うそ 0
人類の将来 0
ものがたり 0
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今世界中が新型コロナの災禍に見舞われている。不意に襲われたので発生してから対応や予防、治療の研究が開始されたが後手、後手に回ったり、ワクチンや治療薬は1年後といった状況で現在の猛威にはたちうちできない。感染拡大を何とか食い止めるしか手段がない現状を医者の端くれとして何とも申し訳ないと思う。普段からこのような病気を想定しての大規模な研究や避難訓練が必要だと考える。今回のテーマは免疫力を強くすることと関係ある腸内細菌について述べようと思う。人間の大腸の中には3万種類以上で100兆個以上の腸内細菌が住んでいる。宿主にとって有益な菌(善玉菌)と悪さをする菌(悪玉菌)があり、彼らは宿主が食べた植物繊維を餌にして生存しており、そのお返しとして生体に必要なビタミンを産生してくれたり有機酸を産生して免疫の調整を行っている。免疫調整は外から入ってくる細菌やウイルスをやっつけたり、免疫が過度に活性化して起こるリュウマチや膠原病などにならないように調整してくれるので非常にありがたい存在である。さらに幸せ物質と言われて感情をコントロールして気持ちを安定させる脳内の神経伝達物質であるセロトニンも腸内細菌が作っており、我々は肉体と精神の両面で腸内細菌に大きな恩恵を受けている。その彼らの餌である食物繊維は毎日摂るように心掛けることと抗生物質の乱用を慎むことが彼らに報いることになる。抗生物質は細菌性肺炎などの時は必要だが風邪などの時は不要でその様な時に服用すると腸内細菌のバランスが崩れて下痢などを起こし腸内細菌の良い働きが障害されることがあるので避けた方がよい。新型コロナウイルスについてはまだ一度も人体に入ってきたことがないウイルスなのでどんなに腸内細菌を大事に育ててきても免疫細胞がこのウイルスを記憶していないので残念ながら体内の免疫細胞が排除してくれない。(参考 中島 淳著「寿命の9割は便で決まる」)
2020.04.05
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今日テレビ見ていたら京都府立大学の先生が新型コロナウイルスを捕まえて弱毒化したものをダチョウに注入して得られた卵黄から抗体を作りそれをマスクにしみこませて新型コロナウイルス予防用のマスクを販売しているとのバライテイ番組があった。新型コロナウイルスを捕まえて電子顕微鏡で調べたり抗体を造ったり動物実験していることの一端が示された。現時点で感染者47万人死亡者2万人、イギリスのチャールス皇太子も感染してしまったという。猶予は出来ない。マスクでなく注射で使える抗体を作ってもらいたい。感染疑いの患者さんにはこの抗体を注射することは有効だと思われる。動物実験は繰り返されていると思うがウイルスを殺すもしくは弱毒化する薬を早く開発してもらいたいと思う。
2020.03.27
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日本環境感染学会が新型コロナに対する対応ガイド第1版を発行した。本感染症の状況は日々変わってきており対応もそれに応じて変更しなければならないので随時アップデートしていくが本ガイドは現時点(2月13日)での知見に基づて記載したものとのことである。そのガイドと本日政府が発表した新型コロナ対策を合わせて要点を記載する。1)症状: 長く続く(4日以上)発熱と強い倦怠感、37.5度以上の発熱が持続する場合はいきなり病院を受診するのではなく電話相談が必要。厚労省の電話相談窓口 0120-565653 朝9時から夜9時まで土日、祝日も対応、各県、各地域にも電話相談センターあり。かかりつけの病院に相談して必要ならその地域の電話相談センターの番号を教えてもらう。本日の政府発表では症状が軽い場合は出歩かないで自宅静養してもらいたい。2)検査:喀痰又は綿棒での擦過検体療機関から保健所に提出→地方衛生研究所または国立感染症研究所でPCR検査(拡散増幅検査法)等を行う。3)治療:現在有効性が証明された治療法はないが抗HIV薬が有効だったという報告があり、それが試験的に使われている。4)経過:このウイルスに感染した人すべてが発病するわけではなく、無症状で経過して知らない間にウイルスが排除されることもある。自宅で静養中に治癒することが多いが、長引いたり、症状が重くなったりしてきたら指定の電話番号に電話して相談する。
2020.02.26
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今も又重要な会議の中止が伝達された。年一回開催の極めて重要な会議だが、重要とか重要でないかに関係なく大勢の人が集まる会議は総て中止になる運命にあるのだと思う。憎き新型コロナウイルスである。感染が日本中に広がり、いつ自分の身の周りに迫ってくるか分からない状況になってきた。今度やっと専門家による対策会議が設置された。今まではこれほど急激に広まるとは考えられていなかったが今や医者や学校の先生、介護施設の関係者などあらゆる職種に広がり、人ごみのない田舎の方にまで広がってきた。この状況に対して今迄は個々の人が自分の考えを述べてその都度対応の仕方も2転3転してきた。今度は感染症専門の人達が集まり議論して最も適切な対応を指導してくれると思う。敵はかなり手怖いが、日本のウイルス学、感染症学のレベルはかなり高い。その人達が必死になってその対策を協議してくれたら光明も見えてくると思う。大いに期待する。
2020.02.25
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3月に横浜で予定されていた大学の同門会が中止になった。同じく横浜での教授退官祝賀会も中止になり、玉穂町での教授送別会も延期になった。甲府開催のドクター部総会も中止になった。それぞれ楽しみにして準備を進めてきた会合が次から次に中止になり何とも無念である。人が大勢集まる会合ではウイルスの感染機会が増えるので自粛しようという考えからそのような決定がなされたものと思うがそれでよいのかと思う。ウイルスに対して一度感染すると免疫が出来て感染しずらくなるが、今回は新型で誰も抗体を持っていない。そのため発病者もしくは潜伏感染者と接触した人は容易に感染してしまう。しかしそれによって抗体ができるのでありがたい面もある。感染を極端に恐れる風潮があるが、抗体をつくるチャンスであり人体を強固にする機会でもある。問題は死亡例の報告である。ウイルスに感染して肺炎になり死んでしまったら免疫を作るチャンスなどとのんきなことは言っていられない。死亡者は80歳以上の高齢者が多いが、インフルエンザによる死亡者の場合も高齢で体力がない人が死亡する。それは感染者のごく一部であり、ほとんどの人は治癒して抗体を作り2度と感染しない体になっている。新型コロナ出現以前でも肺炎球菌による肺炎が死亡者数一位だった。新型コロナウイルスを特別視してむやみに恐れるべきではない。今まで長い歳月をかけて準備してきた会合を簡単に中止にすべきではないと考える。もともと病気の人ならともかく感染したからといって簡単に死ぬわけではない。その会議の重要性を勘案して、できうる限りの感染防御態勢を敷いて開催すべきだと考える。それと医師の集まりなら一刻も早く治療法を確立してもらいたいと願う。
2020.02.22
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先日新聞に半ページを使って筋肉の衰えに効く健康食品の宣伝広告が載っていた。靴下を履いたり脱いたりする時よろける人、時々つまずく人、朝起きる時手をついて体を移動させないと起きれない人、階段の上り下りが辛い人、そういう人は筋力が弱くなっているのでこれをお飲みください。今ならかなりの割引きで入手できますというものだった。靴下を脱ぐ時よろける人は大勢いると思うし、朝すんなり起きられない人もいると思う。自分にぴったり当てはまると思って申し込む人がいるかもしれない。他に海草を使って作った染毛剤で肌や髪を傷めず自然に染まって理想的な染毛剤の広告も見かける。SNSの広告では目の下がぷっくり浮腫んでいる人はこのクリームを塗ると浮腫みがとれて綺麗になるとの宣伝もある。記憶力が落ちてきた人にはこれがお勧めだといった宣伝もある。おなかが出ている人にはこの健康食品をといった具合に様々な宣伝に囲まれて生活しているのが私達である。そのうちのいくつかを試してみた人も多いと思うが、その結果は殆ど効果がないというのが実情ではなかろうか。そこで莫大な宣伝費を使って元が取れるだろうか?と考えてみた。使ってみて効果がないことはすぐわかるので2回目、3回目の注文はないと思うが、広告を見て自分に当てはまると思い、今なら半額とのことで早速注文する人がかなりの人数いてその収入が広告費を上回るのだと思う。中には広告費に届かず赤字で決済することもあるかもしれないが概ね黒字になっているのでこのような広告が毎日のように出ているのだと思う。広告では個人差があるので効果がないこともあると謳っているが実際には殆ど効果がないのが実情だ。しかしいかにも効果があるかもしれないと思わせるところが商売だと思う。世の中には広告のように、苦労しないで簡単に筋力をつけたりおなかをへこませたりできるものはないと思う。地道に日々の食事を研究工夫し体操や運動を続けなければ望んでいる健康体は得られないと考える。
2020.02.15
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最近寝ていて口がカラカラになるので口が開かないようにテープを貼って寝てみたら口の渇きはなくなったし、口がカラカラで途中で目をさますことも無くなり、隣で寝ている家族からいびきがうるさいとか息が止まっているなどと言われなくなった。睡眠時無呼吸症候群は寝ている時に数分間呼吸が止まってしまう状態で夜間酸素不足でよく眠れなくて昼間眠くなり運転手さんなどが突然眠くなって事故を起こして話題になった症候群である。私も自分では認識していないが重度のいびきと無呼吸を家族に指摘されていた。病院で酸素分圧を測ってみたら何度測ってみても94%くらいで正常の97%以上には届かなかった。夜間何度も無呼吸状態になるために日中も酸素不足状態になるのだと思う。夜間寝ている時、知らぬ間に口を開けて呼吸しているといびきをかき、それがひどくなると無呼吸になるのだと思われた。それなら口が開かないようにテープで止めたらどうかと考えた人がいて貼りやすいように商品化して売り出されているものがあったので購入して貼ってみたら上記のような効果があった次第である。病院で酸素分圧を測ってみたら97%あった。睡眠時無呼吸症候群は治っていることが推察された。酸素が足りているなら物忘れなどの症状も改善したか自己評価してみたらほんの僅か改善したように思われた。頻尿、尿漏れなども脳内の酸素不足が関係していると言われているのでこちらも治ればいいと思ったがこちらは相変わらずであまり効果はない。しかし喉のからから、いびき、睡眠時無呼吸には確実に効果があるのでそれらに悩まされている方は、一度試してみたらよいと思う。
