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先日,土の団粒構造について書きました。農業では,有機物の投入などによって,土の団粒化を進めていますね。有機物をえさにする微生物,小さな虫たち,ミミズなど,いろんな生命が土の中にあふれ,活動をしています。小さな虫たちの通り道には,穴が開き,空気の通り道に。さまざまな生物の分泌物が,接着剤の働きをして,土の粒子をくっつけます。その結果,土はふかふかとなり,大小さまざまな空隙ができるのです。小さな隙間には,肥料や水をたくわえ,大きな隙間には空気を通します。つまり,保水性もあり,通気性もある,植物にとって育ちやすい環境が整うことになります。こうした土は,水や養分を植物がほしい分だけ,与えることができます。しかも,根っこにも十分な酸素が供給されるのです。しかしながら,ポット苗を生産する園芸農家なんかは,ちょっと事情が違います。有機物を積み上げて団粒構造を作るのは,とても時間がかかるので,大量に生産する場合は間に合いません。そこで,保水性の大きいものと小さいものの組み合わせ,あるいは粒子自体が多孔質で,団粒構造に近いものを使ったりします。よく使われるのは,ピートモス,パーライト,バーミキュライト,バークといったものです。山土をベースに,こういった資材を組み合わせ,団粒構造を作っています。(もちろん,腐葉土なんかを使うばあいもありますけどね。)この組み合わせが,生産者の腕のみせどころで,いかに低コストで,性能のよい土を作るか,いろんな工夫を重ねています。では,次回から,それぞれの資材について,書いてみましょう。オーガニックローズセレクション,現在28種類登録中。
2005.11.30
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最近話題のスリット鉢。といっても,鉢底のサイドに,縦長の穴が開いているだけ。と,僕は最近まで軽く見ていました。ところが,楽天広場でも,鉢の売り上げトップに。なになに。感想を読んでみると,をををををををををををををををををををををををををを!いつもよく来ていただいてるローザリアンさんの名前がたくさんあるではないですか~!じょうないとしき,一生の不覚です。スリット鉢がこんなに人気があるのは,なんでだろ~?スリット鉢メーカーのサイトを覗いてみましょう。うーん,なるほど!根の張り方の違いがよくわかりますね。果樹苗木生産者の話。通常、鉢で苗木を栽培すると根が下にむかってどんどん伸びていき鉢底で渦状にまいてしまう根巻き現象(サークリング)がおこります。2年・3年と成長していくと根の行き場がなくなり鉢底で渦をまいてしまうのです。一度、サークリングをおこした苗は、それまで元気だったものが元気をなくし、葉が落ちたり、変色したり・・・成長が止まってしまうのです。ところが、とんでもないポット(スリット鉢)で栽培すると鉢にタテに入ったスリット(切れ目)のおかげでサークリングすることなく、3年は植え替えることなく、十分に同じ鉢で健康な果樹を育てることができるんです。根が下に向かって育っていくと,スリットのあるところで空気に触れ、そこでその根の成長が止まります。そしてまた、新たな根が伸びてきてまた、スリットから空気に触れ成長が止まります。こうして新しい根(細根)が次々とまっすぐに伸びていくことによって長い年数、健康な根の生育を保つことができるのです。そうか,なるほど。そうだったのか。これは,鉢花生産者の検証。 どうやら,ほんとに根張りをよくする働きがありそうです。それから,スリット鉢に植え替えたときに,たっぷり水やりすると,用土が流れ出ることがあるそうですが,その対処法はこちら。スリット鉢をご使用の皆さん,使い心地はいかがですか?追記。kazuさんより,情報。スリットの効果Q&A。>> また、別の考え方をするとスリットぎりぎりまで鉢底網を敷き鉢底石を>> しいた場合、スリットの効果は半減したりするのでしょうか?>>目の細かい網および、大きな鉢底石では、スリットの効果は半減します。>>スリット鉢の中では、根の先端がコーナーに追い込まれて、そこで根の先端>が光や空気に触れて枯れます。枯れた信号が根の上部に伝わって、上根が>張るというしくみになっています。>根をスリットに追い込み、光・空気に触れさすのに、邪魔なものは出来るだけ無いほうがいいのです。kazuさん,ありがとうございました!
