音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年03月31日
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テーマ: 洋楽(3407)




 リトル・リバー・バンド(Little River Band)は、 「追憶の甘い日々(リミニッシング)」 などのヒットで知られるオーストラリア出身のロック・バンド。1970年代後半にオーストラリアのグループとしては初の英米マーケット進出を果たした先駆者であった。このバンドの中核を担っていたリード・ヴォーカルのグレン・シャロックは、80年代に一時このバンドを脱退(その後は1996年に脱退)しているが、本盤『ノー・レインズ(No Reins)』はちょうどその時期のアルバムで、バンドの通算11作目(米では10作目)に当たる。

 この当時のリード・シンガーを務めていたのは、イギリス生まれながらメルボルン育ちで“オーストラリアの国民的シンガー”と言われるジョン・ファーナム(John Farnham)。実を言うと、本盤の発表時点では、既にファーナムの脱退は決まっていて、再びソロ活動に軸足を移しつつあった。そうして生み出されていくことになる彼のソロ作にも筆者のお気に入りはあるのだが、数年間の所属だったリトル・リバー・バンドでのヴォーカルもなかなかよかったと思うし、中でもこの『ノー・レインズ』はわりとよく聴く盤である。

 収録曲のうち、ダントツで気に入っているのは、アルバム表題の元になった4.「ノー・レインズ・オン・ミー」。後にリトル・リバー・バンドの復活を担うウェイン・ネルソン(当時は主にベース担当、ネルソン中心のバンド復活については過去記事 『ホエア・ウィ―・スターテッド・フロム』 を参照)が、リード・ヴォーカルを務めている。

 アルバム全体としては、当時唯一のオリジナル・メンバーであったグレアム・ゴーブル(ギター)が中心にソングライティングを担当し、このバンドらしい曲調が維持されている。上記4.以外の注目曲としては、しっとり系バラードの3.「タイム・フォー・アス」、これぞリトル・リバー・バンドな曲調で実際に後々メンバーが変わっても演奏し続けられていくことになる1.「フェイス・イン・ザ・クラウド」(これら2曲もリード・ヴォーカルはW・ネルソンが担当)。もう一つのバラード調の曲である8.「フォーエヴァー・ブルー」は、ジョン・ファーナムの情感こもったヴォーカルが実にマッチしている。

 バンドとしては低迷期で、アルバムもシングルも特にヒットや大きな注目を生みだすことはなかった。けれども、主要メンバーの変更やばんどないのごたごたを抱えながらも、これだけ路線をうまく継承し、質の高い音楽を作り続けていたのもある意味では見事で、並大抵の努力ではなかったのだろう。今ではCDも品切れのようで、半ばレア・アイテム化している(?)ようだが、もう少し密かに聴かれてもいい好盤だと思う。



[収録曲]

1. Face in the Crowd
2. It's Just a Matter of Time
3. Time for Us
4. No Reins on Me
5. When the War Is Over
6. Thin Ice
7. How Many Nights?
8. Forever Blue
9. Paper Paradise
10. It Was the Night

1986年リリース。






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Last updated  2012年04月03日 06時16分33秒
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