2020.02.03
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第32回山梨県農村医学会が本日甲府市で開催され、笛吹中央病院脳外科医の三枝宏伊先生による「今から始めよう認知症予防ー認知症激増時代に向かって-」と題する特別講演があった。現在認知症が激増しており、認知症になってしまうとその治療は困難だが、認知症になる一歩手前の「軽度認知障害」の段階だとアルツハイマー型認知症の場合適切な予防介入によって40%は正常化できると言われている。その予防介入の方法として特別講演内で、2人の認知症予防指導士が、コグニサイズの実演指導をしてくれた。コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが高齢者のために開発した運動で、高齢者向けのエクササイズで、簡単な計算やしりとりなどの課題を運動と同時に行なうことで、認知症の予防と健康促進を目指すプログラムとのことだった。それにはさまざまな方法があるが、当学会では足踏みしながら あいう えおか きくけ こさし すせそ たちつ てとな にぬね のはひ ふへほ を口に出していう方法を指導してくれたが私は殆どできなくて当惑した。練習すればできるようになるかもしれないが、私の隣に座っていた人はすらすら言っていて驚いた。その人が普通で私が出来なさ過ぎたのだと思う。認知症が近いと思われコグニサイズ運動をしていかなければ認知症直行の可能性があると思われた。この特別講演のほかにリフレッシュタイムに健康運動指導士による「のびのびストレッチといきいきリズム体操」の指導もあった。そこでは右手を出す時は左足を、左手を出すときは右足を出す指導があったがこれも全然できなくて自信を無くしてしまった。右手をだしたら右足がでて、左手を出したら左足がでてしまい救いようがないと思えた。しかし全くできないということが分かっただけでも収穫で、自分が今認知症一歩手前にいることが明確になり挑戦の気持ちが湧いてきた。私もその学会で延命治療に関する発表をしたが、他人の発表や特別講演も聴くことが出来て有意義で楽しい学会だった。
2020.01.30
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武漢発の新型コロナウイルスによる感染者が世界に広がり、死者も出ている。武漢からの旅行客を乗せた日本人バスの運転手が感染して現在入院している。中国当局は最初人間には感染しないと言っていたが人から人に移ることが実証されている。武漢の生鮮食料品店が発生源とされていたがそのスーパーの近くに細菌・ウイルス兵器研究施設がある。そこでモルモットやネズミ、こうもりなどを使った研究の中でコロナウイルスの変異株を作り出した中でネズミか蝙蝠その他の動物ががその研究所から逃げ出して食料品店に潜り込みそこから感染が広がっていったことが考えられる。当局が最初人間には感染しないと言ったのは動物実験の段階での新型ウイルスは人間から人間には感染しなかったのかもしれない。自然界には様々な細菌やウイルスがいる。それらは抗生物質の使用や放射線照射などで遺伝子変異を起こすことが出来る。自然界にいる細菌・ウイルスは地球環境の中で弱められたり淘汰されたりしてバランスが取れた中で生存しているが、突然変異を起こしたものは従来の抗生物質では効かなくて猛威を振るうことになる。世界各国に核実験施設と同様に細菌・ウイルス研究所があると推定されている。今まで猛威を振るっていなかったウイルスがいきなり新型に変身して猛威を振るうのはそのような研究所から広がることが多い。核兵器禁止条約と同じように、細菌兵器禁止条約を厳格に見直し、このような事故が絶対起こらないように厳重な監視体制を整えてもらいたいと思う。
2020.01.28
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最近サルコペニア(加齢性筋肉量減少症)やフレイルの言葉をよく聞く。フレイルとは日本老年医学会が発表した概念で「筋力の低下により、動作の機敏性が失われて転倒しやすくなる身体的問題と認知機能障害やうつなどの精神、心理的な問題、独居や経済的困窮などの社会的問題などを含む言葉で認知症、老衰の前段階で適切な介入によって認知症等になるのを遅らせる可能性のある段階」と定義されている。サルコペニア・フレイルの段階で運動指導、栄養指導などをおこなえば認知症にならないといえばこれほど凄いことはないが実際にはそれほどのことではなく、認知症や老衰になりかっかている状態に対して指をくわえて見ているのでなく、何らかの対応をしていきましょうという話である。来る1月30日の午後山梨県JA会館で開催される山梨県農村医学会の特別講演で笛吹中央病院の脳外科医三枝宏伊先生が「認知症の予防」について話をしてくれるが、その抄録を読ませて頂くと一番大切なのは運動と書いてあった。サルコペニア・フレイル対策も運動だと思う。どんな運動をしたらよいか講演内で実演指導してくれるとのことである。抄録では運動と同時に趣味や地域行事への積極的参加やバランスのとれた食事などについても話してくれるらしい。楽しみにしている。
2020.01.21
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私が50年前国立甲府病院に勤めていた時、脳脊髄膜炎と言う重い病気の青年がいたが九死に一生を得て退院した。彼は長野県諏訪の人で退院して数年経った頃から毎年暮れに自分の所で栽培しているエノキダケを送ってくれるようになった。今日もそれが着いたのでお礼の電話をしたら「お元気ですか」と聞かれたので足元がふらついてよちよちするようになり先日大掃除の手伝いをしようとしてつまずいて転んで怪我をしてしまった。と言ったら「それは嘆いてはいけません、歳をとれば当たり前のことですよ」と言われてなるほどそうなのかなと思って二人で大笑いした。彼は74歳とのことで私より若いが年取ったために昔できたことが出来なくなったり足元がふらつくことだってある。でもそれは当たり前のことだと思って怪我しないように心掛けている。自分で自分を守らなければ誰も守ってくれませんよと諭された。年老いたことを悲観するのではなく、それは当たり前のこととして体を鍛えたり怪我しないように注意することは大切なことだと思った。入院している時は助かるかどうか分からなかった重病の青年が諏訪でエノキダケ生産農家を発展させ今は当時の受け持ち医者に説教できるまでになったのだから立派になったものだと思いうれしく思った。毎年送ってくれるエノキダケをありがたく拝んで頂こうと思う。
2019.12.31
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先週水曜日のNHK8時15分からの「あさいち」でセックスレスを特集していた。アンケート結果から結婚していてもセックスしてない夫婦が非常に多いという結果について話し合っていた。江戸時代の医学者貝原益軒さんは「接して漏らさず」が大切でそれが健康維持や長寿の秘訣であると説いた。その教えの信奉者は多く、現在でもなるべくセックスしない方が健康に良いと考えている人が多い。しかしドクターサロン12月号誌上で川崎医科大学泌尿器科教授 永井 敦さんがインタビューに答える形でそれとは違う考えを述べていた。アメリカの循環器専門医が発表した論文では週に2回以上セックスを行うグループで心筋梗塞、脳卒中の発生率が低く、セックス回数が多いほどアンチエイジングにつながるとの考えである。パートナーがいない場合には自慰でも十分とのことである。またアメリカのハーバード大学の研究では月に21回以上セックス又は自慰する人はそうでない人に比べて前立腺がん罹患率が有意に低かったとのことでセックスはした方がよいと述べている。でもそれはまだ一般的には受け入れられておらず、疲れている夫がセックスすることによって消耗して早死にするのではないかと心配している奥さんも多く、上述のアンケート結果になったのかもしれない。永井教授の示されたデータなどを参考にして男女ともセックスについての考えを改めてもよいのではないかと考える。
2019.12.27
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山梨健厚生連健康管理センター(所長 依田芳起氏)から平成30年度の「健康管理活動報告書」を送ってきた。同センターは年間健診受診数13万人以上という規模もさることながら設備も検査精度も高度で県内はもとより、国内、世界でもトップクラスの健診センターである。そこのデーターから国民のがん罹患率の大まかな趨勢をみることが出来る。全体で13万人受診しているが肺がん検診、乳がん検診など個々の検診別に総受診者数は異なるので各検診の受診者数の母数は異なるが各がんに対する発見率を算出してあるのでここに各がんの発見率を紹介する。胃がん検診(レントゲン法)胃がん発見率0.09%胃がん検診(胃カメラ法)0.16%大腸がん検診(便潜血陽性率6%)大腸がん発見率0.1%肺がん検診(レントゲン法) 肺がん発見率 0.03%肺がん検診(CT法)0.06%乳がん検診(X線法ーマンモグラフィ)0.19%乳がん検診(超音波法)0.19%発見乳がん28例の調査:マンモグラフィのみで発見5例、マンモグラフィと超音波両方描出10例、超音波検査のみ描出13例子宮がんの細胞診検診は10,826人検査したが、がん発見率は0.00%であった。甲状腺検診(超音波法)甲状腺がん発見率0.02%前立せんがん検診(血液でPSA値検査)発見率0.24%卵巣がん検診(血液でCA125検査)発見率0.01%膵臓癌検診(超音波法)0.02%膵臓がん検診(血液でCA19-9検査) 発見率0.00%腎臓がん(超音波法)0.04%膀胱がん(超音波法+尿検査)0.02%肝臓がん(超音波+血液検査)0.03%胆管がん(超音波法)0.002%一見して発見率が高い(罹患率が高い)のは前立腺がん(0.24%)と乳がん(0.19%)である。何れも早期発見で治癒するがんなので積極的に検診を受診するべきだと思われる。欧米では超音波検査技術が進んでいないのでマンモグラフィだけで検診をしているところが多いが、日本ではその技術が進んでおり、併用しているところが多い。厚生連のデーターでは28例の発見乳がんの分析ではマンモグラフィで発見されたのが5例に対して超音波検査で発見されたのが13例あり、マンモグラフィと超音波検査両方で所見があったのが10例でこのデータからは超音波検査の方が精度の高い検査法と思われるが超音波で分からなくてマンモグラフィのみで見つかった症例が5例あるので両方の検査を受けるのがよいと思われる。すい臓がんはみつかった時は既に進行がんのことが多いが、超音波検査で0.02%(9例)発見されている。腫瘍マーカーCA19-9検査での発見率は0%なので超音波検査が良いと思われるが超音波検査では大腸ガスが邪魔して良く見えないことが多いので心配の時はCT検査をお受けになられるのがよいと思われる。いずれにしても厚生連はしっかり検診して精密検査後のデーターもきちんとまとめてあり素晴らしい報告書だと思った。