2005.11.27
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先日,kyasyanの大将に突っ込まれ,金沢希望さんに横レスで対応していただいた鉢問題。(爆)僕としても,放っておけないので調べてみました。すると,意外な事実が・・・なんと,ホームセンターや園芸店などで売っている素焼き鉢は,実は駄温鉢のことなのだそうです。ラン栽培のサイトに,こんなことが載っていました。初心者の方にちょっとだけ注意があります。洋蘭栽培で使う素焼鉢とは、普通の園芸店に素焼き鉢と称して置いてある硬く焼いた駄温鉢とは別物です。駄温鉢は蘭用の素焼鉢と比べると通気性が悪いので、ミズゴケなど保水性の高い素材で植えこむと根腐れの原因になります。素焼鉢は潅水すると鉢の側面から水が染み出てきますが、駄温鉢は染み出しません。また素焼鉢は軽くて簡単に割れますが、駄温鉢は重くて丈夫です。最近ではホームセンターなどでも蘭用素焼鉢を見かけるようになりました。お間違えないように。どうやら,素焼き鉢は,ラン栽培などの乾燥を好むものには向いていますが,バラには向かないようです。写真を見てみると,素焼き鉢は,色が薄く,まるで埴輪のよう。駄温鉢は,植えのふちが深い茶色で,普通確かに素焼き鉢といえば,こちらを思い浮かべますね。それから,植木鉢のおもしろいサイトをみつけました。素焼鉢一般的な素焼鉢は焼成温度が700~900℃程度で白っぽく排水性、通気性に優れているため、栽培に適している。反面焼成温度が低いため,強度はなく壊れやすいです。温室鉢ともいうこともあります。主に、通気性、排水性を目的として作られており、蘭類の生産や、挿し芽や種まき用にもちいられます。 駄温鉢 市場で一番広まっている鉢である。焼成温度は1170℃程度で、素焼鉢より硬く丈夫である。素焼鉢より排水性、通気性は劣るが草花を育てる上では十分である。価格も安価であるため、総合的に優れた商品である。みなさんも小学校の時に朝顔などの栽培で親近感がある鉢だと思います。日本国内では一番流通している物です。 鉢の歴史から,種類,製造方法まで,詳しく載っています。ついでに,プラスチック鉢のページも。プラ鉢の特徴まずは軽くて、割れにくいということが言えます。そのため、管理する際に移動が非常に楽に出来るといった利点があります。それに加え、いろんな形状やカラーで成形することが出来るので、お客様の要望に合わせて対応できる素材と言っても良いでしょう。その一方で、空気や水を通さないために通気性が悪いと言えることも特徴の一つです。この特徴は鉢という製品にするには不向きなものですが、その点ををカバーするのが鉢底の構造です。鉢底を上げ底構造にしていることや排水穴を多くしていることで通気性、排水性を確保しているわけです。しかし、最近の培養土は土自体の固体性能が上がっており通気性が向上しているため、鉢の通気性が良すぎると水やりの回数が増えるなど、余計な手間がかかることもありますので注意が必要です。それとプラ鉢やプランターの底に付いているスノコも同じ役割を果たしていますが、スノコにはそれ以外にも特徴があります。スノコに段差をつけること、また排水穴の形状をより排水しやすいスリット状とメッシュ状にすることで、鉢底の土を使用しなくても良くなりました。(スノコのないもの、水平なスノコは鉢底の土を使ってください。)プラ鉢を買われるとき鉢の底も少しだけ気にして見てください。これらの特徴が実感できると思います。
2005.11.26
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三相分布って,ご存知ですか?土の中の固体を固相といって,土の粒子がこれに当たります。その隙間に,水や空気が入るのですが,水の部分を液相,空気の部分を気相といいます。今日は,そのなかの気相の話。土の中の空気,特に酸素は,根っこが呼吸するために不可欠なもの。しかも,土の中には,たくさんの微生物がいて,それも呼吸しています。呼吸というのは,酸素を取り込んで,二酸化炭素を吐き出すことですね。ですから,土の中の気相には,外の大気よりも酸素が少なく,二酸化炭素が多い,という現象が起こります。一般に,過湿害というのは,水分が空気を追い出してしまう結果起こるもので,直接的には酸素不足による害といえます。水ばかりで酸素不足になると,植物体内での水分の移動が減り,葉っぱからの蒸散も減ります。そして,養分の吸収が阻害され,さらに植物の成長が阻害されます。呼吸により,気相中の酸素が不足したときも同じことが言えます。呼吸は,温度が上がるほど盛んになり,気相中の酸素は減り,二酸化炭素が増えます。また,水やりにともなって,土の中の気相も大きな影響を受けます。実は,鉢の中の二酸化炭素の濃度を測る実験をした結果,こんなことがわかりました。多くの場合,水やりしてから1時間後が,いちばん二酸化炭素濃度が高いのです。これは,水によって空気が押しやられることと,根っこや微生物の呼吸が激しくなることが原因と考えられます。以上,参考文献:「鉢花の培養土と養水分管理」 長村智司・著 農文協。そうか,それで,夏の水遣りは日中を避け,朝晩にやるんですね。それから,米ぬかジョーロ作戦は,微生物を爆発的に増やす,という効果を狙ったものですが,それは同時に,一時的にせよ土の中の酸素を奪う,という働きにもなるわけですね。下手したら嫌気発酵して,根ぐされを起こしてしまう。それで,夏の間の米ジョーは避けたほうがいい,というわけかな?うーん,奥が深いぞ。1円オークション,終了しました。落札なさった方,ありがとうございました。来月もやりますので,またのご参加をお待ちしています。
2005.11.25
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地面の土と鉢土が最も異なっている点は,鉢土は入れ物に入っており,地面を離れているということです。地面であれば,地下からの水分が自然に上がってきますし,植物も自分で水を求めて根っこを張っていけます。しかし,鉢土はそうはいきません。水をあげなければ,乾燥して植物も枯れてしまいますし,かといって,水をあげすぎて過湿状態になってしまえば,根っこが腐ってしまいます。そこで,鉢土に要求される性能は,ちょっと複雑。まず,水持ちがよいこと。いったん水をあげたら,十分な水分を土の中にだかえてくれること。そして,水はけがよいこと。水がその場所にたまってしまわずに,適当な空気の補給が行われること。この,相反する性質が要求されるんですね。鉢の中で,最も水がたまりやすいのは,底の部分ですね。穴が開いていても,どうしても空気の通りが悪い。昔から,鉢底に水はけのよい小石などを入れて,空気を通りやすくし,過湿害を防ぐ工夫がされてきました。土の団粒構造も,鉢土の性能を上げるのに有効です。団粒構造とは,小さな粒が集まって大粒の単位となったもの。たとえて言うと,小さな粒がご飯つぶ。つぶの間は小さな隙間です。おにぎりを作って重ねると,大きな隙間ができますね。土も,このように大小の隙間があったほうがいいんです。小さな隙間に水を蓄え,大きな隙間に空気が流れるわけです。素焼きの鉢とプラスチック鉢,鉢の種類によっても,土の状態は変わります。素焼きの鉢は,多孔質で,鉢の側面からも水が蒸発します。だから,水分の減少が早く,過湿害は出にくいです。水が蒸発するときに気化熱を奪いますから,土の温度は低くなります。夏は使いやすく,冬は不利になります。また,水分が蒸発して土が収縮し,水が補給されて膨張する,という状態が繰り返されると,土の粒子が崩壊しやすくなり,締まった土になりやすいのです。これに対し,プラスチック鉢は逆です。鉢の側面から水分が出ないので,過湿状態となりやすく,酸素不足になってしまいがちです。夏は鉢の中の温度が上がりやすく,不利。色の濃い鉢であるほど,温度が上がりやすいです。冬は逆に,熱が奪われないので,生育は素焼きより有利になります。と,きょうはここまで。参考文献:「鉢花の培養土と養水分管理」 長村智司・著 農文協。トップページのスライドショー,変えてみました。ブルーミングヤードで出張管理しているお庭です。1円オークション,残り時間わずかです。
2005.11.23
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久々に,自分の日記を読み返してみると,いろんなことに気づかされます。無農薬でバラつくり,と取り組んでみたものの,調子がよかったのは春の開花時期まで。そこから先は,黒点大魔王の出現で,あれやこれやの四苦八苦。散布液のブレンドにあれこれ手をかけてみたものの,ことごとく敗北。秋のバラも,寂しいものになってしまいました。もともと,黒点は,出だしたら農薬でも抑えるのが困難な,厄介者です。黒点病の克服こそ,無農薬バラ栽培の最大のネックですね。そんな中で,希望の灯となったのは,元気のいいシュートでした。黒点病に負けないためには,常に新しい芽が動いている,そんな状態を作ること。光合成が盛んになって,病気の抵抗性も高まるように。そのためには,根に元気がみなっぎっていなければなりません。結局は,健全な土つくりから,すべてが出発するんですよね。そんなわけで,基本から勉強しなおしです。特に,うちは鉢花生産が主体ですので,土のことをもっと知らねばなりません。それで,本棚から出してきたのが,「鉢花の培養土と養水分管理」 長村智司・著 農文協。この長村先生は,奈良県農業試験場に長いこといらっしゃって,直接話をうかがい,いろいろとお世話になった方です。この本を参考に,勉強してみましょう。皆さんのお役に立つ情報がありますでしょうか。