王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

PR

プロフィール

一夏5413

一夏5413

コメント新着

aki@ Re:個人的に面白かったと思う作品ランキング 1月中旬まで(01/21) この様な書込大変失礼致します。日本も当…

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2022.05.20
XML
カテゴリ: こはく文庫

2021年6月刊
くるみ舎・こはく文庫
著者:ちろりんさん
宗教国家であるクトゥルエイフ国の第三王女・ミュリエルと隣国・アインガイム国のハルトヴィヒ国王の婚姻が決まった。先王から王位を簒奪(さんだつ)した過去を持ち、「死神をも斬り捨てる不死身の男」と噂されるほどに豪胆なハルトヴィヒだったが、馬車から降り立ったミュリエルを見て言葉を失った。ミュリエルは、喪服のような黒いドレスに黒い手袋という出で立ちで嫁いできたのだ。呆気にとられるハルトヴィヒと従者に向け、ミュリエルは穏やかに微笑み言う。「本国では『呪われた姫』と言われておりました」 王家の者にはあり得ない黒髪・黒い瞳を持って生まれたミュリエルは生まれながらに呪われているとされ、日がな一日神へ祈りを捧げながら慎ましやかに生きてきたのだった。夫婦として過ごすことでハルトヴィヒにも災いが及ぶことを危惧するミュリエルは、形だけの妻としてハルトヴィヒに接しようとするが、ミュリエルの呪いを意に介さないハルトヴィヒは、ミュリエルの求めを拒否。それどころか、本当の夫婦としてミュリエルに触れることで「呪いは存在しない」と証明しようと提案してきて……。


登場人物
 ミュリエル=ヒロイン。クトゥルエイフ国第三王女。
       その国の王族ではありえない黒髪黒い瞳で産まれたため「呪われた
       王女」と呼ばれ疎まれていたが、厄介払いとしてアインガム国王ハ
       ルトヴィヒに嫁がされた。自己否定の塊であり、飽く迄お飾りの王
       妃として扱って欲しいとハルトヴィヒに頼んだ。
ハルトヴィヒ=ヒーロー。アインガムの国王。
       元は平民であり剣の腕前だけで将軍にまで登り詰めたが、後に暴君
       であった国王を討ち新国王となった。だが未だ簒奪者としての悪評
       が多く、それを払拭するためにブランドンの提案によりハルトヴィ
       ヒを支持するクトゥルエイフ国の王
家から妃としてミュリエルを迎
       える。

 ブランドン=アインガム国の宰相でハルトヴィヒの腹心。
       前王を討ち、処刑を待っていた彼を説得し新王にした。
   エセル=ミュリエル付きの侍女。クトゥルエイフ国の国教・マーナ=レイ教
       の敬虔な信者で、主人であるミュリエルにもその戒律を課し ていた
       。ミュリエルが呪われた存在などではないことを知る数少な
い人物
       であり、一連の厳しい言動も彼女の為であった。


今回も不遇ヒロインものです。
王族として有り得ない色味で産まれたヒロインが呪われた存在として忌み嫌われて育ち、野蛮な簒奪王とお似合いだろうとばかりに厄介払いで隣国に嫁がされます。
でも肝心のヒーローの方は呪いなんて信じちゃいない豪快な人物で、それを証明してやるとヒロインをお飾りなどではなく王妃として扱い、愛される喜びも教えて行くというお話。

元々頭の良いミュリエルは自国では成し得なかった勉強に励み貪欲に知識を吸収していくのですが、付き添ってきた侍女はそれは良くない事だと彼女を𠮟ります。
ハルトヴィヒは自分のしたい様にしろと言ってくれている。でも、幼いころから植え付けられた欲望を持つのは行けない事、自分は呪われた身であると言う考えがどうしても拭い去れないミュリエル。
そんな中、ハルトヴィヒの暗殺を目論む者たちがいると耳にして・・・。

自分が傍に居るせいで彼に危険が、と思い悩んだミュリエルは離宮に籠ってしまうんですが、この時には自覚なしに彼を死ぬほど愛していたこともあって、会えない寂しさから体調を崩すと言う何とも可愛い有様に。そこをハルトヴィヒが迎えに来て彼女が不安をぶちまけたことから、一連の呪いは単に周囲の人間によりミュリエルがそうと思い込まされていただけだと気付かされることに。
そして、後日、彼女は侍女のエセルにより自分の容姿の謎について知らされるのでした。

宗教国家であることから王族も不義不貞は許されていないにも拘らず、ある時王妃は浮気をしてしまい、その末産まれたのがミュリエルでした。王妃は言い訳を思いつけず、咄嗟に産まれたばかりの娘を呪われていると言い募り、彼女に味方した教皇もそれを肯定。
かくしてミュリエルは呪われた王女に仕立て上げられたのでした。
蓋を開けてみれば、王妃による火遊びが原因であり、その後十八年も疎まれて王家に起きた不幸は全て自分のせいにされていたミュリエルにしてみれば腹立だしいことこの上ない。
エセルはせめてマーナ=レイ教の教えで彼女を救えれば、と彼女に厳しく接していたそうだけど、そんなに不憫に思ってたんならミュリエルが思ってたようにさっさと真相を話してあげてた方が、心は軽くなってたと思うよ。

エセルはクトゥルエイフ国へ帰されることになり、ミュリエルは両親への近況報告で自身が真実を知っていることを匂わせ細やかながら結構な仕返しをすると言う逞しさを身に着けていました。
最後はハルトヴィヒと仲睦まじく暮らしてる様子で了。

あれ、暗殺事件の顛末は?とツッコミ入れたいところもありましたが、きっと早々に片が付いたのでしょう。
ヒロインの容姿についてはヒーローも多分そうじゃないかみたいな事を言ってたのがビンゴだったというオチ。まあそうだろうねぇと。
正直、何の罪もない娘をそんな扱いするから、不幸な事件が続いたんじゃないの?


評価:★★★★☆
ヒロインが気の毒過ぎてなんだか悔し泣きしかけましたが、良い旦那さんの元に嫁げてよかった。
ちゃんと自らの不遇の原因に怒れる子だったのは好印象。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.05.20 20:59:11
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: