王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

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2022.03.27
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カテゴリ: こはく文庫
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2021年12月刊
くるみ舎・こはく文庫
著者:朝陽ゆりねさん
マリーナお嬢さまの縁談相手はアルベルト・サーフェス王太子殿下? ……って、ええーーーーっ! “名誉”であることは重々承知。が、王城とはすなわち、魑魅魍魎が住む伏魔殿。お嬢さまご本人も「行きたくない」どころか「私、実は好きな人がいるの」とまで言いだす始末。「お願い、助けて!」と懇願された世話係であり幼なじみのシリス。マリーナになりすまして、王太子妃候補から正しく落選してくることを思いつく。なりすましなど王家を欺く重罪。周囲の心配をよそに王城へと乗り込んだシリスは、ある朝、“誉れ高き王子”の意外な一面を覗き見てしまうことに……。シリスもシリスだが、王太子は王太子で相当なクセモノ。牽制しているつもりのシリスだったが、とうとう王太子に正体がバレてしまいーー。
​↑楽天ブックスより、あらすじ引用​

kindle unlimited会員向けの読み放題にて読了。
身代わり花嫁ならぬ、ヒロイン自ら申し出て身代わりお妃候補になるお話。

ここからネタバレと感想。

その日、フロト伯爵家ではある問題に頭を抱えていた。
今年15歳の末娘マリーナが、この国の王太子アルベルトのお妃候補に選ばれたからである。
どうしてこんな国境近くの伯爵家の娘などが選ばれたのか首を捻るばかりだが、名誉な申し出であることは間違いなく、だからこそ辞退するのは憚られるのだ。
マリーナは引っ込み思案で臆病な性格で、とてもではないが王妃など無理。
現段階ではまだ候補だし、他に公爵と侯爵のご令嬢がいるとのことで、家格的にも先ず選ばれることはないだろう。
だが、王宮にて妃選出のための審査があるらしく、その間マリーナは下手をすると候補の二人に虐められる可能性が高い。ライバルは少ないほど良いのだから。
それに、まかり間違って妃に選ばれた日にはマリーナは心労で体を壊してしまうかもしれない。王宮は魑魅魍魎の如き者たちが集う伏魔殿だ。そんな場所に可愛い末娘を向かわせるなど・・・。
伯爵は無礼を承知で、辞退する旨連絡を入れるべく上手い理由を考えているようだが、正直それはこの家のためにも良くない選択である。家令のパリスは思いとどまるよう必死で説得している。

当のマリーナは当然の如く行きたくないと突っぱねた。
アルベルトは見目麗しく文武両道で優秀との噂だが、どうやらマリーナには想い人がいるらしい。
更に王宮に行くことすら怖がっているとなれば、不敬と思われてでも辞退する方向で考えようとなった時、パリスの娘のシリスが名乗りを挙げた。
自分がマリーナを装って審査を受けてくると。

フロト伯爵家は堅実モットーで代々やってきているものの、実際その領地は肥沃な土地と岩塩が豊富に採れることでかなり裕福である。それはもう今回同じく妃候補に挙がっている公爵家を凌ぐ程の。
アルベルトは切れ者と聞いている。もしやフロト伯爵家の領地を利用すべく、マリーナを妃候補に入れたのかもしれない。
考えすぎかもしれないが、そうなると辞退するのは得策ではない。これ幸いと命令を背いたとして領地没収の憂き目にでもあったら事だ。
そこで、王太子の為人を確認しつつ、マリーナの名誉を損なわずに上手く落選するよう立ち回るつもりだと述べるシリス。
悪くない作戦ではあるが、バレたらそれこそ関係者全員罪に問われるだろう。
シリスは頭がいいし立ち回りも上手い。何より末娘を王宮に行かせたくないと言う親心が買ったのか伯爵はシリスの提案に乗ったのだった。