本来,植物は,自生地でそれぞれの環境条件に適応していますね。それで,人はそれを自分のものにしたいと思い,そこから掘り取ってきて庭に植えたり,鉢に植えたりしたのが園芸の始まりといえるでしょう。しかし,自生地の土を使ってそのまま鉢植えにしても,自然と同じ状態を保つことは難しいことでした。なんせ,鉢に植物を植えること自体が完全に人工的な環境を作っているわけですから。そのうち,植える土を工夫し,水や肥料を与えると,ストレスの多い自生地よりも植物の生育が速やかになるということを,人間は覚えました。そこで,よりたくさん,きれいな花を愉しみたい,という欲望が起きてくるのは当然のこと。その積み重ねが,園芸の歴史でもあります。また,少しづつ,皆さんと一緒に勉強していきましょう。1円オークションスタートしました。
2005.11.20
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楽天広場で日記を書き始めてから,もうすぐ1年になります。この間,いろんな出来事があり,たくさんの方との出会いがありました。そこで,もう一度日記のジャンルわけをしてみました。初めの頃の日記をご存知でない方も多いと思いますので,よかったらのぞいてみて下さい。バラ無農薬バラについてじょうないとしき物語詩これからもよろしくです。
2005.11.19
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以前に,ブイーさんから問い合わせがあり,MISUZUさんも使っておられるので,竹炭について調べてみました。以下,「竹炭・竹酢のつくり方と使い方」農文協 より。竹炭の断面は,微細なパイプを束ねたような構造になっていて,その表面積は,備長炭の10倍といわれています。小ぶりなバナナ一本分の,筒状の竹炭の表面積は,東京ドーム(1万300平方メートル)がすっぽりおさまってしまうほど。その穴の大きさも均一ではなく,1000万分の1(オングストローム単位)から1000分の1(ミクロン単位)まで,大小さまざまに分布しており,大きな穴には糸状菌,小さな穴には放線菌,さらに微細な穴にはバクテリアが棲み分けるように着生し,微生物膜を作るのです。そこで,水や空気中のにおいや有害物質を吸着,分解するのです。また,木炭との成分の違いは,カリ分と珪酸の含有量が多いことです。カリが多い,といっても,肥料分になるほどの量ではないんですが。注目すべきは,珪酸が多いことです。竹炭に含まれる珪酸は,農業関係者の間では「土の素」と呼ばれるほどの物質で,農作物の育成・地力を増強する上でも欠かせない存在です。珪酸を稲に施用すると,いもち病に発生を防ぎ,徒長を抑える効果があるそうです。バラへの影響は,まだ未知数なようですが。竹炭については,まだ木炭より歴史が浅く,研究は途上段階なのですが,いろいろ楽しみな資材ですね。
2005.11.19
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先日,ブイーさんから,ナメクジがヌカに寄ってきて困る.との相談がありました。yukikoさんに相談したところ,カフェインが有効ではないかとの回答があり,早速検索してみるといろいろ書いてあります。ふむふむ。ネイチャー2002年6月27日号によると,コーヒーなどに含まれるカフェインは、FDA(米国食品医薬品局)によって安全性が確認された物質ですが、これがナメクジやカタツムリを退治し、寄せ付けないようにするのに使える可能性が出てきました。天然物であるカフェインがメタアルデヒドなどの代わりになるのなら、環境に優しく、野菜などにも安心して使える農薬になります。とのこと。また,別のコラムでは,市販の薬剤が固形の物が多いのに対し、カフェインは水溶液として使用しますので、満遍なく散布することが出来ます。 使用方法はカフェインを水に溶かし、1.5~2%の水溶液を作り(カフェインは水には2%以上溶けません)噴霧器または如雨露で散布します。すると12時間くらいで地表に出てきて干からびるように死にます。 ただ、カフェインは一般の人には手に入りにくいのではないかということと、市販の薬剤より若干高くつくということが難点でしょうか。エ?純粋なカフェインでないとだめなの?コーヒーでは無理ですか?で,別のコラムでは,実際にやってみた人の話が。コーヒーがらを バケツに、水をいれてかきまぜ、ええい とばかり そこらじゅうにまいてみる。松の木の下、ツゲの木、センリョウがあり、雪割草、ショウジョウバカマ、チゴユリ、ヒメシャガ、イカリソウ、ツワブキ などが植えてあります。コケも生えています。植物への悪い影響は 今のところ見られませんね。枯れるわけでもなし、だいじょうぶそう。ある日の朝ナメクジさんが数匹、その場でジーっとしたまま 動きもせずにいました。普通、夜になると活動するけど、朝までにはどこかにいなくなってるよね。植木鉢の下なんかに帰るんでしょ。これって、コーヒーかぶって弱ったのかな?またある日の朝数匹の 動かないナメクジさんを発見。完全に死んでるのではなく、どうも動けなくなっているように見えるんだが。またまたある日の朝。。。こうして時々 なんとなくじっとしているナメちゃんを発見するようになった。そうかと思えば,こんなコラムも。なんと,小学生の自由研究の成果。なかなか,本格的な研究論文になっています。これは,ぜひ一読をおすすめ!忌避剤なめくじ逃げ逃げ~!の紹介もあります。いろいろ勉強になりました。
