音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年05月26日
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カテゴリ: ジャズ

古野光昭フルノーツのコンサートを観に行った。
このコンサートは以前お伝えしたように、ギターの渡辺香津美が長期療養のため、箏奏者のLEOに変更になっていた。
ところが会場に行ったら、なんとリーダーの古野が体調不良のため出演できなくなったとのこと。
代演に彼の弟子の 坂井紅介 が出ることになったが、リーダーがいなくなってしまって、どうなるかと思った。
コンサートの二日前に同じ会場で学校行事のコンサートがあり普通に出演していたので、急に体調が悪くなったのだろう。
コンサートはその時に古野がピアノと演ったジブリの「君をのせて」の映像を最初に上映し、その後演奏に入った。
MCは川嶋が担当したが、手慣れたもので問題なかった。
坂井は、コンサート当日の午前に到着したようだ。
まあ、ジャズの場合にはよほど込み入った曲でない限り、簡単な打ち合わせでことが済むので、それが幸いした。
川嶋も初めて会った人と演奏できるのは、ジャズだけだと言っていた。
坂井のベースはアンプを通しているがなかなかいい音で、ソロもそつなくこなしていた。
何曲かフリーの曲もあったが全く問題なかった。
川嶋いわく、ジョー・ヘンダーソンのバンドにいた人だと紹介していたのも納得。
プログラムはスタンダードを中心に、Leoの選曲した曲も交えて楽しませてくれた。
1曲目はフルノーツの本来のベース、テナー、ドラムスの編成で、コンサートでは、いつもやる「Yesterdy」。
川嶋の骨太のテナーが曲と若干ミスマッチの気はするし、あまり熱の入っていないような気がした。
2曲目はピアソラの「オブリビオン」。
普通はリリカルなテーマを生かした抒情的な演奏なのだが、今回の演奏は骨太でかなり変わっている。
川嶋は途中まではフルートで、このフルートが 以前聞いたとき よりも表現力が大幅に向上して説得力が増していたのは収穫。
目立っていたのは 大坂昌彦 のドラムス。
最初出てきた時に革靴でスーツをびしっと着たどこかのビジネスマンのような風体で、びっくりしてしまった。
プレイは普通のドラマーとはかなり違う。
普通だとスネアドラム、シンバル、バスドラという感じだが、大坂はシンバルはあまり使わずタムタムを多用していた。
それからリムショットも多用していた。
とにかく引き出しが多く、音楽の幅が広がったような感じだった。
大坂のプレイをいつ聞いたか忘れてしまったが、こういうプレイは独特のものだろう。
バンドネオンで楽器をたたいて音を出すことがあるが、ドラムスでも似たような音を出していてびっくり。
この曲の後半、マーチ風なリズムに乘ってテナーが咆哮する場面は、ぞくぞくする瞬間だった。
3曲目はスペシャルゲストの山下洋輔が登場し、題名は不明だがモンク風の曲を演奏した。
山下はプレイが丸くなって、力強さもあまり感じられない。
さすがに年を感じさせる。
4曲目は川嶋も加わってエリントンの「In A Sentimental Moo」。
川嶋の、豪壮でありながらブルージーな演奏にしびれる。
エンディングのカデンツァは圧巻。
山下もさすがのバッキング。
前半最後の曲は、箏のLeoが登場した。
曲はリチャード・ロジャースの「私のお気に入り」。
Leoの好きな曲らしい。
最初は箏に合わせて、さらさらと進む。
アンプを通しているとはいえ、箏の音が鋭くクリアだったのは意外だった。
箏とテナーがテーマをユニゾンすることが多い。
いざソロになると、川嶋がフリーキーなトーンを連発して盛り上げ、エンディングはカオス状態になっていた。
山下と川嶋がいればこうなるのも想像がつくが、Leoも面食らったことだろう。
後半の最初はLeoの推薦した「さくらさくら」。
曲が曲だけに神妙な演奏で、山下のソロがあった。
2曲目は山下のソロで多分、即興。
お決まりの進行だったが、音の切れがいまいち。
3曲目はラヴェルの「ボレロ」。
川嶋はフルートからテナー持ち替え。
大坂が最後までステディーなリズムを刻み、山下や川島のソロが入り、最後は山下の肘うちも入り白熱した演奏だった。
4曲目はLeoの選曲による「6段の調べ」。
曲の進行は他の曲と同じだが、箏のソロも入りなかなか新鮮だった。
最後は童謡「七つの子」。
なかなか味のある演奏で、童謡を得意にしている?山下や川嶋ならではの演奏だろう。
アンコールは川嶋の提案で「俳句」の5-7-5のリズムを使った即興。
さすがによく分かったメンバーの演奏なので爆笑のうちに終演した。
ということで、最初からトラブル続き立ったが、実力者たちの楽しいコンサートで、聴きに行って良かった。
キャンセルを受け付けていたようだが、キャンセルした人は惜しいことをしたと思う。

古野光昭フルノーツ with 山下洋輔・LEO

前半
1.レノン=マッカ-トニー:Yesterday
2.ピアソラ:オブリビオン
3.曲目不詳
4.エリントン:In A Sentimentl Mood
5.リチャード・ロジャーズ:私のお気に入り

後半

1.日本古謡 さくらさくら
2.山下ピアノ・ソロ
3.ラヴェル:ボレロ
4.八橋検校:筝曲「6段の調べ」
5.童謡「七つの子」

アンコール

俳句のリズムによる即興

川嶋哲郎(fi,ts)
大坂昌彦(ds)
坂井紅介(b)
guest:
山下洋輔(p)
Leo(箏)

2024年5月25日キャラホール・都南公民館大ホール 1階8列30番で鑑賞





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Last updated  2024年05月26日 21時42分59秒
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