そんな中、本盤『ソングス・フロム・ザ・ウェスト・コースト(Songs from the West Coast)』は、エルトンがそんな自分自身を見つめ直し、ポップ・ミュージックの牽引者としての自己の立場を再認識して2001年にリリースしたアルバムである。エルトン・ジョンは実に多作家であるため、初めてアルバムを聴く人にとっては、いったいどこから手をつけたらよいのかわからないほど厄介な数の作品がある(したがって筆者も全部聴いたわけではない)。しかし、ランドマークとなるような作品をいくつか選びだすことは可能で、それらがすなわち彼の代表作として位置づけられるものとなる。上述のサード・アルバムもその1枚だし、名作と呼ばれる『黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)』や『キャプテン・ファンタスティック』などもその1つだろう。そして、比較的新しいところでの1枚が本盤『ソングス・フロム・ザ・ウェスト・コースト』と言ってよいと思う。
1. The Emperor's New Clothes 2. Dark Diamond 3. Look Ma, No Hands 4. American Triangle 5. Original Sin 6. Birds 7. I Want Love 8. The Wasteland 9. Ballad of the Boy in the Red Shoes 10. Love Her Like Me 11. Mansfield 12. This Train Don't Stop There Anymore