不思議の国のアリスとニセアリス第１話「不思議の国へ」 | ＢＬＵＥＯＤＹＳＳＥＹ

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Freepage List

不思議の国のアリスとニセアリス　第１話「不思議の国へ」

ＡＣＴ．１「ひとりぼっちですか？」

　アリスは家の近所の川原で、一人本を読んでいました。
もうそろそろ夕方で、辺りは綺麗なオレンジ色の夕焼けに包まれ始めました。
アリスの読んでいた本のページも座っていた草原も全部オレンジ色に染まりました。

　アリスは素敵な小説を読んで、しばし幸福な気分に浸っていました。
それは自分と同じ名前の少女が活躍するお話で、ある日突然不思議の国に通じる穴に落ちて”向こうの世界”に行ってしまい、そこでいろんな不思議な出来事を体験するという小説です。
夢にあふれ、ファンタジーの香り高い物語…。

　アリスは、日本人の男性とイギリス人の女性との間に生まれた少女でした。
年は９歳、小学４年生。
母親ゆずりの金髪と整った美しい顔立ち。頭も良いし、とてもやさしい女の子。
本名は「アリス」とカタカナ表記です。
でも学校では自分の名前は「ありす」とひらがなで全て書きます。カタカナで書くといじめられる事も多かったからです。

　アリスは３日前にここに引越して来ました。

　学校に行き、転校の挨拶をしてきましたが、まだ友人はいません。学校が次の日から夏休みに入ってしまったからです。
最後の登校日は、お休み前なのでホームルームの１時間しか授業は無く、それが済むと皆下校する予定になっていました。
そのホームルームの中でアリスは紹介され、その後すぐに、その時間の終了を告げるチャイムが鳴り、他の生徒達はそそくさと教室から出て行ったのでした。

　それでも教室内にはまだ女の子達が数人残っていたので、声をかけようと思いましたが、先生にすぐ職員室まで来るように言われたので諦めました。
そして、いっぱいの宿題を渡され……、とてもゆううつな気分になりました。
帰り際に教室をもう一度覗いてみたのだけれど、誰も残っていなかったのでアリスは家に帰る事にしました。

　遠い引越し先から連れてきた長くアリスの友達だったペットのシャム猫のミーシャも、長旅のせいかここに着くとすぐに死んでしまいました。
今のアリスはまったくの一人ぼっちでした。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

Last updated 2005.12.06 04:47:12
コメント(0) | コメントを書く

[不思議の国のアリスとニセアリス] カテゴリの最新記事

【毎日開催】

15記事にいいね！で1ポイント

10秒滞在

いいね! -- / --

次の日記を探す

おめでとうございます！
ミッションを達成しました。

※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。

ＢＬＵＥ ＯＤＹＳＳＥＹ

ＢＬＵＥ　ＯＤＹＳＳＥＹ