2019.12.23
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今朝出かける時家の庭でまだバラが咲いていたのでこんなに寒くなったのに良く咲いているなと思ってブログに載せることにした。私もこの年齢なので当直など断りなさいといつも家内に言われているが病院を辞めてしまえばしたくても出来なくなる。今月は今日が当直だが、後は来月と2月の2回しかない。バラの花と同じで最後まで残りの生命力で花を咲かせていこうと思う。私は毎年山梨県農村医学会で診療で感じたことを纏めて発表してきた。今年度は来年1月30日に山梨県JA会館で開催されるがそこで「食事を食べなくなった患者さんに対する家族や医療者の対応」という演題で発表する予定だ。病院を辞めた後の来年度以後発表するかどうか決めていないが、もしかしたら今回の発表が最後になるかも知れない。最近は皆さん随分長命になり私の受け持ち患者さんの大半は90才前後である。入院してくるのは自宅や施設にいて食事を食べなくなったからというケースが多い。肺炎など明らかな原因でそうなった場合には原因である病気の治療で再度食べられるようになることもあるが、多くの場合は認知症などが進行して食べなくなって寿命がきた状態と思われる場合が多い。その場合人工的に鼻から管を入れたり胃ろうを造ったりして人工的な延命処置を行うか否か家族と相談するが昔はどんなことをしても延命して欲しいという気持ちが家族に強かったが最近では人工的に延命処置をした方が本人にとっても家族にとっても辛いことが多いことから、延命処置をしないで自然のままにして下さいという家族が増えてきた。個々の症例ごとに事情はそれぞれ異なるので各症例を発表する中で聴いている人たちがそのような場面に遭遇した時の参考にしてもらえればと思う。
2019.12.21
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今朝の「日本全国8時です」の担当は医療ジャーナリストの松井宏夫さんで、痛風と偽痛風の話だった。痛風は血中の尿酸値が上がってガラスのかけらのような尿酸結晶ができてそれが血管や組織を傷つけて非常に激しい痛みを生ずる病気で足の親ゆびの付け根部分が赤くはれてくるので分かりやすい。偽痛風は痛風に似ているが痛む場所が足の親ゆびだけでなく膝関節その他様々な所に起こるので診断が難しいとのことだった。偽痛風はピロリン酸カルシウムと言う物質の血中濃度が上昇した時に体内で刺の多い結晶を作り、尿酸結晶同様血管や組織を傷つけて痛みを起こす病気である。尿酸値が上昇していないので痛風と区別できるが、リュウマチとの鑑別は難しいことがある。外来診療では、下肢の突然の激しい痛みの場合、足の親ゆび以外のところが痛くなる痛風もあるので最初に痛風を考え、そうでない場合偽痛風とか下肢血栓症などを考える。治療は痛風も、偽痛風も痛み止め内服で1週間くらいで治る。痛風の場合は痛みが取れてから尿酸の血中濃度を下げる薬を飲むことになるが、偽痛風の場合はピロリン酸カルシュウムの血中濃度を下げる薬はまだないとのことだった。偽痛風は発熱を伴うことが多く、血管炎やリュウマチなどとの鑑別が必要だが早期に診断して早く痛みから解放してやりたいと思う。
2019.11.25
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私は月に1回当直をしてきたが2月一杯で退職するので今月を含めてあと4回しかない状態になってきた。今月は16日の土曜日の夜の当直だったが午前2時半頃96歳の患者さんの脈が26しかないと病棟から報告を受けた。通常は1分間に70前後が正常だが脈が20台と少なくなってしまうのは房室ブロックと言う状態で、血液が十分に脳に送られなくなり、意識障害などを起こす可能性があり、早急に治療する必要がある。プロタノールという薬を点滴したら脈が60前後まで戻ってきたがまた20台にいつ戻るか分からない。そこで山梨大学第2内科(循環器系)に電話したら当直の先生が受けてくれて救急車で送ってくださいということになった。早速家族に連絡して来てもらい午前4時半頃無事医大に送ることが出来た。山梨大学第2内科は救急ホットラインを設けていて土日や夜間でも受け付けてくれることになっており、大変ありがたい。当院のような中小病院ではこのような時どうすることも出来ない。医大なら脈拍数を正常に保つペースメーカーを挿入することも出来る。本当にありがたいと思い心から感謝した。ありがとうございました。
2019.11.18
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昨日NHKの総合テレビで午後7時半から上記表題の健康番組の放映があった。内容は今まで注目されていなかったファシア(Fascia)についての話だった。本来ファシアは筋膜の意味だったが最近それは骨膜だったり、内臓膜であったり、神経線維膜であったりして全身の臓器を包んでいる膜と定義されている。この膜が癒着したり硬化したりすると筋肉や骨の動きが敏捷でなくなり、ねこ背やお腹ぽっこりになるのだという。それを治すにはファシアを活性化させることで、朝夕2回30秒づつの体操をすればよいとのことだった。具体的には両手を水平に上げて肘を曲げながら手を背中まで運んで背中で肩甲骨を寄せるのを準備体操として次に両腕を上げて背中までもっていって両肩甲骨が接近するようにしてまた腕を前に持ってきて同じことをして肩を回転させるような運動を数回すればよいとのことだった。朝30秒、夕方30秒で合計1分でねこ背、お腹ポッコリが治るとはまゆつばもののようにも思えるがもしそれで本当に治るなら凄いことだと思う。肩と背骨のファシアを動かすことにより、ファシアは全身でつながっているので背骨が正しい位置になり姿勢がよくなるとのことだった。ねこ背とポッコリお腹の人は多い。1日1分間で良いとのことなので試してみたらいかがだろうか。女性では垂れ尻も改善するとのことなので美しくなりたい人は1日1分それを毎日継続して実行してみて頂きたい。
2019.11.07
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地域の集まりで15分くらい健康講話をしてくれと依頼を受けた。これから風邪やインフルエンザの季節になるのでその話をしようかと思ったが、先日医師会教育講座で聞いてきた「簡単に出来る若さと健康を保つ方法」を話そうと思う。近年急激に長命化して90才以上の高齢者は珍しくなくなった。年齢だけみると平均寿命を超えており、とっくに亡くなっていてもいい人達だが、生きながらえて認知症にもならず元気で健康的に暮らしている人達もいる。アメリカの詩人サムエル・ウルマンは「青春とは人生のある時期を言うのではなく80才過ぎていても理想とか夢があればいつでも青春で反対に20歳でも失望や落胆、夢の無い状態は青春でなく老年である」と言っており、90才以上でも夢があれば青年と言ってよいのだと思われる。それでは高齢になっても青春を謳歌できるようにするにはどうしたらよいのであろうか。それには脳を若く保つ必要がある。何もしなければ年齢と共に記憶力や認知機能はどんどん衰えて認知症になり、地域に設置されている防災用の拡声器で「だれだれさんがいなくなりましたので心当たりの人は連絡して下さい」と放送されることになる。最近の研究で認知症になるのを防ぐ一つの簡単な方法が明らかにされた。脳の真ん中辺にある海馬を萎縮させないようにすれば記憶力や認知機能をかなり正常に保てるとのことだ。それには日常的に筋肉を使っていればそこから生理活性物質が分泌され海馬の衰えを防いでくれるとのことである。さらに、骨格筋を使うことによって転写調節因子が出現して、慢性炎症や慢性の痛み、神経痛などを軽減する機能も有しており、痛いからと筋肉を使わないでじっとしていないで痛くない部分の筋肉を動かすことによって痛みを軽減できるのである。ところで筋肉を使うというのはボディビルをしたりマラソンをしたり腹筋をしたりなどの激しい運動をする必要はなく、普通の日常生活で良いのである。歩いたり家事をしたり、庭の手入れなどで良いのである。何もしなくてよいですとご隠居さんに祭り上げられて仕事も運動もしないでいると認知症になってしまうのである。何でもよいので体を動かしていることが認知症予防につながり、痛みを軽くして若さと健康を保つ秘訣である。
2019.10.11
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本日午後医師会生涯教育講座を受けてきた。最初の講師は福島県立医大整形外科の半場道子先生で演題は「筋運動は記憶力と認知機能を正常に保つ」であった。加齢とともに脳の中心部にある海馬は委縮し記憶力と認知機能が急速に低下するが日常的に筋肉活動を続けていると海馬体積が維持され記憶力と認知機能が健常に保たれる可能性が明らかになってきたとのことだった。その運動というのはボデイビルやマラソンなど激しい運動ではなく日常的に体を動かすことでよく、農作業や家事、徒歩とか自転車で買い物に行くとかの日常運動でよいとのことだった。家事をしなくなっり、歩かなくなったりすると認知症になるのは、骨格筋から生理活性物質が分泌されなくなり海馬が委縮したり、脳内に不純物が溜まったりするからだとのことで、体を動かすことが認知症予防に重要だと話をしてくれた。二人目の講師は大分県福祉保健部参事監の藤内修二先生で演題は「健康寿命の謎に迫る」であった。司会者の話だと自治医科大学をトップの成績で卒業なされた優秀な先生で、大分県を健康寿命日本一にするために行政、企業と連携して奮闘している様子を話してくださった。企業が積極的に協力してくれて県民総出で健康寿命延長にあらゆる方面(食事、金融、マスコミ、教育等)から取り組んでいる姿は素晴らしいと思った。今全国で少子化が問題になっているがこのように県民上げてマスコミ、企業、教育機関、自治会あらゆる組織が一体となって取り組めばできないことはないと思った。二つの講演とも意義ある素晴らしい講演で参加してよかったと思った。
2019.10.06
