けた《異端流し オニカマス》が、最後のトドメを刺した。
winner:クロサキ*
「不利とはわかっていましたが……《異端流し オニカマス》は自分以外使ってほしくないですね(笑)」と天敵への恨みを冗談めかして語るヒグエモン。
クロサキ*は「《 魔天降臨 》が早い段階で引けていたので、テンポを取りつつフィニッシュに繋がったのが勝因でした」と試合を振り返る。「青黒ハンデス」は使い慣れている十八番のデッキとのことで、見事にその相棒デッキと力を合わせトップ8進出を決めた。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
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16人の勝者が出揃った決勝トーナメント第2回戦。ここで続けて勝利すればトップ8進出となり、ベスト8という肩書に加え、上位賞品も手に入る。逆を言えば、ここで負けるのが一番虚しいとも言えるだろう
勝者と敗者で大きな差が出るこの試合。今回はその中から、クロサキ*とヒグエモンによる「青黒ハンデス」VS「シータバスター」の対戦をお届けする。
今までの《蒼き団長 ドギラゴン剣》は《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》による墓地回収能力によってハンデスに対して優位に立っていた。だが現在は殿堂入りによって大きく弱体化を受け、「シータバスター」へと形を変えた結果、妨害がもろに刺さるようになってしまっている。
「青黒ハンデス」はプレイヤーによって大きく好き嫌いが大きく分かれるデッキ。そのため、一定の数は存在するが、使用者も多いわけではない。そういった理由もあり、ヒグエモンが「シータバスター」を選択した時点で、不利な「青黒ハンデス」のことは割り切っていたという。
この重要なベスト16の試合で不利対面と当たってしまう不運なヒグエモン。一方、相性で勝るクロサキ*は冷静な顔をしているが、心のどこかでは「運が良かった」と思っていることだろう。
果たしてヒグエモンは、この試練を乗り越えることができるのだろうか?
先に動いたのは先手のクロサキ*。《蒼き団長 ドギラゴン剣 》の天敵である《異端流し オニカマス》召喚する。
このカードこそ、今の環境で「シータバスター」が最も嫌がるカードであり、最も除去し辛いカードでもある。ヒグエモンは、これから訪れるハンデスに加えて、早くも対処しなければならないことが増えてしまった。
5マナに到達しないことには始まらないヒグエモン。とりえあず《フェアリー・ライフ》でマナを伸ばすが、手札を使ったタイミングを狙ったクロサキ*のハンデスが襲い掛かる。捨てられたのは《蒼き団長 ドギラゴン剣 》。早くもフィニッシャーを1枚失ってしまう。
惜しいカードを落とされてしまったが、その後のクロサキ*の動きが無かったこともあり、ヒグエモンは残りのハンドをキープすることに成功。5マナで《超次元 フェアリーホール》を唱える。
《異端流し オニカマス》がいる状況だが、ここで次元に用意しておいた《時空の巨人 セツダン》が輝く。バウンス能力を回避しつつ、次のターン《 勝利のガイアール・カイザー 》で《異端流し オニカマス》の除去を狙うプランだ。
だが、その行動を見逃すほどクロサキ*は甘くない。すぐに《 超次元リバイヴ・ホール 》から《 勝利のガイアール・カイザー 》を投げつけ、《時空の巨人 セツダン》を退場させる。
《異端流し オニカマス》の除去に失敗したヒグエモンだが、《 リュウセイ・ジ・アース 》を場に送り出し、なんとか戦線を保とうとする。だが、ここで増えた手札もクロサキ*のハンデスによって破壊され、手札が0枚の危機的状況へと陥ってしまう。
《異端流し オニカマス》のせいで《蒼き団長 ドギラゴン剣 》も超次元呪文も腐り札となってしまっているこの状態。ここでヒグエモンが引くカードは……
引いたのは《メガ・マグマ・ドラゴン》! 《異端流し オニカマス》を除去しつつ、場を伸ばすという理想的な展開。これでヒグエモンにも勝機が見えてきた。
……かのように見えた。クロサキ*は焦る様子もなく、再び《 超次元リバイヴ・ホール 》から《 勝利のガイアール・カイザー 》呼び出し、さらに《S級侵略 デッドゾーン 》の侵略も発動。《 リュウセイ・ジ・アース 》と《メガ・マグマ・ドラゴン》の2体を一度に破壊する。
手札0枚、場も0体。こうなってしまっては「シータバスター」はどうしようもない。ドローソースがなく、墓地回収もないため、一度失ったリソースを取り戻すのは難しい。
まずは、チェンジ元・《蒼き団長ドギラゴン剣》のセットを揃えたいヒグエモン。祈りを込めてトップを引くが……動けるカードは来ない。ここはノーアクションでターンを返す。
そして、次のターンのクロサキ*が出したのは、ヒグエモンを絶望へ叩き落とす2体目の《異端流し オニカマス》。再び盤面はクロサキ*が場を制圧した状態へと戻る。
動くことができないヒグエモン。そこへクロサキ*が撃ち込むのは……
手札が1枚だけだったヒグエモン。マナゾーンのカードが1枚だけになってしまい、とうとう逆転は絶望的な状況に。反撃の芽を摘んだクロサキ*は、一気にクリーチャーをヒグエモンへの攻撃に向かわせる。ダイレクトアタックまで届く打点はではないが、《S級侵略 デッドゾーン 》のTブレイクが大きくヒグエモンの盾を削っていく。
次のターンにヒグエモンが使えるマナはチャージを含めて2マナ。この状況で行える行動は、ただ《フェアリー・ライフ》でマナを増やすことだけだ。
クロサキ*にターンを返すヒグエモン。《 解体人形ジェニー 》で安全確認をしつつ、再び攻撃を仕掛ける。
残り2枚のシールドが割られ、丸裸になるヒグエモン。そして、散々彼を苦しめた続けた《異端流し オニカマス》が、最後のトドメを刺した。
winner:クロサキ*
「不利とはわかっていましたが……《異端流し オニカマス》は自分以外使ってほしくないですね(笑)」と天敵への恨みを冗談めかして語るヒグエモン。
クロサキ*は「《 魔天降臨 》が早い段階で引けていたので、テンポを取りつつフィニッシュに繋がったのが勝因でした」と試合を振り返る。「青黒ハンデス」は使い慣れている十八番のデッキとのことで、見事にその相棒デッキと力を合わせトップ8進出を決めた。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月26日
第2回 埼玉CSinバトロコ柏 決勝トーナメント第1回戦 無題VSラフロイグ イメン全盛期に行われた「イメンループ」と「青黒ハンデス」の試合が、いまここに蘇る!
240人を超える参加者の中から選ばれた、26人の決勝トーナメント進出者。まずは彼らの予選突破を祝福したい……ところだが、26人の中にはこんなことで満足している者はいないだろう。勝ってなんぼのデュエルマスターズ。優勝してこそ意味あるチャンピオンシップ。ここで終わってしまっては何の意味もない。
本選の対戦組み合わせは予選の順位によって決められる。シードの上位6人を除き、順位が半分より下のプレイヤーは、自分より上位のプレイヤーと対戦することになる。となれば、やはり気になるのはお互いの順位に開きのある7位vs26位、「 イメン ループ」を操る無題と「青黒ハンデス」使いのラフロイグの試合だろう。
「 イメン ループ」……なんと懐かしい響きだろうか。3年前のDS期で猛威を振るい、《鎧亜戦隊 ディスマジシャン》のプレミアム殿堂で多きな痛手を負いながらも、リペアを繰り返して環境を引っ張ってきたデッキタイプだ。
対する「青黒ハンデス」も、サイキッククリーチャーの登場と同時に生まれ、形を変えながら現在まで残り続けている長い歴史を持つデッキ。
「 イメン ループ」vs「青黒ハンデス」。過去に何度も行われた歴史ある試合が、いまここに蘇る。
序盤に目立った動きはなく、先手のラフロイグは《ブレイン・タッチ》でハンデス。後手の無題は《霞み妖精 ジャスミン》でマナを増やす。
試合のポイントとなるのは、無題の《龍覇 イメン ・ブーゴ》が着地する前に、ラフロイグが相手のハンドを枯らしきれるかどうかだろう。「青黒ハンデス」で先手を取ってしまったラフロイグは、この差をどう埋めていくのか。
早く無題を息切れさせたいラフロイグは、続けて《 解体人形ジェニー 》でハンデスを行う。無題のハンドは《 パクリオ 》《龍覇 イメン ・ブーゴ》《拡散する斧 プロメテウス》。ここはひとまずアドバンテージ源の《拡散する斧 プロメテウス》を墓地に落とす。
だが、次のターン早くも無題のトップが光る。5マナでプレイしたのは、先ほどハンデスしたはずの《拡散する斧 プロメテウス》! ハンドを枯らすことなくマナを伸ばし、次のターンには《龍覇 イメン ・ブーゴ》を召喚する準備が整った。
ピンポイントの回答を引かれてしまったラフロイグだが《ブレインタッチ》と《 特攻人形ジェニー 》を使い、なんとか3枚の手札から《龍覇 イメン ・ブーゴ》を落とそうとする。
1回目のハンデス……ハズレ。ひとまず安心の無題。
だが、2回目は………当たった! 手札から《龍覇 イメン ・ブーゴ》が墓地へ落とされる。
このハンデスによって一気に苦しい展開となった無題。《 ドンドン吸い込むナウ 》《 トレジャー・マップ 》とサーチ呪文を唱え続けるが、一向に《龍覇 イメン ・ブーゴ》の姿が見えない。
この隙を狙って、コントロールが得意とする場を制圧した状態に運びたいラフロイグ。《超次元 リバイヴ・ホール 》から《 勝利のリュウセイ・カイザー 》を出しつつ、ドロー呪文を唱えて続く超次元呪文を探す。だが、こちらも手札が増える一方で、超次元呪文を引き込むことができない。