幸い、マリーナはまだデビュタントを迎えていないため彼女の顔を知る者は王宮にはほとんどおらず、なりすましは何とか上手く行ったようだ。
とは言え、シリスは19歳になるので15歳と偽るのは少々無理があるかもと心配ではあったが、国王一家に拝謁した時にも特に怪しまれずに済んだらしい。
初対面のアルベルトは成程噂通りの美青年だった。人当たりの良い話し方に笑顔、でも目が笑っていない。もしかしてこの王太子は巷で言われているような人物ではないのかもしれない。

その日、王太子妃候補のお披露目を兼ねた晩餐会が開かれた。
そこで二人の妃候補とも顔合わせを済ませたのだが、ドーソン公爵令嬢バルバラとブケイター侯爵令嬢オデットは完全にマリーナ(シリス)は問題外と判断したようだ。
周りの大方の予想もバルバラかオデット、選ばれるのはどちらかだろうと言われている。
だが、拝謁の際の国王の話によれば、わざわざフロト伯爵家の娘を候補に入れるようアルベルトが希望したと聞き、それがどうにも引っ掛かる。

審査は一か月以上かかると知り、やはりマリーナを無理に来させなくて正解だった。
毎日王妃の仕事を傍に付いて学び、ランチやティータイムではバルバラとオデットからは嫌味三昧。図太いと自負していたシリスでさえも音を上げてしまいそうである。
その日、自由時間にバラ園でこっそり昼寝していたシリスは聞き覚えのある声を耳にして目を覚ました。アルベルトがお付きの近衛ランベールに会議に出たくないと駄々をこねており思わず耳を疑ったが、どうやらこれが彼の本性のようだ。
おまけに、ドーソン公爵を毛嫌いしているらしく、当然の如くその娘のバルバラも妃にする気は更々ない様子。外面はすこぶる良くてもこの王太子、結構捻くれた性格のようでランベールも手を焼いているみたいだ。これは、王太子妃になるであろう女性は相当苦労しそうだ。

審査も20日を過ぎ、いよいよアルベルトとの相性を見るためか、順番でそれぞれ彼と過ごす時間が設けられることになった。
要は候補たちのアピールタイムと言うわけだが、シリスは当然落選前提でいるため、例えアルベルトの前でも自分をよく見せようとはしなかった。
食事やティータイムに出された菓子などは残さず平らげ、最近は少し太ったほどだ。
今日も王子とのティータイムで遠慮せずケーキを3つほど食べたのだけど、その際に何故か領地の経営状況や、国境近くであるため隣国に怪しい動きは見られないか?等尋ねられ少々面食らってしまった。
まあ隠すほどのことでもないため聞かれた質問には答えたものの、どうも彼の興味を引いてしまったようだ。

それから一週間ほど経ち、夜会に参加した時などアルベルトに手の甲にキスされたかと思いきや、以降何かと彼に誘われるようになると、王太子はマリーナ嬢がお気に入りとまことしやかに囁かれるように。
おかげでバルバラとオデットの怒りを買ったようで、毎日針の筵である。
だが、そんなある日、王宮の一角にある小屋に連れ込まれたシリスは、アルベルトにマリーナを装ってい居ることがバレて言及されていた。
観念して事情を話したが、当然これは王族への詐欺罪。伯爵家は取り潰しになって関係者全員打ち首と聞き、シリスは自分の独断だと許しを請うた。
そこでアルベルトは罪を償う為に自分の妃になれと告げたのだった。

