音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2015年08月18日
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テーマ: 洋楽(3407)




 いきなりふざけた見出しをつけてしまったが、有名な女優のジュリア・ロバーツではなくて、ジュリエット・ロバーツ(Juliet Roberts)というのがここで取り上げる女性シンガーの名前。ちなみに、ジュリー・ロバーツというカントリー系シンガー(もちろん別人)もいるので、混乱せぬようご注意を(笑)。

 さて、ジュリエット・ロバーツは、グレナダ(元イギリス領で1970年代に独立したカリブ海の小国)系の血を引くイギリス人シンガー。80年代、いわゆるイギリス発のアシッド・ジャズの動きの中にあったワーキング・ウィークというグループでヴォーカルを務めていたが、その個性が強すぎることから、グループを抜け、およそ5年の沈黙(この間、他のグループにゲストで出たりコラボをするなどしていた)の後、満を持してソロとしてリリースしたのが、本盤『ナチュラル・シング(Natural Thing)』というアルバムだった。

 一聴してダンス・ビート・ミュージック的なのが気になる人もいるかもしれない。ハウスやアシッドなどと言われても思わず拒否反応を示したくなる。何を隠そう、実は筆者はこの手のものがあまり得意ではなかったりする。ところが、落ち着いて本盤のジュリエットの歌声に耳を傾けてみると、抜群の上手さに釘付けにされてしまう。

 面白いことに、ジュリエット自身も“ダンスと呼ばれることに満足していない”と語っている。本人の意識はむしろ“ソウル・シンガー”であって、個人的には、聴き手としてはそうした部分を掬い上げたくなる。この視点に立つと、4.「ライフ・ゴーズ・アラウンド」なんかは、本盤の特徴をよく表しているのかもしれない。どこかありがちな演奏かもしれない一方で、この個性とヴォーカル力の強さは際立っている。同じく、10.「セプテンバー」も、1980~90年代辺りのソウル系女性シンガーによくある楽曲風とも取れなくはない雰囲気なのだけれど、ヴォーカルの個性が妙にはっきりしていて、つまるところは個性的に出来上がっている。

 そのようなわけで、冒頭の話に戻ると、名前が紛らわしいだけで流してしまってはいけない。ちゃんと聴いてみるだけの価値がある実力派シンガーとしてのジュリエット・ロバーツ、機会があれば一聴の価値があると思う。




[収録曲]

1. Caught In The Middle
2. Free Love
3. Tell Me
4. Life Goes Around
5. Someone Like You
6. Force Of Nature
7. Save It
8. Again
9. I Want You
10. September
11. Eyes Of A Child
12. Natural Thing
13. Caught In The Middle –original mix-
14. Free Love –original mix-

1994年リリース。






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Last updated  2015年08月18日 08時30分25秒
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