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昨日、私の誕生日にある友人が上のような豪華な小さな胡蝶蘭を送ってくれた。彼は渋谷で長年学生や若者向けの食堂「青春の館」を経営していたが数年前からパーキンソン病と重症心臓病に悩まされていた。パーキンソン病と言えば個人差はあるが一般的には次第に歩けなくなり食事も食べられなくなっていく難病である。彼は医師からその診断を受けた時から内服薬を服用しながら自分に合った整体やリハビリをあちこち探して実行した。パーキンソン病だけで重病なのに追い打ちをかけるように重い心臓病にかかってしまった。心不全の程度を示すBNPが正常値の何十倍もの値になったとのことである。瀕死の重症で病院のベッドに横たわりながら電話をくれたことがあるが息が苦しく声もたどたどしくていよいよかなと思われるほどだった。しかしパーキンソン病に対して必ず治してみせるとリハビリを重ねていた根性は心臓病に対しても同じで悲観することなく必ず治すの信念で病気に立ち向かっていた。その後心臓ペースメーカーを挿入したとの知らせを受けたがそれで心不全が完全に治る訳ではなく、危ない状態でそれを切り抜けたとしても寝たきりは免れないだろうと思っていた。ところが昨年電話がかかってきて会おうと言う。病院での面会かと思ったら渋谷の忠犬ハチ公の前で会おうという。誰かに車椅子で連れてきてもらうのだろうと思っていたら、本人がスタコラ歩いてきたので驚いてしまった。歩調もパーキンソン病特有の小幅のよちよち歩きでなくほぼ正常の歩き方をしていた。また今年も10月14日にハチ公前で会うことになっているが週1日はデーサービスに行くがその他の日は道路わきの花の手入れや高齢者向けカラオケボックスの受付などのボランティアをしているという。まず助からないだろうと思えた重症心臓病を克服し、パーキンソン病の進行を止めた原因はボランティア活動にみられるように人や社会のために尽くそうという気持とどんな病気だって必ず治して見せるという強い気持ちがあったからだと思う。渋谷駅の近くに「青春の館」の広告としてサムエル・ウルマンの詩「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう。歳を重ねただけで人は老いない、理想を失うとき初めて老いる」という大看板を掲げた男である。理想と使命感そして必ず治すという強い気持ちが奇跡を起こしたのではないかと思っている。
2019.10.02
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今日は私の誕生日だった。消費税が上がった日でもあった。消費税を上げる理由が1000兆円以上の借金を少しでも減らしてこれからの世代の負担を減らすと理解してきたが、複雑な計算をしなければならない軽減税率の物を残すとかクーポン券やスマホ決済で税金分を還元するとか投票権者に忖度したシステムで借金がどれだけ減るのかはあまり議論されていない。低所得者や子供世帯限定で2万円分購入で2万5千円分買い物ができるクーポン券の宣伝のために14億円使ったというから無駄使いし放題で何のための増税か全くわからない。増税が必要だったのならその目的に沿ってきちんと税金を使ってもらいたいと思う。今日診療受付時間をかなり過ぎてから昨夜寿司をのどに詰まらせて食事が食べられないという85歳の男性がきた。別の病院にかかっているとのことで受付の段階でその病院に行くように話したとのことでそれならそれでいもいいと思っていたらかなり経ってから私に連絡があり、診察してくれという。時間外だったが内視鏡室に連絡をとり、内視鏡検査を行ったら食道に寿司ご飯が詰まっていた。内視鏡で詰まっていたご飯を胃まで押し込んで検査を終えたが果たしてそれで食べられるようになるかの確信はなかった。食道がんの手術後で縫い目が少し狭窄しており、その部から口側に寿司ご飯が詰まっていたので、食道がん手術痕が原因になっているなら簡単には治らないかもしれないと思えたからである。朝からご飯を食べていないとのことで点滴をしてから帰ってもらうことにしたが不安はあった。かなり経った時に用事で中庭を通ったらその患者さん夫婦がタクシーを待って坐っていた。「どうですか?」と聞いたら笑顔で「まったく良くなりました」とのことでほっとすると同時にうれしくなった。医者冥利につきるとはこういうことで幸せ感が湧き上がってきた。つらく苦しいことが多い中でたまにこういうことがあると幸せを感ずるものである。
2019.10.01
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高血圧の管理で2か月に一回くらい通院している87才の男性患者さんがいる。いつも色々な話をしていくが、昨日は敬老の会でいつも元気一杯の様子なので健康の秘訣について話をしてくれと頼まれて話をしてきたのでその内容を教えてくれた。同級生もしくは同じくらいの年齢の仲間はもうほとんど死んでしまったか生きていてもよぼよぼで今にも死にそうな生きるしかばねである。それなのに自分は背筋もピンと伸びているし、畑で野菜を作っている。周りを見回しても同じ年齢で元気に畑をしている人はいない。その違いはどこにあるか?死んでしまった人やよぼよぼの仲間と話をすると、大体がどこが悪いあそこが悪いなどと病気の話ばかりで前向きの話がない。自分は散歩を日課にして生き甲斐ある生活している。畑仕事も楽しいし村の寄り合いにも出ている。病院にも行くがそこでは医者と馬鹿話して帰って来る。友人の多くは医者の一言で悪い方に考えて落ち込んで帰って来る。病院に行って却って病気を重くしている。自分は医者が何を言おうが自分の言いたいことだけ言って帰って来るので健康になったような気になって帰宅するとのことだった。27年前草の根選挙で思いもかけない人が知事に当選した時、選挙の応援をしていたが神に願をかけるとき、18歳から毎日100本の煙草を吸っていたが60歳できっぱり煙草を止めて選挙運動に猛進し遂に当選を勝ち取ったが、たばこを止めたことも健康につながっていると思うと話していた。レントゲンをとると立派な肺気腫の所見はあるが、60才で止めているのでそれ以上の進行はない。1日100本(5箱)をその後も続けていたらもうとっくに死んでいたに違いない。元気でいられるのは生き甲斐があるからだと話していたが、生き甲斐があっても早く死ぬ人もおり元々の運命とか体質的なものもあり、そればかりで元気で長命になるとは言いきれないが、楽しみとか家族とか社会のために生きると言う生き甲斐は健康の源になってきたと思った。どんな関係で草の根知事を応援したのかしらないが山梨県政に関心を持ちそのために貢献したことも生き甲斐だったと思われ、体質、素質もあるかも知れないが生き甲斐が健康の源というのは本当なのかもしれないと思った。
2019.09.06
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昨日のラジオ日本全国8時ですの講師は医学ジャーナリストの松井宏夫さんでうつ病の新しい治療法TMS療法を解説していた。うつ病というのは意欲がなくなり、物事に興味がなくなり、集中出来なくなって学校や会社を休まなければならなくなったりする病気で昔は怠け病などと言われたこともある病気で本人だけでなく家族も大変つらく苦しい思いをする病気である。原因は過労やストレスなどの社会的要因、いつも悲観的にものごとを考えてしまう心の傾向などの心的要因、脳の働きなどの身体的要因が挙げられている。我が国には約100万人患者さんがおり、心理療法や薬物療法を受けている。しかし実際には治療は受けていないが準うつ病の方がその倍近くおり、国民病、現在病などと呼ばれている。治療は薬物療法が中心だが良くなったり再発したりして難航することが多い。そこに登場したのがTMS(経頭蓋磁器刺激)療法である。アメリカでは10年以上前から日常診療で行われているが日本では数年前から診療が行われており、本年6月には保険適用してもらえることになった。治療方法は弁当箱と同じくらい大きさのものを額の左側に充てるだけで、外から脳に刺激を与えて脳の血流を増やしてうつ病を治す方法で、副作用もなく、パソコンが使えるようになったとか、目の前がぼやけていたのにすっきり見えるようになったとかかなり効果があるようだ。1回40分で5日間治療して、6週間=30日間でよくなるとのことで素晴らしい治療法が出てきたと思う。額に電磁波を当ててもらって脳血流をよくして頭脳明晰になるように願っている。
2019.07.23
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昨日71才男性で高血圧治療中の方が来院した。歯が触っても痛い状況になってしまい1本かと思ったら次から次にそうなってしまって残っていた5本の内4本を抜いてしまったとのことだった。いずれも歯がぐらぐらしていたとのことで歯槽膿漏(歯周病)によるものだったと思われる。私も半年くらい前から左上奥歯が噛むと痛い状況になりいよいよ抜かなければならないのかなと思って歯医者さんに行ったら歯に高いところがあるのでそれが当たって痛いのでしょうと削ってくれて痛みが軽くなったので抜かないで済んでよかったと喜んだが、数日するとまた痛くなってきた。そこの先生はレントゲン的には抜くほどではないと言っていたがやはり抜かなくてはダメなのかと観念したが、歯科医院で処方されたヒノポロンという軟膏を塗ってみたらかなり良くなった。でも寝る前に毎回ぬるのも厄介なので夜の歯磨き後緑色のうがい薬「コンクール」でうがいを続けてみたら今は殆ど痛みはない。コンクールが歯周病菌の細胞膜に付着して歯周病菌を殺してくれて症状を軽くしてくれたものと思われる。歯周病の予防は歯の根元を良く磨くこととされているが歯周ポケットを作ってしまったらその中まで磨くことは出来ない。その点うがい薬ならポケットの中まで液が届くので効果があるのかもしれない。どの程度まで進行した歯周病まで効果があるのかはわからないが少なくとも痛みが出始めた初期のものには効果があるのではないかと思われた。
2019.07.20
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今朝の新聞で2018年に亡くなった人の死因統計で老衰が死因3位になったと報じていた(全死因の8%)。一位はがんで2位が心臓病、4位が脳卒中などの脳血管疾患、5位が肺炎になっている。1980年までは脳血管疾患がトップだったがその年に一位をがんに明け渡し1985年頃心臓病に抜かれ今度老衰に抜かれて4位になった。高齢者の多くは肺炎その他の感染症やがんや脳血管疾患などで亡くなるがどう考えても老衰だと思われる症例に老衰と診断してきたが実際にはもっと多いと実感している。病院で死亡するケースの内90歳以上の超高齢者では半分以上が老衰の印象を持っている。なるべく老衰の診断書は書かないようにしてきたが実質は老衰だったと思われるケースも多く、超高齢化社会になった現在、老衰の比率はもっともっと高くなっていくものと思われる。見方を変えると老衰で人生の終局を迎えることは自然の流れであり、その比率が高くなっていくことは望ましいことだと考えられる。
2019.07.15
