音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年09月12日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 本盤『ビッグ・バグス(Big Bags)』は、タッド・ダメロンとアーニー・ウィルキンスの編曲によるオーケストラ・サウンドをバックにミルト・ジャクソン(Milt Jackson)がヴァイブ演奏を繰り広げるというもの。ちなみに、ダメロンの担当は2、4、7、11、ウィルキンスの編曲は1、5、6、8、10、12(追加収録の別テイクは除外)。

 ミルト・ジャクソンのソロというと、ブルージーで自由奔放にヴィブラフォンを鳴らしているイメージが強いかもしれない。けれども、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)での演奏やマイルス・デイヴィスとの競演作での演奏を聴けばわかるように、周囲との調和を作るのがうまいところが、彼の演奏スタイルの特徴の一つであると感じる。周りに合わせるというのではなく、周囲を壊さずに自身のプレイを生かしきると言えばいいだろうか。そして、本作の演奏では、そうしたミルトのよさがいかんなく発揮されている。要は、最初に聴いた時は、オーケストラ・サウンドの上を自由奔放に駆け巡っているのかと思いきや、少し集中して聴くと、ミルトがうまいからこそ、オーケストラの上を踊っているように聞こえるのだということに気づくというわけだ。

 1.「オールド・デヴィル・ムーン 」、8.(&9.)「スター・アイズ」といった曲の豪快なアレンジとの絡みからしてそのことがよくわかる。豪華なオーケストラ・サウンドの絡み、その音を殺さずに自身の音を生かしきるという意味でもっとも気に入っているのは、5.「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ 」である。ちなみにこれら3曲を含めウィルキンスの編曲によるものは、豪華サウンドなイメージが強い。これに対し、ダメロンが編曲を担当した曲はどちらかというと細やかなアレンジ。後者でいちばんなのは2.(&3.)「ラウンド・ミッドナイト」。この曲を演奏したミュージシャンは数多いが、本盤での演奏も名演の一つに数えられてよいと思う。



[収録曲]

1. Old Devil Moon
2. 'Round Midnight
3. 同上別テイク
4. The Dream Is You
5. You'd Be So Nice To Come Home To
6. Echoes
7. If You Could See Me Now
8. Star Eyes
9. 同上別テイク
10. Namesake
11. If I Should Lose You
12. Later Than You Think


[録音・パーソネル]

録音:1962.6.19~20、1962.7.5

Milt Jackson (vibraharp), Jimmy Cleveland/Melba Liston/Paul Faulise (tb),
Clarke Terry/Nat Adderley/Bernie Glow/Ernie Royal (tp),
Jerome Richardson/George Dorsey (as)
James Moody (ts, fl), Jimmy Heath (ts), Arthur Clarke (bs)
Hank Jones (p), Ron Carter (b), Philly Joe Jones (ds) ほか






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Last updated  2012年06月21日 06時28分12秒
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