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2024.04.15
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カテゴリ: 観照



先週の金曜日(4/12)に 大阪中之島美術館に出かけてきました

「モネ -連作の情景」を鑑賞するために。


展覧会は5階の展示室。2階から一直線のエスカレーターで一気に上ります。



      これはモネの展覧会の PRチラシ 。2つ折のA4サイズ。掲載の絵を後で引用します。
 前売り券を事前に購入していました。
上掲チラシの表紙と同じ絵が使われています。
この絵は、 「3章 テーマへの集中」と題するセクションに展示されている 「ラ・マンヌポルト(エトルタ)」 (1883年、メトロポリタン美術館蔵)と題する絵です。

チラシの絵は原画と比べると右側が少しカットされています。入場券ではさらに右側がカットされた絵になっています。波が激しく湧き立ち、トンネル状の岩に砕け散り、岩の内側に光が当たっている様子のポイントを感じるのに支障はありません。この絵では、岩の上部がカットされた構図です。
一方、 この絵の右隣りには 、同じ場所がトンネル状の岩の上部を描きこみ、横方向を更にカットした縦長の構図で描かれた 「エトルタのラ・マンヌポルト」 (1886年、メトロポリタン美術館蔵)が展示されていました。
一方、「ラ・マンヌポルト(エトルタ)」の 左側には、「アヴァルの門」 (1886年、島根県立美術館蔵)と題する同じエトルタの近くで描かれた絵が展示されています。これもひとつの連作なのかもしれません。

展示は5章構成に なっています。 一部の絵について撮影OKでした。
 1章 印象派以前のモネ
 2章 印象派の画家、モネ
 3章 テーマへの集中
 4章 連作の画家、モネ
 5章 「睡蓮」とジヴェルニーの庭

<1章 印象派以前のモネ>
画塾で学んだモネは他の画家と同様に、サロン(官展)に入選して成功することを目標としていました。1865年に2点の海景画が入選しデビューを果たしたと言います。このセクションには、印象派としての絵を本格的に描き出す以前の初期作品が展示されています。
PRチラシから引用
「昼食」 (1868-69年、シュテーデル美術館蔵)と題するこの絵はサロンに落選した作品だそうです。伝統的な手法による絵だなと思います。
1章に展示されている作品の中では一番サイズが大きい絵(231.5×151.5cm)です。

展示されていた風景画には明るさを感じました。

<2章 印象派の画家、モネ>
1870年代~80年代にモネはパリ北西のアルジャントゥイユで暮らしはじめ、セーヌ川流域を拠点に、各地を訪れて絵を描いたそうです。
PRチラシから引用
この 「モネのアトリエ舟」 (1874年、クレラー=ミュラー美術館蔵)と、 その隣りに「アトリエ舟」 (1876年、ヌシャルテル美術歴史博物館蔵)が並べて展示されています。前者はアルジャントゥイユで描かれた作品です。
このセクションでは、 「ヴェトゥイユ」 (1880年頃、グラスゴー・ライフ・ミュージアム蔵)、 「ヴェトゥイユの春」 (1880年、ボイマンス・ファン・ペーニンゲン美術館蔵)、 「ヴェルノンの眺め」 (1886年、クライスラー美術館蔵)が印象に残りました。

<3章 テーマへの集中>
最初にノルマンディー地方のエトルタで描いた作品に触れました。
このセクションには、同じノルマンディー地方の ​ブールヴィルで描いた作品が5点​ 、その中に ブールヴィルの断崖と海を描いた作品が4点 展示されています。モネは「人影のない海岸など原初的な自然の風景を好んで描いた」 (図録説明より) そうです。
同じ風景の遠景あるいは近景を描き、太陽の光が生み出す断崖の変化、空の色や雲の変化、海の波の変化と印象をモネの目に映った情景として様々に描いています。中でも 「プールヴィルの崖、朝」 (1897年、福田美術館蔵) はまさに印象的風景という作品 です。

PRチラシから引用
これはイタリアのリゾート地、避寒地のボルディゲラで描かれた 「ヴェンティミーリアの眺め」 (1884年、グラスゴー・ライフ・ミュージアム蔵)です。この地で描かれた作品ではこの1点だけが展示されています。モネはパリとは違う地中海の明るい色彩や輝く太陽の光の違いなどを描くのに苦労したとか。モネはそのことをジヴェルニーで待つアリスに書き送っているそうです。 (図録の解説より)

<4章 連作の画家、モネ>
1883年春、モネは42歳の時にセーヌ川流域のジヴェルニーに移り住みます
そこはヴェトゥイユの下流に位置します。このジヴェルニーがモネの終の棲家となります。