お互いの引きが振るわないこともあり、硬直する盤面。無題が引いたクリーチャーを場に出し、ラフロイグが除去する流れが続く。
しかし、流れは無題に傾き始める。ラフロイグが手札を増やし続ける中、そのとき偶然引いた《 パクリオ 》を場に出す。すると、ラフロイグの手札にはゲームエンドカード《 魔天降臨 》が! 危ない危ないと言わんばかりにそれをシールドへと封印する。ラフロイグは超次元呪文が引けないだけでなく、さらに勝ち筋の1つの《 魔天降臨 》まで失ってしまった。
《S級原始 サンマッド 》2枚を使った除去も成功し、ハンド0枚の絶望的な状況を凌ぎ続ける無題。だが、彼のデッキの主役はやはり《龍覇 イメン ・ブーゴ》。小型のクリーチャーは《デモンズ・ライト》によってあらかた処理されてしまい、ループせずに殴ることもできないこの状況を打開するには、やはりあのカードの力が必要だ。
一方、なかなか決定打を引けていないラフロイグだったが、ここでようやく超次元呪文を引くことに成功。どのサイキックを呼び出すか考えるが、ブーストとサーチによって薄くなった無題の山札を確認すると《 ヴォルグ・サンダー 》を呼び出す。この試合のプランは、ジリ貧にさせてからのデッキアウト狙いに決定したようだ。
デッキアウトの時が迫る無題。苦し紛れにクリーチャーを場に送るも、勝利に繋がる行為にはならなず、ドローによって段々とデッキが削れていく。
長い間粘られたが、ようやく勝利の芽が見えてきたラフロイグ。しかし、そこに新たな障害が現れる。試合の制限時間だ。無題の必死の抵抗も影響し、フィニッシュまでの時間が掛かりすぎてしまっていた。早く終わらせようにも、超次元呪文切れで《 ヴォルグ・サンダー 》を投げることができない。
そしてラフロイグにも、無題のデッキが無くなるより先に試合時間の終了が訪れる。ラストターンを迎えたラフロイグは、デッキアウトによる確実な勝利を得る予定だったが、仕方なく場に並ぶ打点で殴り倒すことに。
場に並ぶ打点は7点。Sトリガー次第だが、2回のWブレイクが成功すればギリギリ殴り切れる打点数だ。最初のブレイクは……何もなし! だが、続く2回目のブレイクを宣言すると………
キャッチ!《光牙忍 ハヤブサマル 》! このブロックにより、このターンに決着をつけることができなくなってしまうラフロイグ。こうなってはどうすることもできず、この試合最後のターンエンドを宣言する。
ラストターンを渡された無題。だが、耐えたとはいえ不利な状況が好転したわけではない。このターンのみで勝つのは無理とわかっている無題もターンエンドを宣言し、試合の結果はSPゲームに持ち越された。
Time UP!
もう少し時間があれば勝つことができたラフロイグからは「チキってしまった……」「もうちょい早く殴ってれば…」と反省と後悔の言葉が溢れ出る。
こんなところで、しかもSPゲームで負けてしまっては、今までの努力が全て水の泡だ。運命をかけてサイコロを振るラフロイグ。無題も最後の希望をサイコロに込める。
だが、神はまるでこの試合を見ていたかのような審判を下す。
運命をかけたダイスロールの結果、勝利したのはラフロイグだった。
これには無題も「2枚も《龍覇 イメン ・ブーゴ》が盾に埋まってしまったので、続けていたら負けてましたね…。時間をかけてしまったのは僕も同じなのでしょうがないです」と結果を受け入れた。
winner:ラフロイグ
共に歴史のある「 イメン ループ」VS「青黒ハンデス」の試合。ハンデス側の運命をかけたランダムハンデスと、 イメン 側の祈りを込めたドロー。あの環境を体験したプレイヤーにとっては、当時を思い出させる内容だったに違いない。
今のデュエルマスターズの環境の足元には、今まで使われてきたデッキによって紡がれた歴史が眠っている。そして、過去に使われたデッキの中には、「モルトNEXT」のように新カードの力を借りて再び最前線へ復帰するデッキもある。既に衰退してしまったデッキでも、この激動の環境変化によってもう一度光を浴びることができるデッキが、まだどこか眠っているかもしれない。
あなたがあのとき使っていたあのデッキは、今はどうだろうか? たまには思い出を振り返ってみるのも悪くないだろう。
【文/写真 はら】
本選の対戦組み合わせは予選の順位によって決められる。シードの上位6人を除き、順位が半分より下のプレイヤーは、自分より上位のプレイヤーと対戦することになる。となれば、やはり気になるのはお互いの順位に開きのある7位vs26位、「 イメン ループ」を操る無題と「青黒ハンデス」使いのラフロイグの試合だろう。
「 イメン ループ」……なんと懐かしい響きだろうか。3年前のDS期で猛威を振るい、《鎧亜戦隊 ディスマジシャン》のプレミアム殿堂で多きな痛手を負いながらも、リペアを繰り返して環境を引っ張ってきたデッキタイプだ。
対する「青黒ハンデス」も、サイキッククリーチャーの登場と同時に生まれ、形を変えながら現在まで残り続けている長い歴史を持つデッキ。
「 イメン ループ」vs「青黒ハンデス」。過去に何度も行われた歴史ある試合が、いまここに蘇る。
序盤に目立った動きはなく、先手のラフロイグは《ブレイン・タッチ》でハンデス。後手の無題は《霞み妖精 ジャスミン》でマナを増やす。
試合のポイントとなるのは、無題の《龍覇 イメン ・ブーゴ》が着地する前に、ラフロイグが相手のハンドを枯らしきれるかどうかだろう。「青黒ハンデス」で先手を取ってしまったラフロイグは、この差をどう埋めていくのか。
早く無題を息切れさせたいラフロイグは、続けて《 解体人形ジェニー 》でハンデスを行う。無題のハンドは《 パクリオ 》《龍覇 イメン ・ブーゴ》《拡散する斧 プロメテウス》。ここはひとまずアドバンテージ源の《拡散する斧 プロメテウス》を墓地に落とす。
だが、次のターン早くも無題のトップが光る。5マナでプレイしたのは、先ほどハンデスしたはずの《拡散する斧 プロメテウス》! ハンドを枯らすことなくマナを伸ばし、次のターンには《龍覇 イメン ・ブーゴ》を召喚する準備が整った。
ピンポイントの回答を引かれてしまったラフロイグだが《ブレインタッチ》と《 特攻人形ジェニー 》を使い、なんとか3枚の手札から《龍覇 イメン ・ブーゴ》を落とそうとする。
1回目のハンデス……ハズレ。ひとまず安心の無題。
だが、2回目は………当たった! 手札から《龍覇 イメン ・ブーゴ》が墓地へ落とされる。
このハンデスによって一気に苦しい展開となった無題。《 ドンドン吸い込むナウ 》《 トレジャー・マップ 》とサーチ呪文を唱え続けるが、一向に《龍覇 イメン ・ブーゴ》の姿が見えない。
この隙を狙って、コントロールが得意とする場を制圧した状態に運びたいラフロイグ。《超次元 リバイヴ・ホール 》から《 勝利のリュウセイ・カイザー 》を出しつつ、ドロー呪文を唱えて続く超次元呪文を探す。だが、こちらも手札が増える一方で、超次元呪文を引き込むことができない。
お互いの引きが振るわないこともあり、硬直する盤面。無題が引いたクリーチャーを場に出し、ラフロイグが除去する流れが続く。
しかし、流れは無題に傾き始める。ラフロイグが手札を増やし続ける中、そのとき偶然引いた《 パクリオ 》を場に出す。すると、ラフロイグの手札にはゲームエンドカード《 魔天降臨 》が! 危ない危ないと言わんばかりにそれをシールドへと封印する。ラフロイグは超次元呪文が引けないだけでなく、さらに勝ち筋の1つの《 魔天降臨 》まで失ってしまった。
《S級原始 サンマッド 》2枚を使った除去も成功し、ハンド0枚の絶望的な状況を凌ぎ続ける無題。だが、彼のデッキの主役はやはり《龍覇 イメン ・ブーゴ》。小型のクリーチャーは《デモンズ・ライト》によってあらかた処理されてしまい、ループせずに殴ることもできないこの状況を打開するには、やはりあのカードの力が必要だ。
一方、なかなか決定打を引けていないラフロイグだったが、ここでようやく超次元呪文を引くことに成功。どのサイキックを呼び出すか考えるが、ブーストとサーチによって薄くなった無題の山札を確認すると《 ヴォルグ・サンダー 》を呼び出す。この試合のプランは、ジリ貧にさせてからのデッキアウト狙いに決定したようだ。
デッキアウトの時が迫る無題。苦し紛れにクリーチャーを場に送るも、勝利に繋がる行為にはならなず、ドローによって段々とデッキが削れていく。
長い間粘られたが、ようやく勝利の芽が見えてきたラフロイグ。しかし、そこに新たな障害が現れる。試合の制限時間だ。無題の必死の抵抗も影響し、フィニッシュまでの時間が掛かりすぎてしまっていた。早く終わらせようにも、超次元呪文切れで《 ヴォルグ・サンダー 》を投げることができない。
そしてラフロイグにも、無題のデッキが無くなるより先に試合時間の終了が訪れる。ラストターンを迎えたラフロイグは、デッキアウトによる確実な勝利を得る予定だったが、仕方なく場に並ぶ打点で殴り倒すことに。
場に並ぶ打点は7点。Sトリガー次第だが、2回のWブレイクが成功すればギリギリ殴り切れる打点数だ。最初のブレイクは……何もなし! だが、続く2回目のブレイクを宣言すると………
キャッチ!《光牙忍 ハヤブサマル 》! このブロックにより、このターンに決着をつけることができなくなってしまうラフロイグ。こうなってはどうすることもできず、この試合最後のターンエンドを宣言する。
ラストターンを渡された無題。だが、耐えたとはいえ不利な状況が好転したわけではない。このターンのみで勝つのは無理とわかっている無題もターンエンドを宣言し、試合の結果はSPゲームに持ち越された。
Time UP!