2005.11.16
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今日は,ブルーミングヤードでフラワーボトルの講習会でした。フラワーボトルというのは,ビンに封じ込めて花の色や形を,そのままの姿で楽しむことのできる,画期的なドライフラワーです。今日は,みんなでミニバラのフラワーボトルを作りました。花をビンの中にアレンジして入れ,そこに花が隠れるまでシリカゲルを注ぎます。栓をして1週間から10日後,そっとシリカゲルを取り出してみると・・・可愛いフラワーボトルの誕生です。簡単,鮮やか,長持ちがして,空き瓶のリサイクルにも。皆さん,1週間後が楽しみですね。JFBA 日本フラワーボトル協会のHPはこちらです。
2005.11.13
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残業続きで日記の更新が遅れてしまいました。最近,バラ栽培でも注目を集めている米ぬかですが,もともとは現代農業の記事が発端でした。この雑誌は昔から農業にロマンを与えてくれる雑誌として,僕も20年ほど前から愛読しています。バラではありませんが,実際に農家さんが使っている事例が載っています。岐阜県の高山市丹生川町。日本を代表する夏秋トマトの大産地です。ここでは,病気の予防に米ぬかを使うのが当たり前になっているそうです。ビニールハウスの通路に,梅雨の時期と秋の長雨の前に米ぬかをまいておくと,病気の発生がすごく少ないんですって。農薬は使っていますが,以前よりも散布回数が減り,「特効薬」といわれる高い薬を使わなくてもよくなったそうです。ポイントは,積極的に潅水することだそうです。普通,潅水すると,かえって病気が発生しやすいんじゃないかと思うんですが,発想が逆です。潅水することで,米ぬかにいろんなカビが発生します。白いカビはクモノスカビ。赤いカビは赤パンカビ。灰色はトルコデルマ菌でしょうか?トルコデルマ菌は,灰色カビ病に寄生して食べてしまうそうです。とにかく,いろんなカビが,いっせいに,わっと発生するんですね。空気中にも,菌がにぎやかに飛び交っている状態になり,ひとつの病気を蔓延しにくくしてしまうそうなんです。これを応用したのが,米ぬかジョーロ作戦(略して米ジョー)といえるでしょうか。水と一緒に,米ぬかを与える。そのときに,有用微生物を含む堆肥などを一緒にやる。微生物を増やす働きのある木酢を混ぜる。そうして,土壌の中の微生物を爆発的に増殖させる,というわけですね。ただ,yukikoさんもおっしゃるように,微生物バランスが崩れてしまうと,かえって腐敗菌を蔓延させ,根ぐされを起こしてしまうんですね。土の中が,水分の多過ぎる堆肥みたいに,ドブくさい状態に。腐敗菌が増える原因は,土の中に酸素が十分に供給されないことです。ひとつは,水はけをよくすること,夏の高温期は根の呼吸が盛んになって土の中の酸素が不足するので,この時期は米ジョーを控えること,なんだと思います。冬の間の土つくりも,重要なポイントなのかも。ただ,これはまだマニュアル化された技術ではなく,有志の方々が試行錯誤を繰り返し,現在進行形の技術なんだと思います。それから,米ぬかふりふり作戦。直接葉っぱに米ぬかを振ることで,葉っぱの上に微生物を増やしてしまい,病原菌の棲みかを先取りしてしまおうおうという方法。これも,ウドンコ病にはかなり有効との報告があちこちから。そして,米ぬかシュガー作戦。5%砂糖水を散布した後,直接米ぬかをふりふりすると,一晩でウドンコが消滅。ただ,そのままおいておくと葉をいためてしまうので,次の日には水で洗い流さなければなりません。(ウドンコ菌を食べているバクテリアが本当にいるのか,顕微鏡で確かめてみたいですね。)その後,米ぬかの代わりに,米とぎ水や,酢や,黒砂糖などを混ぜていろいろ試してみましたが,僕としてはまだ,直接米ぬかをふったときのような劇的な効果は認められていません。ただ,何回か散布すれば蔓延は防げますし,直接米ぬかを手にとってこすりつけたりすれば,消えてしまいます。あまり発生が激しくないときは,この方が手軽かも。1円オークション,終了しました。ご参加,ありがとうございます。米ぬかふりふりで,発送しますね。
