全体としては、タイトルの“ヒーリング(癒し)”から多くの人が想像するであろう雰囲気とは違い、シンセ多様のエレクトリックな音づくりである。けれども、その“癒し”は、二重の意味があるように思う。一つは、組曲風の7.~9.「ヒーリング(パートI, II, III)」なんかにあるように、明らかに聴き手が癒されるタイプの曲。ただし、もう一方には、1.「ヒーラー」のどこかエスニック風な調子や、6.「シャイン」に代表されるように、演っている本人が“癒されている”のではないかと思しき曲もある。つまるところ過渡期だと言われれば否定しがたい側面もあるように思うけれど、とにかく“ヒーリング”=“聴き手側の癒し”という一筋縄の発想では済まないという点が興味深い。あと、5.「コンパッション」はトッド節全開の名曲なので、これも聴き逃せない。
[収録曲]
1. Healer 2. Pulse 3. Flesh 4. Golden Goose 5. Compassion 6. Shine 7. Healing, Part I 8. Healing, Part II 9. Healing, Part III 10. Time Heals *ボーナス・シングル曲(CDではアルバム末尾に収録) 11. Tiny Demons *ボーナス・シングル曲(CDではアルバム末尾に収録)