もう少し時間があれば勝つことができたラフロイグからは「チキってしまった……」「もうちょい早く殴ってれば…」と反省と後悔の言葉が溢れ出る。
こんなところで、しかもSPゲームで負けてしまっては、今までの努力が全て水の泡だ。運命をかけてサイコロを振るラフロイグ。無題も最後の希望をサイコロに込める。
だが、神はまるでこの試合を見ていたかのような審判を下す。
運命をかけたダイスロールの結果、勝利したのはラフロイグだった。
これには無題も「2枚も《龍覇 イメン ・ブーゴ》が盾に埋まってしまったので、続けていたら負けてましたね…。時間をかけてしまったのは僕も同じなのでしょうがないです」と結果を受け入れた。
winner:ラフロイグ
共に歴史のある「 イメン ループ」VS「青黒ハンデス」の試合。ハンデス側の運命をかけたランダムハンデスと、 イメン 側の祈りを込めたドロー。あの環境を体験したプレイヤーにとっては、当時を思い出させる内容だったに違いない。
今のデュエルマスターズの環境の足元には、今まで使われてきたデッキによって紡がれた歴史が眠っている。そして、過去に使われたデッキの中には、「モルトNEXT」のように新カードの力を借りて再び最前線へ復帰するデッキもある。既に衰退してしまったデッキでも、この激動の環境変化によってもう一度光を浴びることができるデッキが、まだどこか眠っているかもしれない。
あなたがあのとき使っていたあのデッキは、今はどうだろうか? たまには思い出を振り返ってみるのも悪くないだろう。
【文/写真 はら】
2017年05月25日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 予選第6回戦 えんたくVSもんたん 予選通過をかけた最終戦 勝負を決める「終末の時計」を起動させたのは……!?
遂に迎えた予選最終戦。既に予選通過が決定して一安心のプレイヤーもいる中、この時点で1敗のプレイヤーは決勝トーナメントへの切符をかけて、同じ1敗のプレイヤーと戦うことになる。
今回のフィーチャー席で行われるのは、戦績が4勝1敗のもんたんと、チーム「Pleasuer Sky」のえんたくによる負けたら終わりのバブルマッチ。えんたくは一度1回戦目で負けているが、そこからなんと4連勝。首の皮一枚でこの場所まで来ている。
さらに驚くことに、えんたくともんたんは、どちらもデュエルマスターズは第1弾から触れているという古参のプレイヤー。図らずもキャリアの長い者同士の対戦となったこの試合。こんな中途半端なところで負けるのは、長年のデュエルマスターズを続けてきたプライドが許さないだろう。
えんたくが使うのは、《龍脈術 落城の計》のコンボデッキ「墓地退化」。対するもんたんは、ここ最近復権の兆しを見せる「赤青バイク」だ。
果たして、予選を無事突破するのはどちらのプレイヤーになるのか。
先手はえんたく。2ターン目から《エマ—ジェンシー・タイフーン》で《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を墓地に送る快調なスタート。
後手のもんたんの動きも負けていない。こちらも2ターン目に《一撃奪取 トップギア》の召喚に成功する。
お互いに順調な滑り出しとなったが、すぐに試合は大きな展開を見せる。墓地を肥やしつつコンボパーツをハンドに集めたいえんたくだが、唱える呪文が無いのか《終末の時計 クロック 》を召喚するだけでターンを終了。
一方、もんたんは《轟速 ザ・レッド》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》を侵略させ、一気にえんたくへ襲い掛かる。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》のWブレイクに加えて、効果でシールドが1枚焼却されてしまい、合計で3枚のシールドを失うことになるえんたく。だが、ここでブレイクされた2枚のシールドからSトリガー《サイバー・チューン》が発動。手札から《斬隠蒼頭龍 バイケン 》の効果を使い、これを捨てる代わりに場に出す。《一撃奪取 トップギア》をバウンスし、攻守一体のカウンターに成功する。もんたんの攻撃はここで一旦終了。
えんたくは次のターンで4マナに到達し、《龍脈術 落城の計》のコンボが可能な状態になる。今すぐにでも《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》投げつけたいところだが、もんたんのマナに見えている《終末の時計 クロック 》がえんたくの決断を鈍らせる。
今攻めるのか……もう少し守りを固めてからにするのか……。どちらにしろ、もんたんの5枚のシールドに《終末の時計 クロック 》が入っているとすれば、苦しい状況に変わりはない……。
悩んだ末、このターンに勝利することを選んだえんたく。《死神術士デス・マーチ》を召喚し、《龍脈術 落城の計》を唱えるとコンボ成立。合計4マナしか使っていないにも関わらず、進化元となっていた13マナのワールド・ブレイカー《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》が降臨する。一気にダイレクトアタック可能な打点が盤面に並んだ。
先に攻撃され後がなくなったのはえんたくに見えるが、もんたんからしても5枚のシールドの中に《終末の時計 クロック 》が埋まっていなければ負けてしまう苦しい状況。しかも、この試合での敗北は予選敗退を意味する。大会そのものがかかった一瞬を前に、もんたんの表情からも緊張が見られる。
祈るような様子で《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》のワールドブレイクを宣言するえんたく。もんたんは5枚のシールドを一気に捲る! その中身は……
「 クロック で!」
見事《終末の時計 クロック 》を踏ませることに成功したもんたん。えんたくは悔しさを滲ませながらターンエンドを宣言する。
ここで攻守逆転、もんたんのターン。場には前のターンの攻撃に参加したクリーチャーがそのまま残っており、シールドから加わった手札によって後続のバイクも確保できている。えんたくの残り2枚のシールドを超える打点は簡単に用意できるだろう。
しかし、これは先ほどのえんたくと同じ状況。その2枚で《終末の時計 クロック 》を踏んでしまえばシールド0のもんたんは敗北となる。
今度は自分のシールドではなく、相手のシールドに祈ることになったもんたん。攻められる側から攻める側へ立場は逆転したが、この試合で二度目の全てをかけた攻撃が開始される!
だが、ブレイクによって豊富なリソースを得たもんたんの攻撃はただの攻撃ではない。このターン新たに召喚した《轟速 ザ・レッド》を2匹目の《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略。2枚のうち1枚のシールドを焼却し、負ける可能性を極限まで低くする。
1枚目のシールドの《エマージェンシー・タイフーン》が焼却され、発動することなく墓地へ送られる。残るシールドは1枚……ブレイクが処理され、その中身を見たえんたくは………
「……負けました」
泥沼と化した《終末の時計 クロック 》の踏ませ合いを乗り越え、勝利したのは「赤青バイク」のもんたん!
