本盤でのトム・ウェイツの新しい音のイメージは1.「アンダーグラウンド」に典型的に現れていて、ここから始まる三部作(フランキーZの三部作)に見られる新しいトム・ウェイツの世界を代表している。5.「A 30.6(原題:16 Shells From A 30.6)」や11.「地獄に落ちた男の歌」もあらたな音世界の一端をよく表している。その一方で、70年代からの彼らしさというものも維持されている。インスト曲の3.「ブッチャー」や弾き語り調の9.「ワイルドなフランクの歌」に見られるけだるさは従来のトム・ウェイツのよさをちゃんと受け継いでいる。また、4.「イリノイ州ジョーンズバーグの町の歌」や7.「イン・ザ・ネイバーフッド」、あるいは12.「ジンびたりの男」なんかの曲の美しさも70年代からの彼の得意な部分がちゃんと残されている。
1. Underground 2. Shore Leave 3. Dave the Butcher 4. Johnsburg, Illinois 5. 16 Shells from a Thirty-Ought-Six 6. Town with No Cheer 7. In the Neighborhood 8. Just Another Sucker on the Vine 9. Frank's Wild Years 10. Swordfishtrombone 11. Down, Down, Down 12. Soldier's Things 13. Gin Soaked Boy 14. Trouble's Braids 15. Rainbirds