くっそー、監禁されたー

相棒といっしょに狭い部屋に閉じ込められて、もう何時間にもなる。

携帯電話も取り上げられて、外部に連絡のしようもない。

くっそー。

イライラした相棒が部屋の隅に積みあがった段ボール箱を崩すと、なんとその下から、旧式の公衆電話が現れた。

やったー。

しかし、二人とも財布を取り上げられていて金がない。

くっそー。

しばらくして、

イライラした相棒が癖で煙草でも探そうとズボンのポケットをまさぐると、なんと十円玉を見つけた。

やったー。

相棒は受話器を取り上げ、十円玉を入れる。

つながった。

やったー。

でも、よく考えたら、電話番号なんて一つも覚えてない。

くっそー。

全部取り上げられて、名刺も何も持ってない。

くっそー。

訳あって警察には助けは求められない俺達。

くっそー。

しばらくして、

イライラした相棒が頭をかかえたその時、

一つだけ電話番号を思い出したらしい。いつも取る宅配ピザ屋のゴロ合わせの番号だ。

やったー。

相棒は番号をダイヤル（旧式）した。

つながった。

やったー。

注文、注文。

「はい、○○ビルの地下２階です。いつものスペシャル、エルサイズで」

電話を切ってから気がついた。

腹減ってたから、くせで注文しちゃったー。

くっそー。

でも、ピザ屋は配達に来るんじゃないのか？

やったー。

あ、でも、ピザ代がないー。

くっそー。

腹減ったなー。

こうなったら、踏み倒そう。

しばらくして、

ピザ屋が来た。

やったー。

鍵がかかってた。

くっそー。