winner:もんたん
「うわ〜負けたか〜」と嘆くえんたく。1回戦目で敗北し、そこから負けたらおしまいの綱渡りを続けてきたえんたくにとって、ここでの敗北は普段の数倍の悔しさに違いない。
そして、なんとか決勝トーナメントへの切符を手にしたもんたん。この後は予選を抜けた強者たちと戦うことになるが、ひとまず今は予選を無事突破できた安心感でほっとしている様子が伺える。
2人は試合後の感想戦で、短くとも濃い内容だった試合について語り合う。しかし、「まだ殴らなくてよかったか…」「あの時の手札は…」と様々なプランについて話しても、「結局、あそこに埋まってるか埋まってないかだよなぁ〜」という結論に至るのだった。
シールド処理のルール変更によって、当初は《終末の時計 クロック 》が弱体化するのでは? という意見も出ていたが、この通り、踏ませ合いの泥試合は現在でも起こり得る。
デュエルマスターズを続けている限り、プレイヤーたちはこれからも《終末の時計 クロック 》によって一喜一憂することになるのだろう。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
今回のフィーチャー席で行われるのは、戦績が4勝1敗のもんたんと、チーム「Pleasuer Sky」のえんたくによる負けたら終わりのバブルマッチ。えんたくは一度1回戦目で負けているが、そこからなんと4連勝。首の皮一枚でこの場所まで来ている。
さらに驚くことに、えんたくともんたんは、どちらもデュエルマスターズは第1弾から触れているという古参のプレイヤー。図らずもキャリアの長い者同士の対戦となったこの試合。こんな中途半端なところで負けるのは、長年のデュエルマスターズを続けてきたプライドが許さないだろう。
えんたくが使うのは、《龍脈術 落城の計》のコンボデッキ「墓地退化」。対するもんたんは、ここ最近復権の兆しを見せる「赤青バイク」だ。
果たして、予選を無事突破するのはどちらのプレイヤーになるのか。
先手はえんたく。2ターン目から《エマ—ジェンシー・タイフーン》で《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》を墓地に送る快調なスタート。
後手のもんたんの動きも負けていない。こちらも2ターン目に《一撃奪取 トップギア》の召喚に成功する。
お互いに順調な滑り出しとなったが、すぐに試合は大きな展開を見せる。墓地を肥やしつつコンボパーツをハンドに集めたいえんたくだが、唱える呪文が無いのか《終末の時計 クロック 》を召喚するだけでターンを終了。
一方、もんたんは《轟速 ザ・レッド》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》を侵略させ、一気にえんたくへ襲い掛かる。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》のWブレイクに加えて、効果でシールドが1枚焼却されてしまい、合計で3枚のシールドを失うことになるえんたく。だが、ここでブレイクされた2枚のシールドからSトリガー《サイバー・チューン》が発動。手札から《斬隠蒼頭龍 バイケン 》の効果を使い、これを捨てる代わりに場に出す。《一撃奪取 トップギア》をバウンスし、攻守一体のカウンターに成功する。もんたんの攻撃はここで一旦終了。
えんたくは次のターンで4マナに到達し、《龍脈術 落城の計》のコンボが可能な状態になる。今すぐにでも《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》投げつけたいところだが、もんたんのマナに見えている《終末の時計 クロック 》がえんたくの決断を鈍らせる。
今攻めるのか……もう少し守りを固めてからにするのか……。どちらにしろ、もんたんの5枚のシールドに《終末の時計 クロック 》が入っているとすれば、苦しい状況に変わりはない……。
悩んだ末、このターンに勝利することを選んだえんたく。《死神術士デス・マーチ》を召喚し、《龍脈術 落城の計》を唱えるとコンボ成立。合計4マナしか使っていないにも関わらず、進化元となっていた13マナのワールド・ブレイカー《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》が降臨する。一気にダイレクトアタック可能な打点が盤面に並んだ。
先に攻撃され後がなくなったのはえんたくに見えるが、もんたんからしても5枚のシールドの中に《終末の時計 クロック 》が埋まっていなければ負けてしまう苦しい状況。しかも、この試合での敗北は予選敗退を意味する。大会そのものがかかった一瞬を前に、もんたんの表情からも緊張が見られる。
祈るような様子で《世紀末 へヴィ・デス・メタル 》のワールドブレイクを宣言するえんたく。もんたんは5枚のシールドを一気に捲る! その中身は……
「 クロック で!」
見事《終末の時計 クロック 》を踏ませることに成功したもんたん。えんたくは悔しさを滲ませながらターンエンドを宣言する。
ここで攻守逆転、もんたんのターン。場には前のターンの攻撃に参加したクリーチャーがそのまま残っており、シールドから加わった手札によって後続のバイクも確保できている。えんたくの残り2枚のシールドを超える打点は簡単に用意できるだろう。
しかし、これは先ほどのえんたくと同じ状況。その2枚で《終末の時計 クロック 》を踏んでしまえばシールド0のもんたんは敗北となる。
今度は自分のシールドではなく、相手のシールドに祈ることになったもんたん。攻められる側から攻める側へ立場は逆転したが、この試合で二度目の全てをかけた攻撃が開始される!
だが、ブレイクによって豊富なリソースを得たもんたんの攻撃はただの攻撃ではない。このターン新たに召喚した《轟速 ザ・レッド》を2匹目の《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略。2枚のうち1枚のシールドを焼却し、負ける可能性を極限まで低くする。
1枚目のシールドの《エマージェンシー・タイフーン》が焼却され、発動することなく墓地へ送られる。残るシールドは1枚……ブレイクが処理され、その中身を見たえんたくは………
「……負けました」
泥沼と化した《終末の時計 クロック 》の踏ませ合いを乗り越え、勝利したのは「赤青バイク」のもんたん!
winner:もんたん
「うわ〜負けたか〜」と嘆くえんたく。1回戦目で敗北し、そこから負けたらおしまいの綱渡りを続けてきたえんたくにとって、ここでの敗北は普段の数倍の悔しさに違いない。
そして、なんとか決勝トーナメントへの切符を手にしたもんたん。この後は予選を抜けた強者たちと戦うことになるが、ひとまず今は予選を無事突破できた安心感でほっとしている様子が伺える。
2人は試合後の感想戦で、短くとも濃い内容だった試合について語り合う。しかし、「まだ殴らなくてよかったか…」「あの時の手札は…」と様々なプランについて話しても、「結局、あそこに埋まってるか埋まってないかだよなぁ〜」という結論に至るのだった。
シールド処理のルール変更によって、当初は《終末の時計 クロック 》が弱体化するのでは? という意見も出ていたが、この通り、踏ませ合いの泥試合は現在でも起こり得る。
デュエルマスターズを続けている限り、プレイヤーたちはこれからも《終末の時計 クロック 》によって一喜一憂することになるのだろう。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月24日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 予選第5回戦 垣根VSうじすけ 予選突破をかけたうじすけの前に、同じく全勝のGP1st王者、垣根が立ちふさがる!
ここまで勝ち進んでいるプレイヤーにとっては非常に大きな分岐点となる予選第5回戦。この試合で勝利し、5勝した時点で予選突破が確定する。
ここまで連勝中のプレイヤーうじすけは、直近のCSで続けてベスト8に入賞しており、今大会でも好成績を残せれば、高いアベレージをキープできる。
そんなうじすけの前に大きな壁が立ちはだかる。5回戦目の相手はチーム「Pleasure Sky」の一員でGP1st王者、垣根だ。彼もここまで負けなしの状態。流石は一度頂点に立った男。その実力はお墨付きと言ったところだろうか。
だが、今まで手にした栄光に差はあっても、この試合に勝ちたい思いはうじすけも負けてはいない。垣根という壁を乗り越え、決勝トーナメントへ進むことができるのだろうか。
先手を取った垣根。マナにセットしたカードは《轟速 ザ・ゼット》。今回選択したデッキは「バイク」のようだ。
後手のうじすけは、1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》を唱え、《洗脳センノ—》をサーチする。うじすけの使用デッキは、勢力を伸ばしつつある「ジョーカーズ」だ。
お互いに攻撃的なデッキ同士の戦いとなったこの試合。現在の状況だけで見れば、先手を取った垣根がやや有利か。
垣根はここで緑マナをセットし《桜風妖精ステップル》を召喚する。垣根が使用しているのは、主流の赤青、赤白でもない「赤緑バイク」だった。今までの「バイク」とは疎遠なイメージが強い自然文明だが、《桜風妖精ステップル》の登場によって新しい型が生まれていたようだ。
一方、うじすけの2ターン目のアクションはなし。その隙を狙わんとばかりに、次のターン垣根は《轟速 ザ・レッド》から《音速 ターボ3 》を走らせる。うじすけのシールドが2枚割られるが、トリガーはなくこの攻撃は無事に成功。垣根は3枚のカードをドローし、後続のバイクを確保する。
《桜風妖精ステップル》と《音速 ターボ3 》によって3枚のシールドを失ったうじすけ。侵略の対策となる《洗脳センノ—》を召喚するが、既に攻撃を受けているこの状況では一手遅い。そのまま《ゼロの裏技 ニヤリー・ゲット》で手札を補充し、ターンを終了する。
瞬間的な爆発力では他のデッキの追従を許さない「ジョーカーズ」だが、単純な速さの競い合いになれば、速度を追求した「バイク」に軍配が上がる。こうなっては、うじすけに残された勝ち筋は「残りの2枚のシールドでどうにか生き延び、次のターンでワンショットキル」しかない。
圧倒的に有利な垣根も、まだ負ける可能性が残っていることを理解している。手元にあるカードで、少しでもその可能性を低くしようと、最善のプレイを考える。
だが、速度に命をかけたバイクたちはそこまで起用ではない。ここまで来たなら続けて走り抜けるのみ。垣根は少し考えた後、盤面に《轟速 ザ・ゼット》を追加して、勝負を決める攻撃へ移る。
《音速 ターボ3 》がうじすけの残りの2枚のシールドを破壊する……! ここで耐えることができれば、まだ希望はつながるが……そのシールドの中には……居た!