2005.11.11
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先日の日記で,中国では森林を増やす政策がとられていることを書きましたが,現場の農村では,どんな実態なのでしょうか。退耕還林政策・・・これまで耕地だったところに木を植えて森を作る,中国政府の打ち出したこの方針は,これまで失った緑を回復して,洪水や干ばつ,土壌浸食といった自然災害を防ぐというのが目的です。2010年までに,日本の面積の85%に及ぶ面積に造林を目指す,という壮大な構想です。1億人を超える農家さんが,それに携わっているそうです。仮に,日本のほとんどがはげ山で,そこに国民総出で10年間に木を植えていくことを想像してみてください。しかも,平坦地ではなく,急傾斜の多い土地でです。いかに大きなプロジェクトかお分かりいただけるでしょう。しかし,現場の農村部では,それは決してそのまま歓迎されるというものではないようなのです。農家にとって,退耕還林とは,自分の耕している田畑を減らし,森に変えるということで,生活基盤が失われる,ということになります。ただし,畑をつぶして木を植えれば,穀物と現金の支給を一定期間(5年ないし8年)受けることができます。また,樹木の苗は政府から無料で支給され,成長した木は,農家の所有物にすることができます。ですが,政府のやり方に不満を抱き,将来に大きな不安を抱えている農家さんも多いようです。農家が希望するのは,果物など,生産性の高い木。しかし,政府は,土壌浸食を防ぐのが目的で政策を進めているので,松や杉やポプラといった苗木が送られてくるのです。自分たちで苗木を生産して植えればいいのですが,そんな経済的な余裕もなく,穀物などの支給がもらえるので,仕方なしに政府の政策に従っている農家さんも多いと聞きます。また,植えつけた木の間で,農作物を作ることも許されていません。傾斜地では,土を耕すと雨で流されるからです。しかし,段々畑のような表面が平らなところは,間作をしたほうが,草取りも肥料やりもするので,木の生長にもプラスになるのですが,政府は聞き入れてくれません。ある村でのはなし。そこは,かつては緑いっぱいの山があり,鳥たちがさえずり,おいしい湧き水がたくさん出ていました。1958年,鉄鋼の生産をあげる国の政策で,鉄鋼炉の燃料にするために,みんなで山の木を切りはじめました。1年間でほとんど禿山になったところもあったそうです。その山を開墾して,畑が作られました。はじめは,トウモロコシがたくさん取れたそうですが,雨のたびに多くの土が流されていき,やがて岩が露出してきて,作物はほとんど取れなくなりました。これまで田んぼだったところも,木を切り倒して保水力がなくなり,水不足になったおかげで,トウモロコシ畑に変わったところも多くなりました。干ばつも,毎年起こるようになりました。村の人たちは,それが木を切り倒したために起こったことであることに気づきましたが,なすすべがありませんでした。退耕還林で農地を失った農家さんは,どうして暮らしているのでしょうか。その村では,多くの人,特に若い人は出稼ぎに出かけます。本当は家でブタやニワトリを飼いたい人が多いのですが,えさや建物に当てる資金がありません。僕の推測ですが,中国で炭の生産が盛んになったのは,こんな事情があったからだと思うのです。農地を失った農家さんが,どうやって生計を立てていくかは,切実な問題。炭焼きなら,石や粘土で,割合簡単にカマを作ることもできます。おまけに,日本でも需要があるとなれば,違法であるとわかっていながら,生計を立てるためにやらざるを得なかったのかもしれません。うーん,この問題,奥が深いですね。
2005.11.08
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昨日の日記の続きです。河津バガテル公園のばらの仕立て方は,花の開花位置が低く,上から覗き込めるような設定になっています。また,スタンダードをうまく配し,立体的な演出に成功しています。キオスクを望んで。ここに上ると,高台から,庭園の全景を一望できます。ウェディングセレモニーにも使われるとか。オランジェリーを望んで。中では,織あい さんの絵画展をやっていました。フランス庭園の,ロマンいっぱいの絵でしたよ。お見せできないのが残念。園内で見つけたフランス車。異国ムードが漂います。作業員の皆さん,いつも,管理ご苦労様。陰の働きがあってこそ,きれいなばらが楽しめるんですね。ブルーミングヤードからお知らせ。12月18日(日)午前10:00~ 餅つき大会開催します。(参加無料)盛大に行いたいと思いますので,振るってご参加ください。1円オークションもよろしく!
