音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年02月22日
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テーマ: ラテン音楽(411)
高い完成度のマイナージャンルの名作


 メヒカント(Mexicanto)は、1985年に結成されたメキシコ人のデュオ。アコースティック・ギターと2人のヴォーカル・ハーモニーを軸に独自路線の音楽を発表し、メキシコにおけるトローバあるいはヌエバ・カンシオンを発展させたグループとされる。

 彼らは、1980年代後半以降、コンスタントにアルバムを制作していったが、その完成度が極みに達したのが、デビュー11年目の本盤『フェリックス・フィリオ(Felix-Filio)』だった。この表題は、メンバー2人の名(ダビー・フィリオ、セルヒオ・フェリックス)をつなげたもので、いわば、セルフ・タイトル作のようなものだとも言える。そして、実際、その完成度は、このデュオの諸作の中でもずば抜けて高い。

 シンプルなアコギと声のハーモニーといった彼らの典型的スタイルの曲としては、1.「ダノス・ピエ」が最もお勧め。これに次ぐのが、3.「アシー・タン・ペケーニャ」や9.「カニカ」といったところだろうか。その一方で、本盤の収録曲には、シンセやピアノ、エレキギターといった本来の彼らのスタイルとは異なる楽器を思い切って導入した、印象的なインストルメンタル曲がいくつも見られる。壮大な雰囲気を醸し出す2.「コラソン・ポル・コラソン」、ギター・インスト・ナンバーの5.「ラ・ノチェ」、柔らかく優しく音が紡がれていく8.「アンテ・トド・ラ・テルヌーラ」がその例である。こうした曲がアルバム構成上では重要な役割を果たしていて、実際、アルバムの最後には、2.のリプライズに当たる12.「コラソン・ポル・コラソン(バージョン2)」が配されている。

 メヒカントのお勧め盤はというと、いろいろ個人的思い入れや好みはあるのだけれど、客観的にみて、本盤は最初の推奨盤の有力候補だと思う。完成度が高いとうのは先に述べたとおりだけれど、彼らがこの後、2000年代に入って活動を休止してしまったのは、本盤の出来のよささえもその原因の一つだったのではと勘繰りたくなるほどである。アコースティック、ヴォーカル・ハーモニー、ムード音楽的なインスト曲、とそもそもの好みは分かれるかもしれない。けれども、そちら方向の音楽に関心がある人には、ぜひとも推奨したい名盤の一つと言えるように思う。


[収録曲]

1. Danos pie
2. Corazón por corazón
3. Así tan pequeña
4. Una canción o un cuento
5. La noche
6. Sobremuriendo
7. El mar de noche
8. Ante todo la ternura
9. Canica
10. Esperando
11. Un año más
12. Corazón por corazón (Versión II)

1998年リリース。




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Last updated  2022年02月22日 12時14分15秒
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