バイナラドア「バイナラ〜〜」
うじすけのシールドは0枚。垣根の場には、攻撃可能な《桜風妖精ステップル》《轟速 ザ・ゼット》が残っている。見事にシールドに埋まっていた《バイナラドア》だったが、この状況を解決することはできず、うじすけ本人が「バイナラ」することになってしまった。
winner:垣根
新旧の攻撃型デッキの対決となったこの試合。結果は、うじすけの「ジョーカーズ」は力及ばず、勝利したのは垣根の操る「赤緑バイク」となった。
この試合で目を引くのは、やはり赤緑という珍しいカラーリングで構築された垣根の「赤緑バイク」というデッキそのものだろう。このデッキを使用した経緯について、本人が語ってくれた。
「きっかけは、ある記事でこのデッキが紹介されていたことでした。赤緑の利点は安定性ですね。通常のバイクよりも緑絡みでブースト、コスト軽減が増えて、《トレジャー・マップ》のサーチもあります。《獣軍隊ヤドック》は幅広いデッキに有効ですし、トリガーも《Rev タイマン》があります。実際に使ってみて強かったので、今回このデッキを使用しました」
加えて「チーム「Pleasure Sky」として、もっと結果を残していきたいです」と、仲間とさらに上を目指すという目標も語ってくれた。一度頂点を取ってもなお、より勝てるデッキを模索し、勝利への探求を怠らない垣根。そのストイックさこそが、彼が持つ強さの理由なのだろう。
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
ここまで連勝中のプレイヤーうじすけは、直近のCSで続けてベスト8に入賞しており、今大会でも好成績を残せれば、高いアベレージをキープできる。
そんなうじすけの前に大きな壁が立ちはだかる。5回戦目の相手はチーム「Pleasure Sky」の一員でGP1st王者、垣根だ。彼もここまで負けなしの状態。流石は一度頂点に立った男。その実力はお墨付きと言ったところだろうか。
だが、今まで手にした栄光に差はあっても、この試合に勝ちたい思いはうじすけも負けてはいない。垣根という壁を乗り越え、決勝トーナメントへ進むことができるのだろうか。
先手を取った垣根。マナにセットしたカードは《轟速 ザ・ゼット》。今回選択したデッキは「バイク」のようだ。
後手のうじすけは、1ターン目から《ジョジョジョ・ジョーカーズ》を唱え、《洗脳センノ—》をサーチする。うじすけの使用デッキは、勢力を伸ばしつつある「ジョーカーズ」だ。
お互いに攻撃的なデッキ同士の戦いとなったこの試合。現在の状況だけで見れば、先手を取った垣根がやや有利か。
垣根はここで緑マナをセットし《桜風妖精ステップル》を召喚する。垣根が使用しているのは、主流の赤青、赤白でもない「赤緑バイク」だった。今までの「バイク」とは疎遠なイメージが強い自然文明だが、《桜風妖精ステップル》の登場によって新しい型が生まれていたようだ。
一方、うじすけの2ターン目のアクションはなし。その隙を狙わんとばかりに、次のターン垣根は《轟速 ザ・レッド》から《音速 ターボ3 》を走らせる。うじすけのシールドが2枚割られるが、トリガーはなくこの攻撃は無事に成功。垣根は3枚のカードをドローし、後続のバイクを確保する。
《桜風妖精ステップル》と《音速 ターボ3 》によって3枚のシールドを失ったうじすけ。侵略の対策となる《洗脳センノ—》を召喚するが、既に攻撃を受けているこの状況では一手遅い。そのまま《ゼロの裏技 ニヤリー・ゲット》で手札を補充し、ターンを終了する。
瞬間的な爆発力では他のデッキの追従を許さない「ジョーカーズ」だが、単純な速さの競い合いになれば、速度を追求した「バイク」に軍配が上がる。こうなっては、うじすけに残された勝ち筋は「残りの2枚のシールドでどうにか生き延び、次のターンでワンショットキル」しかない。
圧倒的に有利な垣根も、まだ負ける可能性が残っていることを理解している。手元にあるカードで、少しでもその可能性を低くしようと、最善のプレイを考える。
だが、速度に命をかけたバイクたちはそこまで起用ではない。ここまで来たなら続けて走り抜けるのみ。垣根は少し考えた後、盤面に《轟速 ザ・ゼット》を追加して、勝負を決める攻撃へ移る。
《音速 ターボ3 》がうじすけの残りの2枚のシールドを破壊する……! ここで耐えることができれば、まだ希望はつながるが……そのシールドの中には……居た!
バイナラドア「バイナラ〜〜」
うじすけのシールドは0枚。垣根の場には、攻撃可能な《桜風妖精ステップル》《轟速 ザ・ゼット》が残っている。見事にシールドに埋まっていた《バイナラドア》だったが、この状況を解決することはできず、うじすけ本人が「バイナラ」することになってしまった。
winner:垣根
新旧の攻撃型デッキの対決となったこの試合。結果は、うじすけの「ジョーカーズ」は力及ばず、勝利したのは垣根の操る「赤緑バイク」となった。
この試合で目を引くのは、やはり赤緑という珍しいカラーリングで構築された垣根の「赤緑バイク」というデッキそのものだろう。このデッキを使用した経緯について、本人が語ってくれた。
「きっかけは、ある記事でこのデッキが紹介されていたことでした。赤緑の利点は安定性ですね。通常のバイクよりも緑絡みでブースト、コスト軽減が増えて、《トレジャー・マップ》のサーチもあります。《獣軍隊ヤドック》は幅広いデッキに有効ですし、トリガーも《Rev タイマン》があります。実際に使ってみて強かったので、今回このデッキを使用しました」
加えて「チーム「Pleasure Sky」として、もっと結果を残していきたいです」と、仲間とさらに上を目指すという目標も語ってくれた。一度頂点を取ってもなお、より勝てるデッキを模索し、勝利への探求を怠らない垣根。そのストイックさこそが、彼が持つ強さの理由なのだろう。
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月23日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 予選第4回戦 ボンVSカトラス 快調な走りを続けるカトラスに、ボンが操る「ジャスティスループ」の魔の手が迫る!!
長い予選ラウンドも4回戦と後半へ突入。ここで3連勝しているプレイヤーは、そろそろ本選進出が見えてきた頃だろうか。
その中で、ひと際めずらしいデッキを使用して3連勝している人物がいた。彼の名前はボン。使っているデッキは《聖霊左神 ジャスティス 》を使った無限ループデッキ「 ジャスティス ループ」だ。
ボンと対戦するのは「青赤バイク」に華麗に乗りこなすカトラス。こちらも今日は負け無しのノリノリの状態で、この勢いのまま本選まで走り抜けたいといったところか。
しかし、そんなカトラスの今回の相手は、一癖も二癖もあるデッキ「 ジャスティス ループ」。普段は相手にしないであろうデッキタイプに、どう立ち向かっていくのか。
先行を取ったのは「 ジャスティス ループ」のボンだ。このデッキはパーツを手札に揃えつつ、起爆剤となる《ウェディングゲート》を唱えて、《聖霊左神 ジャスティス 》を出すことで初めて動き出す。Sトリガーで発動してもループに突入することができるが、自分から能動的に動くには時間が掛かってしまう。
とはいえ、《ウェディングゲート》が唱えられるマナまで到達してしまえばその時点でボンの勝利が濃厚となる。カトラスが勝利するためには、Sトリガーを踏まないことを祈りつつ、コンボが起動する前に殴り倒すしかない。
それを理解しているカトラスは、序盤から攻撃可能なクリ—チャーを場に出していく。2ターン目には《異端流し オニカマス》。3ターン目に《単騎速射 マグナム》とメタクリーチャーを場に並べ、早くもシールドへ攻撃を開始する。
対するボンは、大きな動きはなくマナを貯め続けるのみ。4ターン目にしてようやく《 クリスタル・メモリー 》をプレイ。コンボ—パーツをハンドに加えつつ、シールドの中身を確認する。
既にカトラスに残されたターンは短い。あと1〜2ターンの間にボンにトドメを刺さなければ、無限ループが成立してしまう。勝負を急ぐカトラスは、4マナで場に《轟速 ザ・ゼット》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略する。これで3枚のシールドを割り、このターンに一気に勝負を決める算段だ。
クリーチャーを出すことを封じる《単騎速射 マグナム》に加え、相手のシールドを焼却する《熱き侵略 レッドゾーンZ》。「 ジャスティス ループ」に対しては理想的な盤面と言えるだろう。
まずは《熱き侵略 レッドゾーンZ》の効果が発動。焼却されたシールドは……《ウェディング・ゲート》! ひとまず踏んではいけないカードを破壊することに成功したカトラス。だが、残るシールドは3枚。まだ油断できない。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》がそのまま2枚のシールドをブレイクする。ボンが捲ったそのシールドの中身は……《 連弾スパイラル 》と《ドレミ団の光魂Go!》。どちらも有効なSトリガーだが、ループに入るかは《ドレミ団の光魂Go!》次第。
ボンは、とりあえず《連弾スパイラル》で邪魔者の《単騎速射 マグナム》をバウンスする。そして《ドレミ団の光魂Go!》で1ドローと呪文を唱える効果を指定。ここで何の呪文が使われるかによって、カトラスの運命が決定するが……
