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2022.02.20
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カテゴリ: マカロン文庫
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2020年10月刊
スターツ出版・マカロン文庫
著者:高田ちさきさん


恋愛経験のないOLの聖奈。エリート弁護士の柾貴を兄のように慕っていたが、ある日、親の借金のカタに従兄弟との縁談が浮上。すると事情を知った柾貴が「俺と結婚しよう」と言ってきて…!? 問題解決までの契約結婚だと説明され承諾すると、すぐに柾貴の超高級マンションでの新婚生活が始まる。でも形ばかりの新妻のはずが頬にキスされ、ベッドで抱きしめられ、胸が高鳴ってばかり。ついには彼への恋心を自覚して…。「好きなんだ。俺だけのものでいてほしい」ーークールな彼が自分にだけ露わにする独占欲に、もう抗うことはできなくて…!?
​↑楽天ブックスより、あらすじ文引用​

kindle unlimited会員向けの読み放題にて読了。
書下ろし作品のようです。

ここからネタバレと感想。

清武聖奈は事務用品会社に勤める24歳の会社員。
母は女手一つで自分を育ててくれた上に、大学にまで行かせてくれて感謝しかない。そんな母が持病の心臓病を悪化させ入院してからもう三ヶ月になる。
だが、手術も終わりそろそろ退院時期も決まりそうで、聖奈もホッとしていた。

今日は週に一度の見舞いの日。
この日は、母が経営する学習塾の元塾生・出水柾貴も来てくれる予定だった。
柾貴は元々母の中学教師時代に担任した生徒で、当時は問題児であったと言う。
少し訳ありな家庭で育ったらしく家に居たくないのか母が塾講師になってからもよく顔を出していた。
自分より5歳上の彼を聖奈は兄の様に慕っており、やり手の弁護士になってからも二人に会いに来てくれていたのだった。

聖奈が病室に着くと珍しく伯父の和彦が見舞いに訪れていた。
伯父は聖奈の顔を見るなり、話があると談話室に連れ出すと母の退院も決まりそうだから、借金を返してもらえないだろうかと切り出した。
どうやら、母は塾の開校時に会社経営をする伯父から資金を借してもらったらしく、しかも聖奈の大学の入学金やら今の入院費まで伯父が用立てていたのだそうだ。
さすがに金額も金額なので、伯父も歳ではあるし、そろそろ清算してもらいたいのだと言われた聖奈は心底驚いた。
恐る恐るその金額を尋ねると、何と1千万。聖奈は取り敢えず貯金の150万を渡すからあとは分割でと願い出ると返済に何年かけるつもりだと拒否されてしまった。

そうは言われても、どこをひっくり返してもそんな金額をすぐ用立てるのは無理だ。ほとほと困り果てていると伯父は嫌な笑顔を浮かべると、自分の息子の誠と結婚するのならチャラにしてやると代替え案を出してきた。
その名を聞き、思わず聖奈は身震いをしてしまう程苦手な従兄弟であった。
子供時代の親戚の集まりではとにかく誠に嫌がらせと意地悪をされ続け、印象は最悪だ。思わず断ってしまった聖奈に、結婚が嫌ならすぐにでも金を返せと無理難題を言う。
しかも、子供時代の意地悪は子供にありがちな好きな子ほどって奴だよと猫なで声で言われゾッとした。

それに借金云々についてもどう考えてもおかしい。
塾開講の時はまだ10歳だったし、金のことなど母は言うわけがないにしても入院費については当初心配していた自分に保険が降りるから安心しろと言っていただけに伯父の話はさすがに寝耳に水過ぎる。
とは言え、母が自分に心配かけまいと黙っていたのだとしたら?と思うと全くのデタラメと切り捨てるのは聊か無謀な気がした。
伯父の物言いも段々きつくなり、先ずは籍を入れてくれればいいんだと迫られ、聖奈が追い詰められていると、そこに柾貴が現れた。
やり取りが白熱し過ぎて廊下にも聞こえたのだろう、彼は伯父を睨むと名刺を取り出し弁護士をしていると名乗ると伯父の態度が明らかに変わった。
柾貴は漏れ聞こえた「借金」「結婚」「籍だけでも」のワードに厄介ごとに巻き込まれていると察したようで、自分が話を聞くと申し出ると伯父はあたふたとその場を逃げ出したのだった。

