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内科医の工藤孝明は、茨城の小さな町の個人病院に勤めて2年目だった。工藤は背の高い顔だちの整った青年だったが、律義で真面目だった。要領が悪く、よく看護師に怒られ、そして患者に甘いとみられがちだった彼が大学病院の研修医だった時、入院患者の悪徳宗教家が死亡した。それはよくある事だが、ある老婆が「私が呪い殺した」と名乗り出たことで、若い研修医の工藤はあらぬ疑いをかけられ、大学病院を追われた身だった。その彼を受け入れてくれたのが、個人病院の院長・藤原信太郎だった。工藤は患者の気持ちに添い、よく働く医者だったから、藤原は満足していた。工藤の患者がまた一人亡くなった。「呪い殺された」という噂がささやかれるようになる。真相を突き止めるべく、ルポライターの木部美智子が動き出す。一つの事件の真相を追うというより、木部美智子というルポライターの人物像を縦に、社会の暗部をあぶり出すという構造になっている。いろんな要素を少し詰め込み過ぎないかな~?という思いで読み終わった。「呪い」なんて本当にあるわけよ、というのが私の感想でした。【中古】呪い人形 /集英社/望月諒子(文庫)
2023.04.29
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我が家の庭に咲く、梅花イカリソウ。[山野草] イカリソウ庭の仕事で半日潰れ、中々本を読めない日が続いていました。やっと、麻加朋「青い雪」を読み終わりました。第25回・日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品です。避暑地・土筆町に暮らす11歳の柊寿々音。彼女は、年に一度、この町に集まる3組の家族の子供たちと夏を過ごすのが楽しみだった。寿々音が12歳の年、最年少の幼女が失踪した。何日も捜査が続けられたが、幼女は見つからなかった。その6年後、寿々音は一通の手紙を目にした。寿々音が知らなかった、それぞれの家族の秘密が徐々に暴かれる。青い雪 (光文社文庫) [ 麻加朋 ]親が子を虐待する事件が後をたたない。幼い子供を虐待する気持ちがわからない。でも、それは暮らしに困らなかったから~?とふと思う。暮すのにも精一杯、いや食べるのも困っていたら…。いや、親自身も愛に飢えていたからだろうか?ブラックバースデイ [ 麻加朋 ]
2024.05.29
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