ボンは一瞬の迷いもなく《龍素知新》を唱えた! 墓地の呪文を再利用するこのカード。この試合でボンがプレイしたカードは《 クリスタル・メモリー 》だけだが……必然か偶然か、墓地にはもう一枚カードが落ちている。そう、先ほど《熱き侵略 レッドゾーンZ》で焼却された《ウェディング・ゲート》だ。
《ドレミ団の光魂Go!》で《龍素知新》が使えるということは、カトラスが《熱き侵略 レッドゾーンZ》で3枚の呪文の内どのカードを撃ち抜こうが、ボンにとっては何ら影響がなかったのだ。
シールドの中身を知っていたボンの脳内には、「《単騎速射 マグナム》を除去しつつ、《ウェディング・ゲート》を唱える」というビジョンが見えていたのだ。このターンにカトラスがシールドを攻撃した時点で、彼の未来は決まってしまったのだ。
ボンは《ウェディングゲート》で2体の《聖霊左神 ジャスティス 》を場に出す。デッキを墓地へ送りながら《 連弾スパイラル 》《龍素知新》《目的不明の作戦》……と呪文を唱え続け、《聖霊左神 ジャスティス 》を手札に戻しては出し、戻しては出してを繰り返す。
みるみるうちにボンの山札が圧縮されていき、気が付けば残りは数枚。ボンの場には《聖霊左神 ジャスティス》が4体並ぶ。この時点で山札の中身が固定され、《龍素知新》で《 連弾スパイラル 》、もう1枚の《龍素知新》で《ウェディングゲート》と繰り返し、《聖霊左神 ジャスティス 》の効果がストックされ続ける。
十分な効果ストックを確保したボンは、いよいよ仕上げの段階へ移る。デッキを掘り進む段階で墓地へ落ちていた《黒神龍ザルバ》を《復活と激突の呪印》で蘇生。そして、《聖霊左神 ジャスティス 》の効果を増やすために行った動作を、今度は《フォース・アゲイン》を挟むことで《黒神龍ザルバ》の効果を増やすために行っていく。
一連の動作を行ったボンが「《黒神龍ザルバ》の強制ドロー効果を40回分行います」をループの成立を宣言する。複雑な手順を見つめていたカトラスだったが、その言葉を聞いた瞬間、力が抜けたような表情で「わかりました。負けです」と答え、自分のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
「《 クリスタル・メモリー 》でシールドを見たときに勝ちを確信しました」と語るボン。《単騎速射 マグナム》に加え《熱き侵略 レッドゾーンZ》と「赤青バイク」のこの上ない理想の動きをしたカトラスだったが、その攻撃はボンには届かなかった。
「殴り方は合っていたと思ったんですが……それ以上に相手が強かった……」と語るカトラス。デッキの理想の動きをしたにも関わらず敗北を喫した彼は、「 ジャスティス ループ」というデッキを忘れることはないだろう。
「 ジャスティス ループ」の動きは、以前に環境を支配した「天門ループ」の動きを彷彿とさせる。まだ使用者は少ないが、攻撃的なデッキが多く存在するこの環境において、このデッキが環境の抑止力となる日も近いのかもしれない。
[写真/文 はら]
画像は公式からお借りしました。
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その中で、ひと際めずらしいデッキを使用して3連勝している人物がいた。彼の名前はボン。使っているデッキは《聖霊左神 ジャスティス 》を使った無限ループデッキ「 ジャスティス ループ」だ。
ボンと対戦するのは「青赤バイク」に華麗に乗りこなすカトラス。こちらも今日は負け無しのノリノリの状態で、この勢いのまま本選まで走り抜けたいといったところか。
しかし、そんなカトラスの今回の相手は、一癖も二癖もあるデッキ「 ジャスティス ループ」。普段は相手にしないであろうデッキタイプに、どう立ち向かっていくのか。
先行を取ったのは「 ジャスティス ループ」のボンだ。このデッキはパーツを手札に揃えつつ、起爆剤となる《ウェディングゲート》を唱えて、《聖霊左神 ジャスティス 》を出すことで初めて動き出す。Sトリガーで発動してもループに突入することができるが、自分から能動的に動くには時間が掛かってしまう。
とはいえ、《ウェディングゲート》が唱えられるマナまで到達してしまえばその時点でボンの勝利が濃厚となる。カトラスが勝利するためには、Sトリガーを踏まないことを祈りつつ、コンボが起動する前に殴り倒すしかない。
それを理解しているカトラスは、序盤から攻撃可能なクリ—チャーを場に出していく。2ターン目には《異端流し オニカマス》。3ターン目に《単騎速射 マグナム》とメタクリーチャーを場に並べ、早くもシールドへ攻撃を開始する。
対するボンは、大きな動きはなくマナを貯め続けるのみ。4ターン目にしてようやく《 クリスタル・メモリー 》をプレイ。コンボ—パーツをハンドに加えつつ、シールドの中身を確認する。
既にカトラスに残されたターンは短い。あと1〜2ターンの間にボンにトドメを刺さなければ、無限ループが成立してしまう。勝負を急ぐカトラスは、4マナで場に《轟速 ザ・ゼット》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略する。これで3枚のシールドを割り、このターンに一気に勝負を決める算段だ。
クリーチャーを出すことを封じる《単騎速射 マグナム》に加え、相手のシールドを焼却する《熱き侵略 レッドゾーンZ》。「 ジャスティス ループ」に対しては理想的な盤面と言えるだろう。
まずは《熱き侵略 レッドゾーンZ》の効果が発動。焼却されたシールドは……《ウェディング・ゲート》! ひとまず踏んではいけないカードを破壊することに成功したカトラス。だが、残るシールドは3枚。まだ油断できない。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》がそのまま2枚のシールドをブレイクする。ボンが捲ったそのシールドの中身は……《 連弾スパイラル 》と《ドレミ団の光魂Go!》。どちらも有効なSトリガーだが、ループに入るかは《ドレミ団の光魂Go!》次第。
ボンは、とりあえず《連弾スパイラル》で邪魔者の《単騎速射 マグナム》をバウンスする。そして《ドレミ団の光魂Go!》で1ドローと呪文を唱える効果を指定。ここで何の呪文が使われるかによって、カトラスの運命が決定するが……
ボンは一瞬の迷いもなく《龍素知新》を唱えた! 墓地の呪文を再利用するこのカード。この試合でボンがプレイしたカードは《 クリスタル・メモリー 》だけだが……必然か偶然か、墓地にはもう一枚カードが落ちている。そう、先ほど《熱き侵略 レッドゾーンZ》で焼却された《ウェディング・ゲート》だ。
《ドレミ団の光魂Go!》で《龍素知新》が使えるということは、カトラスが《熱き侵略 レッドゾーンZ》で3枚の呪文の内どのカードを撃ち抜こうが、ボンにとっては何ら影響がなかったのだ。
シールドの中身を知っていたボンの脳内には、「《単騎速射 マグナム》を除去しつつ、《ウェディング・ゲート》を唱える」というビジョンが見えていたのだ。このターンにカトラスがシールドを攻撃した時点で、彼の未来は決まってしまったのだ。
ボンは《ウェディングゲート》で2体の《聖霊左神 ジャスティス 》を場に出す。デッキを墓地へ送りながら《 連弾スパイラル 》《龍素知新》《目的不明の作戦》……と呪文を唱え続け、《聖霊左神 ジャスティス 》を手札に戻しては出し、戻しては出してを繰り返す。
みるみるうちにボンの山札が圧縮されていき、気が付けば残りは数枚。ボンの場には《聖霊左神 ジャスティス》が4体並ぶ。この時点で山札の中身が固定され、《龍素知新》で《 連弾スパイラル 》、もう1枚の《龍素知新》で《ウェディングゲート》と繰り返し、《聖霊左神 ジャスティス 》の効果がストックされ続ける。
十分な効果ストックを確保したボンは、いよいよ仕上げの段階へ移る。デッキを掘り進む段階で墓地へ落ちていた《黒神龍ザルバ》を《復活と激突の呪印》で蘇生。そして、《聖霊左神 ジャスティス 》の効果を増やすために行った動作を、今度は《フォース・アゲイン》を挟むことで《黒神龍ザルバ》の効果を増やすために行っていく。
一連の動作を行ったボンが「《黒神龍ザルバ》の強制ドロー効果を40回分行います」をループの成立を宣言する。複雑な手順を見つめていたカトラスだったが、その言葉を聞いた瞬間、力が抜けたような表情で「わかりました。負けです」と答え、自分のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
「《 クリスタル・メモリー 》でシールドを見たときに勝ちを確信しました」と語るボン。《単騎速射 マグナム》に加え《熱き侵略 レッドゾーンZ》と「赤青バイク」のこの上ない理想の動きをしたカトラスだったが、その攻撃はボンには届かなかった。
「殴り方は合っていたと思ったんですが……それ以上に相手が強かった……」と語るカトラス。デッキの理想の動きをしたにも関わらず敗北を喫した彼は、「 ジャスティス ループ」というデッキを忘れることはないだろう。
「 ジャスティス ループ」の動きは、以前に環境を支配した「天門ループ」の動きを彷彿とさせる。まだ使用者は少ないが、攻撃的なデッキが多く存在するこの環境において、このデッキが環境の抑止力となる日も近いのかもしれない。
[写真/文 はら]
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
2017年05月22日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 第3回戦 千葉ビートVS所謂まっさん 勝敗を決したのは、誰もが知ってる“あのカード”だった!?