聖奈は柾貴に事情を聞かれ、もう半分知られてるしと包み隠さず話すと、案の定彼は激昂した。
弁護士の意見として証拠も無いのにそんなバカげた話は通らないと前置きしたが、実際親戚間の借金トラブルは多いのだとため息をついた。
だが、聖奈は伯父の話が100%嘘だと言う証拠も無いことが不安で、自分が我慢して誠と結婚すればカタが付くと言うなら話を受けるつもりだと言い出し、柾貴は慌てた。
それなら母に借金のことを尋ねてからだと諫めたが、心臓病で入院してるのに余計な心配かけたくないと聖奈は聞き入れない。
今にも伯父に電話しそうな彼女に、柾貴は「じゃあ俺と結婚しよう」と告げたのでした。

彼が言うのは飽く迄偽装結婚であった。籍を入れてしまえば伯父も強硬手段に出られないはず。
借金に関しては柾貴を通すよう手配すると言う。
取り敢えず1年間だけと期間を決め、その間に調査を進めると言う作戦だ。
念には念を入れた作戦の為だが偽装とは言え結婚までさせるなんて、聖奈は申し訳なく思ったが、今の自分があるのは二人のおかげだから恩返しがしたいのだと言われれば断るのも憚られる。
かくして、聖奈はこの申し出をありがたく受けるのだった。

その夜、21時過ぎと言う割と非常識な時間に伯父が誠を伴い清武家を訪れて、ずかずか上がり込んできた。
どうやら、聖奈一人になるのを狙っていたらしく伯父は先程の話を蒸し返すと彼女に詰め寄って来た。
だが、気になって引き返して来たと言う柾貴によってまたもや阻まれます。
さすがに二度も邪魔されると腹が立ったのか、伯父が彼に弁護士とは言え、無関係な人間が口を出すなと怒鳴りつけた。
そんな伯父に柾貴は、自分は聖奈の婚約者であり近々籍を入れるので関係者だと告げると、伯父たちは憤慨しながら出て行ったのだった。

予想以上に強硬手段に出るのが早かったため、早急に籍を入れてしまおうと翌日母に結婚を報告することになった。
母は突然の話に驚いていたが相手が柾貴ならととても喜んでいた。
聖奈は偽装結婚なだけに心苦しくなったが、母のこんなに明るい笑顔を見たのは随分久しぶりだった。
式は追々考えるとして一先ず籍を入れると言う柾貴に、随分急なのねと不思議がられたものの、これで母が伯父に探りを入れられても大丈夫だろう。
その足で、家に寄って聖奈の荷物を運び、柾貴のマンションに同居する予定だが、自宅の近くで誠を見かけ、まだ伯父たちは全然諦めていないことを知ったのでした。

柾貴の住まいはコンシェルジュ在住の高級マンションで、セキュリティ面は万全だし安全のようだ。しかも、自宅より職場に近く通勤も楽になっていいこと尽くしだ。
柾貴は離婚前提の結婚だから、籍を入れたことは周囲には内緒にした方がいいと言われ、直接の上司にのみ結婚の報告をすると、少し家庭の事情があるからと口止めもしておいた。
それから早いもので同居してから一ヶ月が過ぎ、先輩社員の中道にここ最近随分と機嫌がいいし可愛くなったとからかわれたりもしたが、あれから伯父は何も言ってきていないこともあって、概ね順調なおかげだろう。

中道から言われたことを柾貴にも話すと彼は急に機嫌を損ね、「聖奈は昔から可愛いのに、その先輩は男か?」と聞いてきた。珍しい反応がおかしくなり、中道は女性だと答えると、すると突然、明日指輪を買いに行こうと言い出した。虫除けにもなるから嵌めてほしいとも言われ、最初は遠慮していた聖奈も素直に受け取ることにした。
柾貴が買ってくれたのはダイヤのエタニティリングで、あまりの綺麗さに思わずニヤニャしてしまった。会社に着けていけないのが惜しいと溢すと、彼氏に貰ったと言えばいいと言われ、それもそうかと、アドバイス通りに着けて行くと早速中道に冷やかされたのだった。

その日、会社の飲み会に出席した聖奈は、中道から見合い相手の愚痴を聞かされた。
税理士らしい相手はやたらと金のことを聞いてきて、いずれ開業したいから経済的に支えてくれる人が良いと言われたとかで大層怒っていた。
それに比べてそんなブランドもののリングをポンと買ってくれる彼氏がいて羨ましいと冗談交じりに絡まれたが、偽装だからそんな羨まれるようなものではないと内心落ち込む聖奈。
そんな二人の話が耳に入ったらしく、普段から自分に懐いてくれていた後輩に帰り道に告白され、間の悪いことに迎えに来た柾貴に見られてしまった。
柾貴は余裕綽々な態度で聖奈の婚約者だと自己紹介すると後輩の前で頬にキスをして、止めてあった車に彼女を押し込むと終始無言であった。
だが、部屋に着くなり聖奈に謝り「好きだ」と告白すると抱きしめて来たのだった。彼の話ではもうずっと聖奈のことが好きで、この状況を利用して偽装結婚を提案したのだと打ち明けた。
そんな聖奈の方も兄の様に思いつつ、一緒に暮らすうちに好きになっていたのだと告げるのでした。

