◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(14日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)
首位と2打差の2位タイで出たタイガー・ウッズが6バーディ、4ボギーの「70」でプレーし、通算13アンダーとして逆転優勝した。2008年「全米オープン」以来となる11年ぶりのメジャー通算15勝目を挙げ、完全復活した。
「マスターズ」制覇は2005年大会以来で、5度目。18年「ツアー選手権」に続く米ツアー通算81勝目となり、故サム・スニードの最多勝利記録にあと1勝と迫った。
最終日のバックナインは一時、2打差に10人以上が並ぶ大混戦に。最終組のウッズは2オンした15番(パー5)でバーディを奪って単独首位に立ち、1m以内につけた16番(パー3)のバーディでリードを広げた。
ウィニングパットを沈めると、右手でガッツポーズ。両手を大きく上げて喜びを爆発させた。優勝セレモニーで「取り乱すことなく、自分のゴルフに集中できた。カムバックを果たし、マスターズで優勝できた。息子が喜んでくれ、父親としての役割を果たせた。自分にとって最高なことだ」と語った。
1打差の通算12アンダー2位にダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、ザンダー・シャウフェレの3人が入った。
松山英樹は通算3アンダーの32位。アマチュアの金谷拓実(東北福祉大3年)は通算5オーバーの58位、小平智は通算6オーバーの61位で終えた。
メジャーで初の逆転劇 生まれ変わったタイガー・ウッズ
タイガー・ウッズがオーガスタで完全復活を遂げた。首位に2打差の11アンダー2位タイから6バーディ、4ボギー「70」で回り、通算13アンダーとして2008年「全米オープン」以来11年ぶりとなるメジャー通算15勝目を手にした。米ツアー通算81勝目を、05年以来となる「マスターズ」制覇で飾った。
その両腕にすべての力がこもった。ウィニングパットとなった30?pのボギーパットをカップに収めたウッズは、本能のままに吠え、ガッツポーズを繰り返した。「タイガー! タイガー!」。喜びと感動に満ちた声援が、その体を包み込む。「何か叫んでいたんだけど…自分がどうしていたか覚えていない。まずはジョー(キャディ)の姿を探したんだ」と笑った。
首位をとらえたのは、サンデーバックナイン。12番(パー3)で同じ最終組でプレーしたフランチェスコ・モリナリ(イタリア)が第1打をグリーン手前のクリークに落としてダブルボギーをたたき、通算11アンダーで並んだ。その後はブルックス・ケプカらも争いに加わり、「6、7人くらいに勝つチャンスがあった」という混戦になった。
ウッズは13番、15番と2つのパー5でいずれもバーディを奪って単独トップに抜け出すと、16番(パー3)で第1打をピンそば1mにつけ、6つ目のバーディで逃げ切りを図る。2打差で迎えた18番、「とにかくボギーで上がることを考えた」と安全に3オン2パットとして勝者の証し・グリーンジャケットを羽織った。
1997年、当時21歳で臨んだ「マスターズ」で2位に12打差をつけてメジャー初優勝。2000年までにキャリアグランドスラムを達成、08年「全米オープン」までに14のメジャータイトルを積み上げた。ジャック・ニクラスが86年までに築いたメジャー18勝の歴代最多記録に4勝と迫ったが、ひざの故障のほか、プライベートの問題も表ざたになり一時離脱。復帰後12年から2年間で8勝をマークした後、今度は腰痛が深刻化した。ゴルフはおろか日常生活も不自由なほどで、16年にはついにツアー大会への出場がゼロに。17年4月にキャリアで4回目の手術に踏み切り、同年秋には現役引退の可能性も示唆した。
何度倒れても、周りに何度「終わりだ」と言われても、ウッズは表舞台に帰ってきた。再びカムバックした18年に夏場にかけて調子を上げ、「全英オープン」、「全米プロ」で優勝を争い、9月「ツアー選手権」で5年ぶりに米ツアーを制覇。「僕はまだ戦える、勝てることを証明した」と自信を取り戻して、今年オーガスタに帰ってきた。
「去年はプレーできたことだけで幸運だった。2年前のチャンピオンズディナーには出席するだけで大変だったんだ。この最高の試合を何年もプレーできなかった。それがまた今、チャンピオンになった。初勝利から22年、長かった。現実ではないような経験だ」
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