続く第3回戦。フィーチャー席に現れたのは、「モルトNEXT」を使用して数々のCSで入賞を果たし、チーム「ビート一閃」の結成で時の人となった千葉ビートだ。
向かいの席に座るのは、所謂まっさん。彼もCSに出場しベスト4に入賞した経験が複数回ある。そんな2人は「上の方まで勝ち進んだときは緊張して手汗がすごくて…(笑)」など、対戦前にCSの思い出話に花を咲かせていた。
だが、試合が始まればお互い敵同士。和やかな雰囲気は一転して、試合前のピリピリとした空気が流れる。
千葉ビートの使用デッキは言うまでもないだろう。数々の試合を共に乗り越えたデッキ「モルトNEXT」だ。
所謂まっさんの使用デッキは「5c ドギラゴン剣 」。一般的なアーキタイプだが、どうやら独自の調整によって周りとは一味違う構築になっている模様。
「5c ドギラゴン剣 」を使う所謂まっさんが相性通りに勝利するのか、千葉ビートの「モルトNEXT」への"愛”がそれを乗り越えるのか。
ゲームの勝敗を大きく左右する先行。その先手を勝ち取ったのは、相性で優位に立っている所謂まっさんだ。しかし、初手を見た所謂まっさんは1ターン目からマナセットで長考する。
それもそのはず。初手の内容は《百族の王 プチョヘンザ 》《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《音精 ラフルル》《演奏と真剣のLIVE》《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》。「モルトNEXT」に対して、序盤に動けるカードが0枚という絶望的な状況だ。
一方、千葉ビートの動きは順調そのもの。1ターン目に《リュウセイ・ ジアース 》をセットし、次のターンには《 メンデルスゾーン 》を唱える。2枚のドラゴンが捲れ、一気に4マナまでジャンプ。
相変わらず動くことができない所謂まっさんを抜き去るかのように、千葉ビートは続けて《フェアリーの火の子祭り》をプレイ。瞬く間に7マナまで到達する。
この好機を逃さんとするべく、千葉ビートは《超戦龍覇 モルトNEXT》を召喚。超次元から《闘将銀河城 ハートバーン 》を呼び出す。
所謂まっさんのマナのカードは4枚しかない。手札の《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》もSSバック条件を満たせておらず、このタイミングで攻撃されては手も足も出せない。
千葉ビートの《超戦龍覇 モルトNEXT》の最初の攻撃。所謂まっさんの2枚のシールドがブレイクされる。その中のSトリガーは《 フェアリー・ライフ 》のみ。所謂まっさんのマナが5枚になるが、依然として千葉ビートの優位は変わらない。
《超戦龍覇 モルトNEXT》が起き上がり、《闘将銀河城 ハートバーン 》が《超戦覇龍 ガイNEXT》へと龍解する。千葉ビートはダメ押しを決めるかのように、《超戦龍覇 モルトNEXT》を2度目の攻撃で《蒼き団長 ドギラゴン剣 》に革命チェンジ! 盤面にはさらに《リュウセイ・ ジアース 》の打点が追加される。
所謂まっさんは、この残りの3枚のシールドで2体のクリーチャーを捌かなければならない。祈りを込めて3枚のシールドを捲る。 Sトリガーは……あった! シールドから捲れた《Dの博才 サイバーダイスベガス》が発動する。さらに手札から《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》がSSバックで召喚される。しかも、2体だ。
2体の《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》の効果で《超戦覇龍 ガイNEXT》と《リュウセイ・ ジアース 》がマナ送りに。過剰打点を用意したにも関わらず、全てを除去されてしまった千葉ビート。ここで涙のターンエンドを宣言する。
間一髪で生き延びた所謂まっさん。6マナ目をチャージすると《ディメンジョン・ゲート》を唱え、《単騎速射 マグナム》をサーチし、そのまま召喚する。
そして、SSバックで召喚した《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》が革命チェンジで《蒼き団長 ドギラゴン剣 》になり、マナから《音精 ラフルル》をマナから呼び出す。
《単騎速射 マグナム》《音精 ラフルル》《蒼き団長 ドギラゴン剣 》。この3枚が揃ってしまえば、後の結果は容易に想像してもらえるだろう。
winner:所謂まっさん
本来であれば、所謂まっさんが使えるこのターンのマナは5マナだった。そのままの状態であれば《単車速射 マグナム》は召喚されず、《熱血龍 バトクロス・バトル》での逆転のチャンスがあったかもしれない。
そもそも《 フェアリー・ライフ 》を踏まなければ《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》のSSバックは発動せず、あのターンの間に勝利できていたかもしれない。
もっとインパクトのある負け方をしたのであれば、千葉ビートも素直に納得できたのだろう。しかし、今回は勝利ギリギリのところまで迫ったにも関わらず、なんの変哲もない、マナを1枚増やすだけのカードによって敗北を味わうことになったのだ。
これには千葉ビートも「あの《 フェアリー・ライフ 》さえなければ…」と悔恨の念を口にするしかなかった。
【文/写真 はら】
向かいの席に座るのは、所謂まっさん。彼もCSに出場しベスト4に入賞した経験が複数回ある。そんな2人は「上の方まで勝ち進んだときは緊張して手汗がすごくて…(笑)」など、対戦前にCSの思い出話に花を咲かせていた。
だが、試合が始まればお互い敵同士。和やかな雰囲気は一転して、試合前のピリピリとした空気が流れる。
千葉ビートの使用デッキは言うまでもないだろう。数々の試合を共に乗り越えたデッキ「モルトNEXT」だ。
所謂まっさんの使用デッキは「5c ドギラゴン剣 」。一般的なアーキタイプだが、どうやら独自の調整によって周りとは一味違う構築になっている模様。
「5c ドギラゴン剣 」を使う所謂まっさんが相性通りに勝利するのか、千葉ビートの「モルトNEXT」への"愛”がそれを乗り越えるのか。
ゲームの勝敗を大きく左右する先行。その先手を勝ち取ったのは、相性で優位に立っている所謂まっさんだ。しかし、初手を見た所謂まっさんは1ターン目からマナセットで長考する。
それもそのはず。初手の内容は《百族の王 プチョヘンザ 》《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《音精 ラフルル》《演奏と真剣のLIVE》《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》。「モルトNEXT」に対して、序盤に動けるカードが0枚という絶望的な状況だ。
一方、千葉ビートの動きは順調そのもの。1ターン目に《リュウセイ・ ジアース 》をセットし、次のターンには《 メンデルスゾーン 》を唱える。2枚のドラゴンが捲れ、一気に4マナまでジャンプ。
相変わらず動くことができない所謂まっさんを抜き去るかのように、千葉ビートは続けて《フェアリーの火の子祭り》をプレイ。瞬く間に7マナまで到達する。
この好機を逃さんとするべく、千葉ビートは《超戦龍覇 モルトNEXT》を召喚。超次元から《闘将銀河城 ハートバーン 》を呼び出す。
所謂まっさんのマナのカードは4枚しかない。手札の《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》もSSバック条件を満たせておらず、このタイミングで攻撃されては手も足も出せない。
千葉ビートの《超戦龍覇 モルトNEXT》の最初の攻撃。所謂まっさんの2枚のシールドがブレイクされる。その中のSトリガーは《 フェアリー・ライフ 》のみ。所謂まっさんのマナが5枚になるが、依然として千葉ビートの優位は変わらない。
《超戦龍覇 モルトNEXT》が起き上がり、《闘将銀河城 ハートバーン 》が《超戦覇龍 ガイNEXT》へと龍解する。千葉ビートはダメ押しを決めるかのように、《超戦龍覇 モルトNEXT》を2度目の攻撃で《蒼き団長 ドギラゴン剣 》に革命チェンジ! 盤面にはさらに《リュウセイ・ ジアース 》の打点が追加される。
所謂まっさんは、この残りの3枚のシールドで2体のクリーチャーを捌かなければならない。祈りを込めて3枚のシールドを捲る。 Sトリガーは……あった! シールドから捲れた《Dの博才 サイバーダイスベガス》が発動する。さらに手札から《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》がSSバックで召喚される。しかも、2体だ。
2体の《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》の効果で《超戦覇龍 ガイNEXT》と《リュウセイ・ ジアース 》がマナ送りに。過剰打点を用意したにも関わらず、全てを除去されてしまった千葉ビート。ここで涙のターンエンドを宣言する。
間一髪で生き延びた所謂まっさん。6マナ目をチャージすると《ディメンジョン・ゲート》を唱え、《単騎速射 マグナム》をサーチし、そのまま召喚する。
そして、SSバックで召喚した《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》が革命チェンジで《蒼き団長 ドギラゴン剣 》になり、マナから《音精 ラフルル》をマナから呼び出す。
《単騎速射 マグナム》《音精 ラフルル》《蒼き団長 ドギラゴン剣 》。この3枚が揃ってしまえば、後の結果は容易に想像してもらえるだろう。
winner:所謂まっさん
本来であれば、所謂まっさんが使えるこのターンのマナは5マナだった。そのままの状態であれば《単車速射 マグナム》は召喚されず、《熱血龍 バトクロス・バトル》での逆転のチャンスがあったかもしれない。
そもそも《 フェアリー・ライフ 》を踏まなければ《界王類邪龍目 ザ= デッドブラッキオ 》のSSバックは発動せず、あのターンの間に勝利できていたかもしれない。
もっとインパクトのある負け方をしたのであれば、千葉ビートも素直に納得できたのだろう。しかし、今回は勝利ギリギリのところまで迫ったにも関わらず、なんの変哲もない、マナを1枚増やすだけのカードによって敗北を味わうことになったのだ。
これには千葉ビートも「あの《 フェアリー・ライフ 》さえなければ…」と悔恨の念を口にするしかなかった。
【文/写真 はら】
第2回埼玉CSinバトロコ柏 第2回戦 古豪いわなに挑むのは、期待の新アーキタイプ「ジョーカーズ」を操るるるきゃん!
予選を通過できるのは、5勝1敗以上のプレイヤーのみ。1回戦を負けてしまい、後がなくなったプレイヤーからは焦りの様子が伺える。
だが、1回戦を勝利したプレイヤーも余裕を持って続く予選に挑むために、こんなところで黒星をつけるわけにはいかない。
そんな勝者の中からフィーチャー席に呼ばれたのは、チーム「かにくらぶ」で活動中の「アナカラー デッドゾーン 」を操るいわなと、「ジョーカーズ」でひた走るるるきゃんの2人だ。
この試合では、デュエルマスターズ歴10年、CS優勝経験が3回、2位が3回といういわなに対して、るるきゅんが挑む形になった。「古豪いわな」がその実力を見せつけるのか、それとも「挑戦者るるきゃん」が下剋上を起こすのか?
