《櫻井ジャーナル》

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2023.01.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類

アンゲラ・メルケル元独首相 ​はツァイト誌のインタビューで、「ミンスク合意」はウクライナの戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったと口にしたが、その発言を事実だと​ フランソワ・オランド元仏大統領 ​は語っている。メルケルが首相を務めたのは2005年11月から21年12月まで、オランドが大統領を務めたのは2012年5月から17年5月まで。ふたりとも「ミンスク合意」の当事者だ。

 ミンスク合意の目的は停戦の実現にあるとされていた。ドイツとフランスが調停役になり、ウクライナ、ロシア、OSCE(欧州安全保障協力機構)が起草、この3者のほかドネツクとルガンスクの代表が2014年9月、協定書に署名している。この合意をキエフのクーデター政権が守らないため、2015年2月に新たな合意、いわゆる「ミンスク2」が調印された。

 このクーデターを仕掛けたのはアメリカのバラク・オバマ政権にほかならない。2013年11月にウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すためにクーデターを始動させ、翌年の2月に目的を達成した。その際、混乱を話し合いで解決しようとしたEUについて国務次官補だったビクトリア・ヌランドはウクライナ駐在アメリカ大使のジェオフリー・パイアットに対し、電話で「EUなんかくそくらえ」と口にしている。アメリカ政府は暴力でヤヌコビッチ政権を倒そうと決めていたのだ。オバマ政権はウクライナ征服を暴力で実現するときめていたと言える。

 このクーデターに反対するドンバスの住民は立ち上がり、軍事衝突に発展する。オバマ政権を後ろ盾とするネオ・ナチのクーデター政権はドンバスの反クーデター軍を制圧する力がなく、クーデター体制の軍事力を強めるためには時間が必要だった。そのためのミンスク合意だ。

 この現実をロシアのウラジミル・プーチン政権は理解したようで、新たな軍事作戦の準備を進め、近いうちに作戦を開始するはずだ。アメリカ/NATOはロシア軍の戦車部隊による攻撃を想定、応戦の準備をしているようだが、それをロシア軍はミサイル攻撃などで破壊している。

 アメリカの統合参謀本部はロシアとの戦争を望んでいない。2003年のイラクへの先制攻撃以来、アメリカの戦争には大義がなく無謀だと考えているようだ。ウクライナでの戦争も同じように考えている。NATOの内部でもロシアとの戦争に反対する国が少なくないようだ。その戦争がヨーロッパを破滅させることは確実で、正常な思考の持ち主なら反対するだろう。






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最終更新日  2023.01.01 14:29:06


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