積みわらはジヴェルニーの秋の風物詩。この 積みわらの景色がモネにとって体系的に「連作」の手法を実現する契機となった と言います。 (図録の解説より)

「ジヴェルニーの積みわら」 (1884年、ポーラ美術館蔵)


「積みわら、雪の効果」 (1891年、スコットランド・ナショナル・ギャラリー蔵)
この2点はチラシからの引用です。 積みわらの作品は4点展示 されています。
1884年の作品が当初のもので。積みわらの光景をそのまま描いています が、陽光を受けて変化する積みわらの光と影の描写が連作として変化していき、 抽象化された積みわらに行き着きます 。4点の展示ですが、作品の変貌が味わえます。


           これは当日購入した 図録の裏表紙 です。
「チャリング・クロス橋、テムズ川」 (1903年、リヨン美術館蔵)の部分図が使われています。この隣には連作として 「テムズ川のチャリング・クロス橋」 (1903年、吉野石膏コレクション蔵)が展示されています。
尚、図録の解説によれば、 チャリング・クロス橋の連作は34点 が知られているそうです。

このセクションには、

撮影OKの箇所 があります。 ウォータールー橋を描いた連作の展示箇所 です。


「ウォータールー橋、曇り」 (1900年、ヒューレイン・ギャラリー蔵)


「ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ」 (1904年、ワシントン・ナショナル・ギャラリー)


「ウォータールー橋、ロンドン、日没」 (1904年、ワシントン・ナショナル・ギャラリー)

この連作も積みわらと同様に、ウォータールー橋の風景という要素はどんどん捨象されていき、日没の橋そのものの光と印象に絞りこまれていきます。

<5章 「睡蓮」とジヴェルニーの庭>


このセクションの最後の展示室は出口の手前で、多角形の広場風になっていて、 特定の作品を除き撮影OK です。展示室両側を部分的に撮ってみました。


「芍薬」 (1887年、ジュネーヴ美術歴史博物館蔵)



「睡蓮」 (1897-98年頃、ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)


この作品の部分図が、購入した 図録の表紙 に使われています。CLAUDE MONETの文字が表紙に均等に配され、右下に展覧会のタイトルが小さな押さえとなっています
PRチラシの表紙の一面にもこの部分図が使われています。


「睡蓮」 (1907年、石橋財団アーティゾン美術館蔵)


「睡蓮」 (1914-17年、群馬県立近代美術館蔵)


「睡蓮、柳の反影」 (1916-19年、北九州市立美術館蔵)


「睡蓮の池」 (1918年頃、ハッソ・プラットナー・コレクション蔵)


「藤の習作」 (1919-20年、ドゥルー美術歴史博物館蔵)

モネは、ジヴェルニーの自宅敷地に、「花の庭」と「水の庭」を整備し、「水の庭」で睡蓮を栽培し、 1890年代後半からは300点もの<睡蓮>に取り組んだ そうです。
「池には日本風の太鼓橋を架けて藤棚をのせ、アヤメやカキツバタを植えた」 (図録の解説より) のです。上掲の作品はこの庭の草花の絵ですね。

ジヴェルニーの庭、訪れてみたいなあ・・・・・・。

1840年パリ生まれのクロード・モネは、1926年、ジヴェルニーで86歳の生涯を閉じました。
「今日、モネは印象主義の創始者として、また抽象美術の祖としても国際的に功績が認められている」 (図録の解説より)

展覧会場を出た後、この美術館そのものに目を向けてみることに・・・・。初めてこの美術館を訪れた時に、錯覚していたことや見落としていたことがあったからです。展覧会の続きに、この美術館の再探訪をしてみました。

つづく

補遺
クロード・モネ ​   :ウィキペディア
Claude Monet ​  From Wikipedia, the free encyclopedia
クロード・モネとは? ​   :「This is Media」
  代表作「睡蓮」などの有名絵画と生涯を分かりやすく解説!
クロード・モネ ​   :「美術手帖」
Claude Monet (1840ー1926) ​  :「THE MET」(The Metropolitan Museum of Art)
印象・日の出 ​    :ウィキペディア
コレクション クロード・モネ ​  :「ポーラ美術館」
睡蓮  クロード・モネ ​  :「国立西洋美術館」
GIVERNY:ジヴェルニー、モネの庭園 ​  :「O'bon Paris」
ジヴェルニー ​ :「BonNoyage.jp」
ジヴェルニー ​ :ウィキペディア

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

​観照 大阪中之島美術館 -2 館内を巡る & 外観  へ








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Last updated  2024.04.16 13:50:44
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