音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2012年02月21日
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テーマ: musica latina(82)
スペイン・ロックと狂女フアナ


 ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1949年スペイン南部アンダルシア地方のハエン県出身のシンガーソングライター。若い頃には反フランコ体制の運動に加わりロンドンへ亡命していたが、1977年のフランコ総督死去後に祖国に戻り、1978年に1stアルバムを発表。その後はコンスタントに音楽活動を続けていたが、2001年に軽い脳梗塞を起こし、これが原因でうつ病になる。しかし、現在ではそれも克服し、元気に活動を続けている。スペインだけでなく、ラテンアメリカ諸国でも強い人気を誇り、2011年には初めて米国(NY、ロス、マイアミ)でのライブも敢行した。

 狂女フアナ――世界史好きや映画に関心のある人には馴染みのある人物名だろう。スペインの王イサベル(カスティーリャ女王)とフェルナンド(アラゴン王)の娘にして、後に神聖ローマ皇帝となるカール5世およびフェルディナント1世の母。精神不安定の波があり、激しく取り乱したりしたことから“狂女フアナ”と呼ばれるが、一方では、王権をめぐる政争の中、狂女に仕立てられたとの説もあるらしい。彼女の生涯は2001年に映画化(邦題は『女王フアナ』)されている。

 さて、「フアナ・ラ・ロカ(狂女フアナ)」はこの曲のタイトルで、こんなところにも歴史上の人物名が登場するところが面白い。ただし、別に歴史上のこの女王のことを歌っているのではなく、堅苦しい生活を捨て奔放に振る舞う“狂女フアナ”のあだ名を持つ女性を歌った、タイトルの割には気軽な曲。ホアキン・サビーナの3rdアルバム『ルレータ・ルサ(ロシアン・ルーレット)』に収録されたものだが、ちょうどこのアルバムからサビーナはロック・サウンドの方に傾いていった。

 オリジナル(上記アルバム収録バージョン)の演奏は、今の時代からすると古めかしく、かなり間延びの激しい感じを受ける。けれども、ライブ盤として発表され、後にいくつかのコンピレーションにも収められた1986年のライブ・バージョンは、勢いもあって現在でも十分通用する。筆者は以前からこちらのバージョンが結構好きだったのだが、この動画がアップされているのを見つけたので、興味のある方はついでにお楽しみいただきたい。







[収録アルバム]
Joaquín Sabina / Ruleta rusa (1984年) ←オリジナル・バージョン収録
Joaquín Sabina y Viceversa / Joaqu?n Sabina y Viceversa en directo (1986年)←ライブ・バージョン収録
Rock en tu idioma, Diez años, vol. III (1999年)などコンピ盤にも収録。






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Last updated  2016年02月01日 15時59分40秒
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