ジェフ・ベックが主導したバンドであるジェフ・ベック・グループ(The Jeff Beck Group)は、一般に“第1期”と“第2期”に分けて語られる。前者は1967~69年の期間で、ロッド・スチュワートやロン・ウッドが在籍したのがこちらの時期。いったんバンドの解散を経て、1970年から形成され、1971~72年に実質的に活動した時期が、第2期ということになる。いずれも活動期間は長くなかったが、それぞれの時期に2枚ずつのアルバムを残している。
本盤『ラフ・アンド・レディ(Rough and Ready)』は、第2期ジェフ・ベック・グループの最初のアルバムである。ジェフ・ベック本人に加え、新たなメンバーは、ボビー・テンチ(ヴォーカル、ギター)、クライヴ・チャーマン(ベース)、コージー・パウエル(ドラム)、マックス・ミドルトン(キーボード)という面々であった。
個人的にお気に入りのナンバーとしては、4.「マックス・チューン」。余談ながら、この曲は、オリジナルのUS盤では「レイネス・パーク・ブルース(Raynes Park Blues)」という別タイトルになっていた。8分半近い長尺のこのナンバーは、後のジェフ・ベックのインスト作品を彷彿とさせるもので、彼自身のギター演奏だけでなく、バンド演奏としての精緻さも注目点だと言える。さらにもう1曲挙げると、6分というやはり長めの尺の7.「ジョディ」。ヴォーカルを聴かせるナンバーでありながら、4.で堪能できるインスト演奏の魅力が随所ににじみ出ている好曲だと感じる。
[収録曲]
1. Got The Feeling 2. Situation 3. Short Business 4. Max's Tune 5. I've Been Used 6. New Ways / Train Train 7. Jody