ナラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースによるダンス系チューンが今の時代から見るといかにもではあるのだが、それにしてもバラード系の輝きは時代を超えて受け継がれるべきものである。仮に本盤の代表曲を1つだけ挙げるなら、一般にはヒット曲の1.「すてきなSomebody(I Wanna Dance With Somebody (Who Loves Me))」なのかもしれない。でも、筆者としては、それよりも4.「恋のアドバイス(Didn’t We Almost Have It All)」を本盤の代表曲に推したい。このような観点からすれば、本盤のよさは、バラード系の歌唱の素晴らしさにあり、その意味では、6.「いつもあなたと(Where You Are)」や8.「愛の絆(You’re Still My Man)」なども聴きどころ。ちなみに、11.「アイ・ノウ・ヒム・ソー・ウェル」では、母親のシシー・ヒューストンとのデュエットも披露している。