まあ、そうだろうなとは思ってましたが、辛い少年期を過ごしていた自分に懐き好意を寄せてくれた少女に惚れないわけがなく。随分と綺麗なった彼女が無理矢理結婚させられそうになったとなれば黙っているわけがないのです。
お互い初恋同士だったことで偽装が本物の結婚になりそうだけど、ここで悶着が起こります

​告白されてから三ヶ月ほど経ち、
交際をすっ飛ばしての入籍だったので、今になって二人は映画や遊園地に出掛けたりとデートを重ねる日々。
そんなある日、インターホンが鳴り、カメラを確認するとなんと伯父と誠だ。
どうやってここを突き止めたのか知らないが、部屋に上げたくないので人目のある近くのコーヒーショップに行ってもらった。
伯父は柾貴は信用ならないと捲し立て、聖奈と結婚したのは母名義の土地を手に入れるためだと言い捨てた。何でも聖奈の家近辺は再開発区域に当たるらしく土地価格が高騰しているらしい。
聖奈はそんな話信じないと部屋に逃げ帰ると、やはり気になってネットで調べ始めた。
すると、伯父が言うように確かにあの一帯は再開発区域に入っていた。
何やら難しい単語も多くメモを取ろうと引き出しを開けたら、提出したはずの婚姻届けが仕舞われており、聖奈は絶望感に襲われます。
そこを帰宅した柾貴に見られ気まずい雰囲気が漂うが、彼は彼女の手を取り、話はオフィスに行ってからだと聖奈を連れ出したのだった。

「つばき法律事務所」と書かれた事務所の応接室に入ると母が一時退院して待っていた。
少しして伯父も入ってくると事の顛末を柾貴が話し始めた。
聖奈はああ言っていたものの、彼は事が事だけに早々に母・恵子に全部打ち明けていたらしい。
恵子が言うには確かに伯父に一度だけ借金はしたが大分前に既に完済しており、金額も1千万だなどとんでもないとのことだった。
そこで柾貴が伯父の身上調査をしたところ会社経営に失敗し倒産寸前なことが判った。
伯父は金策に困り、恵子名義の土地に目を付け、生前贈与狙いで誠と聖奈の結婚を推し進める腹積もりだったようだ。目論見をあっさり見抜かれ伯父も開き直っていたが、柾貴の調べで件の再開発が先日中止になったと聞き青くなった。例えあの土地を売っても希望の金額には到底及ばないと知り、愕然として伯父は帰って行った。

恵子は大変な目に合わせたと二人に詫び、何か拗れかけてたようだけど送らなくていいからきちんと話をしなさいとタクシーで病院に帰って行った。
土地目当て云々は柾貴ではなく伯父の企てなのは判ったが、婚姻届けの件はどうしてか聞くと、やはり彼は弱みに付け込んだようで罪悪感があったらしい。
だが同じ気持ちだと知り、事が片付いたらあの婚姻届けを提出するつもりだったそうだ。

彼が聖奈を伴い外に出ると誠が襲い掛かって来た。
難なく柾貴に取り押さえられた誠は、彼女に小学6年生の時にプロポーズしたのに忘れていただろうと聖奈を詰った。言われて記憶をたどれば確かにそんな事を言われたなと思い出した彼女は誠に謝ると、これだけは伯父も嘘をついていなかったと思うのだった。

色々あった一日であったが、柾貴はホテルのスイートルームに聖奈を連れて行くと改めてプロポーズをし、二人は結ばれます。
翌日、彼の薦めでウェディングドレスの試着をしてはしゃぐ聖奈の様子が描かれて、了。


作中の時間経過を見るに、伯父の目論見も倒産しかけてた割には随分悠長な計画に思いましたが、細かいとこは突っ込んだら負けですね、きっと。だから聖奈も余計な気を回さずに早めに恵子さんに聞いておけば・・・。
それにしても、弁護士ってやっぱり儲かる人は儲かるんですかね(苦笑)


評価:★★★☆
堅実で前向きなヒロインに好感が持てます。






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最終更新日  2022.02.21 09:41:18
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