2005.11.07
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今日はブルーミングヤードのバラ見学会、河津バガテル公園へ行ってきました。心配された空模様も、お昼過ぎまでなんとか持ちこたえてくれて。みんなでフランスの雰囲気にふれて、秋のバラをたんのうしてきました。詳細はのちほど。
2005.11.06
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先日,yukikoさんのBBSで,炭の話題が出ましたが,環境問題で考えさせられる発言がありました。(炭の使用が環境に大きな影響を与えているのではないかということで)中国の森林面積が着実に現象しているのも、森林を伐採して炭を焼いているからだと聞き及びます。ほとんどは燃料として使われているそうですが、最大の炭の輸出先は日本だそうです。気になったので調べてみました。少し古い資料で恐縮ですが,平成11年の木炭輸入量は,約8万トン。そのうち,中国産は約3万9千トンで1位です。輸入量の約半分近くですね。中国産の炭は,現在はそれからもっと増えているでしょうから,日本にはかなりの量が入っていることになります。日本の木炭の生産量は,昭和32年までは約150万トン。それでも,資源の枯渇につながらなかったのは,高温多湿という,日本の気候のおかげで,森林再生能力が高かったためです。電気,ガス,石油などのエネルギー革命が進み,平成10年の国内生産は5万1千トン。中国産の炭は,国内生産に迫る勢いですね。(現在では,追い越しているかも??)中国は,昔から文明の発達とともに,多くの森林を燃料にして失ってしまったのですね。しかも,最近まで,農地の拡大のために,山奥の傾斜地まで開墾されていたので,益々森林面積が減りました。そのため,砂漠化が進み,なおかつ農業用水が必要だというので,黄河の水が干上がるようになりました。(1997年にはなんと226日間も!)逆に,揚子江では,保水力のなくなったはげ山のために,大雨のあと大洪水が。(1998年)そこで,中国政府がとっているのは,”退耕還林”政策。これまで畑だったところに,植林をしようというわけです。それでも,木炭の生産量が増えているのは,政府の目の届きにくい内陸部だと考えられます。中国は,日本と違って,降水量が少ないところが多いですから,環境破壊につながる可能性は大きいと考えられますね。しかし,それで生活している人もいるわけで,一概にいけないことと決め付けるわけにもいかないんですよね。庭から,環境問題を少し考えてみました。いろんなことに目を開いて,取り組んで行きたいですね。参考文献:「破壊から再生へ アジアの森から」依光良三編著 日本経済評論社 「おもしろい炭のはなし」立本英機著 日刊工業新聞社1円オークション第二弾開始しました。
2005.11.05
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突如,参加してみた1円オークション。たくさんの方にご参加いただき,先日落札終了しました。今日は,苗を箱詰めして発送作業です。あ,箱に詰めるその前に,ちょっとやっておくことが・・・・ぱらぱらぱら,こめぬかふりふり。kajinyさんに,ウドンコ病の予防に有効じゃないかと,教えてもらったんです。実際やってみると,今年はウドンコにはほとんど悩まされずにすみました。そんなわけで,魔法のこなのおまじない。落札された皆さん,もうすぐ手元に届きますよ~。ほんとに,ありがとうございました~。好評につき,1円オークション第二弾企画中。詳しくはのちほど。
2005.11.03
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先日,yukikoさんのBBSで,米ぬかジョーロ作戦とネギについて報告したところ,いろいろためになるコメントをいただきました。オーガニックを10年間実践してこられた,その言葉には説得力があります。>どーも,じょうないです。>うちでは,ネギをレオナルドダビンチの株本に寄せ植えしてます。>黒点だらけで惨敗の今年のバラたちでしたが,>どういうわけか,この子は一番シュートの伸びがよく,秋の花も一番よく咲いてくれたんです。>怪我の功名といいましょうか,ネギはバラの生育にプラスに働いたような気もします。>確かなことは言い切れませんけどね。>来年は,同じ品種でネギを植えたのと植えてないのとで比較試験をしてみようと思っています。いつも行く園芸店でコンテナのデモンストレーションを毎週土曜日にやってくださってる英国人ガーデナーさんから先日お聞きしたのですが、硫黄がバラにとてもよいのだそうです。黒点病を防いでくれるのだとか。昔のロンドンでは、煙突からいつも煙が出ていて空気も悪かったそうなのですが、そのころのバラって、病気になりにくかったのですって。それも大気に含まれる硫黄分が関係しているとかで。チャイブが、バラのコンパニオンプランツとして有名なのも、硫黄分を含んでいるからなのだそうです。