音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年02月19日
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テーマ: 洋楽(3407)
オリジナル・レインボーの最終作


 ディープ・パープルを抜けたリッチー・ブラックモアは、1975年から新しいバンド、レインボー(Rainbow)としての活動を展開していった。このレインボーというバンドは、“バロック様式美”と呼ばれるハード・ロック音楽を作り上げていく。しかし、その一方で、アメリカでの売り上げが伸びないという問題とも向かい合わざるを得なくなった。結局のところ、レインボーは、米国リスナーに広く受けいれられるようなストレートで聴きやすいハード・ロック路線へと舵を切っていった。

 1981年の 『アイ・サレンダー(原題:ディフィカルト・トゥ・キュア)』 がその象徴ともいえるアルバムだったが、その路線を継続したのが、その次作に当たる本盤『ストリート・オブ・ドリームス(Bent Out Of Shape)』(1983年)だった。

 この時期のレインボーと言えば、何よりもジョー・リン・ターナーの存在が大きな特徴である。個人的には、この売れ筋志向の路線と彼のヴォーカルは実にマッチしていたと思う。その典型は、冒頭の1.「ストランデッド」。伸びのある高音のヴォーカルとキャッチーな曲調は、賛否両論あるとはいえ、レインボーの活動後期を象徴するナンバーの一つだと言えるだろう。同じく聴きやすさという意味では、アルバム表題の邦訳にも採用された7.「ストリート・オブ・ドリームス」も、コアなファンからは否定的な評価を下されがちなのかもしれないが、大衆向けの意図がわかりやすく反映された1曲ということになるだろう。 

 その一方で、当初からのレインボーらしさの名残をところどころに保っていることも無視できない。個人的な好みでは、2.「キャント・レット・ユー・ゴー」、4.「ファイヤー・ダンス」、9.「スノーマン」などは、本盤の収録の中で注目度の高いナンバーだという気がしている。

 ディープ・パープル再結成の話もあって、レインボーはこの盤を最後に解散してしまった(ただし、1990年代、2010年代にそれぞれメンバー総入れ替えでブラックモアはレインボー名義で再び活動している)。キャッチーでポップな部分を含んだハード・ロックという路線は、次の世代へとバトンをつないだということだろうか。例えば、ボン・ジョヴィが結成されたのは本盤がリリースされたのと同じ1983年(デビュー盤の発表は翌年)であった。時代は着実に移り変わりつつあった。レインボーの“ラスト作”は、そんな当時の環境を映し出すアルバムでもあったとも言えるのかもしれない。


[収録曲]

1. Stranded
2. Can't Let You Go
3. Fool for the Night
4. Fire Dance
5. Anybody There
6. Desperate Heart
7. Street of Dreams
8. Drinking with the Devil
9. Snowman
10. Make Your Move

1983年リリース。




 ​
【輸入盤CD】Rainbow / Bent Out Of Shape

 ​
ストリート・オブ・ドリームス [ レインボー ]




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Last updated  2022年02月19日 21時01分26秒
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