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写真はシャツター速度ダイアル側、反対側の巻き上げ装置側も同じ様な混み具合だ、中型カメラの為に動作距離が長くなる、ショツクも大きい、全てのネジにはゆるみ止めのペイントロックがされている。
差動歯車、この言葉は車の免許を持っている方なら知っている筈です、免許試験の構造で必ず勉強しています、エンジンからの推進動力を駆動輪に伝える装置です、カーブを曲がる時に内側タイヤと外側タイヤでは曲がる距離が違います、内輪差と言います、それを自動的に吸収する装置でデフレンシャルギャーと言います、略してデフといいます。
Zenza Bronicaはフィルムが入る部分を交換出来る構造に成っています、フィルムバックと云います、撮影途中でも白黒フィルムとカラーフィルムを入れ替える、撮影終了したらフィルムの詰め替えでは無くその部分を交換すれば継続出来る、大変高度な機構です、その為にはフイルム巻き上げ装置の信号を2つに同時に送る必要が有ります、シャツターチャージとフィルム巻き上げです、所がそこで問題が発生します、フィルムバックが交換できます、何時も2つが同じ状態とは限らない、例えばフィルムバックは巻き上げが完了している、シャツターチャージは出来ていない、その逆も有ります、それを自動的に判断しています、それがデフと同様の構造を持つギャー作動装置です、つまり動かなくて良い方の歯車は回らない。
実はオーバーホールをしていてフィルムバックと本体はギャーが1個だけで接続されています、それ以外には何も有りません、不思議で考え込み、理解するのに2日かかりました。
それ以外にもこだわりは沢山有りました、全部を書けば本が出来そうです。
しかしそれらが同時に欠点も作り出しています、このカメラの最大の欠点は作動音です、シャツターを切るとカメラの出す音と思えない音を出します、従って振動も有る、振動そのものは撮る事に影響は与えていませんが気持ちの良い物では無い、巻き上げハンドルを操作して完了直前に可成り固くなり、グスそんな感じで軽くなり停止が掛かる、操作感は最悪だ、こだわりぬいた構造イコール複雑そして重くなる、故障も増える、確かに凄いカメラです、設計、精度、使用部品、どれを取っても特一級品です、そして複雑な事も。
誤操作を防ぐ安全装置はこれ以上の機械式中判カメラは絶対に無い、小型の一眼レフには到底及ばないが速写も出来る、この性能も大した物だ。
このカメラは面白い、しかし好き嫌い、良い悪いは判断の分かれる所だと思う。
Pen F の機構詳細 その5 2007年10月11日 コメント(1)
Pen F の機構詳細 その4 2007年10月07日
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