これから鉄道の旅が始まる。
カナダ、プリンス・エドワード島 Prince Edward Island からバスでモンクトン Moncton へ渡り、 カナダ国鉄の夜行列車オーシャン号に乗って、モントリオール Montreal へ向かう。
オーシャン号(画像:Wikipediaより)
寝台車は2人ずつの個室のみなので、安全を考えると利用できないし、2人分の料金を払って個室寝台に乗れるほどの金銭的余裕もないので、当然エコノミー・クラス。
左右2列ずつのリクライニングシートだ。
こんな時、女一人旅の不便さを強く感じる
真夏なのに寒い!
夜行列車は、3月にイタリア、トリノからスペイン、バルセロナへ移動したエリプソス号以来だ。久々の夜行列車の旅、心が踊る。
しかーし!!
不幸なことに飛行機とは違って、夜行列車のエコノミー席には毛布が付いていなかった…
10ドルで枕と毛布のセットを売っていたが、購入するのはあまりにバカらしいので諦めた。周囲の乗客は夜寒いことを知っていたのか、毛布持参だったりフリースやウィンブレをちゃんと着込んでいた。昼間は半裸状態の彼らなのに、あの大きなバッグの中身はそういうものだったのね、とヘンなところに感心してしまう。
北米の列車事情
カナダ国鉄もアメリカのアムトラックも、基本的に長距離列車の席の予約は受け付けていない。(予約できる路線もあります。)だから駅には何十分も前から長蛇の列ができ、乗り込む際には乗客だけでなく係員さえ大混乱状態に陥る。
予約できないということは、満席で乗車できない状況もありうるわけで、そういう場合列の後方に並んで待つのはとても不安だろう。どういう事情で予約システムがないのか知らないが、不合理極まりないと日本人の私などは思ってしまう。
指定席と自由席を選択でき、ほぼ時間通りに運行される列車を整然と列に並んで待ち、乗車時も割り込みなど考えられない日本の乗車システムは素晴らしい!(都会のラッシュ時の列車は別として。あれは外国人にとって面白い見ものらしい。)
と思う一方、考えてみると日本の新幹線には荷物置き場がない気がする。海外では高速列車だけでなく地下鉄やバスにさえスーツケースなどの大きな荷物を置く専用スペースが必ずある。カナダ国鉄の夜行列車では一つの車両が専用の荷物室になっており、飛行機のように乗車地で預けて目的地で受け取るシステムになっている。
日本のような小さな国では、スーツケースのような大荷物を抱えて列車で大家族旅行をする人々がほとんどいないからなのだろうが、外国からのツーリストには極めて不便なのではないだろうか。
どこの国の交通手段も一長一短ってことね。完ぺきな乗車システムって、超高級寝台列車以外にはないのかしら?
そんなことを考えていると、ようやく出発時間が来て列車は静かにモンクトンの駅を離れた。
モントリオール、トロントを経由してナイアガラ・フォールズへ
相変わらず車両で一番の大いびきをかく人の隣の席になってしまい、寒さと騒音でまたしても…、またしても(!!)ほとんど眠れない夜を過ごした。
私と夜行列車との相性が悪いのか?
夜行列車にロマンを求め過ぎなのかー?!
ところで「夜行列車」という言葉は何故こんなにもロマンを感じさせるのだろうか。夜を徹して走る列車からは車窓なんか見えないのに、ほとんど寝ているだけで素敵な出会いなんか期待できないのに、なぜロマン?
ああ、ロマンは列車の中じゃなくて旅の始まりと終わりにあるのかも。ほら、上野発の夜行列車降りた時から 青森駅は雪の中〜って、なんか寂寥感とセットになっているというか…。列車の中ではひたすら過去の悲恋の思い出に浸るのが、お一人様の正しい夜行列車の乗り方ってことか?寂しい〜
翌7月21日、ガタンゴトンという列車独特の音楽を聴きながら、うつらうつらしただけで朝を迎え モントリオールに到着。
北米のパリと呼ばれるモントリオールとトロントにも滞在したかったのだが、日程の都合で列車の乗り継ぎのみ。世界1周航空券を使いながら、北米をたった1ヶ月で旅しようなんてアホな計画を立てた自分がほんとに恨めしい。
大きなスーツケースがあるので長い乗り継ぎ待ち時間にちょっと市内観光なんてこともできない。若ければ荷物預けて行っちゃうんだけど、眠れない一夜を過ごした後には体力的にキツイ、アラフォーの私なのだった…
この日の目的地はナイアガラ・フォールズなのだが、乗車予定の列車は予想通り遅れているしホームの番線はコロコロと変わり、ここでも乗客、係員ともに大混乱。
先に指定席にしないからこんないらない混乱を招くんだよっと罵りたくなるが、遅延や運行中止が日常茶飯事の交通機関では払戻手続きに余計な手間がかかるからなのか、と勘繰ってしまう私だった…
そして、モントリオールから乗り継いで到着した トロント駅はここがカナダだとは信じがたいほどの暑さに見舞われていた。汗にまみれて更に列車を乗り継ぎ、アメリカ国境の ナイアガラ・フォールズへ向かう。
この高緯度なのに南下するにつれて東京を思わせる猛暑…7月も下旬だもんね、すっかり夏だわ。ああ、この先更に南下してのデトロイト、シカゴ入りが恐ろしい…。
★ 『北米編?Eナイアガラの滝でナンパされる』
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