先行はいわな。《威牙の幻 ハンゾウ》《悪魔龍 ダークマスターズ 》と黒いクリーチャーをマナにセットしていく。
後攻のるるきゃん。「ジョーカーズ」という攻撃的なデッキで後攻を取ってしまい、遅れた分を強いアクションで捲りたいところだが、2ターン目もアクションなしでターンが流れてしまう。これにはるるきゃんも渋い表情を隠せない。
るるきゃんは3ターン目にようやく1匹目のジョーカーズ「洗脳センノー」を召喚。いわなも4ターン目にしてようやく《 クリスタル・メモリー 》をプレイし、ゲームがようやく動き始める。
お互いにスローな展開となったが、ロングゲームになって得をするのは、盤面コントロールを得意とするいわなの「アナカラー デッドゾーン 」だ。るるきゃんにこの状況を打開する手段はあるのだろうか。
5マナへ到達したいわなは《Dの博才 サイバーダイスベガス 》を設置。どう攻めるか悩んでいたるるきゃんだが、これでさらに迂闊な攻撃ができなくなる。
るるきゃんは《ツタンカーネン》を召喚し、デッキを掘り進めて回答札を探す。しかし、いわなはこれを《超次元 ガロウズ・ホール 》からの《勝利のガイアール・カイザー》で一掃。反撃の芽を摘んでいく。
るるきゃんは《洗脳センノ—》を再び場に送り出すが、牽制になっていたこのカードも《S級侵略 デッドゾーン 》の通常召喚によって破壊されてしまう。
小型のジョーカーズを破壊され続けたるるきゃんは、深刻なクリーチャー不足に悩まされる。ひとまずは後続を確保するために《ゼロの裏技 ニヤリーゲット》で3枚カードをドロー。
だが、いわなは場にクリーチャーが出てこなかったこの隙を見逃さなかった。7マナを払い《悪魔龍 ダークマスターズ 》を召喚! るるきゃんの蓄えていたハンドから《ジョリー・ザ・ジョリー》1枚、《破壊秘伝 ナッシングゼロ》2枚を破壊。彼にとって最後の希望だった「ジョリーナッシング」のコンボも、悪魔龍によって闇へ葬られてしまった。
それでも、るるきゃんは諦めることなく必死にいわなに喰らいつく。《S級侵略 デッドゾーン 》の攻撃をSトリガー《終末の時計 クロック》で耐えつつ、場に打点を残し反撃の糸口を探し続ける。
だが、るるきゃんに残されたターンは少ない。祈りを込めて《ジョジジョ・ジョーカーズ》を唱える。手札に加わったカードは……《ジョリー・ザ・ジョリー》!
《ジョリー・ザ・ジョリー》と《破壊秘伝 ナッシングゼロ》を使ったエクストラウィンは狙えずとも、2枚のマスターブレイクが成功すればひとまず相手の場を一掃できる。るるきゃんはそのまま《ジョリー・ザ・ジョリー》を場に送り出し、希望を込めた弾丸を放つ。
しかし、いわなの顔からは焦った様子は全く感じられない。5ターン目のいわながプレイしたカードを覚えているだろうか? そう、「あのカード」がまだ効果を使わずに場に残っていたのだ。
いわなが「Dスイッチ起動します」と宣言し、《Dの博才 サイバーダイスベガス 》を逆さにする。手札から出したカードは《目的不明の作戦》。墓地から唱えるのは、やはり《超次元 ガロウズ・ホール 》。
その効果で《ジョリー・ザ・ジョリー》は手札に戻ってしまう。シールドブレイクが成立していないので、これではマスターブレイカーは発動しない。無情にも、るるきゃんの放った“最後の弾丸”は、いわなの青いカードたちの波に飲み込まれ、シールドへ届くことは無かった。
いわなの場には《S級侵略 デッドゾーン 》《悪魔龍 ダークマスターズ 》、さらに《超次元 ガロウズ・ホール 》で追加された《アクア・アタック<BAGOOON・ パンツァー >》が並び立ったままだ。
ターンを返されたいわな。ここまで来れば悩むことは何もない。場のクリーチャーで一気に攻撃を仕掛ける。るるきゃんは残り2枚のシールドに望みを託すが、そこに《終末の時計 クロック》の姿は無かった。
winner:いわな
「初手にナッシングゼロが3枚も来てしまい、序盤に動けなかったのが痛かった」と語るるるきゃん。最初のブレイクは《終末の時計 クロック》で耐えれていたことからも、序盤の動きが大きく勝敗を分けたのだろう。
そして、るるきゃんの「ジョーカーズ」を退けて見事勝利したいわな。彼の使用デッキである「アナカラー デッドゾーン 」という名前を聞いて、懐かしい響きを感じる人も多いだろう。試合後にこのデッキのポイントを尋ねてみた。
「やっぱり動きにブレがなくて安定している。《桜風妖精ステップル》の破壊されたときの効果が《S級侵略 デッドゾーン 》や《目的不明の作戦》と噛み合っていて強い」とのことだ。
見事2回戦を突破したいわな。独自のチューンで生まれた「いわな式アナカラー デッドゾーン 」の続く活躍に期待しよう。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/all/
だが、1回戦を勝利したプレイヤーも余裕を持って続く予選に挑むために、こんなところで黒星をつけるわけにはいかない。
そんな勝者の中からフィーチャー席に呼ばれたのは、チーム「かにくらぶ」で活動中の「アナカラー デッドゾーン 」を操るいわなと、「ジョーカーズ」でひた走るるるきゃんの2人だ。
この試合では、デュエルマスターズ歴10年、CS優勝経験が3回、2位が3回といういわなに対して、るるきゅんが挑む形になった。「古豪いわな」がその実力を見せつけるのか、それとも「挑戦者るるきゃん」が下剋上を起こすのか?
先行はいわな。《威牙の幻 ハンゾウ》《悪魔龍 ダークマスターズ 》と黒いクリーチャーをマナにセットしていく。
後攻のるるきゃん。「ジョーカーズ」という攻撃的なデッキで後攻を取ってしまい、遅れた分を強いアクションで捲りたいところだが、2ターン目もアクションなしでターンが流れてしまう。これにはるるきゃんも渋い表情を隠せない。
るるきゃんは3ターン目にようやく1匹目のジョーカーズ「洗脳センノー」を召喚。いわなも4ターン目にしてようやく《 クリスタル・メモリー 》をプレイし、ゲームがようやく動き始める。
お互いにスローな展開となったが、ロングゲームになって得をするのは、盤面コントロールを得意とするいわなの「アナカラー デッドゾーン 」だ。るるきゃんにこの状況を打開する手段はあるのだろうか。
5マナへ到達したいわなは《Dの博才 サイバーダイスベガス 》を設置。どう攻めるか悩んでいたるるきゃんだが、これでさらに迂闊な攻撃ができなくなる。
るるきゃんは《ツタンカーネン》を召喚し、デッキを掘り進めて回答札を探す。しかし、いわなはこれを《超次元 ガロウズ・ホール 》からの《勝利のガイアール・カイザー》で一掃。反撃の芽を摘んでいく。
るるきゃんは《洗脳センノ—》を再び場に送り出すが、牽制になっていたこのカードも《S級侵略 デッドゾーン 》の通常召喚によって破壊されてしまう。
小型のジョーカーズを破壊され続けたるるきゃんは、深刻なクリーチャー不足に悩まされる。ひとまずは後続を確保するために《ゼロの裏技 ニヤリーゲット》で3枚カードをドロー。
だが、いわなは場にクリーチャーが出てこなかったこの隙を見逃さなかった。7マナを払い《悪魔龍 ダークマスターズ 》を召喚! るるきゃんの蓄えていたハンドから《ジョリー・ザ・ジョリー》1枚、《破壊秘伝 ナッシングゼロ》2枚を破壊。彼にとって最後の希望だった「ジョリーナッシング」のコンボも、悪魔龍によって闇へ葬られてしまった。
それでも、るるきゃんは諦めることなく必死にいわなに喰らいつく。《S級侵略 デッドゾーン 》の攻撃をSトリガー《終末の時計 クロック》で耐えつつ、場に打点を残し反撃の糸口を探し続ける。
だが、るるきゃんに残されたターンは少ない。祈りを込めて《ジョジジョ・ジョーカーズ》を唱える。手札に加わったカードは……《ジョリー・ザ・ジョリー》!
《ジョリー・ザ・ジョリー》と《破壊秘伝 ナッシングゼロ》を使ったエクストラウィンは狙えずとも、2枚のマスターブレイクが成功すればひとまず相手の場を一掃できる。るるきゃんはそのまま《ジョリー・ザ・ジョリー》を場に送り出し、希望を込めた弾丸を放つ。
しかし、いわなの顔からは焦った様子は全く感じられない。5ターン目のいわながプレイしたカードを覚えているだろうか? そう、「あのカード」がまだ効果を使わずに場に残っていたのだ。
いわなが「Dスイッチ起動します」と宣言し、《Dの博才 サイバーダイスベガス 》を逆さにする。手札から出したカードは《目的不明の作戦》。墓地から唱えるのは、やはり《超次元 ガロウズ・ホール 》。
その効果で《ジョリー・ザ・ジョリー》は手札に戻ってしまう。シールドブレイクが成立していないので、これではマスターブレイカーは発動しない。無情にも、るるきゃんの放った“最後の弾丸”は、いわなの青いカードたちの波に飲み込まれ、シールドへ届くことは無かった。
いわなの場には《S級侵略 デッドゾーン 》《悪魔龍 ダークマスターズ 》、さらに《超次元 ガロウズ・ホール 》で追加された《アクア・アタック<BAGOOON・ パンツァー >》が並び立ったままだ。
ターンを返されたいわな。ここまで来れば悩むことは何もない。場のクリーチャーで一気に攻撃を仕掛ける。るるきゃんは残り2枚のシールドに望みを託すが、そこに《終末の時計 クロック》の姿は無かった。
winner:いわな
「初手にナッシングゼロが3枚も来てしまい、序盤に動けなかったのが痛かった」と語るるるきゃん。最初のブレイクは《終末の時計 クロック》で耐えれていたことからも、序盤の動きが大きく勝敗を分けたのだろう。
そして、るるきゃんの「ジョーカーズ」を退けて見事勝利したいわな。彼の使用デッキである「アナカラー デッドゾーン 」という名前を聞いて、懐かしい響きを感じる人も多いだろう。試合後にこのデッキのポイントを尋ねてみた。
「やっぱり動きにブレがなくて安定している。《桜風妖精ステップル》の破壊されたときの効果が《S級侵略 デッドゾーン 》や《目的不明の作戦》と噛み合っていて強い」とのことだ。
見事2回戦を突破したいわな。独自のチューンで生まれた「いわな式アナカラー デッドゾーン 」の続く活躍に期待しよう。
【文/写真 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/all/