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2014年01月18日
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カテゴリ: 詩・歌
故郷に帰った時、大事そうにしまっている箱の中に1冊の句集がありました。
私の祖母のおじいさん・おばあさん夫婦が詠んだ句です。
この当時本を発行するのは大変だったと思います。
祖母のおじいさんおばあさんが亡くなった後に子供たち(私の祖母の叔父)が発行したようです。
この古文書はとても私は現代文に直すことができないので、友人にお願いして
古文書に詳しい方に直してもらいました。2年がかりで大変だったと思います。感謝です!
少しずつ紹介します。

明治発句 俳諧博物撰 冬之部 文豊齋寥左 編集 月之本素水 校合
     明治26年6月20日発行 25銭   著作者は私の祖母の祖父です。
     故人になっていたので亡くなってからの発行です。発行者はその子です。
     発行者は東壁堂・片野東四郎(名古屋市玉屋町3丁目2番地)です。
     江戸時代から続く老舗で藩校なども関わり東京にも店を持つています。

  100人ほどの方のお題に対して詠んだ俳句を集めたものですが、この中から
  私の祖母の祖父母ー俳号 寥左・梅女夫婦のものを集めたものです。
  私はあまり俳句に詳しくないので、どなたかコメントしていただければありがたいです。

   馬は人 人は馬見る 時雨かな           寥左

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白湯にさへ味ある冬の心かな            寥左

十月 神無月

十月や野山にほこる日の光             梅女
十月や取巻てゐる雪の山              寥左   

炉開や隠居同士の別世界              寥左 
初霜の磨く下地か鏡山               寥左
心から先へ濡れけけり初しくれ           梅女
初雪や落葉引合むら雀               梅女
初ものや是等も雪の筆一に             寥左
手にとれば雫と成ぬ初氷              梅女
初冰むすひ初けりわすれ水             寥左
初冬や豆腐も白う店開き              寥左
露ほとの情も萩の枯るまて             梅女 
はたはたや遊んて店ハ酒の減る           寥左
年々に昔に帰る時雨かな              寥左
拝墳は人の己に勝るかな              寥左
世のさまを写すや鳰(にお=カイツブリ)の浮きしつみ 寥左
口切や庭もかわらぬ松万年生            梅女
  (口切 お茶の封を切る)
茶の花や世に諂(へつ)らはぬ里の         梅女
茶の花は奢らぬ里の鑑かな             寥左
惜しまれて散にゑを持紅葉哉            梅女
世の際を賑やかにして散紅葉            寥左
荻枯て波音はかり伊勢の海             寥左
松風も空しく吹て神無月              寥左
柏掌ハ谺(こだま)うえて神無月          梅女 
  (谺 木霊、木精)
夜ハ義士の咄に交えて鐘氷る            梅女
鳥部野や音なき風に鐘氷る             寥左
神立風(からさで)の吹や鳩にも鳥にも       寥左
風に臥徳も叶はす枯尾花              寥左  
暮るともなく日の落て枯尾花            梅女
  (枯尾花 枯れたススキ)
寒菊や兄の蕾も遠からす              寥左
日をはらむ山懐や帰り花              梅女
帰花今日無事の思いあり              寥左
  (帰花 時期外れに咲く花)
神齋し跡や大和のかやの花             寥左
 (榧の花(カヤの花 煙とし蚊やとり)
枯あしや枯たについて音のする           寥左
芦枯て夜渡る月そ哀なる              梅女
画に残す骨もほまれや枯すすき           寥左
草枯てあしに見らるる在所かな           梅女
菊枯て兄の蕾を待るかな              寥左
朽ぬ名や扇の芝の枯るとも             寥左
枯蓮やいよいよ泥に帰る亀             寥左
荻枯て蘭に離るる野楮(こうぞ)かな        梅女
針ほとのことのはもなしかれ茨           寥左
山賊に見透されけり枯箻              梅女
るすにしもさぬ神の力かな             寥左
おしなへて月や守らん神の留守           梅女
八重垣も聞かせたまへ神迎             寥左
引過て月夜を運ふ大根哉              梅女
引や大根臍も力のいれ所              寥左
世を忍ふ雉子やそはの刈こほれ           梅女
刈なから日に逐るるやそは畑            寥左
玉しきの都も名草枯にけり             寥左
麦蒔や女にハ似ぬ一人前              梅女
麦蒔や畑にもなしむ隣あり             寥左
薄冰や夜を日に継し潦(にわたずみ)        寥左
(潦 雨が降って地上にたまったり流れたりする水)
難行も苦行もあるにゐのこ餅            梅女
寺にしも弟子なれかしのゐのこ哉          寥左
(ゐのこ 玄猪 陰暦十月の亥の日。又その日に食べる餅)
延かちなものの習を御取こし            寥左
(御取越 浄土真宗の門徒が親鸞の忌日11月28日に
行われる親鸞忌を繰り上げ、陰暦10月に各自の家で行う報恩講)
いかめしき昼の灯や御命講             梅女
菓も佛果に入かおめいかう             寥左
(御命講 会式 日蓮の忌日10月13日を中心に営む法会)
眠る山にいたはる雪のふとん哉           寥左
筐庭や人隅持て八手さく              寥左
紫の庭の尊き下元かな               寥左
  (下元 陰暦10月15日)
約(つづめ)りハ米と薪よ冬かまへ         寥左
  (約める 節約する)
夢の間ハ浮世ニも出つ冬籠             寥左
  冬籠(こもり) 冬の間ひきこもる 
冬されや猫のすり付膝かしら            寥左
冬されや鳴残したるきりきりす           梅女
ほっかりと昇る旭や冬牡丹             梅女
とり囲むいろはの蔵や冬牡丹            寥左   
一ツつ咲て久しや冬椿               梅女 
一家内和合の位置や冬椿              寥左
一力草にも見ゆる小春かな             梅女

木枯 凩と書く。木枯の風と読む。秋冬吹く風にて木を枯す心なり
凩の跡や月澄うらの山               梅女
凩に脇に立親の白髪かな              寥左

散木の葉焚ても風の音のする            寥左
不破の関も洩ぬこのはの時雨哉           梅女
世の罪ハ笑なくして夷講(えびす講)        寥左
残菊の宴や老の命のわすれ草            寥左
山茶花や老の命のわすれ草             梅女
習ひつつささ(鶯子)鳴習ふ日和かな        寥左
北窓を閉いてきまる旭かな             寥左
飲欲の水をハ水のかるしとも            寥左
蕣(あさがお)と同じ心を霜の花          寥左
たまほこの道やあふなししも柱           梅女
時雨るハ常なり柴のわひ住居            梅女
馬ハ人人ハ馬見る時雨かな             寥左
世をのかれかれても時雨かな            寥左 
世の末と見るやしまきの石佛            梅女
壁一重外はしまきの苦界哉             寥左
 (シマキ 時雨に風の交じる) 
霜枯や手慰ミして世をわたる            寥左
罪のない子の膝に寝る十夜哉            梅女
荷にならぬ念佛賣取十夜哉             寥左
ひは咲や松の懐杉の袖               梅女
口すさむ鳥もないのにひはの花           寥左





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Last updated  2014年01月19日 00時11分30秒
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