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長命者が増え高齢者人口が増えてきて高齢者に対する医療対応が変わってきた。数十年前は80歳以上の高齢者には胃カメラはしなかった。検査そのものが大変だったし、検査で何か見つかっても手術も出来ないので無意味な検査とされてきた。ところが今は2か月くらい前のブログにも書いたが胃の幽門が狭窄して食事が食べられなくなった97歳女性を山梨大第一外科で引き受けてくれて先日無事手術が終了してリハビリ目的で当院に転入院してきた。食事が食べられるようになり近々当院からも退院予定である。昔ならとても考えられないことである。私は今の病院に勤めて12年位になるが、勤め始めのころは、入院患者さんで90歳以上はめったにいなかった。いれば人生の終末で静かに見守ってやるのが良いとされてきた。所が今は入院患者さんの殆どは90歳以上である。数か月前94歳の男性を受け持った。認知症があり、食事が食べられなくなって点滴で栄養をつないでいたがいよいよ人生の終末を迎える時がきたものと認識していた。呼吸困難や痙攣などがあっても終末への一症状としてそれほど重視していなくて家族に連絡しなかったら、見舞いに来た家族から状態が変わっているのに連絡してくれなかったと随分苦情を言われた。高齢で認知症などがあり口もきけなくて意思疎通ができないような患者さんの場合、老衰でいよいよその時が近づいてきているのでその覚悟をしておいて下さいと家族に言ってきたが、今はその状況が変わってきていることを実感した。たとえ90歳以上であっても、認知症があっても、食事を食べなくなっていてももう寿命を迎える段階ですとは言えなくなってきている。まだまだこれから何年も生きるのではないかと思える時代になってきたのだと思う。医療者側の考えも変えていかなくてはならないと思った。食事をたべないとか発熱とか貧血とか高齢者にはつきものだが90歳以上だからとかは言えなくなってきた。いくら90歳以上でも様々な症状に対して 今まで以上に細心の注意を払いながら診療していこうと思っている。
2019.07.10
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最近引きこもりの人の児童殺傷や児童殺傷懸念から親に殺される事例が続発して引きこもりの子供を持つ親たちの不安が増しているが、引きこもりがそのような事件を起こすとは限らず一つの事件から過剰反応して引きこもりの子を持つ家族を追い詰めたり苦しめたりしてはならないと思う。日本医師会雑誌5月号の特集は「妊娠と薬の使い方」であった。妊婦にとって一番の心配は催奇形性で5体満足に生まれてくれることを願って妊娠と分かった段階で今まで服用していた薬を止めて体調を崩して胎児に悪影響を与えるケースもあるとのことだ。例えば精神疾患で薬を飲んでいた場合、薬を中断すると精神状態が悪化する可能性が高く、妊婦の自殺や胎児虐待、早流産、胎児発育不全、産後うつ病の増悪、それに伴う乳幼児虐待につながることもある。また生まれてからの子供の情緒的発達状況を調べた研究では妊婦の不安が高い群では情緒的障害を持つ子供の頻度が高いというデータが示されている。引きこもりなども妊娠中の母親の精神的不安定と関係している場合もあるかもしれない。薬の添付文章は動物実験に基づいたもので人間の疫学研究に基づいたものではない。従ってほとんどの薬に安全性が確認されていないので妊婦には禁と書いてある。ある薬を服用していた女性が妊娠した場合その添付文章に妊婦には禁と書いてあったのに妊娠と知らずにその薬を飲み続けてしまったので心配だと中絶してしまったケースもある。動物実験は人間が常用する量の何十倍もの量で実験するのでもしその量で動物に催奇形性があったとしても人間には影響はない場合がほとんどである。薬を飲まなくても先天異常を持つ赤ちゃんは3%前後いる。妊婦には禁と書いてある薬でもその頻度が特別上がるわけではないのでいたずらに不安をあおらない方がよいと思う。全国47都道府県には必ず「妊娠と薬情報センター」の拠点病院があり、薬剤師が妊婦の不安や質問に答えてくれる。電話や郵便でも答えてくれるので妊娠中の薬について不安がある方は連絡を取って相談してもらいたい。県庁に連絡すれば拠点病院への連絡方法を教えてくれるはずである。
2019.06.25
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医薬品には医師が処方する医療用医薬品と一般用医薬品(OTC薬)がある。一般用医薬品は薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで買うことが出来る医薬品で現在約一万一千種類ある。自分で自由に購入できることから医療用医薬品に比べて作用が穏やかで副作用が少ないと考えられている。薬局ではOTC薬の他にサプリメントも自由に買うことが出来る。これは食品に分類されており、いわゆる栄養補助食品で、特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品である。医薬品は効能と副作用を明記しなければならないがサプリメントはその必要がなくむしろそれを明記すると法に触れることになる。しかし広告や宣伝は自由でテレビやインターネットを通じて「疲労がとれる」とか「肌が若返る」とか「体力がつく」とか大々的に宣伝しており、今や殆どの人がなんらかのサプリメントを常用している。効果は明記されていないが口コミや自分が服用してみた実感で評価している。副作用があった場合は製造会社の責任より自己責任の方が大きく、購入した自分が責任をとることになる。外国製品などもインターネットで簡単に購入できるが有害物質が含まれていることもあり、自己責任での購入になるので効果や副作用についてよく調べたうえで購入するのが良いと思われる。バランスよい食事から必要な栄養素を摂取するのが理想だが、もしサプリメントで体調がよくなった実感があるなら決められた摂取量を守っての摂取なら問題ないと思われる。
2019.06.20
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A)フレイルとは、厚生労働省研究班の報告書によると「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされている。以上を分かりやすく言うとフレイルとは健康と要介護の中間で「体の色々な部分の衰え」と「精神心理面の衰え」や「社会性の衰え」も関わりながら自立度が落ちていく状態で、日常生活の中で継続して前向きに努力すれば様々な機能を取り戻すことが出来る状態と言える。 フレイルの基準には、さまざまなものがあるがFriedが提唱したものがよく採用されている。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断する。1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる3.歩行速度の低下4.握力の低下5.身体活動量の低下B)フレイル対策フレイルの介入方法には、持病のコントロール、運動療法、栄養療法、感染症の予防などが挙げられる。持病や感染症予防は主治医と連携して行って頂くとして個人として心掛ける運動療法や食事、社会活動などについて以下に述べる。1)運動療法としては厚生労働省は「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」として、今より10分多く体を動かすプラス・テンの呼びかけを行っている。それは日常生活そのものに運動の要素を取り入れることで、例えば、「出かける時はなるべく徒歩で出かける」、「階段を積極的に上り下りしてみる」ことや、「テレビを見ながら足の運動をしてみる」、「家族や友人に会いに行ったり、催し物に行ったりなど、外に出掛けるきっかけをつくる」ことなどを行い、運動する時間を増やす。歩く時は、お尻と背筋を伸ばして腕を振り、歩幅を大きくして少し速く歩く。身体をしっかり伸ばして大きく足を動かすと、全身の筋肉を効率よく使うことができる。2)筋肉や骨をつくるために必要なたんぱく質などの栄養素を食事から摂取し、レジスタンス運動を行って筋肉の合成や骨密度の維持を図ることも効果的。レジスタント運動とは筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動で スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動である。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められる。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動なので、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要がある。毎日行うのではなく、2,3日に一回程度、週あたり2,3回行うくらいの運動頻度が推奨され無理のない範囲で「継続的」に行うのが良いとされている。3)加齢による食事量の低下に加えて、食欲低下もあると慢性的に栄養不足の状態になる。慢性的な低栄養の状態は、サルコペニア(筋量減少、筋力低下)をさらに進行させるという悪循環へ陥る。筋肉の合成に必要なたんぱく質や野菜、果物などバランスよい食事を心掛ける。4)運動療法は個人に合ったものから始めることが大切。ベッドの上で足の運動を行うことから始まり、椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返したり、歩行距離を徐々に延ばしていくように運動強度を調整する。筋力が低下している状態で、いきなり立ち上がったり、無理に歩行しようとすると転倒や骨折を起こす危険があるので注意する。5)運動療法は栄養療法とセットで行う必要がる。低栄養状態で運動を行っても筋肉がつかないどころか、低栄養状態を助長してしまう。筋肉をつけるために必要な良質なタンパク質を摂るように心がける。6)フレイル予防には社会参加も重要で自治会活動や趣味を同じくする者同士の同好会やボランテア活動に積極的に参加することもフレイル予防になる。 従来は高齢になり体力が落ちたり認知機能が低下したりすると歳だから仕方ない、そのうちに要介護になり次第に衰弱して寿命を迎えるのが自然の流れと考えられていたが、最近になりフレイルの考えが導入され、努力することによって様々な機能を取り戻すことが出来ることが分かってきた。それにも限界があったり個人差もあると思われるが少しでも取り戻せるなら努力した方がよいと思われる。
2019.06.14
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蛍光灯を支えている力が無くなって転落したこともありこの頃毎日体力のなさを痛感している。座っていて立つのに何かにつかまったり、手を床についたりしないと中々立てなくなってしまった。先日88才の女性患者さんが重症で医大に紹介したが、治療を受けて退院した後本日私の外来に戻ってきて迅速な対応をしてくれたと感謝の気持ちで握手を求められた。ギュウと凄い力で握りしめられ痛かった。とても私にはその半分の力もないと思った。88歳の女性よりも遥かに力が無くなってしまった自分、いよいよ終末を迎える時期になってしまったのかなと思った。しかし一方で外来診療や入院診療などはきちんと出来ている。体力が無くなったら精神的仕事なども出来なくなってしまうものなのだろうと思っていたが必ずしもそうでは無さそうである。体力の衰えと精神力の衰えは別物と考えていいのかもしれない。体力と精神力の内どちらがリーダーシップをとるかといえば精神力だと思う。精神力がリーダーシップをとって体力を鍛える必要があるのではないかと思えた。ここ数日は鍛えるレベルをはるかに超えて衰えており、鍛えても無駄と思ってきたが、精神力が健在の内はまだ見込みがあるかも知れないと思えてきた。体力強化に挑戦してみようと思う。
2019.06.11