彼の話によればマリーナ・フロトとしてではなく、シリス・リリトアとして娶るつもりなのだと言う。
元々、フロト伯爵は裕福でありながら堅実で上手く領地を生かした方法で富を得ている。その手腕に興味を持って結婚の打診をしたのがマリーナが候補になったあらましだった。もしマリーナを妃に据えても後に王妃の父として面倒にな事になりそうでない所も申し分ない。
だが、調査の結果、マリーナ嬢とここにいるマリーナと名乗る少女は随分と為人が違い、おそらく身代わりだろうとすぐに勘付いた。でも、聡明でアルベルトに媚びを売らないばかりか気に入られまいとしているところが気に入り妃にするならこの子だと思ったらしい。
19歳のくせに15歳に成りすます度胸と図太さも素晴らしく、両親である国王夫妻にも事情を話し了承を取ったそうだ。
気付かぬうちに外堀を埋められシリスは困惑したが、断れば全員打ち首と言われれば承諾するしかないではないか。

バルバラ達からの嫌がらせは段々エスカレートしていった。
アルベルトにどうにかしてくれと訴えると、もう少ししたら正式に発表するからそれまで我慢しろと言われれば黙るしかない。
しかも、その夜アルベルトに夜這いされ、二人は一線を越えた。
翌日、アルベルトは候補者たちの前でシリスの正体を明かし、改めてシリス・リリトアを妃に迎えると宣言した。案の定、ドーソン公爵達は異議を唱えたが、アルベルトにシリスにしか勃たないんだと打ち明けられ、どうしても娘を王太子妃にしたいなら一生処女のままで世継ぎも産めないぞと下品な物言いには皆驚いていた。
平民出のシリスを側妃にしてバルバラを王太子妃にと訴えていた公爵は、アルベルトの調査の結果、娘には秘密裏に交際している恋人がいると判明し、候補を辞退する羽目になった。
オデットも指一本触れられない名ばかりの妃などごめん蒙る、と辞退し結局アルベルトが望んだシリスしか残らず、王太子妃は彼女に決まったのだ。

元々この国の王家は側妃の慣習は無く、国王は王妃一人と仲良くやって来た。
性格に少々難があるアルベルトがこれほど気に入ったのならと、国王夫妻は結婚を了承したわけだが、王妃は息子の性格を知り尽くしてるだけにシリスを気の毒に思う。
とは言え、やはり未来の王妃が平民出というのは少々体裁が悪い。そこで、シリスを王妃の生家であるカルバート侯爵家の養女とし、侯爵家から嫁ぐことになると言う。

あの後、オデットが一連の嫌がらせを詫びに来たのだが、どうやらバルバラとは家同士仲が悪く、お互い敬遠し合ってたらしい。結託していた様に見せていただけで毎日腹の探り合いをして気疲れも相当だったようだ。バルバラは父の命令で妃候補になり絶対に負けるなとプレッシャーを掛けられていた。その上恋人の存在を隠していたのが苦痛だったようで、漸く堂々と会えると喜んでいるとか。
今回の王太子の結婚が身分違いの恋で悩む者たちの良い呼び水になればいいとオデットは言う。
暫くは敗戦者としてシリスとは距離を置くが、相談ならいつでもしてくれと告げて帰って行った彼女は単に強かなのかもしれないが、根は悪い人間ではないのだろう。
策士なアルベルトには、好き勝手に色々決められてしまったけれど、一線を越えて彼への気持ちに気付かされたシリスは、この先の人生に思いを馳せるのだった。


頭のいいヒロインがそれより上手の捻くれ王太子に娶られると言う内容でしたが、どうもこの前に近衛のランベールのお話があったようです。
王太子はそっちのサブキャラだったらしい。
所謂スピンオフの方を先に読んでしまったようだけど、特に前作を読んでないとダメってほどではなかったです。そういうロマンスがあったと言う匂わせセリフがあるくらいなので。
正直、ヒロインは自分が思うほど切れ者ではないので、お嬢様に装っているのがバレた場合の対処法とかノープランだったり結構計画自体は穴だらけだったような。
これ王太子がヒロインに惚れたから罪には問われなかっただけで、そうじゃなかったら大変なことになってたのでは(^_^;)

評価:★★★☆
可もなく不可もないって感じのお話です。





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最終更新日  2022.03.28 09:32:08
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