冬に塗る石灰硫黄合剤も硫黄ですよね。これも黒点を防いでくれますよね。>そうですか,硫黄が黒点に効くんですね!>そう言えば,栽培農家の頃,ウドンコ病の予防に硫黄を蒸散させて,効果を上げたことがあります。ねぎもチャイブも同じ仲間、同じようなにおいがしますよね、だから、やっぱりよいのではないかしら。ただ、見た目的には、やっぱりチャイブの方がいいかも~。^^;コンパニオンプランツの実験、ぜひぜひまた経過を教えてくださいね!>ネギ,やっぱり見栄えの点では,チャイブにかないませんね。>チャイブが植わったバラの新苗とか,作ってみようかなあ。>米ぬかジョーロ作戦についてですが,僕も枯らした株があります。>黒点で葉っぱを落とした株に,早く元気になれと,せっせと米ジョーしていたのが裏目に出ました。>考えてみれば,生育が衰えた株に,肥料分を与えすぎるとよくないですよね。>株によって,生育に差が出てきたんです。>元気な株は元気ですが,衰えた株はなかなか回復しません。>バラの顔を見て,株ごとに,肥料分になるものを与えるとか与えないとか,きめ細かい対応が必要な気がしました。米ジョー、確かに気をつけないとかえってバラを弱らせる結果も招きかねませんね。特に夏場に弱ったところにやり続けると、過湿に高温で、土が悪い方向にいっちゃうってことも。根ぐされへの道まっしぐらです。>確かに,今年は,黒点対策と思って真夏も米ジョーを続行してしまいましたが,バラのためにはよくなかったのですね。>反省です。夏場に葉を落としたバラは、半ば休眠状態に。少し涼しくなったころに、米ジョーを再開すると、また元気な葉を茂らせはじめます。今年は、即効性の化成肥料を秋口に少し与えたら、つぼみのあがりがいつもの年よりもよかったです。春から夏までにシュートを出させるようにして、梅雨に入ってもし葉を落としたら、しばらく休眠。秋に復活させるというのが、無農薬のバラのサイクルなのかもしれません。>即効性の化成肥料って,yukikoさんは,どんなものをお使いなんでしょうか?>よかったら,教えてください。今回使用した化成肥料は、低度化成といわれる8-8-8のものです。低度化成の方が、微量要素を含み、肥あたりが少ないのだとか。これに、リンカリ肥料を加えると、すごく花つきがよくなるのだそうです。バラつくりの講座でF様に教えていただきました。^^化成肥料は、時を得て施すと、なかなかの効き目がありそうです。もちろん、土や環境を荒らすほど、多用は禁物でしょうが。>秋の芽だしのタイミングに,リンサンカリ多い目の低度化成がいいのですね。>低度化成には,有機成分も含まれているので,微量要素の補給にもよさそうですね。>この冬は,土づくりを見直そうと思います。>最近,炭の持つ,微生物のバランスを整える働きに注目しています。>バラの剪定枝で炭をこしらえて,株本に混ぜ込んでやろうかなあ。 炭焼きですか~。おもしろそうですね!バラの剪定枝や、庭木を切ったものなど、みんな炭にできたらいいでしょうねえ。住宅地では、なかなか難しいですが。やってもせいぜい焼き芋焼くくらいです。^^; >炭の活用ですが,土壌の微生物のバランスを整えてくれる働きが,米ジョーの根ぐされ防止の助っ人になるんじゃないかと思い当たったんです。>有毒なガスを吸着する働きもあるし,木酢との相性もよさそうですし。>手探りですが,何とか根ぐされなしに安全に育てられるマニュアル作りをしたいですね。 じょうないさん、炭は、以前から鉢底石がわりに使っていますが、根張りがよくなるのだそうです。以前この掲示板でも、炭を使ったものとそうでないものとの比較実験の写真を貼ってくださったことがあり、明らかに根張りが違っていてびっくりしました。米ジョーの根ぐされは、与える時期が梅雨から夏の高温多湿期、また、鉢が過湿になってしまっているときに起こりやすいのでは、と思います。あくまでも生の有機物を潅水しているのだということを頭に入れておかないと。生の有機物を大量に土に入れると、ご存知の通り危ないことばかり。特に鉢栽培は、環境が限られているだけに、一歩間違えるとたいへんなことになりそうです。ただ炭を入れれば解消できるということでもないような気がするのですけれども。^^;>そうですね。炭はあくまで補助資材で,頼りすぎてはいけないんですね。あと、鉢土に混ぜて使うのでしたら、炭そのものよりも、クンタンが使いやすいかもしれません。庭土の冬のマルチにも、使っています。こちらは、お安くて、しかも日本のお米から作るものですから、他国にご迷惑をかけるということも無く、安心ですよね。^^>そうですか,くん炭ならさらさらして使いやすいですね。>バラの剪定枝も入れて,自分でつくってみようかなあ。じょうないさんのところは、炭焼きができるくらい、広々としたスペースがあっていいですね~。冬場の楽しみとして、後のお話をまた楽しみにしています。^^yukikoさん,貴重なアドバイス,ありがとうございました!
2005.11.01
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