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誰も朝起きた時体調がいいとか悪いとか判断していると思われるが私は最近調子が悪いと感ずることが多い。それでも職場にきて仕事服に着替えたら気持ちはパシッとする。しかし体力や精神力、記憶力の衰えはいかんともしがたい。したいことと出来ることの乖離が次第に大きくなっていく。筋力が衰え座ったり立ったりするのが大変になってきた。自分の思うように体が動かなくなり自分もいよいよ老体になってきたなと感ずる。年をとり老体になっていくのは自然の成行きだが、人間は頭脳というコントロールセンターを備えており、自然の成行きは成り行きとしてそれに逆らって少しでも若々しくありたいと思う気持ちがある。その為に多くの人がライザップに入ったりスポーツジムに行ったり健康食を心掛けたりしている。個人で体操したりウォーキングしたりしている人もいる。自然の成行きに任せてそのまま朽ちていくのはつまらないと思っている人達だと思う。私は今まで体力作りとかの努力を殆どしてこなかった。今となっては効果があるかどうかわからないが簡単で効果が確実にあると証明されているウオーキングを始めてみようと思う。意志が弱いので今までは大体始めて3日くらいで脱落してきたが今回は自分の体調の深刻さをはっきり自覚したので石にかじりついても継続しようと思う。
2019.05.14
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私はかれこれ50年間医師をして来た。時代の流れによって患者さんの層が変ってきた。特に最近の5年間では受け持ち患者さんの大半は85才以上である。自分が若い頃受け持っていた患者さんは大体40~50歳でたまに70歳くらいの患者さんがいると随分高齢の患者と感じていた。90才以上だと静かにおみおくりするだけで医療の対象にはならないと考えられていた。80才以上なら胃がんが疑われても胃カメラはしないのが暗黙の基準だった。もしその検査で胃がんが見つかっても手術などの治療はできないと考えられていたからである。所が今やその状況はがらりと変わった。今私は90歳の男性、94歳の男性、97歳の女性、80歳台男性、70歳台女性、70歳台男性を受け持っているがかっては70才というと随分高齢の患者さんだったが今は随分若い患者さんになっている。胃カメラだって80歳以上はしないどころか嘔吐で受診した97歳の女性患者さんに本日胃カメラを行い、胃の出口が狭窄していることが分かったので外科にお願いして手術してもらう予定である。今は80歳でも90歳でも100歳でも一般と同じ検査が行われ同じ治療がなされる時代になったのである。家族に対する病状の説明でもかっては90才以上だともうお歳ですから静かに見守ってやるのがよいと思いますと説明していたが今では「お歳ですから」の言葉は通用しなくなりつつある。心労が倍加したように感じているが、時代の変化を受け入れその流れに沿いながら患者さんにとって何がベストかを常に考えながら医療を行って行こうと思っている。
2019.04.20
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今夜のNHK「ためしてガッテン」のテーマは人間が進化の過程で四つ足から二足歩行に進化した中で骨盤腔が広がり膀胱が下に下がってしまい尿漏れや頻尿など症状で、多くの人が苦しめられているがその解決法についての話であった。結論は骨盤腔の下に内臓を支える骨盤底筋があるが、その筋肉を鍛えることが治療につながるとのことであった。その方法はスーと息を吐いて横隔膜を上に上げた瞬間にお尻の筋肉に力を入れて肛門を閉じる訓練を3回するのを1セットとして1日10回するのが良いとのことだった。数か月続ければ改善もしくは治癒につながるとのことだったが、何事も継続する根気と努力が大切だと思う。いい方法があっても面倒だからと何もしなかったらそのような嫌な症状に一生苦しめられることになる。症状のある方はその運動を続けてみたらよいと思う。
2019.02.27
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新横浜プリンスホテルで行われた第47回日本総合健診医学会と第4回人間ドック健診専門医研修会に参加して先ほど帰ってきたところである。その中で専門医研修会での戸崎光宏先生の講演「乳がん検診に対するマンモグラフィ診断と総合判定」が有益で印象に残ったので紹介させていただく。今11人に一人乳がんに罹患しておりこれからも増えていく趨勢にあるが乳がん検診を受診する人は35%と少ない。検診方法はX線撮影によるマンモグラフィと超音波検査とMRI検査がある。マンモグラフィでは、見落としや過剰診断が問題になっているが、先日の山梨県農村医学会で山梨県厚生連から3Dマンモグラフィの発表があったが、その新しい3D撮影だと見落としや過剰診断が少なくなり欧米ではどんどん普及しているが日本ではまだ少ないので、お金が高額で、撮影や読影に時間がかかるが、日本でも多くの施設で導入すべきであるとの話があった。3Dを導入したとしても完全ではないので超音波検査を併用することも大切である。日本のカテゴリー分類 1、2、3、4,5で3以上が要精検になっているが、世界的に普及しているBI-RADSのカテゴリー分類では3はおそらく良性の扱いで経過観察になっている。日本のカテゴリー3の扱いをBI-RADSに合わせて分かりやすくすべきであるとの話もあった。また今はがんとして治療されているDCIS(low grade ductal carcinoma in situ)は治療する必要のないがんで過剰診断であるとの報告が多数なされているとのことである。過剰診断を少なくし、より精度の高い検診を進めて乳がんで死亡する人を一人でも少なくするように勉強して努力していかなければならないと思った。
2019.02.02
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今日は仕事始めで大勢の患者さんが外来にきて午前中の外来が午後2時過ぎまでになってしまった。患者さんの多くはインフルエンザである家庭では帰省した息子さんが罹っており、家にいた祖母が罹り、嫁さん、子供が罹り、総勢6人全員インフルエンザA型が陽性だった。その内5人はインフルエンザの予防注射を受けたという。厚労省はインフルエンザに罹らないようにするために予防注射を受けましょうと言っているが、受けた人の方がインフルエンザに罹っているような印象がある。少人数の母集団の趨勢をみて大集団の傾向を論ずるのは間違いかも知れないが、大集団についての予防注射を受けた人と受けない人の罹患率の正式な数字は示されていない。予防注射を受けた人の方が罹患率が高いとするなら予防注射は意味がなく受けない方が良いと思う。厚労省は毎年、毎シーズン予防注射を受けた場合と受けなかった場合の罹患率を集計して国民に示すべきだと思う。国民の多くは予防注射を受けるとインフルエンザに罹らないと思っているが全くそんなことはない。きちんとデーターを示してそのうえで国民が予防注射を受けるかどうか判断してもらうべきだと思う。
2019.01.04
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今夜は睡眠薬についての勉強会に行ってきた。講師の山梨大学精神科の平田卓志先生はかなりお若い先生だったがはきはきしゃべってくれて分かりやすくて良かった。まず薬を出す前に不眠者には日常生活の指導が必要で、起床時間を一定にする、適度の運動、寝室環境の工夫、夕方以後のカフェインを控える、アルコールの摂取は大量にならないようにする。ニコチンを控える、昼寝は30分以内、ぬるめの入浴を長めにとる、寝る前に牛乳を摂取する、朝日に当たるなどを指導してそれでも眠れない場合に睡眠薬を考慮するが、ずっと飲むものではなくよくなったら止めることを意識して投与すべきであるとのことだった。睡眠薬は以前はバルビツール酸系の薬が用いられていたが現在はベンゾジアゼピン系薬剤が主体で薬物依存や呼吸抑制が少なく広く使用されている。血中半減期により、超短時間型(2-4時間)、短時間型(6-10時間)、中間型(12-24時間)、長時間型(24時間以上)の4郡に分けられて使用目的に応じて多くの薬が市販されている。効果発現が早く危険な副作用が少ないため多く使用されているが若干依存性やふらつき、記憶障害などが起きることがあり、長期服用には注意する必要がある。最近副作用がさらに少なくなった自然の眠りとほぼ同等のオレキシン受容体拮抗薬であるベルソムラという薬が登場してきた。一般の睡眠薬は30日しか処方できないがこの薬は安全な薬ということで90日間処方が可能で、自然の眠りが得られる大変良い薬だが、飲んでからすぐ眠れないという欠点があり、せっかくこの新しい薬を処方しても眠れないから前の薬に戻してくれと言ってくる患者さんが多い。従来の薬とこの薬では作用機序が違うので睡眠感覚が異なるで眠れないと感じてしまうが、寝る直前ではなく寝る30分以上前もしくは夕食後飲むようにしたらよいとのことだった。それから今まで服用していた薬を止めてこれに切り替えるとすぐ眠れないので効かないと思ってしまうので最初は前の薬と併用して服用して徐々に前の薬を減らして最後は取り除くようにしたらよいとのことだった。それから眠れても眠れなくても7時間ベッドの中にいるようにしてもらいたいとの話もあった。バルビツール酸系からベンゾジアゼピン系に進化し最近オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)が登場してきたがさらに副作用が少なく直ぐ眠れる薬が近々出てくるのではないかと期待している。
2018.12.27
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昔から睡眠時無呼吸の症例はあったが全く関心は持たれていなかった。しかしバスや電車の運転手が事故を起こして健康診断の結果、彼らが睡眠時無呼吸症候群だったとして注目されるようになり今では殆どの病院に同症候群の専門外来がある。7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上出現するか1時間に5回以上出現するものと定義されているが、殆ど自分では認識することが出来ない。家族に指摘されて病院受診して診断されるが、10秒どころか数分無呼吸になっている人もいる。 症状は睡眠時間は取れているのに昼間うとうとすることが多く、運転中など神経を集中していなけれなならない時でも眠くなってしまうとか、寝ている時口の中がからからになっているとか夜間何度もトイレに起きる(夜間頻尿)とか、朝起きた時すっきりしなくて寝たような気がしない等が自覚症状である。他覚所見としてはイビキである。これは殆ど必発で睡眠中に筋肉の緊張が緩み、舌根が沈下して気道閉塞が起こり、呼吸の度に粘膜同士でこすれて大きな音が出る状態である。それがひどくなると完全閉塞が起こり、無呼吸になり、体の中の酸素が欠乏してくると慌てて大きな呼吸をするのを繰り返すことになる。一緒に寝ている家族が患者のイビキが止まってどうしたのかなと思っていると突然大きな息を吸いこんでくれて安心することになるが、あまり長く止まっていると死んでしまうのではないかと不安になることがある。 対処法は舌根沈下を防ぐために横向きかうつ伏せで寝ることでかなりイビキが少なくなり無呼吸も減ってくる。下あごが少し前に出るように造られた歯型(マウスピース)を口の中に入れて眠る方法や、口を開けて口呼吸をしているから口の中が乾いたりイビキが出るので口が開かないように絆創膏で上下の唇を張り合わせる方法もある。病院に行くと無呼吸の程度に応じてCPAPという機械での治療を勧めてくれることがある。これは電動で常に鼻から一定量の空気を送り込む機械である。無呼吸になるのは気道が完全に閉塞してしまうからだが外部から常に気道に空気を送り込んでくれるので完全閉塞を避けることが出来るのである。 本症候群に罹ると仕事の能率がさがり、自動車事故の可能性が高まり、記憶力も落ちる。上記に書いた自覚症状があり、家族からイビキがひどいと言われている人は一度睡眠時無呼吸症候群の外来を受診することをお勧めする。
