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花見酒
今日は馬鹿に、家の前の人通りが多い。聞いてみるとみんな公園のフラワーフェスティバルに行って大騒ぎするんだという。
ジョンとアレックス、出かけて騒ぎたいが金がない。
ジョンは金儲けの方法を思いついて、アレックスにもちかけた。
今、スーパーの酒売り場でバイトしているローランドを丸め込んで、白ワインを5本と紙コップを貸してもらう。それをフェスティバルに持ち込んで一杯1ドルで売ろうというのだ。
釣り銭も用意したいが、ないものはない。結局、1ドル硬貨1枚しか持ち合わせがない。それでも、2ドル硬貨を出されたときの釣りにはなるじゃないか。
コルク開けもないので、ローランドに開けさせる。紙コップは結局ただにさせた。用意万端整えて、二人で担いで公園へ向かった。
道中、良い天気に良い風が吹いてくる。ワインの甘い香りもただよってくる。
ジョンは、ついに我慢ができなくなって、「おい、アレックス。商売だからタダノミはだめだけどさ、金さえ払えば俺が飲んだっていいだろう」
「あたりめえだ。金さえもらえば、誰に売ったっておんなじだ」
「一杯で1ドルだな。ほれ、先払いだ」ジョンは、持っていた1ドル硬貨をアレックスに払って、一杯飲み干した。
1ドル硬貨を手にしたアレックスは、それをじっと見て、「おいしそうだな。俺にも一杯、売ってくれるか」
「金はあんのか。あるなら売ってやる」
「ここにある。一杯もらって、1ドル支払う」
二人は公園まで歩きながらこれを続けた。
二人はベロベロに酔っ払い、公園について店をひろげ、最初の客が来た時には、売り切れていた。
じゃあ一つ売上げを勘定しようじゃないかと、ジョンが財布をさかさまにしたら、ジャラジャラとは出てこないで、1ドル硬貨一つ転げ出た。
「おいアレックス。こりゃいったいどういうことだ」
「ん~、たぶん、1ドルだけでお互いにワインを売りあったってことだよ。だから結局、最初の1ドルしかないってことだ」
「なんてこった。たった1ドルでこんなにワインが飲めるなんて。ありがてえ、またやろう」
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