筆者は実はそんな風に考えながらこの盤を聴くことが多い。“正しい理解”をしなくてよいと割り切ることができれば、その時点から、案外と本盤は聴きやすくなるのではないだろうか。いや、それどころか、意外に面白いのではないかという気がすることさえある。何よりも、この仰々しさは、本盤の大事な個性というふうに思う。限られた時間で緊張感を持続するというのが前作(『危機(Close to the Edge)』)の雰囲気だとすれば、それとは異なり、マラソンかトライアスロンをやっているようにすら思えるところがよい。持続合戦のような本盤の収録曲は、『危機』や『こわれもの』という代表盤二作のようにひたすら完璧さを期す方向に向かうのではなく、不思議な世界、幻想的な世界をいかに演出するかの方により力点が置かれているように感じられる。
~Disc 1~ 1. The Revealing Science of God (Dance of the Dawn) 2. The Remembering (High the Memory) 3. The Ancient (Giants under the Sun)
~Disc 2~ 1. Ritual (Nous sommes du soleil) ~以下、2003年再発時のボーナス・トラック~ 2. Dance of the Dawn [studio run-through] 3. Giants under the Sun [studio run-through]