2018.11.11
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昨夜中学の同級会があった。3年前の会より参加者が増えており、意外だった。東京や千葉、川崎などからよく山梨まで来たものだと思った。東京在住のある女性同級生が「Kさん(私の名前)は悪い所ないの?」と聞いてきた。「悪い所だらけですよ。睡眠時無呼吸症候群で呼吸が2分近く止まってしまうことがあるのですよ。過活動膀胱でおもらししたり夜何回もトイレに起きたりするのですよ。それに最近は背中が曲がってきたと言われているのですよ」と答えたら、「運動している?運動しないからそんなことになるのですよ。私は殆ど毎日筋トレジムに通い、30分は歩いていますよ。歩いてますか?」と聞かれた。それに対して私は「毎日が忙しくて中々できないです」と答えたら「時間は自分で作るもの。聞くところによるとピアノをしているとのこと。ピアノがなんの役に立つの?止めちゃいなさい。健康になるための運動をしなくちゃだめじゃないの」「お金を残しても死んでしまえば終わりなので私は健康ジムや旅行、温泉などに金を使って楽しんでいます。家に閉じこもっていないで外に出て色々な人と話をしています」とのことで「今日の話は大変参考になりました」と言ったら「参考にしてもらっても何の役にもたたないのよ。実際にしなくては!!」と言われた。確かにその人は元気はつらつとしており、老化が進んだ他の同級生達より輝いていた。本気になって運動しなくてはいけないかなと思った。他の同級生は私が神戸の学会に行ってきたことを知っていて内容が難しかったのだってねと私のブログを読んで知っており、驚くと同時に読んでくれているのだと思い嬉しかった。他の同級生は山梨のNEC工場に勤めていたが、いまはそれはつぶれてしまって市役所の一部になっており、当時はNECの工場は各県に一つ以上あったのが今では全国で3つくらいしか残っていないと話してくれて栄枯盛衰の悲しさを感じた。昔のNECの繁栄はそのまま中国に移ってしまったとのことである。色々なことを教えてもらい楽しかったし、意外にも皆さん歌が結構上手で驚いてしまった。3年後にまた開催するという。万事繰り合わせて参加しようと思う。
2018.11.08
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ラジオの「話題のアンテナ日本全国8時です」の月曜日の担当は医学ジャーナリストの松井宏夫さんで今日はインフルエンザを取り上げていた。インフルエンザにかかってた場合、薬を飲まなくても大体4日で快方に向かうが、タミフルを飲むと3日で快方に向かい1日短縮される。しかし朝夕2回で5日間も薬を飲まなくてはならない。しかし今度塩野義製薬から出されたゾフルーザという薬は1回飲むだけで1日で治ってしまうという夢の薬である。副作用もタミフルより少ないとなっているが、新しい薬なので今まで知られていなかった副作用もあるかも知れないので注意していく必要があるとのことだった。それにしても5日間飲んでもそれほどの効果が実感できなかったタミフルに対し、一回飲むだけで抜群の効果を示すとのことで今後はこの薬が治療薬の中心になっていくと思われる。医学の進歩は大したものだと思った。それに続いて予防注射を受けるに適切な時期についての解説があり効果が発現するまでに2週間位かかり効果持続期間は4~5か月なので11月上旬の今の時期が一番良いという話をしてくれた。
2018.11.05
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89歳の女性が入院している。私が回診する時にはいつも笑顔で回診感謝と手を合わせてくれる。しかし看護記録を見ると夜間暴言を吐いたり騒いだりせん妄状態になって鎮静剤を注射したなどと書いてある。認知症にはアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、葉酸欠乏や甲状腺機能低下による偽認知症など色々な種類があるが、軽い物忘れから始まってついには子供や家族も分からなくなってしまうアルツハイマー型認知症が最も多い。しかし入院患者さんなどでみるとレビー小体認知症も結構多い。この症例もそれにあたりレム睡眠の時に幻視や幻覚で騒ぐことが多い。アルツハイマー型だと次第に記憶力がなくなり、ぼんやりしておとなしいことが多いがレビー小体型だと認知状態が良い時と悪い時があり、夜騒いだりすることで区別される。原因はアルツハイマー型はアミロイドβという物質が脳内にたまり、レビー小体型はレビー小体が脳内に溜まる病気だが、予防はほぼ同じと考えてよい。多くの認知症の患者さんを診させて頂いたが多くは一人暮らしで社会との交流が少なく、食事も偏っていた。ということは予防はその反対で社会の中に積極的に加わり、自治会活動やボランテア活動に積極的に参加するのが良いと思う。また食事もバランスのとれた食事を心掛け、中でも脳に良いと言われる、大豆や玄米、青み魚やキノコ類などを記憶力が悪くなってきたなと感じた頃から積極的に摂取するのが良いと思う。もうどうすることもできない完全な認知症になる20年くらい前から徐々に認知症は進行していくので50歳代、60歳代から予防に心がけるのが大切だと思われる。
2018.10.14
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今大学の消化器内科同窓会から帰ってきたところである。肝臓病が専門でC型肝炎はインターフェロンを使わないで内服薬だけで治る時代を作った立役者の一人で新進気鋭、教授になったばかりの本学出身の俊英が50歳代前半の若さですい臓がんで亡くなった。その追悼を兼ねていたのでいつもより大勢の同窓生が集まった。その先生がいかに優秀で仕事熱心で若手医師を厳しく指導したかなどが口口に語られた。今秋神戸で開かれる肝臓学会総会を控え、学会長を支える事務局長の立場で病床にありながら様々な努力をしてくれていた話には話してくれた学会長をする教授だけでなく聴いていた多くの同窓会員が涙した。ある先輩同窓会員が、今大学で診療、研究している優秀な先生方は是非すい臓がんの早期発見や治す方法を確立してもらいたいとスピーチしたが皆同じ気持ちだったと思う。学生時代から極めて優秀だったその先生、これから益々の活躍が期待されていた矢先、病気発見から数か月で帰らぬ人になってしまった。最近では沖縄の知事、古くは千代の富士など多くの方々が若くしてすい臓がんであっという間に亡くなっている。医学者達は何をしているのか?の声が聞こえてくる。世界的にみると日本のすい臓がんの生存率は高い方だがそれでも5年生存率は数パーセント以下だ。(進行度によって多少生存率は異なるがそれらを合計すると昨年の統計で8.6%)亡くなった先生の教え子達が中心になって是非ともすい臓がんで死なない方法を確立してもらいたい。
2018.09.15
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先日、以前からB型肝炎と言われているが国から給付金がもらえると聞いたがどのように請求したらよいか、また治療はどうしたらよいかという男性患者さんが来た。給付金は7歳までに消毒が十分でない注射針を使った予防注射を受けて肝炎に感染した人、何年生まれ以後の人など条件はあるがそれらの条件に合致すればもらえる場合もあるので弁護士事務所に電話して相談してみて下さいと話した。給付金というのは国がおたふくかぜ、小児麻痺その他様々な病気の予防注射を推奨したがそれによって肝炎に感染してしまった患者さんに国が賠償金を支払う制度で最高3600万円、状況に応じて数百万円、数十万円が支払われている。治療についてはインターフェロンやステロイドなどを使う場合もあり肝臓専門医がいる病院で治療を受けるように指導した。上記ケースはB型肝炎だがC型肝炎でも給付金制度があり、状況に応じて最高4000万円から、数十万円まである。ただしこちらは血液製剤の点滴を受けた経歴が必要になるみたいで詳しいことは弁護士に確認してもらいたいと思う。治療については数年前まではインターフェロン注射が治療の中心だったが今はインターフェロンなしで内服薬だけで治る時代になり、すごい進歩だと思っている。費用は数百万かかるが、その費用の大半は国や県で補助してくれて自己負担は数万円なので肝臓専門医のいる病院で治療してもらうことをお勧めする。
2018.09.08
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暑い暑いと言っている間に9月も2日になってしまった。例年ならお盆が過ぎるころから秋風が吹き始め9月に入ると冷気も感じられていよいよ秋だなと寂しさを感ずるものだが今年は違う。まだ暑さは続いており寝るときはクーラーが必要だ。しかし数日中には秋に移行していくと思われこれからの体調管理を考えてみたい。今まで暑かったので夕食の時350mlの缶ビールを一缶飲むのを常にしてきたが、そのせいか、夕飯後しばらくすると眠くなって脱力感が出てすっきりした時間を過ごしていない。ビールを止めようかなと思っている。5月の終わり頃から朝6時25分からのラジオ体操を始めた。それでその時間に遅刻してはいけないと早くから目を覚ましているので寝不足になっている面もあるがこれからもラジオ体操は続けて行こうと思う。朝1回だけでは効果が殆ど実感できていないので帰宅後夕方から夜にかけてもう1回くらい録画でラジオ体操をしようと思う。睡眠時間を6時間以上取るようにしたい。食事は野菜を中心にして全体の量は食べ過ぎないようにしようと思う。運動は少し涼しくなってきたのでゴルフの練習などに2週に1回くらい行こうと思う。ストレスを溜めないように気分転換を上手にしようと思う。以上私なりにこれからの体調管理を書いてみたが皆さま方も猛暑のために溜まっている夏の疲れを取るために十分な睡眠とビタミン豊富な食事と適度の運動を心掛けてよい秋を過ごしていただきたいと思います。
2018.09.02
