《櫻井ジャーナル》

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2023.08.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ​ アメリカのビクトリア・ヌランド国務副長官代理が8月7日にニジェールの首都ニアメを訪問 ​、ムーサ・サラウ・バルムーなどクーデターを主導したグループの軍人と会談した。席上、クーデターで大統領の座を追われたモハメド・バズームの復権を要求したという。

 ヌランドがバルムーと会ったひとつの理由は彼がアメリカの特殊部隊で軍事訓練を受けていたからだが、クーデターを指揮したアブドラフマン・チアニ准将と面会できず、バズームとも会えなかったという。アメリカはニジェールに軍事基地を保有し、約1100人の部隊を駐留させている。

 ニジェールはフランスの植民地だった国だが、西アフリカの中心に位置していることからアメリカ軍は基地を建設し、ドローン(無人機)を飛ばす拠点にしている。この基地はAFRICOM(米アフリカ軍)と連携し、北アフリカや西アフリカにおける軍事作戦の要でもあるが、新しい指導者たちはその基地を閉鎖したとも伝えられている。

 クーデター後、ニジェールの代表団がマリでワグナー・グループに戦闘への参加を要請したようだが、ロシアは今のところ慎重。それでもヌランドはクーデターを実行した軍人グループがワグナー・グループを接触することを警戒している。

 7月26日にクーデターが実行された翌日、ロシアのサンクトペテルブルクではロシアとアフリカ諸国の首脳が有効的な雰囲気の中、会議した。これもアメリカ政府は意識していると見られている。もしアメリカ政府に服従しないなら軍事介入も辞さないとヌランドは示唆したとされている。

 2013年11月から14年2月にかけてアメリカのバラク・オバマ政権はネオ・ナチのグループを使い、選挙で成立したウクライナの政権を倒したが、現場で指揮していたのはヌランド。そのヌランドはニジェールで旧宗主国の手先になっていた大統領を排除したクーデターを批判している。

 ウクライナでは排除された大統領を支持していた南部のクリミアでは住民投票を経てロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは住民がクーデター体制を拒否、内戦になった。ニジェールの首都ニアメではクーデターの直後に人びとがフランス大使館の周辺に集まり、クーデターを支持する意思表示をした。​ 「フランスを潰せ」、「マクロンを潰せ」、そして「ロシア万歳」と叫ぶ一方、ロシアの国旗が振られていた ​。

 アフリカ諸国はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で西側医療利権の宣伝に躍らず、「ワクチン」と称する遺伝子操作薬を拒否した。アフリカ諸国は欧米を信用していないのだ。アメリカ、イギリス、フランスなどが2011年にリビアで行ったことも忘れていないだろう。

 ニジェールは金やウランで有名だが、石油も地下に眠っている。資源は豊かなのだが、欧米に従属しているため国民は貧困なままだ。欧米諸国は植民地という看板を下ろしたが、収奪システムは維持している。そうした状態からアフリカを抜け出させるため、リビアのムアンマル・アル・カダフィは「ディナール」という金貨をアフリカの共通通貨にしようとしていた。






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最終更新日  2023.08.09 02:02:21


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