音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年03月24日
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 イーグルス(Eagles)は、1972年に デビュー盤 を出した後、セカンド作『ならず者』(1973年)、サード作『オン・ザ・ボーダー』(1974年)と順調にアルバム・リリースを重ね、4枚目となる本盤『呪われた夜(One Of These Nghts)』(1975年、イーグルスのアルバムとしては初の全米1位)の成功によってトップ・バンドの地位を確立する。さらにその次の年(1976年)にはロック史上屈指の名盤 『ホテル・カリフォルニア』 を発表することになる。

 この間の彼らの音楽的な流れは、カントリー・ロック色の濃いサウンドからロック色を濃くしていく過程でもあった。『オン・ザ・ボーダー』が既にその傾向を示していたが、ドン・フェルダー(『オン・ザ・ボーダー』では一部参加)を本番では正式メンバーに迎え入れた(それはやがてカントリー的志向の強いバーニー・リードンの脱退を促すことにもなる)。

 本盤の聴きどころとなる曲を見てみたい。まず、シングルとしてカットされたのは3曲。表題曲の1.「呪われた夜(One Of These Nghts)」(ビルボード1位)は、前作からプロデューサーに起用されたビル・シムジクの影響と新加入メンバーのドン・フェルダーの色が加わり、R&Bテイストを生かし、ギターとベースの印象的なロック・ナンバーに仕上がっている。逆に6.「いつわりの瞳(ライイン・アイズ)」(同2位)は、どちらかというと従来のアコースティックなカントリー・テイストやコーラス・ワークが生かされた軽快なナンバー。もう一つのシングルは、6. 「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」 (同4位)で、ランディ・マイズナーがヴォーカルをとるバラード・ナンバーで、筆者の特にお気に入りのイーグルス・ナンバーの一つ。

 これら以外にぜひ聴き逃したくないナンバーを2曲ばかり挙げておきたい。一つは、4.「魔術師の旅」。バーニー・リードンによるインスト曲で、当時のメンバーはこの曲に不満だったと言われる。結局、バーニーは間もなくバンドを去るわけだが、ここで披露されている実験的な試み(オーケストラを使い、バンジョーを演奏したインストルメンタル曲)とういのは、イーグルスが歩み得た(実際そうはならなかった)もう一つの道を示唆しているように思える。注目曲のもう一つは、7.「ヴィジョンズ」で、ドン・フェルダーが中心になり、ヴォーカルとリードギターを務めている。この“もろ”ロックには賛否両論のファンがいるだろうが、後から見れば、イーグルスが一皮むけて聴衆に広く受け入れられる(こちらが実際に歩んだ道だった)ためには必要なプロセスだったのだろう。


[収録曲]

1. One Of These Nights
2. Too Many Hands
3. Hollywood Waltz
4. Journey Of The Sorcerer
5. Lyin' Eyes
6. Take It To The Limit
7. Visions
8. After The Thrill Is Gone
9. I Wish You Peace

1975年リリース。





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Last updated  2016年03月24日 22時21分15秒
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