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腰椎圧迫骨折や直腸がん、認知症等があり、食事が殆ど食べられなくなった98歳の女性患者さんを受け持っている。点滴をしばらくしていたがいよいよ抹消の手や足などから点滴が入らなくなったので今後について家族と話し合った。家族はかねてからもう十分生きたし、がんや認知症もあり、点滴が刺せなくなったら何もしないで静かに見守ってもらいたいとの希望だった。こちらもそのように対応するつもりだったが、最後に「何もしないと今後大体1~2か月という寿命が決められてしまう。鼠径部にカテーテルを入れてそこから栄養や水分を入れる方法や鼻管を入れてそこから流動食を入れる方法をとると何もしないで終末を迎える1~2か月より長く生きられるかもしれない」という話をしたら、しばらく考えた末「鼻管栄養をお願いします」とのことだったので今鼻管栄養を開始している。人生の終末を迎える頃には、自分の意志で終末期の治療をどうこうすることはできないことが多く、家族と医療者側でその患者さんにとってどうしてやったら一番幸せな終末が迎えられるかを考えて対応している。もしかしたらこの患者さんにとっては「なにもしない」がベストの方法だったかもしれないが家族にしてみると「何もしない」だと今後の寿命を1~2か月と家族が決めてしまうことになり心苦しく感じたのだと思う。しかしそれは家族が心苦しいという家族側の心情であって、本人にとってはどうなのかをもう少し考えた方が良かったかもしれない。何もしないというのは自然の状態であり、終末期に人工的な手を加えないことである。そのようにする決断は難しいが、今後は「何もしない」派が次第に増えていくのではないかと思う。
2018.08.27
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70歳女性が突然の腹痛と下血で入院した。出血も止まってきたので昨日大腸カメラをして虚血性大腸炎と診断した。今朝回診に行ったらなぜそんな病気になったのか?予防はどうしたらよいのか、退院はいつになるのかなどたてつづけに質問されたので丁度見舞いに来ていたご主人と本人にベッド脇で説明した。原因は大腸粘膜の血流が少なくなって(虚血)血栓ができたり炎症を起こしたりするためですと答えたら、なぜそのようなことが起こるのですか?と聞かれた。動脈硬化や便秘、高齢化などが原因と考えられていますと答えたら、70歳なので高齢化は分かるけど便秘はないし、動脈硬化もないと思うのでこんな病気になったのはおかしいと言われた。確かに血圧も高くないしコレステロールも正常なので動脈硬化はないと思っているようだが現在血圧とコレステロールの薬を飲んでいるので今は正常でもそれ前にある程度の動脈硬化は起こっていたと考えられるので次の回診時にはそのことを言おうと思う。予防法については規則正しい生活や野菜を多く食べること、便秘しないようにしてストレスをためないことが大切です。と言ったら「そういう生活をしていたのに病気になってしまった」と不満そうな顔をしていた。退院は来週中ごろには出来ると思うとお答えした。今までずっと健康で来たのに突然大量の下血がありショックを受けたのだと思う。回診の度に難しい質問をしてくるが丁寧にお答えしていこうと思う。
2018.07.14
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庭のひまわり7/2(月)のラジオ「日本全国8時です」の担当は医学ジャーナリスト松井宏夫さんでビタミンDの話をしてくれた。従来ビタミンDは骨を強くする働きがあると言われていたが、最近新たにがんにかかりずらくなり長命につながるとの研究報告があり、注目されているとのことだった。大腸がん他ほとんどのがんでビタミンDの血中濃度が高い人は低い人に比べがんにかかりずらいことが分かってきたっとのことだ。ビタミンDは日光に当たると合成されるが食品でも摂取できる。日光に当たりすぎると日焼けなどの問題があるので、手のひらを10分間程度日に当てる程度で十分とのことだった。食事では魚やキノコ類がビタミンDを多く含んでおり、おすすめとのことだった。
2018.07.04
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昨日の夜東京で会合があったので浪人時代東京の上高田で同じ下宿長屋に住んでいた友人と渋谷のヒカリエで会ってきた。彼は10年前からパーキンソン病を患っていたがその頃から心臓も悪くて何回も心不全になり、救急車で4回も運ばれたとのことで、昨年入院中に電話で話した時には心不全で呼吸も苦しくて酸素吸入中とのことだった。退院も難しいと思っていたが、今年になって「元気になったので東京に来る時があったら寄って下さい」との連絡を頂いた。それで昨日渋谷の忠犬八公前で会う約束をしたが、車いすか何かで来ると思っていたら車いすどころかスタスタ歩いて現れて毎日4-5千歩位歩いており9000歩くらい大丈夫とのことだった。毎日介護施設に通ってリハビリを受けており、毎週木曜日はボランティア活動と決めて花壇の手入れや草取りやアロエ植えなどをしているとのことだった。パーキンソン病の進行程度や心臓病の悪化状況から元気になったといってもやっと生きている状況かと思ったらあまりの元気さに心底驚いた。ハチ公前からヒカリエビルまでスタスタ歩いて案内してくれて11階の喫茶店でコーヒーをご馳走してくれた。今73歳だがまだまだやることは沢山ある。環境にやさしく燃費節約になるガソリンを浄化する製品であるエコネスト販売の関東エリア代理店の代表にも就任したとしてエコネストの見本も頂戴した。元気の秘密はどこにあるのか聞いてみた。朝は早く起きて必ず運動をしている。睡眠をきちんととり、食事はたべすぎに気をつけて腹八分目にしている。また人生の目的が明確でなかったら健康も意味がないのでボランテア活動とか環境浄化活動をして少しでも社会に役立とうとしているとのことだった。パーキンソン病になると字が小さくくちゃくちゃした字になってしまうのでリハビリとして意識して字をきちんと書く練習をしてワープロでなく自筆で書き上げたかなり厚い自叙伝を渡してくれた。非常にきれいな字で心から感心した。心臓にはペースメーカーを入れてもらいパーキンソン病の薬も飲んで医療にはお世話になっているがそれに頼り切るのではなく、自分で健康を守るために努力している姿は病気を抱えている人たちのよいお手本だと思った。彼と別れた後、新宿の京王プラザで北海道大学生時代にお世話になった方々と会って楽しいひと時を過ごすことが出来て大変有意義な一日だった。
2018.07.01
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国立がん研究センターを中心にする研究チームが血中のマイクロRNAの測定によってがんの早期発見が可能になる研究を進めており、2-3年の内に実用化される見通しとの報道があった。現在CEAやCA19-9等の腫瘍マーカーがあり、世界中では42種類位あるがいずれもがんが大きくなってそのかけらが血液中に漏れ出てきたものを検査していたので大きくなる前の早期がんを見つけることは出来なかった。しかしマイクロRNAは遺伝子に関係した物質でがんが大きくなるまえの初期の段階でも分かるというもので画期的な検査法だ。しかもがんの種類まで分かる。今のところ13種類が分かるとされており、それは食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、肝がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立せんがん、膀胱がん、肉腫、神経膠腫である。実用化されれば一般の検診センターなどで受診可能でがんの早期発見に大きな役割を果たしていくことになると思われる。現在すでに主な研究は終了して今はその確認作業を行っている段階とのことである。(がん研究センター研究分野長 落谷孝弘氏のドクターサロン6月号解説記事参考)
2018.06.21
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源平桃(咲き分け桃)の実 4月ごろ白やピンクや赤など一本の木に色々の花が咲く木を紹介したがそれが実をつけたのでアップする。どれくらい大きくなるのか楽しみだが観賞用なので食べられるくらいにまで大きくならないのではないかと思う。参考までに花だったころの写真も以下にアップしておく。ところで今日のテーマは葉酸という栄養素についてである。昨年11月に78歳の一人暮らしの男性が足がたたない、食事を食べないということで担ぎ込まれてきて入院した。お腹には腹水が溜まっており、足はむくんで、認知症状もあり、検査では肝機能も腎機能もかなり悪くて助かる見込みはすくないと思われる症例だった。ビタミン不足も考えられビタミンB1やB12を調べたが正常だった。しかし葉酸はかなり低値であった。そこで葉酸を投与したところ2週間位で認知症が改善し、1か月位で腹水がなくなり3月に退院していった。本日外来に来たが見違えるように元気で認知症テストも入院時とは比べものにならないくらい好成績であった。認知症がなくなったのでいろいろなことが聴けた。昔は大酒のみで毎日5合以上は飲んでいたとのことである。足がたたなくなった数週間前は一人暮らしなのでご飯やおかずを食べずにお酒2合位で1日過ごすことも多かったとのことである。葉酸はビタミンMとも呼ばれ野菜やレバーなどに多く含まれているがおかずやご飯を食べなかったので葉酸欠乏になったものと思われる。その結果認知症になり肝硬変になり、腹水が溜まって足が立たなくなったものと思われた。ビタミン類は微量で作用するが、足りなくなるとあらゆる障害がおこるものだと思った。しかしあの足腰がたたず骸骨みたいで右も左も分からない認知症の男性がこんなにも元気になったのかとうれしかった。
2018.05.26
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カーネーション先日結婚式が始まる前の待合に座っていたら「服が着れるように2か月前からダイエットして着れてよかった」「私は3か月前からダイエットしてきた」などの会話が聞こえてきた。私は何もしてこなかったので礼服がキチキチでズボンのフックが中々かからなかった。お腹が出て困っているという人は枚挙にいとまがない。今日も外来に来た人が「お腹をへこます薬が欲しい」とのことで防風通聖散という薬を処方した。これをきちんと服用してお腹をへこませた人もいるが多くは飲んだり飲まなかったりで実際にへこませた人は少ない。お腹が出るということは内臓脂肪が増えることで健康に良くない。お腹をへこませるということは美容や洋服代がかからないことだけでなく健康にもよいのだが簡単にへこまないものである。私もこれではいけないと思って朝6時25分からのテレビのラジオ体操を始めた。簡単な運動だがさびついた体には大変で体の節々が痛いし体が曲がらない。まだ始めて5日くらいだがこれはきちんと続けようと思っている。1センチでも2センチでもお腹周りが減ればよいと思っている。
2018.05.15
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